明治元訳新約聖書(大正4年)/路加傳福音書(2)

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第十七章[編集]

………………
14 イエスこれいひけるハゆきおのれさいしせよかれらゆくうちきよめられたり
15 そのひとりおのいやされたるをかへりきたおほごゑかみあが
16 イエスあしもとひれふししゃせりかれサマリアびとなり
17 イエスこたへいひけるハきよめられしものじふにんあらずそのくにんいづこある
18 このいほうじんほかかみほまれせんとてかへりたるものあらざる
19 またかれいひけるハたちゆけなんぢのしんかうなんぢをすくへ
20 かみくにいづれとききたるとパリサイのひととはれけれバイエスこたへいひけるハかみくにあらはれてきたるものにあら
21 こゝかしこよとひといふべきものにもあらそれかみくになんぢらうちあり
22 またでしいひけるハなんぢらひといちにちたくおもきたらんされどもざるべし
23 ひとゞゝなんぢらにこゝかしこよといはされどもゆくなかれしたがなか
24 それいなづまてんあなたよりひらめてんこなたひかるごとひとそのひかくあるべし
25 されひとかならずまづおほくのくるしみうけまたこのよひとすてられん
26 ノアときありごとひとときにもしかあるべし
27 すなはノアはこぶねいりまでひとゞゝのみくひ、とつぎ、めとりなどたりしがこう
[千七百七十九] ずいきたりてかれらほろぼせり
28 またロトときにもかくありきひとゞゝくひのみ、うりかひ、たがやし、しゃづくりなどたりしに
29 ロトソドムよりいでひてんよりいわうふらせてかれらをみなほろぼせり
30 ひとあらはるゝにもまたかくあるべし
31 そのひにハひといへのうへあらそのうつはものいへあるともこれたらんとてくだるなかれまたたはたにあるものおなじかへるなかれ
32 ロトつまおも
33 おほよそのいのちたすけんとするものこれうしなもしそのいのちうしなはんものこれたもつべし
34 われなんぢらにつげそのよふたりひとつどこあらんにひとりとらひとりのこさるべし
35 ふたりをんなともにうすひきおらんにひとりとらひとりのこさるべし
36 かれらこたへいひけるハしゅこのこといづこあるかれらいひけるハしかばねあるところにハわしあつまらん


第十八章[編集]

[1] イエスまたひとつねいのりしてきをおとすまじきためたとえかれらかたりけるハ
2 あるまちかみおそれひとうやまハざるさいばんにんありけるが
3 そのまちやもめをんなありてわれわがあだよりすくひたまへといひかれいたりしに
4 かれひさしうけがハざりしかどそののちこゝろうちおもひけるハわれかみおそれひとをもうやまハざれど
5 このやもめわれをわづらはせバかれたえきたりわれなやまさゞるためこれすくハん
6 しゅいひけるハふぎなるさいばんにんいひこときけ
7 ましかみちゅうやいのところえらびたるものながしのぶともつひすくはざらんや
8 われなんぢらにつげかみすみやかかれらすくハんされひときたらんときしんんや


9 またみづからおもひとかろしむるあるひとイエスこのたとへかたれり
10 ふたりいのらんとてみやのぼりしがそのひとりハパリサイのひとひとりみつぎとりなりき
11 パリサイのひとたちてみづかかくいのれりかみわれほかひとごとうばひ、ふぎ、かんいんせずまたこのみつぎとりごとくにもあらざるをしゃ
12 われひとまわりふたたびだんじきまたすべてうるものゝじふぶんいちさゝげたり
13 みつぎとりはるかたちてんをもあふそのむねうちかみざいにんなるわれあはれたまへいへ
14 われなん
[千七百八十] ぢらにつげこのひとかのひとよりハせられていへかへりたりそれすべてみづからたかぶものさげられみづからへりくだものあげらるべし


15 イエスさはられんがためひとゞゝをさなごつれきたりしにでしたちこれいましめたり
16 イエスをさなごでしいひけるハをさなごわれきたらせよかれらいましむなかかみくにをるものかくごとものなり
17 まことなんぢらつげおほよをさなごごとくかみくにうけざるものこれいることをざるなり


