即位後朝見の儀を行われた件 (平成元年宮内庁告示第二号)
一月九日午前十一時、宮中において、即位後朝見の儀を行われた。
天皇陛下のおことば及び内閣総理大臣の奉答は、次のとおりである。
平成元年一月十一日
宮内庁長官 藤森 昭一
おことば
大行天皇の崩御は、誠に哀痛の極みでありますが、日本国憲法及び皇室典範の定めるところにより、ここに、皇位を継承しました。
深い悲しみのうちにあって、身に負った大任を思い、心自ら粛然たるを覚えます。
顧みれば、大行天皇には、御在位六十有余年、ひたすら世界の平和と国民の幸福を祈念され、激動の時代にあって、常に国民とともに幾多の苦難を乗り越えられ、今日、我が国は国民生活の安定と繁栄を実現し、平和国家として国際社会に名誉ある地位を占めるに至りました。
ここに、皇位を継承するに当たり、大行天皇の御遺徳に深く思いをいたし、いかなるときも国民とともにあることを念願された御心を心としつつ、皆さんとともに日本国憲法を守り、これに従って責務を果たすことを誓い、国運の一層の進展と世界の平和、人類福祉の増進を切に希望してやみません。
内閣総理大臣の奉答
謹んで申し上げます。
大行天皇には、国民の切なる願いもむなしく崩御あらせられ、誠に哀痛措くところを知りません。
ここに、皇位を継承せられた英邁なる天皇陛下から、日本国憲法を遵守し大行天皇の御徳業を継述するとともに、国運の一層の進展と世界の平和、人類福祉の増進を切望するとのおことばを賜りました。
国民一同、日本国憲法の下、天皇陛下を国民統合の象徴と仰ぎ、世界に開かれ、活力に満ち、文化豊かな日本を建設し、世界の平和と人類福祉の増進のため、更に最善の努力を尽くすことをお誓い申し上げます。
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