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月刊ポピュラーサイエンス/第23巻/1883年7月号/太陽光で動く機械


読者の皆様には、ムショーとアベル・ピフレが製作した太陽熱機械について、すでにお知らせしているとおり[1]、ムショとアベル・ピフレが製作した太陽熱を動力源とする機械は、直接あるいは太陽熱によって発生する蒸気を利用しており、アルジェリアのある目的への応用に成功していることは、すでに読者の皆様にお知らせしたとおりです。アルジェリアでムショの助手をしているピフレは、実験を続け、機械にいくつかの改良を加えて、その動作をより効果的にした。主な改良点は、太陽の光をボイラーなどの加熱対象物に集中的に当てる反射板(インソレーター)の形状である。M.ムショの反射板は、単純な中空の円錐形で、直線的な突起で形成されていた。ピフレは、投影線を曲げて3種類の傾斜をつけ、鏡の表面に放物線に近い形状を得た。去る8月6日、パリのチュイルリー公園で、フランス青年同盟の祭典の際に、ピフレ氏の装置をヨーロッパの太陽に適合させる可能性について興味深い実験が行われた。ジュ・ド・ポームの階段の近くに、極直径3.5メートル、つまり12フィート近い反射板を持つインソルーターが設置された。鏡の焦点に置かれたボイラーで発生した蒸気は、出力30キログラムの小型縦型エンジンに送られ、これにマローニ社の印刷機が接続されていた。

太陽熱で新聞を印刷する
1882年8月6日、パリのチュイルリー公園で行われたアベル・ピフレの実験

太陽はあまり暑くなく、日射は頻繁に雲に遮られたが、印刷機は午後1時から5時半まで規則正しく稼働し、この日のために特別に用意された「ソレイユ・ジャーナル」(太陽の雑誌)と呼ばれる雑誌を1時間に平均500部ずつ印刷した。この小さな実験は、まだ印刷技術に革命を起こすようなものではないが、その成功によって、パリよりも日射が強く一定している緯度において、インソレータがどの程度有用であるかを判断することができるだろう。図版は装置の配置を正しく表している。中央には、M.ピフレのインソレータが、大きなパラボラアンテナとともに描かれている。その脇には駆動するエンジンが描かれ、右側と手前には雑誌を印刷する印刷機が見える。私たちは、ヘリオダイナミクスが将来、暑い国々で有用かつ有益に利用される日が来ることを信じる権利がある。

脚注

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  1. 「月刊ポピュラーサイエンス」第18巻、283p、第18巻、432p

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