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日本自動車競走選手権大会競技規則

提供:Wikisource

第一項 選手は崇高なる日本精神を以て競技を完ふまっとうするものとす

第二項 審判長の審判は神聖にして侵すべからず

第三項 出発は停止より為す

第四項 出発線ならびに決勝線はラヂエターの前端とす

第五項 前車を追越す場合は外側二メートル以上の間隔を置くべし(第一図参照)

但し前車が非常に外側に大回りし内側に四メートル以上の間隔ありたる場合は内側より追越すも差支なし(第二図参照)

第六項 第三図の場合に生じたる事故の責任は後車にあるものとす

第七項 優勝(百マイル)競走には資格者以外に於ても挑戦することを得

但し多数の場合は詮衡の上抽選に依り資格を決定するものとす
尚、当日一回も競技に参加せざるもの(車両)は資格なきものとす
(抽選により出場資格を得たる者の出発は第一線以外を以てし其の距離は審判長に於て決定するものとす)

第八項 競走中事故生じたる時は他車の行進を妨害せざるため努めて手を挙げて合図し左右に偏走する事なく其行進方向に徐行するか或は徐ろおもむろに停止し安全なるを確認したる後慮置するものとす

但し可能の場合は成るべくピットに持ち行くものとす

第九項 「用意」の予令下るも用意整はざるか又は其他の故障ある時は選手は右手を挙げて発車の猶予を受くべし 再び予令下りたる時は如何なる理由あるも同一車より更に猶予を請うを得ず

エンジンストップの場合も亦同じ(但し採否は審判の決定に依るものとす)

第十項 審判員の手旗信号には絶対に従ふものとす

「注意」信号ありたる場合は何等か異状ありたるものと知り選手は競技を中止する事なく注意するを要す

第十一項 選手が交代する場合には競技前三十分以内に其の旨申出で役員の承認を受くべし

第十二項 事故其の他に依る損害は車主又は選手に於て負ふべきものとす

第十三項 本規則の規定せざる事故生じたる場合は審判長之を決す

第一図

第二図

第三図

罰則

一. 次の行為ありたる時は失格するものとす

イ. 発車信号前にスタートせる場合、「用意」の合図を誤りて発車すること二回以上に亘りたる時
ロ. 競技中故意に他車を横に圧し又は他車の前路を斜行する等他行の行進を妨害せし場合(但し三車身以上の間隔ある場合は此の限りに非ず)
ハ. 選手名を偽り不正手段を以て競技に参加せし場合
ニ. 第八項の規定に反したる者
ホ. 其の他役員(審判)の指示に従はざる場合

●旗の信号は左の如し

一. 出発──(青)

一. 停止──(赤)

一. 注意──(黄)

一. 一周前──(白)

一. 決勝──(市松模様)

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