海底を行く 初等科國語 五1943年
目の前に、關門海峽はさざ波をたたへ、車窓から何百の船が見える。
汽車はたちまちトンネルにはいつた、ざあつとすべつて行く車輪の響き。
本州と九州の握手だ、日本最初の海底トンネルだ。
だいじな物資や、郵便物や、私たちを一氣に運んでくれる。
ふり返ると、關門海峽はさざ波をたたへ、いそがしさうに船が動いてゐる。