港湾法の一部を改正する法律 (令和元年法律第68号)
港湾法の一部を改正する法律をここに公布する。
令和元年十二月六日
法律第六十八号
港湾法の一部を改正する法律
港湾法(昭和二十五年法律第二百十八号)の一部を次のように改正する。
目次中「特定港湾運営会社」を「国際戦略港湾の港湾運営会社」に、「政府の出資等」を「特別の措置」に、「第四十三条の二十八」を「第四十三条の三十一」に改める。
第二条の三の次に次の一条を加える。
(海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の指定)
第二条の四 国土交通大臣は、海洋再生可能エネルギー発電設備(海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律(平成三十年法律第八十九号)第二条第二項に規定する海洋再生可能エネルギー発電設備をいう。)又は港湾区域に設置される再生可能エネルギー源(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号)第二条第四項に規定する再生可能エネルギー源をいう。第三十七条の三第一項において同じ。)の利用に資する施設若しくは工作物(以下この項及び第五十五条の二第一項において「海洋再生可能エネルギー発電設備等」という。)の設置及び維持管理に必要な人員及び物資の輸送の用に供され、又は供されることとなる国土交通省令で定める規模その他の要件に該当する埠頭(以下「海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭」という。)を有する港湾のうち、当該港湾の利用状況その他の国土交通省令で定める事情を勘案し、当該海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を中核として海洋再生可能エネルギー発電設備等の設置及び維持管理の円滑な実施の促進に資する当該港湾の効果的な利用の推進を図ることが我が国の経済社会の健全な発展及び国民生活の安定向上のために特に重要なものを、海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾として指定することができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による指定をしたときは、国土交通省令で定めるところにより、その旨を公示しなければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾(以下単に「海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾」という。)について指定の事由がなくなつたと認めるときは、当該海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾について指定を取り消すものとする。
4 第二項の規定は、前項の規定による指定の取消しについて準用する。
第三十七条の三第一項中「(電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(平成二十三年法律第百八号)第二条第四項に規定する再生可能エネルギー源をいう。)」を削り、同条第四項中「二十年」を「三十年」に改める。
第四十三条の七中「第五十五条の二」を「第五十五条の二の二」に改める。
第四十三条の十二第一項第二号中「掲げる事項」の下に「(前条第六項の規定による指定を受けようとする者にあつては、ニに掲げる事項を除く。)」を加え、同号イ中「ロ及びハ」を「以下この号」に改め、同号ニ中「ハ」を「ニ」に改め、同号中ニをホとし、ハの次に次のように加える。
ニ 埠頭群の運営の推進に関する事項のうち国際基幹航路(国際戦略港湾と本邦以外の地域の港との間の航路のうち、長距離の国際海上コンテナ運送に係る国際海上貨物輸送網を形成するものとして国土交通省令で定めるものをいう。第四十三条の三十一において同じ。)に就航する外貿コンテナ貨物定期船(本邦の港と本邦以外の地域の港との間に航路を定めて一定の日程表に従つて船舶を就航させ、主としてコンテナ貨物の運送を行う事業の用に供される船舶をいう。同条において同じ。)の寄港回数の維持又は増加を図るための取組として国土交通省令で定めるものの内容
第七章第三節の節名を次のように改める。
第三節 国際戦略港湾の港湾運営会社に対する特別の措置
第七章第三節中第四十三条の二十八の次に次の三条を加える。
(国派遣職員に係る特例)
第四十三条の二十九 国派遣職員(国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第二条に規定する一般職に属する職員が、任命権者又はその委任を受けた者の要請に応じ、国際戦略港湾の港湾運営会社の職員(常時勤務に服することを要しない者を除き、埠頭群の運営の事業に関する業務に従事する者に限る。以下この項において同じ。)となるため退職し、引き続いて当該港湾運営会社の職員となり、引き続き当該港湾運営会社の職員として在職している場合における当該港湾運営会社の職員をいう。以下この条において同じ。)は、同法第八十二条第二項の規定の適用については、同項に規定する特別職国家公務員等とみなす。
2 国家公務員法第百六条の二第三項に規定する退職手当通算法人には、国際戦略港湾の港湾運営会社を含むものとする。
