坂本龍馬の手紙/慶応3年1月20日付姪春猪宛

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春猪どの/\、
春猪どのよ/\。此頃ハあか
みちやとおしろいにて、はけ
ぬりこてぬり/\つぶしもし、
つまづいたら、よこまちのくハしや
のばゞあがついでかけ、こんぺいとふ
のいがたに一日のあいだ御そふだん
もふそふというくらいの
ことかへ。
をばてきのやんかんそふも
このごろハ、ちとふやり/\と
心も定めかねをりハすま
いかと思ふぞや。たいてのヿ
なり候や、二町目へすてしめ
てもよかろふのふ。
おまへハ人から一歩もたして、
をとこという男ハ皆にげだ
すによりて、きづかひもなし。又や
つくと心もずいぶんたまか
なれバ、何もきづかいハせぬ。
けれども、是からさきの
しんふわい/\ちりとりに
にてもかきのけられず、
かまでもくわでもはらハれず、
ふいぶん/\せいだして
ながいをとしををくりなよ。
私ももしも死ななんだらりや、
四五年のうちにハかへるかも、
露の命ハはかられず。
先〻御ぶじで、をくらしよ。
  正月廿日夜
       りよふより
   春猪様
      足下