明治元訳新約聖書（大正4年)/馬太傳福音書（4)

第十九章

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¹³ 其（その）とき人々（ひとゞゝ）イエスの手（て）を按（つけ）て祈（いの）らんことを求（ねが）ひ嬰兒（をさなご）を彼（かれ）に携來（つれきた）りけれバ弟子是（でしこれ）を阻（とどめ）たり
¹⁴ イエス曰（いひ）けるハ嬰兒（をさなご）を容（ゆる）せ我（われ）に來（きた）ることを禁（いま）しむる勿（なか）れ天國（てんこく）にをる者（もの）は此（かく）の如（ごと）き者（もの）なり
¹⁵ 即（すなは）ち彼等（かれら）に手（て）を按（つけ）て此（ここ）を去（さり）ぬ

¹⁶ 或人（あるひと）きたりて彼（かれ）に曰（いひ）けるハ善師（よきし）よ我（われ）かぎりなき生（いのち）を得（え）んが爲（ため）にハ何（なに）の善事（よきこと）を行（なす）べきか
¹⁷ 彼（かれ）に曰（いひ）けるハ何故（なにゆゑ）われを善（よき）と稱（いふ）や一人（ひとり）の外（ほか）に善者（よきもの）ハなし即（すなは）ち神（かみ）なり若（も）し生命（いのち）に入（いら）んと欲（おも）ハゞ誡（いましめ）を守（まも）るべし
¹⁸ 彼（かれ）にこたへけるハ何（なに）かイエス曰（いひ）けるは殺（ころ）す勿（なか）れ姦淫（かんいん）する勿（なか）れ盗（ぬす）む勿（なか）れ妄（いつは）りの證（あかし）を立（たつ）る勿（なか）れ
¹⁹ 爾（なんぢ）の父（ちち）と爾（なんぢ）の母（はは）を敬（うやま）へ又己（またおのれ）の如（ごと）く爾（なんぢ）の隣（となり）を愛（あい）すべし
²⁰ 少者（わかきもの）かれに曰（いひ）けるハ是（これ）みな我（われ）いとけなきより守（まも）れるものなり何（なん）の虧（かけ）たるところ我（われ）にある乎（や）
²¹ イエス彼（かれ）に曰（いひ）けるは全（まった）からんことを欲（おも）ハゞ往（ゆき）て爾（なんぢ）が所有（もちもの）を售（うり）て貧者（まづしきもの）に施（ほどこ）せ然（さす）れバ天（てん）に於（おい）て財（たから）あらんしかして我（われ）に從（したが）へ
²² 少者（わかきもの）この言（ことば）を聞（きゝ）て憂（うれ）へ去（さり）ぬ彼（かれ）の産業（さんげふ）おほひなりけれバ也（なり）

²³ イエスその弟子（でし）に曰（いひ）けるハ誠（まこと）に爾曹（なんぢら）に告（つげ）ん富者（とめるもの）ハ天國（てんこく）に入（いる）こと難（かた）し
²⁴ また爾曹（なんぢら）に告（つ）げん富者（とめるもの）の神（かみ）の國（くに）に入（いる）よりハ駱駝（らくだ）の針（はり）の孔（あな）を穿（とおる）は却（かへつ）て易（やす）し
²⁵ 弟子之（でしこれ）を聞（きゝ）て甚（いた）く驚（おどろ）き曰（いひ）けるハ然（さら）バ誰（たれ）か救（すくひ）を受（うく）べき乎（や）
²⁶ イエス彼等（かれら）を見（み）て曰（いひ）けるハ是人（これひと）には能（あた）ハざる所（ところ）なり然（され）ど神（かみ）にハ能（あた）ハざる所（ところ）なし
²⁷ 此（この）ときペテロ答（こたへ）てイエスに曰（いひ）けるハ我等一切（われらいっさい）を棄（すて）て爾（なんぢ）に從（したが）へり然（され）バ何（なに）を得（う）べき乎（か）
²⁸ イエス彼等（かれら）に曰（いひ）けるハ我（われ）まことに爾曹（なんぢら）に告（つげ）ん我（われ）に従（したが）へる爾曹（なんぢら）ハ
[千六百八十] 世（よ）あらたまり人（ひと）の子栄光（こえいくわう）の位（くらゐ）に坐（ざ）する時（とき）なんぢらも十二（じふに）の位（くらゐ）に坐（ざ）してイスラエルの十二（じふに）の支派（わかれ）を鞫（さばく）べし
²⁹ 凡（すべ）て我名（わがな）の爲（ため）に家宅（いへ）あるひハ兄弟（きゃうだい）あるひハ姉妹（しまい）あるひハ父（ちち）あるひハ母（はゝ）あるひハ妻（つま）あるひハ子（こ）あるひハ田疇（たはた）を棄（すつ）る者（もの）ハ百倍（ひゃくばい）を受（うけ）かつ窮（かぎり）なき生（いのち）を嗣（つが）ん
³⁰ 多（おほく）の先（さき）なる者（もの）ハ後（あと）になり後（あと）なる者（もの）ハ先（さき）になるべし

