水路業務法
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目次
[編集]- 第一章 総則(第一条 - 第五条)
- 第二章 水路測量及び海象観測の実施等(第六条 - 第二十条)
- 第三章 水路測量及び海象観測の成果(第二十一条 - 第二十五条)
- 第四章 水路に関する業務の受託(第二十六条)
- 第五章 (削除)
- 第六章 罰則(第二十八条 - 第三十条)
- 附則
第一章 総則
[編集](目的)
- 第一条
- この法律は、水路測量の成果その他の海洋に関する科学的基礎資料を整備し、もつて海空交通の安全の確保に寄与するとともに、国際間における水路に関する情報の交換に資することを目的とする。
(水路測量)
- 第二条
- この法律において「水路測量」とは、水域の測量及びこれに伴う土地の測量並びにその成果を航海に利用させるための地磁気の測量をいう。
- 2 前項の規定は、土地の測量について測量法(昭和二十四年法律第百八十八号)の適用を妨げるものと解釈してはならない。
(海象観測)
- 第三条
- この法律において「海象観測」とは、潮汐、海潮流、波浪、海氷及びこれらに関連する諸現象の観測をいう。
(水路図誌)
- 第四条
- この法律において「水路図誌」とは、海図、水路誌、潮汐表、灯台表、航用諸暦及びその他の水路に関する図誌をいう。
(航空図誌)
- 第四条の二
- この法律において「航空図誌」とは、航空図、航空暦及びその他の航空に関する図誌をいう。
(水路測量標)
- 第五条
- この法律において「水路測量標」とは、海上保安庁又は第六条の規定により許可を受けた者が水路測量又は海象観測のために設置する標識をいう。
- 2 水路測量標の種類及び形状は、国土交通省令で定める。
第二章 水路測量及び海象観測の実施等
[編集](海上保安庁以外の者が実施する水路測量)
- 第六条
- 海上保安庁以外の者が、その費用の全部又は一部を国又は地方公共団体が負担し、又は補助する水路測量を実施しようとするときは、海上保安庁長官の許可を受けなければならない。但し、学術上の目的をもつて行う測量、局地的な測量等について国土交通省令で定める場合は、この限りでない。
(水路測量の実施方法の勧告)
- 第七条
- 海上保安庁長官は、必要があると認めるときは、前条の規定により許可を受けた者に対し、水路測量の実施方法につき勧告をすることができる。
(水路測量の実施の公示)
- 第八条
- 海上保安庁長官は、水路測量を実施しようとするときは、あらかじめその区域、期間その他必要な事項を公示しなければならない。第六条の規定による許可をしたときも同様とする。
(水路測量の基準)
- 第九条
- 海上保安庁又は第六条の許可を受けた者が行う水路測量は、経緯度については世界測地系に、標高及び水深その他の国際水路機関の決定その他の水路測量に関する国際的な決定に基づき政令で定める事項については政令で定める測量の基準に、それぞれ従つて行わなければならない。ただし、専ら外国政府のために行う水路測量その他の世界測地系に従つて行うことが適当でないものとして国土交通省令で定める水路測量は、世界測地系に代えて国土交通省令で定める経緯度に関する測量の基準に従つて行うことができる。
- 2 前項の「世界測地系」とは、地球を次に掲げる要件を満たす平な回転円体であると想定して行う地理学的経緯度の測定に関する測量の基準をいう。
- 一 その長半径及び平率が、地理学的経緯度の測定に関する国際的な決定に基づき政令で定める値であるものであること。
- 二 その中心が、地球の重心と一致するものであること。
- 三 その短軸が、地球の自転軸と一致するものであること。
(資料又は報告の提出の要求)
- 第十条
- 海上保安庁長官は、特に必要があるときは、地方公共団体その他港湾施設の管理者に対し、その管理する港湾施設の状況について資料又は報告の提出を求めることができる。
- 第十一条
- 海上保安庁長官は、特に必要があるときは、船舶に対し、水路図誌の編修に必要な報告の提出を求めることができる。
(土地又は水面の立入)
- 第十二条
- 海上保安庁の職員は、水路測量又は海象観測のため必要があるときは、国、地方公共団体又は私人が所有し、占有し、又は占用する土地又は水面に立ち入ることができる。
- 2 前項の規定により宅地又はかき、さく等で囲まれた水面若しくは土地に立ち入る場合には、あらかじめその旨を所有者、占有者又は占用者に通知しなければならない。但し、これらの者に対してあらかじめ通知することが困難であるときは、この限りでない。
- 3 海上保安庁の職員が、第一項の規定により土地又は水面に立ち入る場合には、その身分を示す証票を携帯し、関係人の請求があつたときは、これを呈示しなければならない。
(障害物の除去)
- 第十三条
- 海上保安庁の職員は、水路測量を実施するためやむを得ない必要があるときは、あらかじめ所有者又は占有者の承諾を得て、障害となる植物又はかき、さく等を伐除することができる。
- 第十四条
- 海上保安庁の職員は、離島又はこれに類する場所で水路測量を実施する場合において、あらかじめ所有者又は占有者の承諾を得ることが困難であり、且つ、当該物件の現状を著しく損傷しないときは、前条の規定にかかわらず承諾を得ないで、障害となる植物又はかき、さく等を伐除することができる。この場合においては、遅滞なく、その旨を所有者又は占有者に通知しなければならない。
(損失の補償)
- 第十五条
- 前三条の規定による立入又は伐除により損失を生じたときは、国は、その所有者、占有者又は占用者に対して、相当の価格により、その損失を補償しなければならない。
- 2 前項の補償の額は、海上保安庁長官が決定する。
- 3 前項の決定に不服がある者は、その決定を知つた日から六箇月以内に、訴えをもつて補償の額の増額を請求することができる。
- 4 前項の訴えにおいては、国を被告とする。
