兵に告ぐ
放送原稿
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NHKアーカイブス 二・二六事件 「兵に告ぐ」 |
(罫線外)
戒嚴司令部發表
(罫線内)
「兵に告ぐ」
敕命が發せられたのである。
既に天皇陛下の御命令が發せられたのである。
お前達は上官の命令を正しいものと信じて絶對服從を
して、誠心誠意活動して來たのであろうが、
お前達の上官のした行爲は間違ってゐたのである。
既に敕命天皇陛下の御命令によって
お前達は皆原隊に復歸せよと仰せられたのである。
此上お前達が飽くまでも抵抗したならば、それは
敕命に反抗することとなり逆賊とならなければなら
ない。
正しいことをしてゐると信じてゐたのに、それが間違って
居ったと知ったならば、徒らに今迄の行がゝりや、義理
上からいつまでも反抗的態度をとって
天皇陛下にそむき奉り、逆賊としての汚名を
永久に受ける樣なことがあってはならない。
今からでも決して遲くはないから
直ちに抵抗をやめて軍旗の下に復歸する樣に
せよ。
そうしたら今迄の罪も許されるのである。
お前達の父兄は勿論のこと、国民全体もそれを
心から祈ってゐるのである。
速かに現在の位置を棄てゝ歸って來い。
戒嚴司令官 香椎中將
実際の放送
[編集]兵に告ぐ。
勅命が発せられたのである。
既に天皇陛下の御命令が発せられたのである。
お前達は上官の命令を正しいものと信じて絶対服従をして、誠心誠意活動して来たのであろうが、既に天皇陛下の御命令によってお前達は皆原隊に復帰せよと仰せられたのである。
この上お前達が飽くまでも抵抗したならば、それは勅命に反抗することとなり逆賊とならなければならない。
正しいことをしたと信じていたのに、それが間違っていたと知ったならば、徒らに今までの行きがかりや、義理上からいつまでも反抗的態度を採って天皇陛下に背き奉り、逆賊としての汚名を永久に受ける様なことがあってはならない。
今からでも決して遅くはないから、直ちに抵抗をやめて軍旗の下に復帰する様にせよ。
そうしたら今までの罪も許されるのである。
お前達の父兄は勿論のこと、国民全体もそれを心から祈っているのである。
速やかに現在の位置を捨てて帰って来い。
香椎中将
伝単(ビラ)
[編集]放送と同じころ、放送の内容を簡略にしたビラが飛行機から撒布された。原文は縦書き。
- 註: 以下のリストに掲載される漢字はJIS X 0208外の異体字であり、Unicode表のBMP(基本多言語面、0面)が正しく表示できない環境によっては正しく記されない可能性がある。尚U+FA30からU+FA60の文字は、JIS X 0213対応のフォント(IPAフォント等)による記述を行っている。
Unicode版
[編集] 下士官兵ニ吿グ
一、今カラデモ遲クナイカラ原隊ヘ歸レ
二、抵抗スル者ハ全部逆賊デアルカラ射殺スル
三、オ前達ノ父母兄弟ハ國賊トナルノデ皆泣イテオルゾ
二月二十九日 戒嚴司令部
JIS X 0208版
[編集] 下士官兵ニ告グ
一、今カラデモ遲クナイカラ原隊ヘ歸レ
二、抵抗スル者ハ全部逆賊デアルカラ射殺スル
三、オ前達ノ父母兄弟ハ國賊トナルノデ皆泣イテオルゾ
二月二十九日 戒嚴司令部
常用漢字版
[編集] 下士官兵ニ告グ
一、今カラデモ遅クナイカラ原隊ヘ帰レ
二、抵抗スル者ハ全部逆賊デアルカラ射殺スル
三、オ前達ノ父母兄弟ハ国賊トナルノデ皆泣イテオルゾ
二月二十九日 戒厳司令部
常用漢字・ひらがな版
[編集] 下士官兵に告ぐ
一、今からでも遅くないから原隊へ帰れ
二、抵抗する者は全部逆賊であるから射殺する
三、お前達の父母兄弟は国賊となるので皆泣いておるぞ
2月29日 戒厳司令部
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