18 あるつかさとふていひけるハよきしかぎりなきいのちつぐためにわれなにをなすべき
19 イエスかれいひけるハなにわれよしいふひとつほかよきものハなしすなはかみなり
20 いましめなんぢしるところなりかんいんするなかころすなかれぬすむなかれいつはりのあかしたつなかなんぢちゝはゝとをうやま
21 こたへけるハこれみなわがをさなきよりまもれるものなり
22 イエスこれきゝいひけるハなんぢなほひとつかくそのもちものことゞゝうりまづしきものほどこさらてんおいたからあらんしかしてきたわれしたが
23 かれおほいとめものなりしかバこれきゝいたうれへたり
24 イエスそのいたうれへしをいひけるハとめものかみくにいるいかかたいかな
25 とめものかみくにいるよりらくだはりあなとほるかえっやす
26 これきけものどもいひけるハさらたれすくひうくべき
27 イエスいひけるハひとなしえざるところかみなしうるところなり
28 ペテロいひけるハわれらいっさいすてなんぢしたがへり
29 イエスかれらいひけるハまことなんぢらつげおほよかみくにためいへあるひハふぼあるひハきゃうだいあるひハつまあるひハこどもすつもの
30 このよにていくばいをうけのちのよにハかぎりなきいのちうけざるものなし


31 イエスじふにでしともなひてこれいひけるハわれらエルサレムのぼひとついよげんしゃしるされしことハみなとげらるべし
32 それひといほうじんわたされなぶられくるしめられつばきせらるべし
33 かつかれらむちうちこれころさんまたみっかめよみがへるべし
34 でしこのことすこしさとらまたこのいへことかれらにかくれたりまたそのかたれること
[千七百八十一] をしらざりき
35 イエスエリコちかよれるときあるめしひみちかたはらしてこひたりしが
36 おほぜいすぐるきゝなにごとぞといひけれバ
37 ひとゞゝナザレイエスすぐるなりとつぐ
38 めしひよバゝりいひけるハダビデイエスわれあはれみたまへ
39 さきだちゆくものどもだまれこれいましむれどもますゝゝダビデわれあはれみたまへとよばはれり
40 イエスたちどまかれつれきたれめいめしひちかよりけれバ
41 イエスかれとひけるはなんぢわれになにせられんとねがふやこたへけるハしゅみえなんことねが
42 イエスかれいひけるハみることをうけなんぢしんなんぢをすくへり
43 かれやがてかみあがめイエスしたがひぬたみみなこれかみほめたり


第十九章[編集]

[1] イエスエリコいりすぎゆくとき
2 ザアカイいへひとありみつぎとりかしらにてとめものなり
3 イエスいかなるひとなるかんとおもへどもみのたけひくけれバおほぜいなるによりみることを
4 かれんとてはしりゆきくはのきのぼれりイエスそのみちとほらんとするゆゑなり
5 イエスこゝきたあふぎかれいひけるハザアカイいそくだわれけふかならずなんぢいえやどらん
6 かれいそぎくだよろこびイエスむかへたり
7 ひとゞゝこれをてみなつぶやきいひけるハかれゆきつみあるひときゃくれり
8 ザアカイたちしゅわがもちものなかばまづしきものほどこさんもしわれしひうったへひとよりとりたるところあらバしばいにしてこれつくのふべし
9 イエスかれいひけるハけふこのいへすくはるゝことをたりそはこのひとアブラハムなれバなり
10 それひとうしなひしものたづねすくはためきたれり
11 ひとゞゝこのこときけときまたたとへまうけいへエルサレムちかくかつひとゞゝかみくにたゞちにあらはるべしとおもふゆゑなり
12 あるたふときひとみづからりゃうちうけかへらんとてとほきくにゆくとき
13 じふにんしもべよびかれらきんじふきんあたへいひけるハわがくるまでしょうばい
[千七百八十二] よ
14 そのくにびとかれをうらみあとよりつかひつかはいひけるハわれらこのひときみとすることこのま
15 りゃうちうけかへりときおのゝゝしょうばいしてなにほどたるかをしらんとてかねあたへおきたるしもべどもよべめいじぬ
16 はじめひとりきたりていひけるハしゅなんぢいっきんじっきんたり
17 しゅじんいひけるハよしよきしもべなんぢわづかなものちゅうなれバとをまちつかさどるべし
18 またつぎひとりきたりていひけるハしゅなんぢいっきんごきんたり
19 しゅじんいひけるハなんぢいつゝまちつかさどるべし
20 またひとりきたりていひけるハしゅなんぢいっきんこゝありわれふくさつつみをさめおきたりき
21 そはなんぢきびしきひとなるがゆゑわれおそれたりなんぢおかざるものをとりまかざるものをかるひとなれバなり
22 しゅじんいひけるハあしきしもべわれなんぢのくちよりなんぢさばくべしなんぢわれハきびしきものにておかざるものとりまかざるものかるしる
23 しかるなんわがきたるときもとんがためわがかねかはせざあづけざりしや
24 つひかたはらたてものいひけるハこのひといっきんとりじふきんもてものあたへ
25 ひとゞゝしゅじんいひけるハしゅそのひとすでにじふきんもて
26 しゅじんいひけるハわれなんぢらにつげそれもつものあたへられもたぬものそのもてるものまでもとらるべし
27 かつわがかたきすなハちわがしはいこのまざるものこゝつれきたりてわがまへころ
28 イエスこのこといひしのちひとゞゝさきだちてエルサレムのぼれり
29 かんらんなづくやまよれベテパゲベタニヤちかづけるときそのでしふたりつかはさんとていひけるハ
30 むかふむらにゆけかしこいらひといまのらざるところつなぎたるろばのこあふべしそれときひききた
31 もしたれなんぢらなにゆゑとくやととふものあらバかくこたふべししゅようなり
32 つかはされたるものゆきけれバはたしそのかたりたまへるごとあひ
33 かれらろばのことくときそのぬしどもかれらになんろばのことくやといひしかバ
34 こたへしゅようなりといひ
35 これイエスひききたおのころもろばのこおきイエスそのうへのす
36 イエスゆきける
[千七百八十三] ときひとゞゝそのころもみちしけ
37 イエスエルサレムちかづきかんらんざんくだらんとするときおほぜいでしみなよろこそのみところふしぎなるすべてわざよりおおごゑかみほめいひけるハ
38 しゅよりきたわうさいはひなりてんおいてハおだやかいとたかきところにハえいくわうあるべし
39 おほぜいうちよりあるパリサイのひとイエスいひけるハなんぢでしいましめよ
40 かれらこたへけるハわれなんぢらにつげこのともがらもしだまりなバいしさけぶべし
41 すでちかづけるときじょうちゅうこれためなきいひけるハ
42 もしなんぢだにもいまこのなんぢおいなんぢおだやかかゝはれることしらさいはひなるにいまなんぢのかくれたり
43 なんぢてきなんぢのまはりるいきづしほうよりかこみせめ
44 なんぢそのうちなるこどもうちほろぼいしをもいしうへのこさざるきたらんこれなんぢそのかへりみたまふのときしらざれバなり
45 イエスみやいりそのうちにてあきないせるものおいいだ
46 かれらいひけるハわがいへいのりいへなりとしるされたるになんぢらこれをぬすびとなせ
47 イエスひごとみやにてをしさいしをさがくしゃたみたふときものどもかれころさんとはかれどもたみみなこゝろかたむけてそのをしへきけるがゆゑ
48 なすべきかたしらざりき


