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特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律第三条第一項の規定に基づき、同項第一号から第三号に掲げる事項を定めた件

提供:Wikisource


環境庁
通商産業省
告示第一号

昭和六十四年一月四日

環境庁長官  青木  正久

通商産業大臣  三塚    博

第1  オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書(以下「議定書」という。)第2条1本文、3本文及び4本文の規定に基づき我が国が遵守しなければならない特定フロンの生産量及び消費量の基準限度

期          間
生産量
消費量
1989年から1992年までの各年の7月1日に始まる各12箇月の期間
119,998
118,134
1993年から1997年までの各年の7月1日に始まる各12箇月の期間
95,998
94,507
1998年以降の各年の7月1日に始まる各12箇月の期間
59,999
59,067

備考  生産量及び消費量の欄に掲げる数値は、それぞれ特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律(以下「法」という。)第2条第4項及び第5項に規定する算定値(算定に用いた特定フロンの量の単位はトン)である。

第2  オゾン層の保護の意義に関する知識の普及その他のオゾン層の保護に関する国民の理解及び協力を求めるための施策の実施に関する重要な事項

オゾン層は、生物等にとつて有害な波長領域の紫外線の大部分を吸収することにより、地球環境の保全上極めて大きな役割を果たしている。

しかるに、近年、大気中へ放出された特定フロン及び特定ハロン(以下「特定フロン等」という。)が、オゾン層を著しく破壊し、生物等にとつて有害な波長領域の紫外線の地表への照射量を増大させることにより、人の健康及び生態系への悪影響をもたらすこと等に加え、大気中のオゾンの分布を変化させることにより、大気の温度構造を変化させ、気候への重大な影響をもたらすことが懸念されている。

オゾン層の破壊により予想されるこのような被害は、世界多数の人々の健康や地球上の生態系に及び広範かつ重大なものであり、また、一度破壊されたオゾン層の恢復には多大の年月を要することから、被害が確認されてから対策を講じたのでは手遅れになるおそれがある。

このため、人の健康を保護し、及び生態系を保全するためには、国際的協調の下にオゾン層の保護を図ることが何よりも肝要であり、我が国としても、国民の理解と協力を得つつ、長期的な視点に立ち、特定フロン等の大気中への放出の削減を図るとともに、オゾン層の保護に関する調査・研究を推進すること等により、国際的なオゾン層の保護対策に積極的に貢献することが重要である。

以下のようなオゾン層保護の意義を踏まえ、以下の方法により、広くオゾン層の保護に関する国民の理解と協力を求めることとする。

①  必要に応じた地方公共団体等との密な連携を図りつつ、あらゆる機会を通じて、オゾン層の保護の必要性に関する国民の啓発並びにの趣旨及び内容の趣致徹底に努めること。

②  オゾン層を破壊するおそれのより少ない製品の普及等について国民の協力を得るため、適切な配慮を行うこと。

第3  第2に掲げるもののほか、オゾン層の保護についての施策の実施に関する重要な事項

1  オゾン層の保護を図るため、議定書により我が国に課せられた特定フロン等の生産量及び消費量の削減義務に対応した製造数量の規制、特定フロン等の排出の抑制及び使用の合理化のための施策、オゾン層の状況等に関する観測及び監視、代替物質及び回収・再利用技術の開発等の対策を総合的に推進することにより、オゾン層の保護のためのウィーン条約及び議定書の的確かつ円滑な実施を確保する。

2  特に、当面、特定フロン等の製造数量の規制のみならず、排出の抑制及び使用の合理化のための対策についても最大限の配慮を行うこととし、技術の進歩に対応した排出抑制・使用合理化指針に即してこれを推進する。

3  特定フロン等の確実な破壊を行うための技術手法の開発・向上・普及を図るとともに、その開発状況を踏まえ、議定書第1条5に規定する破壊技術の検討に貢献する。

4  国際的な連携の下に、オゾン層の保護に関する科学的な調査研究を積極的に推進し、研究成果について、その普及に努めるほか、議定書第6条に規定する規制措置の評価に反映させる。

5  以下のような施策のほか、開発途上国への技術及び知識の移転を促進する等オゾン層の保護に関する国際協力を推進する。

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