(水路測量標及び測量船の保全)
- 第十六条
- 何人も、正当な理由がないのに、水路測量標を毀損し、移転し、その他水路測量標の効用を害する虞のある行為をしてはならない。
- 第十七条
- 海上保安庁又は第六条の規定により許可を受けた者の船舶は、水路測量又は海象観測を行う場合には、国土交通省令で定める標識を掲げなければならない。
- 第十八条
- 船長は、船舶を、正当な理由がないのに前条の標識を掲げる船舶に著しく接近させて航行させてはならない。
(水路関係事項の通報)
- 第十九条
- 港湾の修築、その他海岸線に重大な変化を生ずる工事をする者は、その旨を海上保安庁長官に通報しなければならない。
- 2 都道府県知事は、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)第五十七条第一項の規定若しくは同法第百十九条第一項若しくは第二項の規定に基づく規則の規定により、国土交通大臣の指定する漁業の許可をしたとき、又は同法第六十九条若しくは第七十六条第一項の規定により、定置漁業若しくは国土交通大臣の指定する共同漁業の免許をしたときは、次に掲げる事項を海上保安庁長官に通報しなければならない。通報した事項に変更があつたときも、同様とする。
- 一 許可をした漁業又は共同漁業にあつては、漁場の区域、敷設漁具の位置及び漁具敷設の期間のうち国土交通大臣の指定するもの
- 二 定置漁業にあつては、定置漁具の位置及び定置の期間
- 第二十条
- 船長は、水中に沈没物その他航海の障害となる虞のある物件があることを発見し、又は海上保安庁の刊行した水路図誌に記載されている事象と著しく異る事象を発見したときは、遅滞なく、その旨を海上保安庁長官に通報しなければならない。
第三章 水路測量及び海象観測の成果
[編集](成果の公表)
- 第二十一条
- 海上保安庁長官は、水路測量又は海象観測を実施して成果を得たときは、これを公表しなければならない。
(成果の提出)
- 第二十二条
- 第六条の規定により許可を受けた者が、水路測量を実施して成果を得たときは、遅滞なく、その写を海上保安庁長官に提出しなければならない。
- 第二十三条
- 海上保安庁以外の者は、その実施する海象観測により、海上保安庁の発行した水路図誌に記載されている事象と著しく異る事象を発見したときは、遅滞なく、その旨を海上保安庁長官に通報しなければならない。
(水路図誌及び航空図誌の保護)
- 第二十四条
- 海上保安庁以外の者が、海上保安庁の刊行した水路図誌若しくは航空図誌を航海若しくは航空の用に供するために複製し、又は当該水路図誌若しくは航空図誌を使用して航海若しくは航空の用に供する刊行物を発行しようとするときは、海上保安庁長官の承認を受けなければならない。
- 第二十五条
- 海上保安庁の刊行した海図、航空図、水路誌又は灯台表に類似の刊行物を発行しようとする者は、海上保安庁長官の許可を受けなければならない。
- 2 海上保安庁長官は、前項の刊行物が海上の安全の確保に支障を及ぼすものでない限り、これを許可しなければならない。
第四章 水路に関する業務の受託
[編集](水路に関する業務の受託)
- 第二十六条
- 海上保安庁は、その業務の遂行に支障のない限り、一般の委託により、水路測量及び海象観測並びにこれらに関連する図誌の作製、編修又は印刷を行うことができる。
第五章 (削除)
[編集]- 第二十七条
- (削除)
第六章 罰則
[編集]- 第二十八条
- 第十六条の規定に違反した者は、一年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処する。
- 第二十九条
- 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
- 一 第十二条第一項の規定による立入りを拒み、又は妨げた者
- 二 第十八条の規定に違反した者
- 三 第二十四条又は第二十五条第一項の規定により承認又は許可を受けなければならない事項を承認又は許可を受けないでした者
- 第三十条
- 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前条第三号の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対しても、同条の罰金刑を科する。
附則
[編集]- 1 この法律は、公布の日から起算して九十日を経過した日から施行する。
- 2 水路測量標条例(明治二十三年法律第三十八号)は、廃止する。
附 則 (昭和二六年三月一〇日法律第一六号)
[編集]- この法律は、公布の日から施行する。
附 則 (昭和三七年五月一六日法律第一四〇号) 抄
[編集]- 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
- 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前に生じた事項にも適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
- 3 この法律の施行の際現に係属している訴訟については、当該訴訟を提起することができない旨を定めるこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 4 この法律の施行の際現に係属している訴訟の管轄については、当該管轄を専属管轄とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。
- 5 この法律の施行の際現にこの法律による改正前の規定による出訴期間が進行している処分又は裁決に関する訴訟の出訴期間については、なお従前の例による。ただし、この法律による改正後の規定による出訴期間がこの法律による改正前の規定による出訴期間より短い場合に限る。