第二十章[編集]

[1] そのころイエスみやにてたみをしふくいんのべしにさいしをさがくしゃ、としよりともちかよりイエスかたりいひけるハ
2 なにけんゐこのことなすたがこのけんゐあたへたるかわれらつげ
3 こたへいひけるハわれひとことなんぢらにとはまたわれにつげ
4 ヨハ子のバプテスマハてんよりかひとよりか
5 かれらたがひにいひけるハもしてんよりといはなにゆゑかれをしんぜざるいは
6 もしひとよりといはたみみなヨハ子よげんしゃしんずれバわれらいしにてうたんとて
7 つひこたへいづれよりなるかしらずといへ
8 イエスかれらいひけるハわれまたなにのけんゐなすかをなんぢらつげ


9 すなはこのたとへたみかたれりあるひと
[千七百八十四] ぶだうばたけをつくりのうふかしひさしくほかのくにゆきしが
10 ときいたりけれバぶだうばたけうけとらためしもべのうふもとつかはしけるにのうふどもこれをうちたゝきてむなしかへらせたり
11 またほかしもべつかはしゝにこれをもうちたゝきはづかしめてむなしかへらせたり
12 またみたびしもべつかはしゝにこれをもきずつけておひいだしけれバ
13 ぶだうばたけあるじいひけるハわれいかになさわがあいしつかはすべしこれうやまふならん
14 のうふどもこれたがひはかりいひけるハこれあとつぎなりいざかれをころさんなりはひわれらものになるべしとて
15 かれぶだうばたけそといだしてころせりしからぶだうばたけあるじいかにかれらなすべき
16 かれきたりこののうふどもほろぼぶだうばたけほかのひとあづくべしひとゞゝこれをきゝいひけるハしかあらざれ
17 イエスかれらいひけるハいへつくりすてたるいしこれこそいへのすみおやいしとなれとしるされしはなんぞや
18 このいしうへおつるものハやぶれこのいしうへおつれバそのものくだかるべし
19 さいしをさ、がくしゃどもそのおのれさしこのたとへかたりたるをしりこのときイエスとらへんとしかどもたみおそれたり
20 すなはこれうかゞひそのことばとりつかさせいじけんゐわたさんとしてみづかぎじんいつはれるかんじゃつかはせり
21 つきイエスとひけるハわれらなんぢのいふところをしふるところたゞしくかつかたよらずまことかみみちをしふるをしる
22 われらみつぎカイザルをさむるハよきいな
23 イエスそのあしきたくみなるをしりいひけるハなんわれこゝろむるや
24 デナリをわれせよこのかたちしるしたれなるかこたへカイザルなりといふ
25 イエスいひけるハさらカイザルものカイザルをさかみものかみをさめ
26 かれらたみまへそのことばとりえかつそのこたへふしぎおもひもくねんたり


