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有機農産物の日本農林規格

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有機農産物の日本農林規格

(目的)

第1条 この規格は、有機農産物の生産の方法についての基準等を定めることを目的とする。

(有機農産物の生産の原則)

第2条 有機農産物は、次のいずれかに従い生産することとする。

(1) 農業の自然循環機能の維持増進を図るため、化学的に合成された肥料及び農薬の使用を避けることを基本として、土壌の性質に由来する農地の生産力(きのこ類の生産にあっては農林産物に由来する生産力、スプラウト類の生産にあっては種子に由来する生産力を含む。)を発揮させるとともに、農業生産に由来する環境への負荷をできる限り低減した栽培管理方法を採用したほ場において生産すること。
(2) 採取場(自生している農産物を採取する場所をいう。以下同じ。)において、採取場の生態系の維持に支障を生じない方法により採取すること。
(定義)

第3条 この規格において、次の表左欄の用語の定義は、それぞれ同表右欄のとおりとする。

用語 定義
有機農産物 次条の基準に従い生産された農産物(飲食料品に限る。)をいう。
使用禁止資材 肥料及び土壌改良資材(別表1に掲げるものを除く。)、農薬(別表2に掲げるものを除く。)並びに土壌、植物又はきのこ類に施されるその他の資材(天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものを除く。)をいう。
化学的処理 次のいずれかに該当することをいう。
1 化学的手段(燃焼、焼成、溶融、乾留及びけん化を除く。以下同じ。)によって、化合物を構造の異なる物質に変化させること。
2 化学的手段により得られた物質を添加すること(最終的な製品に当該物質を含有しない場合を含む。)。
組換えDNA技術 酵素等を用いた切断及び再結合の操作によって、DNAをつなぎ合わせた組換えDNA分子を作製し、それを生細胞に移入し、かつ、増殖させる技術をいう。
栽培場 きのこ類の培養場、伏込場又は発生場所及びスプラウト類の栽培施設(ほ場を除く。以下同じ。)をいう。
(生産の方法についての基準)

