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新東京国際空港周辺地域における農業振興のための基本となる考え方について

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新東京国際空港周辺地域における農業振興のための基本となる考え方について

昭和五十三年十二月一日 閣議報告


 新東京国際空港は、その周辺地域社会が同空港と調和の取れた発展が図られることにより、はじめて将来にわたって国際空港としての本来の役割を果たして行くことができるものである。このため、政府としては、新空港計画発足の頃から地元要望の趣旨を勘案した諸施策の策定及びその実現に鋭意努力してきたところであるが、なお補完、補強の要なしとしない現状にある。よって今後とも、周辺地域社会の理解と協力を得て、本来の趣旨にかなった適切な諸施策を強力に推進していくべきであると考える


 今般、このような考え方の一環として、新東京国際空港周辺地域における主要産業である農業について、これを積極的に進行することにより同空港に関わりのある農業者の営農が一層安定的かつ発展的に図られるよう、別紙案の如き基本となる考え方を取りまとめた。勿論、これが効果的に実現されるためには千葉県、関係市町村及び関係住民の意向が十分に反映された施策として具体化されなければならない。今後関係行政機関においては、この基本となる考え方について積極的に関係地方公共団体等の意見を聴き、その理解と協力を得た上でその具体化の促進を図っていくものとしている。

(別紙)

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新東京国際空港周辺地域における農業振興のための基本となる考え方

1. 農業生産基盤及び農業近代化施設等の整備

(1)成田用水事業の受益対象区域を拡大し、騒音対策区域のうち農業振興を図るべき地域の農業生産基盤の整備を図る。
(2)農業近代化施設及び農村生活環境の計画的な整備を図る。

2. 新東京国際空港公団の騒音対策用地の農業的活用

新東京国際空港公団が空港周辺地域において騒音対策として買い上げた土地について、他の土地利用との調整を図りつつ、農業的活用を進めることとし、成田用水事業への参加及び農業関係団体等に対する貸付を行う 。

3. 農業希望者に対する対策

(1)将来にわたって農業経営を希望する者が円滑な営農が行えるよう実情に即した補助、融資制度の積極的な活用等の措置を講ずる
(2)第二種騒音区域内の農業者の宅地及び宅地と一体となった農地の買入れ価格は、近傍類似価格によるものとする 。

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