大阪市歌 (1903年)

• 作曲：小山作之助（1864-1927）、山田源一郎（1869-1927）。
• 作詞者の一柳安次郎（芳風）は1871年（明治4年）生。没年は不詳であるが、1943年（昭和18年）に刊行された『上方 -郷土研究-』第149号の記述により1942年（昭和17年）以前の没であることが確認される。
• 1903年（明治36年）、大阪朝日新聞社選定。1921年（大正10年）に制定された現在の大阪市歌（作詞・堀沢周安、作曲・中田章）については大阪市歌を参照。

歌詞

1. 霞（かすみ）こめたり　いこま山（やま）　浪（なみ）は静（しず）けし　茅渟（ちぬ）の海（うみ）

三州（さんしゅう）の野（の）の　末遠（すえとお）く　造（つく）りたてたる　大都会（だいとかい）

大廈高楼（たいかこうろう）　並（な）みたてる　浪華（なにわ）の春（はる）は　夢（ゆめ）ならず

ああ麗（うるわ）しき　大阪市

1. 三韓（さんかん）のふね　呉（くれ）のふね　泊（とま）りはてけん　大伴（おおとも）へ

みつの浜松（はままつ）　長（とこし）えに　緑（みどり）の色（いろ）の　弥増（いやま）しに

行（ゆ）き交（か）う　千舟百舟（ちぶねももふね）の　舵緒（かじお）もほさぬ　大港（おおみなと）

おお賑（にぎ）わしき　大阪市（おおさかし）

1. 天皇（きみ）高殿（たかどの）に　昇（のぼ）りまし　民（たみ）の竈（かまど）を　見（み）ましけん

その御恵（おめぐみ）を　今（いま）も猶（なお）　しのぶに余（あま）る　煤烟（ばいえん）の

雲（くも）の飾（かざり）は　やがてこの　民（たみ）の富（とみ）なり　国（くに）のとみ

ああ頼（たの）もしき　大阪市（おおさかし）

1. それ勤倹（きんけん）の　月（つき）のかげ　高津（たかつ）の宮（みや）の　秋（あき）に見（み）よ

尚武（しょうぶ）の花（はな）は　金城（きんじょう）の　天守（てんしゅ）の春（はる）の　色（いろ）に知（し）れ

げに此（こ）の花（はな）と　此（こ）の月（つき）ぞ　市民（しみん）の翳（かざ）す　旗（はた）じるし

ああ勇（いさ）ましき　大阪市（おおさかし）