27 よみがへことなしといふサドカイのひときたりてイエスとひけるハ
28 モーセわれらかきおけるもしひときゃうだいつまありなくしてしなきゃうだいそのつまめとうみそのあとつがすべしと
29 されしちにんきゃうだいあらんにあにつまめとなくしてしに
30 だいに
[千七百八十五] ものこのをんなめとなくしてしに
31 だいさんこれめとしちにんおなじこれめとなくしてしに
32 つひをんなしにたり
33 さらしちにんともにこのをんなつまとせしゆゑよみがへりたるときたれつまなるべき
34 イエスこたへいひけるハこのよめとりとつぐことあり
35 かのよよりよみがへるたるものハめとりとつぐことなし
36 これまたしぬることあたはざるがゆゑなりそはてんつかひひとしよみがへりにてかみなれバなり
37 さてしにものよみがへることにつきてハモーセしばまきしゅアブラハムかみイサクかみヤコブかみいひこれあらはせり
38 それかみしにたるものかみあらいけものかみなりそはかみまへにハみないけものなれバなり
39 そのがくしゃたちこたへいひけるハよくいへり
40 こののちあえイエスとふものなかりき


41 イエスかれらいひけるハひとゞゝいかなれバキリストダビデいふ
42-43 ダビデみづかまきしゅわがしゅいひけるハわれなんぢのてきなんぢあしだいなすまでみぎすべしといへ
44 されダビデこれしゅとなへたれバいかそのならん
45 たみみなこれきけときそのでしにいひけるハ
46 ながきころもあるくことをこのちまたにてひとあいさつくわいだうかうざふるまひじゃうざよろこがくしゃつゝしめよ
47 かれらやもめをんないへのみいつハりてながきいのりをなすさばかるゝこともっとおも


第二十一章[編集]

[1] イエスをあげとめひとゞゝをさめものさいせんばこいるるを
2 またあるまづしやもめをんなのレプタふたついれたるをいひけるハ
3 われまことなんぢらつげこのまづしやもめすべてものよりもおほいれたり
4 そはかれらはみなそのあまりあるところよりをさめものかみにさゝげこのをんなともしきところよりそのしんだいことゞゝさゝげたれバなり


5 またあるひとみやよきいしほうなふものかざれることをかたりしに
6 イエスいひけるハなんぢらところのものいしいしうへにものこさくづさるゝいたらん
7 かれらとふていひけるハいづれときこのこと
[千七百八十六] あらんまさこときたらんときいかなるしるしある
8 イエスいひけるハなんぢらつゝしみてまどはさるゝことなかれそはおほくのものわがをかしきたりわれキリストなりときちかよれりといはされなんぢらしたがなか
9 たたかひみだれきくときおそるゝなかこれらことさきあるやむざることなりされをはりいますみやかならず
10 またいひけるハたみたみをせめくにくにせめ
11 ところゞゝゝおほいなるじしん ききん えきびょうおこりまたおそるべきことおほいなるしるしてんよりあらはるべし
12 このことよりさきひとゞゝなんぢらとらくるしくわいだうおよびひとやわたわがなためわうおよびつかさまへひきゆくべし
13 されどもなんぢらこのことあふあかしとなるなり
14 ゆゑなんぢらまづなにこたへんとおもひはかるまじきことこゝろさだめ
15 そはすべてなんぢらあだするものいひふせぎまたもとることをなしえざるべきくちちゑとをわれなんぢらにあたへん
16 またなんぢらちゝはゝきゃうだいしんせきほうゆうなどよりわたされかつなんぢらのうちあるものころさるべし
17 なんぢらわがためひとゞゝにくまれん
18 されどもなんぢらかみのけひとすぢうしなハじ
19 なんぢらたへしのびそのいのちまったうせよ
20 なんぢらぐんぜいエルサレムかこまるゝをなバそのほろびちかきにあるしれ
21 そのときユダヤをるものやまのがれエルサレムをるものいでゐなかをるものエルサレムいるなかれ
22 これけいばつにしてしるされたることのみなとげらるゝなり
23 そのひにハはらみたるものちのみごあるものわざはひなるかなこれおほいなるわざはひありていかりこのたみおよぶべければなり
24 ひとゞゝつるぎのはたふまたとらハれてしょこくひかエルサレムいはうじんときみつるまでいはうじんふみあらさるべし
25 またひつきほししるしあるべしにてハしょこくひとかなしうみなみとのなりとどろくよりうろたへ
26 ひとゞゝおそれつつせかいきたらんとすることまちなやむべしこれてんいきほしんどうすべけれバなり
27 そのときひとゞゝひとけんゐおほいなるえいくわうくものりきたるをるべし
28 これらことなりはじめときにハおきなんぢらかうべあげよなんぢらのすくひちかづけバなり
29 イエスたとえかれらかたりけるハいちじくすべて
30 すでめざせなんぢらこれをみづかなつハはやちかししる
31 かくごとなんぢらこれらことなるかみくにちかきしれ
32 まことわれなんぢらにつげこのことみななるまでハこのよすぎざるべし
33 てんちすたるべしされどもわがことばすたべからず
34 なんぢらみづからをつゝしめおそらくハいんしょくふけよのことまどはなんぢらこゝろにぶくなりておもひよらざるときこのひなんぢらにのぞま
35 これわなごとあまねうへすむもののぞむべし
36 このゆゑなんぢらつゝしみこののぞまんとするすべてことのがれまたひとまへたちうるやうにつねいの
37 イエスひるみやにてをしよるいでかんらんいへやまやどり
38 たみみなかれきかんとてあさはやくみやきたれり