3 国派遣職員は、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九十五号)第十一条の七第三項、第十一条の八第三項、第十二条第四項、第十二条の二第三項及び第十四条第二項の規定の適用については、同法第十一条の七第三項に規定する行政執行法人職員等とみなす。
4 国派遣職員は、国家公務員退職手当法(昭和二十八年法律第百八十二号)第七条の二及び第二十条第三項の規定の適用については、同法第七条の二第一項に規定する公庫等職員とみなす。
5 国際戦略港湾の港湾運営会社又は国派遣職員は、国家公務員共済組合法(昭和三十三年法律第百二十八号)第百二十四条の二の規定の適用については、それぞれ同条第一項に規定する公庫等又は公庫等職員とみなす。
6 国派遣職員は、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律(平成六年法律第三十三号)第十七条第一項の規定の適用については、同項第三号に規定する行政執行法人職員等とみなす。
7 国派遣職員は、国家公務員の留学費用の償還に関する法律(平成十八年法律第七十号)第四条(第五号に係る部分に限る。)及び第五条(同号に係る部分に限る。)の規定の適用については、同法第二条第四項に規定する特別職国家公務員等とみなす。
(職員の派遣等についての配慮)
第四十三条の三十 前条に規定するもののほか、国は、国際戦略港湾の港湾運営会社が行う埠頭群の運営の事業の効率化及び高度化を図るため必要があると認めるときは、職員の派遣その他の適当と認める人的援助について必要な配慮を加えるよう努めるものとする。
(情報の提供等)
第四十三条の三十一 国土交通大臣は、国際基幹航路に就航する外貿コンテナ貨物定期船の寄港回数の維持又は増加に資するため、国際戦略港湾の港湾運営会社に対し、当該港湾運営会社の第四十三条の十二第一項第二号ニに規定する取組に係る業務の実施に関し必要な情報の提供又は指導若しくは助言をするものとする。
第四十六条第一項ただし書中「但し」を「ただし」に、「、又は貸付」を「又は貸付け」に、「、その物」を「その物」に、「且つ、その貸付」を「かつ、その貸付け」に、「場合は」を「場合は、」に改め、同条第二項中「前項本文」を「前項」に、「、又は同項但書」を「又は同項ただし書」に、「外」を「ほか」に、「供せられなくする」を「供されなくする」に改める。
第五十四条の三第十項中「貸付を」を「貸付けを」に、「「貸付け」を「「、貸付け」に、「、又は」を「又は」に改める。
第五十五条第六項中「、第四項又は前項」を「又は前二項」に改め、同条第八項及び第九項中「貸付を」を「貸付けを」に、「「貸付け」を「「、貸付け」に、「、又は」を「又は」に改める。
第五十五条の二の見出し中「立入」を「立入り」に改め、同条第二項ただし書中「但し」を「ただし」に改め、同条第三項中「立入」を「規定による立入り」に改め、同条第四項中「証票」を「証明書」に、「呈示しなければ」を「提示しなければ」に改め、同条を第五十五条の二の二とする。
第五十五条の次に次の一条を加える。
(海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する行政財産の貸付け)
第五十五条の二 国土交通大臣は、第五十四条第一項及び国有財産法第十八条第一項の規定にかかわらず、海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する同法第三条第二項に規定する行政財産である第五十二条に規定する港湾工事によつて生じた港湾施設を第三十七条第一項又は海洋再生可能エネルギー発電設備の整備に係る海域の利用の促進に関する法律第十条第一項の許可を受けた者(海洋再生可能エネルギー発電設備等の設置及び維持管理をする者に限る。以下この条において「許可事業者」という。)に貸し付けることができる。
2 国土交通大臣は、前項の規定による貸付けをしようとするときは、当該貸付けを受ける者及び当該貸付けに係る港湾施設の貸付けの期間について、あらかじめ、同項の海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の港湾管理者の同意を得なければならない。
3 国土交通大臣は、第一項の規定による貸付けをするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
4 海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の港湾管理者は、地方自治法第二百三十八条の四第一項の規定にかかわらず、当該海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭を構成する同法第二百三十八条第四項に規定する行政財産を許可事業者に貸し付けることができる。
5 第一項又は前項の規定による貸付けについては、民法第六百四条並びに借地借家法第三条、第四条、第十三条及び第十四条の規定は、適用しない。
6 国有財産法第二十一条及び第二十三条から第二十五条までの規定は第一項の規定による貸付けについて、地方自治法第二百三十八条の二第二項及び第二百三十八条の五第四項から第六項までの規定は第四項の規定による貸付けについて、それぞれ準用する。