第4条 有機農産物の生産の方法についての基準は、次のとおりとする。

事項 基準
ほ場 周辺から使用禁止資材が飛来し、又は流入しないように必要な措置を講じているものであり、かつ、次のいずれかに該当するものであること。
1 多年生の植物から収穫される農産物にあってはその最初の収穫前3年以上、それ以外の農産物にあってはは種又は植付け前2年以上(開拓されたほ場又は耕作の目的に供されていなかったほ場であって、2年以上使用禁止資材が使用されていないものにおいて新たに農産物の生産を開始した場合においては、多年生の植物から収穫される農産物にあってはその最初の収穫前1年以上、それ以外の農産物にあってはは種又は植付け前1年以上)の間、この表ほ場に使用する種子又は苗等の項、ほ場における肥培管理の項、ほ場又は栽培場における有害動植物の防除の項及び一般管理の項の基準に従い農産物の生産を行っていること。
2 転換期間中のほ場(1に規定する要件に適合するほ場への転換を開始したほ場であって、1に規定する要件に適合していないものをいう。以下同じ。)については、転換開始後最初の収穫前1年以上の間、この表ほ場に使用する種子又は苗等の項、ほ場における肥培管理の項、ほ場又は栽培場における有害動植物の防除の項及び一般管理の項の基準に従い農産物の生産を行っていること。
栽培場
1 周辺から使用禁止資材が飛来し、又は流入しないように必要な措置を講じているものであること。
2 土壌において栽培されるきのこ類にあっては、栽培開始前2年以上の間、使用禁止資材が使用されていないこと。
採取場 周辺から使用禁止資材が飛来又は流入しない一定の区域であり、かつ、当該採取場において農産物採取前3年以上の間、使用禁止資材を使用していないものであること。
ほ場に使用する種子又は苗等
1 この表ほ場の項、採取場の項、ほ場における肥培管理の項、ほ場又は栽培場における有害動植物の防除の項、一般管理の項、育苗管理の項及び収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理の項の基準に適合する種子又は苗等(苗、苗木、穂木、台木その他植物体の全部又は一部(種子を除く。)で繁殖の用に供されるものをいう。以下同じ。)であること。
2 1の種子若しくは苗等の入手が困難な場合又は品種の維持更新に必要な場合は、使用禁止資材を使用することなく生産されたものを、これらの種子若しくは苗等の入手が困難な場合又は品種の維持更新に必要な場合は、種子繁殖する品種にあっては種子、栄養繁殖する品種にあっては入手可能な最も若齢な苗等であって、は種又は植付け後にほ場で持続的効果を示す化学的に合成された肥料及び農薬(別表1又は別表2に掲げるものを除く。)が使用されていないものを使用することができる(は種され、又は植え付けられた作期において食用新芽の生産を目的とする場合を除く。)。
3 1及び2に掲げる苗等の入手が困難な場合であり、かつ、次のいずれかに該当する場合は、植付け後にほ場で持続的効果を示す化学的に合成された肥料及び農薬(別表1又は別表2に掲げるものを除く。)が使用されていない苗等を使用することができる。
(1) 災害、病虫害等により、植え付ける苗等がない場合
(2) 種子の供給がなく、苗等でのみ供給される場合
4 1から3までに掲げる種子又は苗等は、組換えDNA技術を用いて生産されたものでないこと。また、1及び2に掲げる種子については、コットンリンターに由来する再生繊維を原料とし、製造工程において化学的に合成された物質が添加されていない農業用資材に帯状に封入されたものを含む。
種菌
1 この表栽培場の項、採取場の項、栽培場における栽培管理の項1、ほ場又は栽培場における有害動植物の防除の項、一般管理の項及び収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理の項の基準に適合する種菌又は以下に掲げる種菌であること。
2 この表栽培場における栽培管理の項1(1)又は(2)に掲げる資材により培養された種菌。ただし、これらの種菌の入手が困難な場合は、栽培期間中、使用禁止資材を使用することなく生産された資材を使用して培養された種菌を使用することができる。
3 2の種菌の入手が困難な場合は、天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来する資材を使用して培養された種菌を使用することができる。
4 2及び3に掲げる種菌の入手が困難な場合は、別表3の種菌培養資材を使用して培養された種菌を使用することができる。
5 1から4までに掲げる種菌は、組換えDNA技術を用いて生産されたものでないこと。
スプラウト類の栽培施設に使用する種子
1 この表ほ場に使用する種子又は苗等の項1に規定する種子であること。
2 1に掲げる種子は、組換えDNA技術を用いて生産されたものでないこと。
3 1に掲げる種子に対し、次亜塩素酸水(食塩水(99%以上の塩化ナトリウムを含有する食塩を使用したものに限る。以下同じ。)を電気分解したものに限る。)以外の資材を使用していないこと。
ほ場における肥培管理
1 この表ほ場に使用する種子又は苗等の項1に規定する種子であること。
2 1に掲げる種子は、組換えDNA技術を用いて生産されたものでないこと。
3 1に掲げる種子に対し、次亜塩素酸水(食塩水(99%以上の塩化ナトリウムを含有する食塩を使用したものに限る。以下同じ。)を電気分解したものに限る。)以外の資材を使用していないこと。
栽培場における栽培管理
1 きのこ類にあっては、次に掲げる基準に適合した資材を用いて生産すること。ただし、堆肥栽培きのこの生産において(1)又は(2)に掲げる基準に適合した資材の入手が困難な場合にあっては別表1の肥料及び土壌改良資材に限り、菌床栽培きのこ(おが屑にふすま、ぬか類、水等を混合してブロック状、円筒状等に固めた培地に種菌を植え付ける栽培方法により栽培したものをいう。)の生産において(2)に掲げる基準に適合した資材の入手が困難な場合にあっては別表1の食品工場及び繊維工場からの農畜水産物由来の資材の項に適合する米ぬか及びふすまに限り、使用することができる。