第二十章

それ天國（てんこく）は朝（あさ）はやく出（いで）て葡萄園（ぶだうばたけ）に工人（はたらくもの）を雇（やと）ふ主人（あるじ）の如（ごと）し
² 工人（はたらくもの）にハ一日（いちにち）に銀一枚（ぎんいちまい）を予（あたへ）んと約束（やくそく）をなし彼等（かれら）を葡萄園（ぶだうばたけ）に遣（つかは）せり
³ また九時（くじ）ごろ出（いで）て街（ちまた）に徒（むなし）く立（たて）る者（もの）を見（み）て
⁴ 爾曹（なんぢら）も葡萄園（ぶだうばたけ）にゆけ相當（さうたう）の値（あたひ）を予（あたへ）んと彼等（かれら）に曰（いひ）ければ則（すなは）ち往（ゆけ）り
⁵ また十二時（じふにじ）と三時（さんじ）ごろ出（いで）て前（まへ）の如（ごと）く行（なせ）り
⁶ 五時（ごじ）ごろ出（いで）て又（また）ほかの立（たて）る者（もの）に遇（あひ）て曰（いひ）けるハ何（なに）ゆゑ終日（ひねもす）こゝに徒（むなし）く立（たつ）や
⁷ 之（これ）に答（こたへ）て曰（いひ）けるは我儕（われら）を雇（やと）ふ者（もの）なきに因（より）てなり彼等（かれら）に曰（いひ）けるハ爾曹（なんぢら）も葡萄園（ぶだうばたけ）にゆけ相當（さうたう）の値（あたひ）を得（う）べし
⁸ 日暮（ひくる）るとき葡萄園（ぶだうばたけ）の主人（あるじ）その家宰（いへのつかさ）に曰（いひ）けるハ労力（はたらき）たる者等（ものら）を呼（よび）て後（のち）に雇（やと）へる者（もの）を始（はじめ）とし先（さき）の者（もの）にまで價（あたひ）を給（はら）へよ
⁹ 五時（ごじ）ごろに雇（やと）ハれし者（もの）ども來（きた）りて銀一枚（ぎんいちまい）づゝを受（うけ）たり
¹⁰ 先（さき）の者（もの）ども來（きた）りて我儕（われら）ハ多（おほ）く受（うく）るならんと意（おも）ひしに亦銀一枚（またぎんいちまい）づゝを受（うく）
¹¹ これを受（うけ）て主人（あるじ）を怨（うらみ）つぶやきけるハ
¹² この後至者（のちのもの）の労力（はたらき）は一時（いちじ）バかりなるに終日（ひねもす）くるしみを任（おひ）あつさに當（あへ）る我儕（われら）と均（ひと）しく之（これ）をなせり
¹³ 主人（あるじ）その一人（ひとり）に答（こたへ）て曰（いひ）けるハ友（とも）よ我（われ）なんぢに不義（ふぎ）をせず爾（なんぢ）と銀一枚（ぎんいちまい）の約束（やくそく）をなしたるに非（あら）ずや
¹⁴ 爾（なんぢ）のものを取（とり）て往（ゆけ）われ亦（また）この後至者（のちのもの）にも爾（なんぢ）の如（ごと）く予（あた）ふべし
¹⁵ 我物（わがもの）をもて我（わが）おもふ如（ごと）く行（なす）ハ宜（よか）らず乎（や）わが善（よき）に因（より）て爾（なんぢ）の目（め）はあしき乎（か）
¹⁶ 此（かく）の如（ごと）く後（あと）の者（もの）は先（さき）に先（さき）の者（もの）ハ後（あと）になるべし夫（それ）よバるゝ者（もの）は多（おほ）しと雖（いヘど）も選（えらば）るゝ者（もの）ハ少（すく）なし