7 第四項の規定により海洋再生可能エネルギー発電設備等拠点港湾の港湾管理者が同項に規定する行政財産を許可事業者に貸し付ける場合における第四十六条第一項の規定の適用については、同項ただし書中「又は貸付けを受けた者」とあるのは「、貸付けを受けた者」と、「三年の期間内である場合」とあるのは「三年の期間内である場合又は第五十五条の二第四項の規定により貸付けをする場合」とする。
8 前各項に定めるもののほか、海洋再生可能エネルギー発電設備等取扱埠頭の貸付けに関し必要な事項は、国土交通省令で定める。
第五十五条の四第一項中「第五十五条の二第一項」を「第五十五条の二の二第一項」に改める。
第五十六条の三第一項中「(平成三十年法律第八十九号)」を削る。
附則第二十項の前の見出し及び同項から附則第三十項までを削る。
附則第三十一項中「第七章第三節」を「第四十三条の二十五から第四十三条の三十まで」に改め、「及び特例港湾運営会社に関する規定」を削り、同項後段を削り、同項を附則第二十項とする。
附 則
(施行期日)
第一条 この法律は、公布の日から起算して四月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。ただし、第三十七条の三第四項の改正規定並びに次条及び附則第四条の規定は、公布の日から施行する。
(運営計画に関する経過措置)
第二条 この法律の施行前に港湾法第四十三条の十一第一項の規定による指定を受けた者(以下この条において「既存国際戦略港湾運営会社」という。)は、この法律の施行前に、当該指定に係るこの法律による改正前の港湾法第四十三条の十二第一項第二号に規定する運営計画(変更があったときは、その変更後のもの。第三項において「旧運営計画」という。)にこの法律による改正後の港湾法(第三項及び附則第五条において「新法」という。)第四十三条の十二第一項第二号ニに掲げる事項を記載する変更をし、港湾法第四十三条の十三の規定の例により、国土交通大臣の認可を受けなければならない。
2 国土交通大臣は、港湾法第四十三条の二十五の規定により政府が既存国際戦略港湾運営会社に対し出資している場合において、前項の認可をしようとするときは、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。
3 第一項の認可を受けた旧運営計画は、この法律の施行の時において港湾法第四十三条の十三第一項の認可を受けた新法第四十三条の十二第一項第二号に規定する運営計画とみなす。
4 既存国際戦略港湾運営会社についての港湾法第四十三条の十九第一項の規定の適用については、同項第二号中「この法律又はこの法律に基づく命令」とあるのは、「この法律若しくは港湾法の一部を改正する法律(令和元年法律第六十八号)又はこれらの法律に基づく命令」とする。
5 第一項の規定に違反して、同項の認可を受けなかった場合には、その違反行為をした既存国際戦略港湾運営会社の取締役、執行役、会計参与若しくはその職務を行うべき社員又は監査役は、五十万円以下の過料に処する。
(罰則に関する経過措置)
第三条 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
第四条 前二条に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な経過措置は、政令で定める。
(検討)
第五条 政府は、この法律の施行後五年を経過した場合において、新法の施行の状況について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとする。
(港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律の一部改正)
第六条 港湾法及び特定外貿埠頭の管理運営に関する法律の一部を改正する法律(平成二十三年法律第九号)の一部を次のように改正する。
附則第三条第一項を削り、同条第二項中「第二条による改正後の法」を「港湾法」に、「若しくは附則第二十項又は同条第六項」を「又は第六項」に改め、「又は特定埠頭群」を削り、「第五項」を「第三項」に、「又は第七項」を「又は第五項」に改め、同項を同条第一項とし、同条第三項を削り、同条第四項中「受けている」を「受けていた」に改め、同項を同条第二項とし、同条第五項を同条第三項とし、同条第六項中「受けている」を「受けていた」に改め、同項を同条第四項とし、同条第七項を同条第五項とし、同条第八項中「行われている」を「行われていた」に改め、同項を同条第六項とする。
(海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律の一部改正)
第七条 海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律(平成三十年法律第四十号)の一部を次のように改正する。
第十一条第二項中「埠頭群」と、」の下に「同法第四十三条の二十九第一項中「事業」とあるのは「事業又は海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律第十一条第一項各号に掲げる事業」と、「同法」とあるのは「国家公務員法」と、同法第四十三条の三十中「高度化」とあるのは「高度化又は海外社会資本事業への我が国事業者の参入の促進に関する法律第十一条第一項各号に掲げる事業の円滑化」と、」を加える。
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