(1) 原木、おがこ、チップ、駒等の樹木に由来する資材については、過去3年以上、周辺から使用禁止資材が飛来せず、又は流入せず、かつ、使用禁止資材が使用されていない一定の区域で伐採され、伐採後に化学物質により処理されていないものであること。
(2) 樹木に由来する資材以外の資材については、以下に掲げるものに由来するものに限ること。
ア 農産物(この条に規定する生産の方法についての基準に従って栽培されたものに限る。)
イ 加工食品(有機加工食品の日本農林規格(平成17年10月27日農林水産省告示第1606号)第4条に規定する生産の方法についての基準に従って生産されたものに限る。)
ウ 飼料(有機飼料の日本農林規格(平成17年10月27日農林水産省告示第1607号)第4条に規定する生産の方法についての基準に従って生産されたものに限る。)
エ 有機畜産物の日本農林規格(平成17年10月27日農林水産省告示第1608号)第4条に規定する生産の方法についての基準に従って飼養された家畜及び家きんの排せつ物に由来するもの
2 スプラウト類にあっては、次の(1)から(4)までに掲げる基準に従い生産及び管理を行うこと。
(1) 生産に用いる資材については、次のア及びイに掲げるものに限ること。
ア 水
イ 培地(天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するもの(組換えDNA技術を用いて製造されたものを除く。)であり、かつ、肥料、農薬その他の資材が施されていないものに限る。)
(2) 人工照明を用いないこと。
(3) (1)及び(2)に掲げる基準に従い生産されたスプラウト類が農薬、洗浄剤、消毒剤その他の資材により汚染されないように管理を行うこと。
(4) (1)から(3)までに掲げる基準に適合しないスプラウト類が混入しないように管理を行うこと。
ほ場又は栽培場における有害動植物の防除 耕種的防除(作目及び品種の選定、作付け時期の調整、その他農作物の栽培管理の一環として通常行われる作業を有害動植物の発生を抑制することを意図して計画的に実施することにより、有害動植物の防除を行うことをいう。)、物理的防除(光、熱、音等を利用する方法、古紙に由来するマルチ(製造工程において化学的に合成された物質が添加されていないものに限る。)若しくはプラスチックマルチ(使用後に取り除くものに限る。)を使用する方法又は人力若しくは機械的な方法により有害動植物の防除を行うことをいう。)、生物的防除(病害の原因となる微生物の増殖を抑制する微生物、有害動植物を捕食する動物若しくは有害動植物が忌避する植物若しくは有害動植物の発生を抑制する効果を有する植物の導入又はその生育に適するような環境の整備により有害動植物の防除を行うことをいう。)又はこれらを適切に組み合わせた方法のみにより有害動植物の防除を行うこと。ただし、農産物に重大な損害が生ずる危険が急迫している場合であって、耕種的防除、物理的防除、生物的防除又はこれらを適切に組み合わせた方法のみによってはほ場における有害動植物を効果的に防除することができない場合にあっては、別表2の農薬(組換えDNA技術を用いて製造されたものを除く。以下同じ。)に限り使用することができる。
一般管理 土壌、植物又はきのこ類に使用禁止資材を施さないこと。
育苗管理 育苗を行う場合(ほ場において育苗を行う場合を除く。)にあっては、周辺から使用禁止資材が飛来し、又は流入しないように必要な措置を講じ、その用土として次の1から3までに掲げるものに限り使用するとともに、この表ほ場における肥培管理の項、ほ場又は栽培場における有害動植物の防除の項及び一般管理の項の基準に従い管理を行うこと。
1 この表ほ場の項又は採取場の項の基準に適合したほ場又は採取場の土壌
2 過去2年以上の間、周辺から使用禁止資材が飛来又は流入せず、かつ、使用されていない一定の区域で採取され、採取後においても使用禁止資材が使用されていない土壌
3 別表1の肥料及び土壌改良資材
収穫、輸送、選別、調製、洗浄、貯蔵、包装その他の収穫以後の工程に係る管理
1 この表ほ場の項、栽培場の項、採取場の項、ほ場に使用する種子又は苗等の項、種菌の項、ほ場における肥培管理の項、栽培場における栽培管理の項、ほ場又は栽培場における有害動植物の防除の項、一般管理の項又は育苗管理の項の基準(以下「ほ場の項等の基準」という。)に適合しない農産物が混入しないように管理を行うこと。
2 有害動植物の防除又は品質の保持改善は、物理的又は生物の機能を利用した方法(組換えDNA技術を用いて生産された生物を利用した方法を除く。以下同じ。)によること。
3 2の規定にかかわらず、物理的又は生物の機能を利用した方法のみによっては効果が不十分な場合には、以下の資材に限り使用することができる。この場合において、(1)の資材を使用するときは、農産物への混入を防止しなければならない。
(1) 有害動植物の防除目的 別表2の農薬、別表4の薬剤並びに食品及び添加物(これらを原材料として加工したものを含み、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用するものを除く。)
(2) 農産物の品質の保持改善目的 別表5の調製用等資材(組換えDNA技術を用いて製造されていないものに限る。)
4 放射線照射を行わないこと。
5 この表ほ場の項等の基準及びこの項1から4までに掲げる基準に従い生産された農産物が農薬、洗浄剤、消毒剤その他の資材により汚染されないように管理を行うこと。
(有機農産物の表示)

