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土地基本法

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目次

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第一章 総則(第一条 - 第十一条)
第二章 土地に関する基本的施策(第十二条 - 第二十条)
第三章 土地に関する基本的な方針(第二十一条)
第四章 国土審議会の調査審議等(第二十二条)
附則

第一章 総則

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(目的)

第一条
この法律は、土地についての基本理念を定め、並びに土地所有者等、国、地方公共団体、事業者及び国民の土地についての基本理念に係る責務を明らかにするとともに、土地に関する施策の基本となる事項を定めることにより、土地が有する効用の十分な発揮、現在及び将来における地域の良好な環境の確保並びに災害予防、災害応急対策、災害復旧及び災害からの復興に資する適正な土地の利用及び管理並びにこれらを促進するための土地の取引の円滑化及び適正な地価の形成に関する施策を総合的に推進し、もって地域の活性化及び安全で持続可能な社会の形成を図り、国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

(土地についての公共の福祉優先)

第二条
土地は、現在及び将来における国民のための限られた貴重な資源であること、国民の諸活動にとって不可欠の基盤であること、その利用及び管理が他の土地の利用及び管理と密接な関係を有するものであること、その価値が主として人口及び産業の動向、土地の利用及び管理の動向、社会資本の整備状況その他の社会的経済的条件により変動するものであること等公共の利害に関係する特性を有していることに鑑み、土地については、公共の福祉を優先させるものとする。

(適正な利用及び管理等)

第三条
土地は、その所在する地域の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件に応じて適正に利用し、又は管理されるものとする。
2 土地は、その周辺地域の良好な環境の形成を図るとともに当該周辺地域への悪影響を防止する観点から、適正に利用し、又は管理されるものとする。
3 土地は、適正かつ合理的な土地の利用及び管理を図るため策定された土地の利用及び管理に関する計画に従って利用し、又は管理されるものとする。

(円滑な取引等)

第四条
土地は、土地の所有者又は土地を使用収益する権原を有する者(以下「土地所有者等」という。)による適正な利用及び管理を促進する観点から、円滑に取引されるものとする。
2 土地は、投機的取引の対象とされてはならない。

(土地所有者等による適切な負担)

第五条
土地の価値がその所在する地域における第二条に規定する社会的経済的条件の変化により増加する場合には、土地所有者等に対し、その価値の増加に伴う利益に応じて適切な負担が求められるものとする。
2 土地の価値が地域住民その他の土地所有者等以外の者によるまちづくりの推進その他の地域における公共の利益の増進を図る活動により維持され、又は増加する場合には、土地所有者等に対し、その価値の維持又は増加に要する費用に応じて適切な負担が求められるものとする。

(土地所有者等の責務)

第六条
土地所有者等は、第二条から前条までに定める土地についての基本理念(以下「土地についての基本理念」という。)にのっとり、土地の利用及び管理並びに取引を行う責務を有する。
2 土地の所有者は、前項の責務を遂行するに当たっては、その所有する土地に関する登記手続その他の権利関係の明確化のための措置及び当該土地の所有権の境界の明確化のための措置を適切に講ずるように努めなければならない。
3 土地所有者等は、国又は地方公共団体が実施する土地に関する施策に協力しなければならない。

(国及び地方公共団体の責務)

第七条
国及び地方公共団体は、土地についての基本理念にのっとり、土地に関する施策を総合的に策定し、及びこれを実施する責務を有する。
2 国及び地方公共団体は、前項の責務を遂行するに当たっては、土地所有者等による適正な土地の利用及び管理を確保するため必要な措置を講ずるように努めるとともに、地域住民その他の土地所有者等以外の者による当該利用及び管理を補完する取組を推進するため必要な措置を講ずるように努めるものとする。
3 国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて、土地についての基本理念に関する国民の理解を深めるよう適切な措置を講じなければならない。

(事業者の責務)

第八条
事業者は、土地の利用及び管理並びに取引(これを支援する行為を含む。)に当たっては、土地についての基本理念に従わなければならない。
2 事業者は、国及び地方公共団体が実施する土地に関する施策に協力しなければならない。

(国民の責務)

第九条
国民は、土地の利用及び管理並びに取引に当たっては、土地についての基本理念を尊重しなければならない。
2 国民は、国及び地方公共団体が実施する土地に関する施策に協力するように努めなければならない。

(法制上の措置等)

第十条
政府は、土地に関する施策を実施するため必要な法制上、財政上及び金融上の措置を講じなければならない。

(年次報告等)

