新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえたタクシー事業者による有償貨物運送について
表示
事 務 連 絡
令和2年4月21日
令和2年4月21日
各地方運輸局自動車交通部
関東・近畿運輸局自動車業務監査指導部
沖縄総合事務局運輸部
各位
自動車局旅客課
貨物課
新型コロナウイルス感染拡大の影響を踏まえた
タクシー事業者による有償貨物運送について
タクシー事業者による有償貨物運送について
タクシー事業者は地域公共交通として重要な役割を担うが、新型コロナウイルス感染拡大防止のための外出自粛要請等に伴い旅客輸送需要が激減し、経営維持が困難な状況にある。また、店内での営業の自粛が行われている飲食店等においては、飲料・食料等の配送に係るニーズが増加しているところである。
こうした状況を踏まえ、原則として新型インフルエンザ等対策特別措置法(平成24年法律第31号)に基づく今般の緊急事態宣言期間に調整期間を加えた期間、タクシー事業者の安全管理能力等も踏まえ、タクシー事業者が一定の条件の下において有償で貨物運送を行うことを特例的に認めることとし、道路運送法第78条第3号に基づく許可の運用を下記のとおり定めたので、事務処理にあたり遺漏のないよう取り計らわれたい。
記
1.対象事業者
以下の(1)及び(2)に該当するタクシー事業者であること。なお、(1)については、申請時に旅客輸送の需要が減少していることを証する書類及び従業員の雇用継続を証する書類の提出を求めることにより確認することとする。
- (1)旅客需要減少下においても従業員の雇用の維持に努力し事業継続に取り組んでいること。
- (2)体温測定を含む点呼など、乗務前の運転手の健康管理を適切に行っていると認められること。
2.貨物の種類、積載方法等
- (1)運送する貨物の種類は、店内での飲食等の提供を自粛している飲食店等から運送の委託を受けた飲料、食料など、公共の福祉を確保するためやむを得ないものとして、運輸支局長が認めるものとする。また、審査に当たっては、運送の委託を行う荷主が、トラック事業者ではなくタクシー事業者に運送を依頼することとなった理由書の添付を求めることとするが、これについては、タクシー事業者が作成して良いこととする。なお、事前の添付が難しい場合は、事後の提出でも構わないこととする。
- (2)運送する貨物の数量はトランク内に収容可能な範囲内とし、積載場所はトランク内に限ることとする。
3.対象地域
本特例の対象地域は、新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づき緊急事態宣言が発令されている地域(4月21日時点:47都道府県)とし、申請者が貨物運送を行う区域は、許可を受けた一般乗用旅客自動車運送事業に係る営業区域内に限定することとする。
4.許可期間
許可を行う期間は、令和2年5月13日(水)までとする。ただし、社会・経済情勢等を踏まえ、期間の延長もあり得るものとする。
5.その他
- (1)有償貨物運送に係る貨物がトラック事業者により運送することがより適当であると考えられる場合は、許可を行わないこととする。
- (2)タクシー事業者は旅客の運送が本務であることから、旅客運送の需要が増加したと認められる場合には、有償貨物運送を中止し、旅客運送事業に注力するよう促すこととする。
- (3)貨物運送中は車体前面に「貨物」と表示した表示板を掲示することとする。
- (4)旅客と貨物を同時に運送することはできないこととする。
- (5)貨物運送中に旅客から乗車の申し出があった場合には、運転者は営業所に連絡し、配車等を行うよう努めることとする。
- (6)個別・具体の事情により、必要に応じて、許可条件に更なる限定を付す、又は許可を取り消す措置を講じることとする。
- (7)社会情勢の変化等を踏まえ、本特例の運用を見直す場合がある。
この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。
- 憲法その他の法令
- 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
- 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
- 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
- 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道
この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。