第5条 食品表示基準(平成27年内閣府令第10号)の規定に従うほか、有機農産物の名称の表示は、次の例のいずれかによることとする。

(1) 「有機農産物」
(2) 「有機栽培農産物」
(3) 「有機農産物○○」又は「○○(有機農産物)」
(4) 「有機栽培農産物○○」又は「○○(有機栽培農産物)」
(5) 「有機栽培○○」又は「○○(有機栽培)」
(6) 「有機○○」又は「○○(有機)」
(7) 「オーガニック○○」又は「○○(オーガニック)」
(注1)(1)又は(2)の表示を行う場合には、食品表示基準第18条又は第24条の規定に従い当該農産物の名称の表示を別途行うこと。
(注2)「○○」には、当該農産物の一般的な名称を記載すること。

2 前項の基準にかかわらず、転換期間中のほ場において生産されたものにあっては、名称又は商品名の表示されている箇所に近接した箇所に「転換期間中」と記載すること。

3 第1項の基準にかかわらず、採取場において採取された農産物にあっては、同項(1)、(3)、(6)及び(7)の例のいずれかにより記載すること。


別表1 肥料及び土壌改良資材

肥料及び土壌改良資材 基準
植物及びその残さ由来の資材 植物の刈取り後又は伐採後に化学的処理を行っていないものであること。
発酵、乾燥又は焼成した排せつ物由来の資材 家畜及び家きんの排せつ物に由来するものであること。
油かす類 天然物質又は化学的処理(有機溶剤による油の抽出を除く。)を行っていない天然物質に由来するものであること。
食品工場及び繊維工場からの農畜水産物由来の資材 天然物質又は化学的処理(有機溶剤による油の抽出を除く。)を行っていない天然物質に由来するものであること。
と畜場又は水産加工場からの動物性産品由来の資材 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
発酵した食品廃棄物由来の資材 食品廃棄物以外の物質が混入していないものであること。
バーク堆肥 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
メタン発酵消化液(汚泥肥料を除く。) 家畜ふん尿等の有機物を、嫌気条件下でメタン発酵させた際に生じるものであること。ただし、し尿を原料としたものにあっては、食用作物の可食部分に使用しないこと。
グアノ
乾燥藻及びその粉末
草木灰 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
炭酸カルシウム 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するもの(苦土炭酸カルシウムを含む。)であること。
塩化加里 天然鉱石を粉砕又は水洗精製したもの及び海水又は湖水から化学的方法によらず生産されたものであること。
硫酸加里 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
硫酸加里苦土 天然鉱石を水洗精製したものであること。
天然りん鉱石 カドミウムが五酸化リンに換算して1kg中90mg以下であるものであること。
硫酸苦土 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
水酸化苦土 天然鉱石を粉砕したものであること。
軽焼マグネシア
石こう(硫酸カルシウム) 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
硫黄
生石灰(苦土生石灰を含む。) 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
消石灰 上記生石灰に由来するものであること。
微量要素(マンガン、ほう素、鉄、銅、亜鉛、モリブデン及び塩素) 微量要素の不足により、作物の正常な生育が確保されない場合に使用するものであること。
岩石を粉砕したもの 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであって、含有する有害重金属その他の有害物質により土壌等を汚染するものでないこと。
木炭 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
泥炭 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。ただし、土壌改良資材としての使用は、野菜(きのこ類及び山菜類を除く。)及び果樹への使用並びに育苗用土としての使用に限ること。
ベントナイト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
パーライト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
ゼオライト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
バーミキュライト 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
けいそう土焼成粒 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
塩基性スラグ トーマス製鋼法により副生するものであること。
鉱さいけい酸質肥料 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。
よう成りん肥 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであって、カドミウムが五酸化リンに換算して1kg中90mg以下であるものであること。
塩化ナトリウム 海水又は湖水から化学的方法によらず生産されたもの又は採掘されたものであること。
リン酸アルミニウムカルシウム カドミウムが五酸化リンに換算して1kg中90mg以下であるものであること。
塩化カルシウム
食酢
乳酸 植物を原料として発酵させたものであって、育苗用土等のpH調整に使用する場合に限ること。
製糖産業の副産物
肥料の造粒材及び固結防止材 天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するものであること。ただし、当該資材によっては肥料の造粒材及び固結防止材を製造することができない場合には、リグニンスルホン酸塩に限り、使用することができる。
その他の肥料及び土壌改良資材 植物の栄養に供すること又は土壌を改良することを目的として土地に施される物(生物を含む。)及び植物の栄養に供することを目的として植物に施される物(生物を含む。)であって、天然物質又は化学的処理を行っていない天然物質に由来するもの(組換えDNA技術を用いて製造されていないものに限る。)であり、かつ、病害虫の防除効果を有することが明らかなものでないこと。ただし、この資材は、この表に掲げる他の資材によっては土壌の性質に由来する農地の生産力の維持増進を図ることができない場合に限り、使用することができる。