第十一条
政府は、毎年、国会に、不動産市場、土地の利用及び管理その他の土地に関する動向及び政府が土地に関して講じた基本的な施策に関する報告を提出しなければならない。
2 政府は、毎年、前項の報告に係る土地に関する動向を考慮して講じようとする基本的な施策を明らかにした文書を作成し、これを国会に提出しなければならない。
3 政府は、前項の講じようとする基本的な施策を明らかにした文書を作成するには、国土審議会の意見を聴かなければならない。

第二章 土地に関する基本的施策

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(土地の利用及び管理に関する計画の策定等)

第十二条
国及び地方公共団体は、適正かつ合理的な土地の利用及び管理を図るため、人口及び産業の将来の見通し、土地の利用及び管理の動向その他の自然的、社会的、経済的及び文化的諸条件を勘案し、必要な土地の利用及び管理に関する計画を策定するものとする。
2 前項の場合において、国及び地方公共団体は、地域の特性を考慮して、良好な環境の形成若しくは保全、災害の防止、良好な環境に配慮した土地の高度利用又は土地利用の適正な転換を図るため特に必要があると認めるときは同項の計画を詳細に策定するものとし、地域における社会経済活動の広域的な展開を考慮して特に必要があると認めるときは同項の計画を広域の見地に配慮して策定するものとする。
3 第一項の場合において、国及び地方公共団体は、住民その他の関係者の意見を反映させるものとする。
4 国及び地方公共団体は、第一項に規定する諸条件の変化を勘案して必要があると認めるときは、同項の計画を変更するものとする。

(適正な土地の利用及び管理の確保を図るための措置)

第十三条
国及び地方公共団体は、前条第一項の計画に従って行われる良好な環境の形成又は保全、災害の防止、良好な環境に配慮した土地の高度利用、土地利用の適正な転換その他適正な土地の利用及び管理の確保を図るため、土地の利用又は管理の規制又は誘導に関する措置を適切に講ずるとともに、同項の計画に係る事業の実施及び当該事業の用に供する土地の境界の明確化その他必要な措置を講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、前項の措置を講ずるに当たっては、公共事業の用に供する土地その他の土地の所有権又は当該土地の利用若しくは管理に必要な権原の取得に関する措置を講ずるように努めるものとする。
3 国及び地方公共団体は、第一項の措置を講ずるに当たっては、需要に応じた宅地の供給が図られるように努めるものとする。
4 国及び地方公共団体は、第一項の措置を講ずるに当たっては、低未利用土地(居住の用、業務の用その他の用途に供されておらず、又はその利用の程度がその周辺の地域における同一の用途若しくはこれに類する用途に供されている土地の利用の程度に比し著しく劣っていると認められる土地をいう。以下この項において同じ。)に係る情報の提供、低未利用土地の取得の支援等低未利用土地の適正な利用及び管理の促進に努めるものとする。
5 国及び地方公共団体は、第一項の措置を講ずるに当たっては、所有者不明土地(相当な努力を払って探索を行ってもなおその所有者の全部又は一部を確知することができない土地をいう。)の発生の抑制及び解消並びに円滑な利用及び管理の確保が図られるように努めるものとする。

(土地の取引に関する措置)

第十四条
国及び地方公共団体は、円滑な土地の取引に資するため、不動産市場の整備に関する措置その他必要な措置を講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、土地の投機的取引及び地価の高騰が国民生活に及ぼす弊害を除去し、適正な地価の形成に資するため、土地取引の規制に関する措置その他必要な措置を講ずるものとする。

(社会資本の整備に関連する利益に応じた適切な負担)

第十五条
国及び地方公共団体は、社会資本の整備に関連して土地所有者等が著しく利益を受けることとなる場合において、地域の特性等を勘案して適切であると認めるときは、その利益に応じてその社会資本の整備についての適切な負担を課するための必要な措置を講ずるものとする。

(税制上の措置)

第十六条
国及び地方公共団体は、土地についての基本理念にのっとり、土地に関する施策を踏まえ、税負担の公平の確保を図りつつ、土地に関し、適正な税制上の措置を講ずるものとする。

(公的土地評価の適正化等)

第十七条
国は、適正な地価の形成及び課税の適正化に資するため、土地の正常な価格を公示するとともに、公的土地評価について相互の均衡と適正化が図られるように努めるものとする。

(調査の実施等)