¹⁷ イエス、エルサレムに上（のぼ）るとき
[千六百八十一] 途間（みち）にて人（ひと）を離（はな）れ十二弟子（じふにでし）を伴（ともな）ひて彼等（かれら）に曰（いひ）けるハ
¹⁸ 我儕（われら）エルサレムに上（のぼ）り人（ひと）の子（こ）ハ祭司（さいし）の長（おさ）と學者等（がくしゃたち）に賣（わた）されん彼等（かれら）これを死罪（しざい）に定（さだ）め
¹⁹ また凌辱鞭（なぶりむちう）ち十字架（じふじか）に釘（つけ）ん爲（ため）に異邦人（いはうじん）に解（わた）すべし又第三日目（またみっかめ）に甦（よみが）へるべし

²⁰ 其時（そのとき）ゼベタイの子等（こたち）の母（はゝ）その子（こ）と偕（とも）にイエスに來（きた）り拜（はい）して彼（かれ）に求（もとむ）ること有（あり）けれバ
²¹ これに曰（いひ）けるは何（なに）を欲（ねが）ふかイエスに曰（いひ）けるは此二人（このふたり）の我子（わがこ）を爾（なんぢ）の國（くに）に於（おい）て一人（ひとり）ハ爾（なんぢ）の右一人（みぎひとり）は爾（なんぢ）の左（ひだり）に坐（すわ）ることを命（めい）ぜよ
²² イエス答（こたへ）て曰（いひ）けるは爾曹（なんぢら）ハ求（ねがふ）ところを知（しら）ず爾曹（なんぢら）ハ我（わ）が飲（のま）んとする杯（さかづき）をのみ又（また）わが受（うけ）んとするバプテスマを受得（うけえ）るや彼等（かれら）いひけるハ能（よく）すべし
²³ イエス彼等（かれら）に曰（いひ）けるハ誠（まこと）に爾曹（なんぢら）ハ我（わ）が杯（さかづき）を飲（のみ）また我（わが）うくるバプテスマを受（うく）べし然（され）ど我（わ）が右左（みぎひだり）に座（すわ）ることハ我（わ）が賜（あたふ）べきに非（あら）ず只（たゞ）わが父（ちゝ）に備（そなへ）られたる者（もの）ハ賜（あたへ）らるべし
²⁴ 十人（じふにん）の弟子（でし）これを聞（きゝ）て二人（ふたり）の兄弟（きゃうだい）を憤（いきどほ）れり
²⁵ イエス彼等（かれら）を召（よび）て曰（いひ）けるハ異邦（いはう）の領主（りょうしゅ）はその民（たみ）を主（つかさ）どり大人（おほいなるもの）どもハ彼等（かれら）の上（うえ）に權（けん）を操（とる）これ爾曹（なんぢら）が知（しる）ところ也（なり）
²⁶ 然（され）ど爾曹（なんぢら）の中（うち）にてハ然（しか）すべからず爾曹（なんぢら）のうち大（おほい）ならんと欲（おも）ふ者（もの）は爾曹（なんぢら）に役（つかは）るゝ者（もの）となるべし
²⁷ また爾曹（なんぢら）のうち首（かしら）たらんと欲（おも）ふ者（もの）ハ爾曹（なんぢら）の僕（しもべ）となるべし
²⁸ 此（かく）の如（ごと）く人（ひと）の子（こ）の来（きた）るも人（ひと）を役（つか）ふ爲（ため）には非（あら）ず反（かへっ）て人（ひと）に役（つか）ハれ又（また）おほくの人（ひと）に代（かはり）て生命（いのち）を予（あたへ）その贖（あがなひ）とならん爲（ため）なり

