核兵器の不拡散に関する条約の説明書

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昭和五十年四月

核兵器の不拡散に関する条約の説明書

外務


ページ

一 条約の成立経緯……………………………………………………………………………………………………………………………………一

二 条約の内容……………………………………………………………………………………………………………………………………一

三 我が国との関係……………………………………………………………………………………………………………………………………二


一 条約の成立経緯

核兵器の拡散を防止するための条約の作成については、一九五八年の第十三回国連総会においてその重要性が指摘されて以来国連及び十八箇国軍縮委員会においてそのための審議が行われてきたが、一九六七年八月に至り米ソ両国の合意された条約案が十八箇国軍縮委員会に提出され、審議、改訂を経た後、一九六八年一二月、第二十二回国連総会に送付された。同総会は、この条約案を審議し、改訂を加えた後同年六月、この条約を推奨する決議を賛成九十五、反対四、棄権二十一をもって採択した。

この条約は、一九六八年七月一日、ロンドン、モスクワ及びワシントンで署名のために開放され、一九七〇年三月五日に効力を生じた。本年四月一日現在この条約の署名国は九十七箇国、締約国は八十四箇国である。

二 条約の内

この条約は、前文、本文十一箇条及び末文から成り、その概要は、次のとおりである。

㈠ 

この条約を協定するに当たっての核軍縮、保障措置、原子力の平和的利用等に関する締約国の考慮、信念、約束、希望等を述べている。

㈡ 

第一条 核兵器国が、核兵器その他の核爆発装置又はその管理をいかなる者に対しても移譲しないこと及び非核兵器国に対し核兵器その他の核爆発装置又はその管理を製造若しくはその他の方法により取得することについて援助、奨励又は勧誘しないことを約束する旨を規定している。

第二条 非核兵器国が、核兵器その他の核爆発装置又はその管理を受領しないこと、核兵器その他の核爆発装置を製造又はその他の方法によって取得しないこと及び核兵器その他の核爆発装置の製造についていかなる援助をも求めず又は受けないことを約束する旨を規定している。

第三条 非核兵器国による保障措置の受諾、核物質の国際的な供給、保障措置の態様、保障措置に関する国際原子力機関との協定の締結について規定している。

第四条 原子力の平和的利用及びそのための設備、資材、情報の国際的交換に関する締約国の権利等について規定している。

第五条 核爆発の平和的応用から生ずることのある利益が締約国である非核兵器国に提供されること及びそのための手続について規定している。

第六条 締約国が核軍備競争の早期停止、核軍縮に関する効果的措置、全面完全軍縮条約に関して誠実に交渉を行うことを約束する旨を規定している。

第七条 条約の規定が核兵器の存在しないことを確保するための地域的な条約を締結する権利に影響を及ぼさない旨を規定している。

第八条 条約の改正及び条約の運用を検討するための締約国の会議について規定している。

第九条 条約の署名、批准、加入、効力発生、核兵器国の定義等について規定している。

第十条 条約からの脱退及び条約の有効期間について規定している。

第十一条 条約の正文及び寄託について規定している。

㈢ 

条約作成の日付及び場所を掲げている。

三 我が国との関係

我が国は、早くから核兵器の拡散防止に対し賛成の立場を表明し、条約の作成過程において他の関係国と協力して軍縮、原子力の平和的利用等に関する我が国の主張が条約に反映されるように努力を重ねてきた。この結果、この条約は、我が国等の主張がおおむね取り入れられたものとなっている。我が国は一九七〇年二月三日この条約に署名したが、我が国がこの条約を締結することは、核拡散防止体制の強化に貢献し、かつ、我が国の軍縮に関する主張をおし進めるとともに、我が国の原子力の平和的利用を一層推進する上において有意義であると考えられる。

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