第二十二章[編集]

[1] すぎこしいへたねいれぬぱんのまつりちかづけり
2 さいしをさがくしゃたちいかにしてかイエスころさんとうかゞただたみおそれたり
3 さてサタンじふにうちイスカリオテとなふユダいり
4 かれさいしをさたちとみやもりどもゆきいかにしてかイエスわたさんとかたりけれバ
5 かれらよろこびてぎんすあたへんとやく
6 ユダうけがひてひとゞゝざるときイエスわたさんとをりうかゞへり


7 さてたねいれぬぱんのいはひなるすぎこしこひつじころすべきになりけれバ
8 イエスペテロヨハ子つかはさんとていひけるハゆきわれらしょくせんためすぎこしそなへ
9 かれらこたへけるハいづここれそなへんとする
10 イエスいひけるハじょうかいらみづいれたるかめもてひとなんぢらにあふべしそのいるところのいへしたがゆき
11 いへあるじなんぢにいふわれでしともすぎこししょくすべききゃくざしきいづこあるやといへ
12 すれバかれそなへたるおほいなるにかひざしきすべしそこそなへ
13 かれらゆきてイエスいひたまひたるごとあひしかバすぎこしそなへなせ
14 ときいたりけれバイエスしょくつきまたしとともつきたり
15 イエスかれらいひけるハわれくるしみうくまへなんぢらともこのすぎ
[千七百八十八] こししょくすることおほいねがへり
16 われなんぢらつげこれかみくにまでハまたこれをしょくせじ
17 イエスさかづきをとりしゃしていひけるハこれとりたがひわかて
18 われなんぢらにつげかみくにきたるまでハぶだうよりつくりしものをのま
19 またパンをとりてしゃしてさきかれらにあたへいひけるハこれなんぢらにためあたふるわがからだなりわれおぼえためこれなせ
20 またしょくしてのちさかづきをとりいひけるハこのさかづきなんぢらためながわがちにしてたつところしんやくなり
21 それわれをわたものわれともだいにあり
22 ひとはたしさだめられたるごとゆかされどもひとわたひとわざはひなるかな
23 かれらこのことものたれなるたがひとひ
24 またかれらうちにてをさたるものたれなるかとたがひあらそひありき
25 イエスかれらいひけるハいはうじんわうそのたみしはいするまたそのうへけんとるものめぐみほどこものとなへらる
26 されどもなんぢらかくすべからずなんぢらのうちおほいなるものわかきごとかしらたるものつかふものごとくなるべし
27 しょくつけものつかふものいづれおほいなるしょくつけものならずやされどもわれなんぢらうちつかふものごと
28 わがくわんなんおいわれともをりものなんぢらなり
29 わがちゝわれにんぜしごとわれなんぢらくににんずべし
30 これなんぢらわがくにおいわがだいくいのみかつくらゐしてイスラエルじふにわかれさばかんがためなり
31 しゅまたいひけるハシモンシモンサタンなんぢらもとめむぎごとふるはんとす
32 されどもなんぢしんこうたえざるやうなんぢためいのれりなんぢかへらときそのきゃうだいかたくせよ
33 シモンいひけるハしゅわがひとやにまでもにまでもなんぢともゆかんとこゝろさだめたり
34 イエスいひけるハペテロわれなんぢつげけふにはとりなかざるまへなんぢみたびわれしらずといは