²⁹ 彼等（かれら）エリコを出（いで）し時（とき）おほくの人々（ひとゞゝ）イエスに從（したが）へり
³⁰ 二人（ふたり）の瞽者路（めしひみち）の旁（かたはら）に坐（すわり）をりしがイエスの過（すぐ）ると聞（きゝ）て叫（さけび）ていひけるハダビデの裔主（こしゅ）よ我儕（われら）を憐（あはれ）みたまへ
³¹ 衆人（ひとゞゝ）これに黙（しづま）れと戒（いまし）むれども愈（いよゝゝ）さけび曰（いひ）けるハダビデの裔主（こしゅ）よ我儕（われら）を憐（あはれ）みたまへ
³² イエス立止（たちどまり）て之（これ）を呼（よび）いひけるハ爾曹（なんぢら）われに何（なに）を爲（せ）られんと願（ねが）ふや
³³ イエスに曰（いひ）けるハ主（しゅ）よ我儕目（われらめ）の啓（ひらか）んことを願（ねが）ふ
³⁴ イエス憐（あはれ）みて其目（そのめ）に手（て）を按（つけ）れバ直（たゞち）に見（みる）ことを得（え）イエスに
[千六百八十二] 從（したが）へり

第二十一章

かれら観覧山（かんらんざん）のベテパゲに至（いた）りエルサレムに近（ちかづ）ける時（とき）イエス二人（ふたり）の弟子（でし）を遣（つかは）さんとして
² 彼等（かれら）に曰（いひ）けるハ爾曹（なんぢら）むかふの村（むら）に往（ゆけ）やがて繋（つなぎ）たる驢馬（ろば）の其子（そのこ）と偕（とも）にあるに遇（あは）ん夫（それ）を解（とき）て我（われ）に牽（ひき）きたれ
³ 若（もし）なんぢらに何（なに）とか言（いふ）ものあらバ主（しゅ）の用（よう）なりと曰（いへ）さらバ直（たゞち）に之（これ）を遣（つかは）すべし
⁴ 預言者（よげんしゃ）の言（ことば）に視（み）よ爾（なんぢ）の王（わう）ハ柔和（にうわ）にして驢馬（ろば）すなハち驢馬（ろば）の子（こ）に乗（のり）なんぢに来（きた）るとシヲンの女（むすめ）に告（つげ）よと
⁵ 云（いへ）るに應（かなは）せん爲（ため）に如此（かく）なせる也（なり）
⁶ 弟子（でし）ゆきてイエスの命（めい）ぜし如（ごと）くなし
⁷ 驢馬（ろば）と其子（そのこ）とを牽（ひき）きたり己（おのれ）の衣（ころも）をその上（うへ）に置（おき）けれバイエスこれに乗（のれ）り
⁸ 衆人（ひとゞゝ）おほくは其衣（そのころも）を途（みち）に布（しき）あるひは樹枝（きのえだ）を伐（きり）て途（みち）に布（しき）ぬ
⁹ かつ前（まへ）にゆき後（あと）に從（したが）ふ人々呼（ひとゞゝよび）いひけるはダビデの裔（こ）ホザナよ主（しゅ）の名（な）に託（より）て來（きた）る者（もの）は福（さいはひ）なり至高處（いとたかきところ）にホザナよ

