コンテンツにスキップ

坂本龍馬の手紙/慶応3年10月18日付望月清平宛

提供:Wikisource
Wikipedia
Wikipedia
ウィキペディア望月清平のページがあります。

拝啓
然ニ小弟宿の事、
色〻たずね候得ども
何分無之候所、昨夜
藩邸吉井幸輔
より、こと伝在之候ニ、
未屋鋪ニ入事あた
ハざるよし。四條ポン
ト町位ニ居てハ、用心
あしく候。其故ハ此三十
日計後ト、幕吏ら龍馬
の京ニ入りしと謬
伝して、邸江もたず
ね来りし。されバ二本
松薩邸ニ早〻入候よふ
との事なり。小弟思ふ
ニ、御国表の不都合の上、
又、小弟さへ屋鋪ニハ
入ルあたハず。又、二本松
邸ニ身をひそめ候ハ、
実ニいやミで候得バ、
萬一の時も存之候時ハ、
主従共ニ此所ニ一戦の
上、屋鋪ニ引取申べし
と決心仕居申候。又、
思ふニ、大兄ハ昨日も小弟
宿の事、御聞合被下
候彼御屋鋪の辺の寺、
松山下陳を、樋口
真吉ニニ周旋致
させ候よふ御セ話被下
候得バ、実ニ大幸
の事ニ候。上件ハ
唯、大兄計ニ内〻申上候
事なれバ、余の論を
以て、樋口真吉及
其他の吏〻ニも御
御申聞被成候時ハ、猶
幸の事ニ候。不一
 宜敷 頓首/\/\
 十八日    龍馬
望月清平様    龍
     机下