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  •  南玉は、両手の人差指で、鼻を押上げ、小指で、口を大きく開いて 「ももんがあ」 「あら。ももんがあが、お厠(しも)から出ますの」 「そうそう、三縁山の丑三つの鐘が、陰にこもって、ぐぉーと、鳴ると――」 「成る程、拙(まず)い講釈師だの」 「便所の蔭から――」 「ちょいと、ちょいと」  南玉は、手で額を叩いて 「出来ましたっ、夜鷹の仮声(こわいろ)は天下一品」…
    1.47メガバイト (284,070 語) - 2023年11月2日 (木) 05:59