¹⁰ イエスエルサレムに至（いた）れるとき都城（みやこ）こぞりて竦動（さわだち）いひけるハ是誰（これたれ）ぞや
¹¹ 衆人（ひとゞゝ）いひけるハ此（こ）ハガリラヤのナザレより出（いで）たる預言者（よげんしゃ）イエスなり

¹² イエス神（かみ）の殿（みや）に入（いり）て其中（そのうち）なる凡（すべて）の賣買（うりかひ）する者（もの）を逐出（おひいだ）し兌銀者（りゃうがへするもの）の案鴿（だいはと）をうる者（もの）の椅子（こしかけ）を倒（たふ）し
¹³ 彼等（かれら）に曰（いひ）けるハ我家（わがいへ）は祈禱（いのり）の家（いへ）と稱（となへ）らるべしと録（しる）さる然（しか）るに爾曹（なんぢら）これを盗人（ぬすびと）の巣（す）となせり
¹⁴ 瞽者跛者（めしひあしなへ）の人々殿（ひとゞゝみや）に入（いり）てイエスに來（きた）りければ之（これ）を醫（いや）しぬ
¹⁵ 祭司（さいし）の長（をさ）と學者（がくしゃ）たち其行（そのなし）たまへる奇 事（ふしぎなるわざ）を見（み）また兒童輩（こどもら）の殿（みや）にて呼（よば）ハりダビデの裔（こ）ホザナよと云（いふ）を聞（きゝ）て怒（いかり）を含（ふくみ）
¹⁶
イエスに曰（いひ）けるハ彼等（かれら）が言（いふ）ことを聞（きく）やイエス答（こたへ）て曰（いひ）けるハ然（しか）り嬰兒（をさなご）乳哺者（ちのみご）の口（くち）に讃美（さんび）を備（そなへ）たりと錄（しる）されしを未（いま）だ讀（よま）ざる乎（か）
¹⁷ 遂（つひ）に彼等（かれら）を離（はな）れ都城（みやこ）を出（いで）てベタニヤに往（ゆき）そこに宿（やど）れり

¹⁸ 翌（あくる）あさ都城（みやこ）へ返（かへ）るとき飢（うゑ）けれバ
¹⁹ 路（みち）の旁（ほとり）にある一（ひとつ）の無花果（いちじく）の樹（き）を見（み）て其處（そのところ）に來（きた）りしに葉（は）の他（ほか）に
[千六百八十三] 何（なに）も見（みえ）ざりしかバ今（いま）よりのち永 久（いつまで）も果（み）を結（むす）ぶことを得（え）ざれと之（これ）に曰（いひ）たまひけれバ無花果立刻（いちじくたちどころ）に枯（かれ）ぬ
²⁰ 弟子（でし）これを見（み）て奇（あやし）み曰（いひ）けるハ無花果（いちじく）の枯（かる）ること何（いか）に速（はやき）や
²¹ イエス答（こたへ）て彼等（かれら）に曰（いひ）けるハ我（われ）まことに爾曹（なんぢら）に告（つげ）んもし信仰（しんかう）ありて疑（うたが）ハずバ此無花果（このいちじく）に於（おけ）るが如耳（ごときのみ）ならず此山（このやま）に命（めい）じ此（こゝ）より移（うつ）されて海（うみ）に入（いれ）よと云（いふ）とも亦成（またなら）ん
²² 且（かつ）なんぢら信（しん）じて祈（いの）らバ求（ねが）ふ所（ところ）ことゞゝく得（う）べし
²³
イエス殿（みや）に入（いり）て教（をしへ）たるとき祭司（さいし）の長（をさ）および民（たみ）の長老（としより）たち來（きた）り曰（いひ）けるハ何（なに）の權威（けんゐ）を以（も）て此事（このこと）をなすや誰（たが）この權威（けんゐ）を爾（なんぢ）に予（あたへ）しや