- 6 この法律の施行前にされた処分又は裁決に関する当事者訴訟で、この法律による改正により出訴期間が定められることとなつたものについての出訴期間は、この法律の施行の日から起算する。
- 7 この法律の施行の際現に係属している処分又は裁決の取消しの訴えについては、当該法律関係の当事者の一方を被告とする旨のこの法律による改正後の規定にかかわらず、なお従前の例による。ただし、裁判所は、原告の申立てにより、決定をもつて、当該訴訟を当事者訴訟に変更することを許すことができる。
- 8 前項ただし書の場合には、行政事件訴訟法第十八条後段及び第二十一条第二項から第五項までの規定を準用する。
附 則 (昭和三七年九月一一日法律第一五六号) 抄
[編集](施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して九月をこえない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (昭和三七年九月一五日法律第一六一号) 抄
[編集]- 1 この法律は、昭和三十七年十月一日から施行する。
- 2 この法律による改正後の規定は、この附則に特別の定めがある場合を除き、この法律の施行前にされた行政庁の処分、この法律の施行前にされた申請に係る行政庁の不作為その他この法律の施行前に生じた事項についても適用する。ただし、この法律による改正前の規定によつて生じた効力を妨げない。
- 3 この法律の施行前に提起された訴願、審査の請求、異議の申立てその他の不服申立て(以下「訴願等」という。)については、この法律の施行後も、なお従前の例による。この法律の施行前にされた訴願等の裁決、決定その他の処分(以下「裁決等」という。)又はこの法律の施行前に提起された訴願等につきこの法律の施行後にされる裁決等にさらに不服がある場合の訴願等についても、同様とする。
- 4 前項に規定する訴願等で、この法律の施行後は行政不服審査法による不服申立てをすることができることとなる処分に係るものは、同法以外の法律の適用については、行政不服審査法による不服申立てとみなす。
- 5 第三項の規定によりこの法律の施行後にされる審査の請求、異議の申立てその他の不服申立ての裁決等については、行政不服審査法による不服申立てをすることができない。
- 6 この法律の施行前にされた行政庁の処分で、この法律による改正前の規定により訴願等をすることができるものとされ、かつ、その提起期間が定められていなかつたものについて、行政不服審査法による不服申立てをすることができる期間は、この法律の施行の日から起算する。
- 8 この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
- 9 前八項に定めるもののほか、この法律の施行に関して必要な経過措置は、政令で定める。
- 10 この法律及び行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律(昭和三十七年法律第百四十号)に同一の法律についての改正規定がある場合においては、当該法律は、この法律によつてまず改正され、次いで行政事件訴訟法の施行に伴う関係法律の整理等に関する法律によつて改正されるものとする。
附 則 (平成七年五月八日法律第八五号) 抄
[編集](施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から施行する。
(罰則に関する経過措置)
- 第五条
- この法律(附則第一条各号に掲げる規定については、当該各規定)の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
(政令への委任)
- 第六条
- 附則第二条から前条までに定めるもののほか、この法律の施行に関して必要となる経過措置(罰則に関する経過措置を含む。)は、政令で定める。
附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄
[編集](施行期日)
- 第一条
- この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日
附 則 (平成一三年六月二〇日法律第五三号) 抄
[編集](施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
(水路測量に係る測量の基準に関する経過措置)
- 第三条
- この法律の施行の際現に海上保安庁及び水路業務法第六条の許可を受けた者が行っている水路測量に係る測量の基準については、なお従前の例による。
(罰則に関する経過措置)
- 第四条
- この法律の施行前にした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。
附 則 (平成一六年六月九日法律第八四号) 抄
[編集](施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成一九年六月六日法律第七七号) 抄
[編集](施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (平成三〇年一二月一四日法律第九五号) 抄
[編集](施行期日)
- 第一条
- この法律は、公布の日から起算して二年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。
附 則 (令和四年六月一七日法律第六八号) 抄
[編集](施行期日)
- 1 この法律は、刑法等一部改正法施行日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
- 一 第五百九条の規定 公布の日
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