別表2 農薬

農薬 基準
除虫菊乳剤及びピレトリン乳剤 除虫菊から抽出したものであって、共力剤としてピペロニルブトキサイドを含まないものに限ること。
なたね油乳剤
調合油乳剤
マシン油エアゾル
マシン油乳剤
デンプン水和剤
脂肪酸グリセリド乳剤
メタアルデヒド粒剤 捕虫器に使用する場合に限ること。
硫黄くん煙剤
硫黄粉剤
硫黄・銅水和剤
水和硫黄剤
石灰硫黄合剤
シイタケ菌糸体抽出物液剤
炭酸水素ナトリウム水溶剤及び重曹
炭酸水素ナトリウム・銅水和剤
銅水和剤
銅粉剤
硫酸銅 ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること。
生石灰 ボルドー剤調製用に使用する場合に限ること。
天敵等生物農薬
天敵等生物農薬・銅水和剤
性フェロモン剤 農作物を害する昆虫のフェロモン作用を有する物質を有効成分とするものに限ること。
クロレラ抽出物液剤
混合生薬抽出物液剤
ワックス水和剤
展着剤 カゼイン又はパラフィンを有効成分とするものに限ること。
二酸化炭素くん蒸剤 保管施設で使用する場合に限ること。
ケイソウ土粉剤 保管施設で使用する場合に限ること。
食酢
燐酸第二鉄粒剤
炭酸水素カリウム水溶剤
炭酸カルシウム水和剤 銅水和剤の薬害防止に使用する場合に限ること。
ミルベメクチン乳剤
ミルベメクチン水和剤
スピノサド水和剤
スピノサド粒剤
還元澱粉糖化物液剤
次亜塩素酸水


別表3 種菌培養資材

酵母エキス、麦芽エキス、砂糖、ぶどう糖、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム


別表4 薬剤

薬剤 基準
除虫菊抽出物 共力剤としてピペロニルブトキサイドを含まないものに限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
ケイ酸ナトリウム 農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
カリウム石鹸(軟石鹸) 農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
エタノール 農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
ホウ酸 容器に入れて使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
フェロモン 昆虫のフェロモン作用を有する物質を有効成分とする薬剤に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
カプサイシン 忌避剤として使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
ゼラニウム抽出物 忌避剤として使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
シトロネラ抽出物 忌避剤として使用する場合に限ること。また、農産物に対して病害虫を防除する目的で使用する場合を除く。
(注)薬剤の使用に当たっては、薬剤の容器等に表示された使用方法を遵守すること。