第十八条
国及び地方公共団体は、土地に関する施策の総合的かつ効率的な実施を図るため、地籍、土地の利用及び管理の状況、不動産市場の動向等に関し、調査を実施し、資料を収集する等必要な措置を講ずるものとする。
2 国及び地方公共団体は、土地に関する施策の円滑な実施に資するため、個人の権利利益の保護に配慮しつつ、国民に対し、地籍、土地の利用及び管理の状況、不動産市場の動向等の土地に関する情報を提供するように努めるものとする。

(施策の整合性の確保及び行政組織の整備等)

第十九条
国及び地方公共団体は、土地に関する施策を講ずるにつき、相協力し、その整合性を確保するように努めるものとする。
2 国及び地方公共団体は、土地に関する施策を講ずるにつき、総合的見地に立った行政組織の整備及び行政運営の改善に努めるものとする。

(地方公共団体に対する支援)

第二十条
国は、地方公共団体が実施する土地に関する施策を支援するため、情報の提供その他必要な措置を講ずるように努めるものとする。

第三章 土地に関する基本的な方針

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第二十一条
政府は、土地についての基本理念にのっとり、前章に定める土地の利用及び管理、土地の取引、土地の調査並びに土地に関する情報の提供に関する基本的施策その他の土地に関する施策の総合的な推進を図るため、土地に関する基本的な方針(以下この条において「土地基本方針」という。)を定めなければならない。
2 土地基本方針は、次に掲げる事項について定めるものとする。
一 第十二条第一項の計画の策定等に関する基本的事項
二 適正な土地の利用及び管理の確保を図るための措置に関する基本的事項
三 土地の取引に関する措置に関する基本的事項
四 土地に関する調査の実施及び資料の収集に関する措置並びに第十八条第二項に規定する土地に関する情報の提供に関する基本的事項
五 前各号に掲げるもののほか、土地に関する施策の総合的な推進を図るために必要な事項
3 国土交通大臣は、土地基本方針の案を作成し、閣議の決定を求めなければならない。
4 国土交通大臣は、前項の規定により土地基本方針の案を作成しようとするときは、あらかじめ、国民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるとともに、国土審議会の意見を聴かなければならない。
5 国土交通大臣は、第三項の閣議の決定があったときは、直ちに、土地基本方針を告示しなければならない。
6 前三項の規定は、土地基本方針の変更について準用する。

第四章 国土審議会の調査審議等

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第二十二条
国土審議会は、国土交通大臣の諮問に応じ、土地に関する総合的かつ基本的な施策に関する事項及び国土の利用に関する基本的な事項を調査審議する。
2 国土審議会は、前項に規定する事項に関し、国土交通大臣に対し、及び国土交通大臣を通じて関係行政機関の長に対し、意見を申し出ることができる。
3 関係行政機関の長は、土地に関する総合的かつ基本的な施策に関する事項でその所掌に係るもの及び国土の利用に関する基本的な事項でその所掌に係るものについて国土審議会の意見を聴くことができる。

附 則 抄

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(施行期日)

1 この法律は、公布の日から施行する。

附 則 (平成一一年七月一六日法律第一〇二号) 抄

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(施行期日)

第一条
この法律は、内閣法の一部を改正する法律(平成十一年法律第八十八号)の施行の日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 略
二 附則第十条第一項及び第五項、第十四条第三項、第二十三条、第二十八条並びに第三十条の規定 公布の日

(委員等の任期に関する経過措置)

第二十八条
この法律の施行の日の前日において次に掲げる従前の審議会その他の機関の会長、委員その他の職員である者(任期の定めのない者を除く。)の任期は、当該会長、委員その他の職員の任期を定めたそれぞれの法律の規定にかかわらず、その日に満了する。
一から五十六まで 略
五十七 土地政策審議会

(別に定める経過措置)

第三十条
第二条から前条までに規定するもののほか、この法律の施行に伴い必要となる経過措置は、別に法律で定める。

附 則 (平成一一年一二月二二日法律第一六〇号) 抄

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(施行期日)

第一条
この法律(第二条及び第三条を除く。)は、平成十三年一月六日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第九百九十五条(核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律附則の改正規定に係る部分に限る。)、第千三百五条、第千三百六条、第千三百二十四条第二項、第千三百二十六条第二項及び第千三百四十四条の規定 公布の日

附 則 (令和二年三月三一日法律第一二号) 抄

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(施行期日)

1 この法律は、令和二年四月一日から施行する。ただし、次の各号に掲げる規定は、当該各号に定める日から施行する。
一 第一条の規定 公布の日

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