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  • 四位になしてむと思し、世人も、さぞあらむと思へるを、 「まだいときびはなるほどを、わが心にまかせたる世にて、しかゆくりなからむも、なかなか目馴れたることなり」 と思しとどめつ。 浅葱にて殿上に帰りたまふを、大宮は、飽かずあさましきことと思したるぞ、ことわりにいとほしかりける。 御対面ありて、このこと聞こえたまふに、…
    72キロバイト (15,561 語) - 2022年12月1日 (木) 08:07
  •  そのまたつぎの年に、仲平は麻布長坂(あざぶながさか)裏通りに移った。牛込から古家を持って来て建てさせたのである。それへ引き越すとすぐに仲平は松島まで観風旅行をした。浅葱織色木綿(あさぎおりいろもめん)の打裂羽織(ぶっさきばおり)に裁附袴(たっつけばかま)で、腰に銀拵(ぎんごしら)えの大小を挿し、菅笠(すげがさ)をか…
    38キロバイト (7,673 語) - 2020年6月18日 (木) 15:54
  • 「駄目ですか。あの桜は珍らしい。何とか云いましたね。え? 浅葱桜(あさぎざくら)。そうそう。あの色が珍らしい」 「少し青味を帯びて、何だか、こう、夕方などは凄(すご)いような心持が致します」 「そうですか、アハハハハ。荒川(あらかわ)には緋桜(ひざくら)と云うのがあるが、浅葱桜(あさぎざくら)は珍らしい」…
    711キロバイト (133,899 語) - 2023年10月17日 (火) 13:49
  • 所(しにどころ)ときめたのである。五助が墓地にはいってみると、かねて介錯を頼んでおいた松野縫殿助(ぬいのすけ)が先に来て待っていた。五助は肩にかけた浅葱(あさぎ)の嚢(ふくろ)をおろしてその中から飯行李(めしこうり)を出した。蓋(ふた)をあけると握り飯が二つはいっている。それを犬の前に置いた。犬はす…
    94キロバイト (19,001 語) - 2021年5月20日 (木) 17:17
  • NDLJP:138】は町中人を払ひて二百・一一百・五六百人も出づるありて、【大坂川浚の状況】一様の襦袢・股引・紅絞(べにしぼり)・鬱金・浅葱等に緋縮緬の襷を掛け、中には悉く縮布を用ひしもあり。伏見町辺唐物仲間には、一様に毛氈・羅紗等を切裂きて、総て唐人の行粧をなして出でぬ。これは目立ちぬ…
    85バイト (18,426 語) - 2024年3月24日 (日) 09:32
  • し給へ共、涙にむせび給ひけり。されども心弱くては叶ふべきにあらざれば、承安四年二月二日の曙に鞍馬をぞ出で給ふ。白き小袖一かさねに唐綾を着かさね、播磨浅葱の帷子をうへに召し、白き大口に唐織物の直垂めし、敷妙と言ふ腹巻着篭めにして、紺地の錦にて柄鞘包みたる守刀、黄金作の太刀帯いて、薄化粧に眉細くつくりて…
    482キロバイト (112,842 語) - 2023年1月24日 (火) 19:22
  • ぶには、道の近いのが好い都合であつた。薬研堀の小野の邸は、丁度今七色蕃椒屋(なゝいろたうがらしや)のある地所の真向であつた。借りた品物の中には切落の浅葱幕(あさぎまく)や下座の大大鼓などまで揃つてゐた。しかし中には手製をしなくてはならぬ品もあつた。譬へばお三婆を殺す時に用ゐるまるたなどである。是は細…
    1.54メガバイト (342,889 語) - 2024年3月25日 (月) 01:52
  • 藤兵衛重俊は、京都より下り、山上道及・上泉主水は、上野の国より会津に赴き、其外三百余、会津へぞ下りける。山上道及は、首供養三度せし者なり。上泉主水は浅葱しなへをさし、利根川の先陣をせし兵なり。【 NDLJP:117】前田慶次郎は、加賀大納言利家の従弟なり。隠れなき兵なれども、不断の行跡、おどけ者故、…
    3キロバイト (116,548 語) - 2024年2月3日 (土) 18:43