決裁文書に関する調査について/決裁文書の書き換えの状況/10 有益費支払いに関する意見について (照会)

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10.有益費支払いに関する意見について(照会)(平成28年2月25日)

書き換え前 書き換え後
調   書
1.概要

 大阪航空局から処分依頼を受けた豊中市所在の下記2.記載財産については、学校法人森友学園(以下「学園」という。)と8年後の売却を前提に、小学校用地として定期借地契約を締結している。
 本財産には契約前から土壌汚染及びコンクリートガラ等の地下埋設物の存在が判明しており、学園が除去措置を行った場合、措置費用のうち国が適正と認めた額を有益費として学園に返還することを契約書に明記した上で契約を行っている。
 今般、学園から、土壌汚染及び地下埋設物の除去工事及び工事費の支払いを了したとして関係資料の提出を受けたことから、予算措置及び支払いを行う大阪航空局に金額の妥当性等について意見を伺うもの。

2.対象財産
所 在 地: 豊中市野田町1501番
区分・数量: 土地・8,770.43㎡(台帳価格 763,027,410円)
沿   革: 昭和53年11月15日売買により取得
会 計 名: 自動車安全特別会計(空港整備勘定)
3.契約内容
相 手 方: 学校法人森友学園
契 約 日: 平成27年5月29日合意書締結

(平成27年6月8日に合意書内容を公正証書により取り交わし定期借地契約成立)

貸付期間: 平成27年6月8日~平成37年6月7日
指定用途: 小学校敷地
指定期日: 平成28年3月31日
4.国が有益費を支払う理由

 本件定期借地契約の処理方針を策定する際に「貸付契約を締結した後に学園が本地の土壌汚染及び地下埋設物除去を行った場合の費用負担等の問題」について、当局統括法務監査官(所属法曹有資格者)に確認したところ、「貸付相手方が実施する土壌汚染除去等の措置は、貸付財産の価値を向上させることから民法第608条第2項に定める有益費(※)に該当する可能性があるため、貸し手において費用負担を一切行わないと整理することは法律的に問題がある。」との見解を得た。

調   書
1.概要

 大阪航空局から処分依頼を受けた豊中市所在の下記2.記載財産については、学校法人森友学園(以下「学園」という。)と8年後の売却を前提に、小学校用地として定期借地契約を締結している。
 本財産には契約前から土壌汚染及びコンクリートガラ等の地下埋設物の存在が判明しており、学園が除去措置を行った場合、措置費用のうち国が適正と認めた額を有益費として学園に返還することを契約書に明記した上で契約を行っている。
 今般、学園から、土壌汚染及び地下埋設物の除去工事及び工事費の支払いを了したとして関係資料の提出を受けたことから、予算措置及び支払いを行う大阪航空局に金額の妥当性等について意見を伺うもの。

2.対象財産
所 在 地: 豊中市野田町1501番
区分・数量: 土地・8,770.43㎡(台帳価格 763,027,410円)
沿   革: 昭和53年11月15日売買により取得
会 計 名: 自動車安全特別会計(空港整備勘定)
3.契約内容
相 手 方: 学校法人森友学園
契 約 日: 平成27年5月29日合意書締結

(平成27年6月8日に合意書内容を公正証書により取り交わし定期借地契約成立)

貸付期間: 平成27年6月8日~平成37年6月7日
指定用途: 小学校敷地
指定期日: 平成28年3月31日
4.国が有益費を支払う理由

 本件定期借地契約の処理方針を策定する際に「貸付契約を締結した後に学園が本地の土壌汚染及び地下埋設物除去を行った場合の費用負担等の問題」について、当局統括法務監査官(所属法曹有資格者)に確認したところ、「貸付相手方が実施する土壌汚染除去等の措置は、貸付財産の価値を向上させることから民法第608条第2項に定める有益費(※)に該当する可能性があるため、貸し手において費用負担を一切行わないと整理することは法律的に問題がある。」との見解を得た。

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書き換え前 書き換え後

 そのため、学園に事前説明済みの土壌汚染及び地下埋設物に関する損害賠償請求や貸付料減免要求には応じないとする一方で、学園が除去等の措置を行った場合には、これを有益費と取扱い、国の基準により検証した結果、適正とされた額を支払うものとし、支払時期、方法は国が指定する旨の特約条項を定期借地契約に設けて対応するものとした。
 民法上、有益費は貸付財産の返還時に償還すればよいが、大阪航空局は将来に事務手続きを残さないよう、予算措置ができ次第、速やかに支払う方針としている。
 有益費の金額検証は大阪航空局が行うことで事前調整を了しており、別案文書により金額検証を含めた有益費の取扱いについて大阪航空局の意見を求めるものである。
 なお大阪航空局は平成28年度当初の有益費に関する予算が措置できる見込みとしている。

※民法第608条第2項
「賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許可することができる。」
民法第196条第2項
「占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

以 上

 そのため、学園に事前説明済みの土壌汚染及び地下埋設物に関する損害賠償請求や貸付料減免要求には応じないとする一方で、学園が除去等の措置を行った場合には、これを有益費と取扱い、国の基準により検証した結果、適正とされた額を支払うものとし、支払時期、方法は国が指定する旨の特約条項を定期借地契約に設けて対応するものとした。
 有益費の金額検証は大阪航空局が行うことで事前調整を了しており、別案文書により金額検証を含めた有益費の取扱いについて大阪航空局の意見を求めるものである。
 なお大阪航空局は平成28年度当初の有益費に関する予算が措置できる見込みとしている。

※民法第608条第2項
「賃借人が賃借物について有益費を支出したときは、賃貸人は、賃貸借の終了の時に、第196条第2項の規定に従い、その償還をしなければならない。ただし、裁判所は、賃貸人の請求により、その償還について相当の期限を許可することができる。」
民法第196条第2項
「占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。

以 上
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注釈[編集]

  • 便宜上、ページ番号を振った。
  • 下線部が書き換えられた箇所である。