35 またかれらにいひけるハわれさいふ たびぶくろ くつをももたせでなんぢらつかはしゝときことかけたることありしやこたへけるハなかりき
36 イエスかれらいひけるハいまさいふあるものこれをとれたびぶくろあるものまたしかこれらもた
[千七百八十九] ぬものいふくうりつるぎかふべし
37 われなんぢらにつげかれつみびとうちかぞへられてありしとしるされたるこのことわれおいとげらるべしそはわれをさしたることかならとげらるべけれバなり
38 かれらいひけるハしゅみこゝふたつつるぎありイエスかれらいひけるハたれ
39 イエスいでかんらんやまゆきけるにそのでししたがへり
40 そのところいたりかれらいひけるハまどひいらざるやういの
41 イエスかれらはなれいしなげらるるほどへだゝひざまづきいのりいひけるハ
42 ちゝみこゝろかなはこのさかづきわれよりはなたまされどもわがこゝろあらずたゞみこゝろのまゝになしたまへ
43 つかひてんよりかれあらはれてちからそへ
44 イエスいたかなししきりいのれりそのあせしたゝりごとおちたり
45 いのりよりたちでしきたかれらうれへねむれるを
46 いひけるハなんねむるやおきまどひいらざるやういの
47 かくいへるときおほぜいひとゞゝきたるまたじふにひとりなるユダいへものそれさきだちてイエスくちつけせんとちかよれり
48 イエスいひけるハユダなんぢくちつけをもてひとわた
49 そのかたはらたるものどもことおよばんとするをいひけるハしゅわれらつるぎをもてうつべき
50 そのうちひとりさいしをさしもべうちそのみぎみゝきりおとせり
51 イエスこたへこれゆるせといひそのみゝさはりいやしたり
52 イエスこゝきたりをさみやもりおよびとしよりどもいひけるハなんぢらつるぎぼうとをもちきたぬすびとむかふごとくする
53 われひゞなんぢらともみやありときわれおくことなかりきしかるにいまなんぢらときかつくらきいきほひなり
54 かれらイエスとらひきさいしをさいへつれゆけペテロはるかしたがひぬ
55 ひとゞゝなかにはのうちにたきともしけれバペテロそのなかしたり
56 あるしもめかれがかたはらせるをこれをつらゝゝいひけるハこのひとかれともあり
57 ペテロうけがはずしてをんなわれこれをしらずといへ
58 しばらくしてほかひとまたみいひけるハなんぢかれらひとりなりペテロいひけるハひとわれ
[千七百九十] はしから
59 おほよひとときほどすぎまたほかのひといひはりけるハまことこのひとかれともありこれガリラヤひとなればなり
60 ペテロいひけるハひとわれなんぢのいふところをしらずといひはてたちまにはとりなき
61 しゅみかへしてペテロたまへりけふにはとりなくまへみたびわれをしらずといはんとしゅいひたまひしことばペテロおもひいだ
62 そといでいたなけ


63 イエスまもれるものどもてうろうしてかれうち
64 そのおほとふいひけるはなんぢうつものたれなるかよげんせよ
65 またさまゞゝこといひこれそしれり
66 よあけたみとしよりさいしをさがくしゃどもあつまりてイエスしふぎしょひきゆき
67 いひけるはなんぢもしキリストならバわれらつげイエスいひけるはたとへわれなんぢらいふともしんぜざるべし
68 またたとひわれなんぢらにとふともこたへざるべし
69 いまよりのちひとちからあるかみみぎせん
70 みないひけるはなほしょうこもちゐんやわれらみづからそのくちよりきけ


第二十三章[編集]

[1] ひとゞゝみなイエスピラトつれゆき
2 これうったへいひけるはわれらこのひとたみまどはみつぎカイザルをさむることをこばみづかわうなるキリストとなふるをたり
3 ピラトイエスとふいひけるハなんぢユダヤびとわうなるかこたへけるハなんぢいへごと
4 ピラトさいしをさたちひとゞゝいひけるハわれこのひとおいつみあるを
5 かれらますゝゝはげみいひけるハかれガリラヤよりはじめあまねユダヤをしこのところまできたりたみみだせり
6 ピラトガリラヤきゝこのひとガリラヤびとなるとひ
7 そのヘロデしはいなるをしりこれヘロデおくこのときヘロデエルサレムありしが
8 イエスはなはよろこべりそはさまゞゝなるかれうはさきゝひさしこれんことをおもまたそのふしぎなるわざんとのぞみゐたれバなり
9 このゆゑおほくのことばとひけれどもイエスなにをもこたへざりき
10 さいしをさがくしゃたちかたはら
[千七百九十一] たちしきりかれうったへ
11 ヘロデそのしそつともかれかろしめてうろうしてうるはしきころもまたピラトおくれり
12 ピラトヘロデさきにハあだたりしがこのひたがひにしたしみなせ