別表5 調製用等資材

調製用等資材 基準
二酸化炭素
窒素
エタノール
活性炭
ケイソウ土
クエン酸
微生物由来の調製
用等資材
酵素
卵白アルブミン
植物油脂
樹皮成分の調製品
エチレン バナナ、キウイフルーツ及びアボカドの追熟に使用する場合に限ること。
硫酸アルミニウムカリウム バナナの房の切り口の黒変防止に使用する場合に限ること。
オゾン
コーンコブ
次亜塩素酸水 食塩水を電気分解したものであること。
食塩
食酢
炭酸水素ナトリウム
ミツロウ 製造工程において化学的処理を行っていないものに限る。


附則(平成17年10月27日農林水産省告示第1605号)
(施行期日)

1 この告示は、公布の日から起算して30日を経過した日から施行する。

(経過措置)

2 この告示の施行の日から起算して1年を経過した日までに行われる有機農産物の格付については、この告示による改正前の有機農産物の日本農林規格の規定の例によることができる。

3 この告示の公布の日から起算して3年を経過するまでの間は、この告示による改正後の有機農産物の日本農林規格第4条の表育苗管理の項基準の欄2中「過去3年以上の間、周辺」とあるのは、「周辺」と読み替えて適用する。

4 第4条の表ほ場に使用する種子又は苗等の項の規定にかかわらず、ナス科及びウリ科の果菜類の生産において種子からの栽培が困難な場合並びにこんにゃくいもの生産において同項の基準に適合する苗等の入手が困難な場合は、当分の間、同項の規定にかかわらず、植付け後にほ場で持続的効果を示す化学的に合成された肥料及び農薬(別表1及び別表2に掲げるものを除く。)が使用されていない苗等(組換えDNA技術を用いて生産されたものを除く。)を使用することができる。

附則(平成18年10月27日農林水産省告示第1463号)抄
(施行期日)

1 この告示は、公布の日から起算して30日を経過した日から施行する。

(経過措置)

2 この告示による改正後の有機農産物の日本農林規格(以下「新有機農産物規格」という。)別表1に掲げる肥料及び土壌改良資材のうち、植物及びその残さ由来の資材、発酵、乾燥又は焼成した排せつ物由来の資材、食品工場及び繊維工場からの農畜水産物由来の資材並びに発酵した食品廃棄物由来の資材については、新有機農産物規格第4条の表ほ場における肥培管理の項基準の欄1に規定するその原材料の生産段階において組換えDNA技術が用いられていない資材に該当するものの入手が困難である場合には、当分の間、同項の規定にかかわらず、これらの資材に該当する資材以外のものを使用することができる。

附則(平成21年8月27日農林水産省告示第1180号)抄

この告示による改正後の有機農産物の日本農林規格第4条の表育苗管理の項の規定にかかわらず、平成23年12月31日までの間は、たまねぎの育苗用土に粘度調整のためにやむを得ず使用する場合に限り、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及び天然物質に由来するもので化学的処理を行ったものを使用することができる。

附則(平成24年3月28日農林水産省告示第833号)

1 この告示の施行の際現にこの告示による改正前の有機農産物の日本農林規格により格付の表示が付された有機農産物については、なお従前の例による。

2 この告示による改正後の有機農産物の日本農林規格第4条の表育苗管理の項の規定にかかわらず、当分の間、たまねぎの育苗用土に粘度調整のためにやむを得ず使用する場合に限り、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド及び天然物質に由来するもので化学的処理を行ったものを使用することができる。

附則(平成29年3月27日農林水産省告示第443号)

この告示による改正後の有機農産物の日本農林規格(以下「新有機農産物規格」という。)別表1に掲げる肥料及び土壌改良資材のうち、油かす類については、新有機農産物規格第4条の表ほ場における肥培管理の項基準の欄に規定するその原材料の生産段階において組換えDNA技術が用いられていない資材に該当するものの入手が困難である場合には、当分の間、同項の規定にかかわらず、この資材に該当する資材以外のものを使用することができる。


最終改正の改正文(平成29年3月27日農林水産省告示第443号)抄

平成29年4月26日から施行する。


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