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利用者:Gminky/自転車競技法(昭和23年法律第209号)

提供:Wikisource

自転車競技法

第一条 都道府県及び人口、財政等を勘案して主務大臣が指定する市(以下指定市という。)は、自転車の改良、増産、輸出の増加、国内需要の充足に寄与するとともに、地方財政の増収を図るため、この法律により、自転車競走を行うことができる。

[②] 前項に掲げる者(以下自転車競走施行者という)は、命令の定めるところにより、自転車競走の実施を、当該都道府県毎に設立する、自転車振興会に、委任することができる。

第二条 自転車競走施行者が、この法律により、自転車競走を開催しようとするときは、命令の定めるところにより、都道府県知事を経由して、主務大臣に届け出なければならない。

第三条 第一条の自転車競走は、第四条に定める自転車競走場で行わなければならない。但し、主務大臣の許可を受けて、道路を利用する、長距離競走を、行うことができる。

第四条 第一条の自転車競走を行う競走場の数は、都道府県は各二箇所以内、指定市は各一箇所である。

第五条 前条の自転車競走場並びに第一条の自転車競走に出場する選手及び使用自転車の種類、規格は、命令の定めるところにより、自転車振興会連合会に、登録されたものでなければならない。

第六条 自転車競走場で自転車競走を開催するときは、入場者から入場料を取らなければならない。但し、都道府県知事又は指定市の市長が、無料入場者と定めた者からは、入場料を取らなくてもよい。

第七条 自転車競走施行者は、一口金二十円以下の勝者投票券を、額面金額で売出すことができる。

第八条 自転車振興会の役員、選手その他自転車競走の事務に従う者に対して、勝者投票券を売出すことはできない。

第九条 自転車競走施行者は、勝者投票の的中者に対して、命令の定めるところにより、その競走についての勝者投票券の売上金の額を超えない範囲内において、払戻金を交付する。

[②] 勝者投票の的中者のない場合における売上金は、命令の定めるところにより、これを勝者投票券を買つた者に払戻しする。

[③] 前二項の払戻金の債権は、一年間これを行わなければ、時効によつて消滅する。

第十条 自転車競走施行者は、命令の定めるところにより、勝者投票券の売上金額の百分の二十五以内の金額を自己の収入とすることができる。

[②] 自転車振興会に、自転車競走を委託したるときは、自転車競走施行者は、勝者投票券の売上金額の百分の三以内の金額を、自己の収入とすべき金額内より、自転車振興会に交付しなければならない。

[③] 自転車競走施行者は、第一項の金額より、第二項の金額及び所要の経費を差し引いた残額の三分の一に相当する金額を国庫に納付しなければならない。

[④] 主務大臣は、前項の規定により、納付された金額に相当する金額を、自転車の改良、増産、輸出の増加、国内需要の充足に必要な経費に支出しなければならない。

[⑤] 前項の金額の支出については、命令で定める。

第十一条 自転車振興会は、自転車競走の実施並びに自転車に関する事項の振興を目的とする法人であつて、都道府県ごとに設立する。

[②] 各都道府県の自転車振興会は、命令の定めるところにより、競走場、出場選手及び使用自転車の種類、規格の登録並びに検定、その他自転車競走の実施及び効果を統制するため、連合会を設置することができる。

第十二条 自転車振興会及びその連合会の設立は、命令の定めるところにより、主務大臣の認可を受けなければならない。

第十三条 主務大臣は、自転車競走施行者の行為がこの法律に違反すると認めるときは、自転車競走施行者に対し、勝者投票券の発売の停止その他必要な措置を命ずることができる。

第十四条 左の各号の一に該当するものは、三年以下の懲役若しくは五万円以下の罰金に処し、又はその刑を併せ科する。

 一 第七条の規定に違反して、勝者投票券を発売したり、又はこれに類似の行為をなした者

 二 この法律による自転車競走に関し、職業として、多数の者に対して財物を以てかけごとをなした者

 三 第八条に掲げる者にして、前号に規定する行為の相手方となつた者

第十五条 左の各号の一に該当する者は、二万円以下の罰金に処する。

 一 第八条に掲げる者に対して、同條に掲げる者なることを知つて、勝者投票券を売出した者

 二 第八条に掲げる者にして、勝者投票券を買入れ又は譲り受けた者

 三 第十四条第一号、第二号に規定する行為の相手方となつた者

第十六条 自転車振興会の役員又はこの法律により、自転車競走の職務を執行する役員若しくは選手が、その職務又は競走に関して、賄賂をとり、又はこれを要求若しくは約束したときは三年以下の懲役に処する。因つて不正の行為をなし、又はなすべき行為をなさないときは五年以下の懲役に処する。

[②] 前項の場合において、受け取つた賄賂はこれを没収する。若しその全部又は一部を没収することができない場合には、その価額を追徴する。

第十七条 前項第一項に掲げる者に対して賄賂を支払い、提供し又は約束した者は三年以下の懲役に処する。

[②] 前項の罪を犯した者が自首したときは、その刑を軽減し又は免除することができる。

附 則

 この法律は、公布の日から、これを施行する。