13 ピラトさいしをさつかさおよびたみどもよびあつめて
14 いひけるハなんぢらこのひとわれつれきたりてたみみだしたるものなりとせりわれなんぢらがうったふところなんぢらまへさばけどもそのつみあるを
15 ヘロデまたしかなんぢらヘロデつかはせどかれイエスせしことしざいあたるざりき
16 ゆゑわれむちうちてこれゆるさん
17 そはこのいはひかならひとりゆるすことあれなり
18 かれらみなひとしくよバはりてこのひとのぞバラバわれらゆるせといふ
19 かれじゃうかいっきおこひところしてひとやいりものなり
20 ゆゑピラトイエスゆるさんとおもまたかれらにいひしかど
21 かれらよばはりてこれじふじかつけじふじかつけよといふ
22 ピラトみたびいひけるハかれなにあくじしやわれいまだかれしざいあるをざれバむちうちてゆるさん
23 かれらはげしこゑをたてゝかれじふじかつけんといひつのれりつひかれらさいしをさこゑかちたり
24 ピラトそのねがひごとさだめ
25 かれらねがへいっきおこひところしてひとやいりたるものゆるそのこゝろまかせてイエスわたせり
26 かれらイエスひきゆくときゐなかよりいできたれるクレ子シモンいへものとらそれじふじかおはせてイエスしたがハせたり
27 おほくたみおよびをんなたちしたがをんなたちかれなきかなしめり
28 イエスかれらかへりみいひけるハエルサレムむすめわがためなくなかれたゞおのれとおのためなけ
29 うまざるものいまだはらまざるのたいいまだのませざるのさいはひなりといはきたらん
30 そのときひとゞゝやまむかひわれらうへたふれをかむかひわれらおほへといは
31 もしあをきにさへかくなさバかれきいかゞせられん
32 またほかふたりつみびとイエスともしざいおこなはんとてひきゆけ
33 かれらクラニオンいへところいたりてこゝイエスおよつみびとじふじ
[千七百九十二] つけひとりイエスみぎひとりひだりおく
34 イエスいひけるハちゝかれらゆるたまそのなすところをしらざるがゆゑなりかれらくじをしてイエスいふくわか
35 ひとゞゝたちイエスたりやくにんまたあざわらふていひけるハかれたにんすくへりもしキリストかみえらびたるものならバみづからすくふべし
36 へいそつまたかれをてうろうきたあたへ
37 なんぢもしユダヤびとわうならバみづからすくへといへ
38 またギリシャロマヘブルもじにてこれユダヤびとわうなりとかけすてふだそのうへたてたり


39 かけられたるつみびとひとりイエスそしりいひけるはなんぢもしキリストならばおのれわれらすく
40 ほかひとりこたへてかれいましいひけるはなんぢおなじくさばきうけながらかみおそれざる
41 われらたうぜんなりせしことのむくいうくるなれどこのひとなによからぬことなさざりしなり
42 かくイエスいひけるはしゅみくにきたらときわれおもひたまへ
43 イエスこたへけるはまことわれなんぢにつげん-なんぢはわれともパラダイスあるべし


44 ときおよじふにじごろよりさんじいたるまであまねのうへくらやみれり
45 ひのひかりくらみみやうちまくもなかよりさけたり
46 イエスおほごゑよばゝいひけるはちゝわがたましひなんぢあづかくいひていきた
47 ひゃくにんかしらこのなりことかみあがいひけるはまことこのひとぎじんなりき
48 これんとてあつまれるひとゞゝみなこのありしことどもむねうちかへれり
49 イエスしるべおよびガリラヤよりしたがひしをんなどもとほたちこれらことたり


50 ぎいんなるヨセフいへぜんかつなるひとあり
51 かれらひゃうぎしわざうけがはざりきこれユダヤアリマタヤむらひとにてかみくにまてものなり
52 このひとピラトゆきイエスしかばねこひ
53 これとりおろぬのにてつゝみいまだひとはうむりことなきいしほりたるはかおけ
54 このひそなへびなりかつあんそくにちちかづきぬ
55 ガリラヤよりイエスともきたりしをんなたちあとしたがひてそのはかしかばねおかれたるさまたり
56 かれらかへ
[千七百九十三] りてかうもつにほひあぶらとゝのおきいましめしたがあんそくにちやすめり


第二十四章[編集]

[1] なぬかはじめのひよあけこのをんなたちとゝのへおきたるかうもつもちはかきたりしにほかをんなたちともきたれり
2 かれらいしはかよりまろびたりしを
3 いりけれバしゅイエスしかばね
4 これためうろたへをりしにかゞやけころもたるふたりそのかたはらたて
5 かれらおそれおもてふせければそのひといひけるはなんぢらなんしにたるものたづぬるや
6-7 かれこゝあらよみがへりたりかれガリラヤをりしときなんぢらかたりひとかならつみあるひとわたされじふじかつけられみっかめよみがへべしいひたりしをおもひいで
8 かれらそのことばおもひいで
9 はかよりかへりこれらことをみなじふいちでしほかでしたちつぐ
10 これらことしとつげたるものマグダラマリアヨハンナヤコブはゝなるマリアまたほかともありをんなたちなり
11 しとそのかたれるをむなしごとおもひてしんぜず
12 ペテロたちはしはかゆきかゞまりてぬのごろものかたりよせあるそのあふところのことあやしみつゝかへれり


13 このひふたりでしエルサレムよりさんりバかりへだゝりたるエマヲいへむらゆきけるに
14 たがひこれらありしことどもをかたりあへり
15 かたろんずるときイエスみづかちかづきてともゆけ
16 されかれらめまどはされてしることをざりき
17 イエスいひけるハなんぢらあゆみつゝたがひかなしかたりあふことハなん
18 そのひとりクレオパいへものこたへけるハなんぢエルサレムたびびとにしてひとりこのごろありことしらざる
19 こたへけるハなにごとぞやこれいひけるハナザレイエスことなりこのひとかみばんみんまへおいわざことばおほいなるちからあるよげんしゃなりしが
20 さいしをさやくにんたちかれをしざいわたしてじふじかつけたり
21 われらイスラエルあがなハんものこのひとなりとのぞみたりしまたそれのみならずこれらことなりしよりけふみっかめなるに
22 われらうちなるあるをんなたちわれらおどろか
[千七百九十四] せりかれらあさはやくはかゆき
23 そのしかばねずしてきたてんのつかひあらハれてかれよみがへれりといへるをたりとつぐ
24 またわれらともありものはかゆきたるにをんないへごとくにてかつかれをざりき
25 イエスいひけるハよげんしゃすべいひたることしんずるこゝろおそおろかなるもの
26 キリストこれらなやみうけそのえいくわういるべきにあらず
27 ゆゑモーセよりすべてよげんしゃはじめすべてのせいしょおいおのれついてのことときあかされたり
28 かれらゆくところむらちかづきけるにかれゆきすぎんとさまをなせバ
29 かれらすゝめいひけるハひかたぶきてくれおよびわれらともとゞまかれいりてとゞま
30 ともしょくつけときパンをとりしゃしてさきかれらにあたへけれバ
31 ふたりものめあきらかになりかれしれまたたちまそのめみえなれ
32 かれらたがひにいひけるハみちにてわれらかたりかつせいしょときひらけるときわれらがこゝろもえしにあらずや
33 このときかれらたちエルサレムかへじふいちでしおよびともなるひとあつまをるあふ
34 そのひとたちいひけるハしゅじつよみがへシモンあらはれたり
35 ふたりものみちにてありしこととパンをさきたまへるによりしりたることかたれり
36 このことかたれるときイエスみづかそのうちたちいひけるハなんぢらやすかれ
37 かれらおどろおそれてみるところのものれいならんとおもへ
38 イエスいひけるハなんぢらなんおどろくやなんこゝろうたがおこるや
39 わがてわがあしわれなるをしれわれをなでれいあるなんぢらみるごとくにくほねあらざるなり
40 かくいひてそのてあしせしに
41 かれらよろこべどもなほしんぜずあやしめるときイエスこゝしょくもつあるいひけれバ
42 あぶりたるうをみつぶさあた
43 これとりそのまへしょくせり
44 またかれらいひけるハモーセおきてよげんしゃふみまたまきしるされたるわがことにつくすべてことかならずとぐべきハわれもとなんぢらともありしときかたれるところなり
45 こゝおいせいしょさとらせんとてそのさとりひら
46 いひけるはすでかくしるされたりかくキリストくるしみをうけみっ
[千七百九十五] かめよりよみがへるべし
47 またそのよりくいあらためつみのゆるしエルサレムよりはじまりばんこくたみのべつたへられん
48 なんぢらこれらことあかしびとなり
49 われわがちゝちかひのものをなんぢらおくらんなんぢらうへよりちからさづけらるゝまでエルサレムとどま
50 イエスかれらみちびベタニヤいたあげかれらしゅく
51 しゅくするときかれらをはなてんあげられたり
52 かれらこれをはいしていたよろこエルサレムかへ
53 つねみやいりかみほめまたしゅくしゃせりアメン



新約全書路加傳福音書 終