人事評価の基準、方法等に関する政令

提供: Wikisource
ナビゲーションに移動 検索に移動

制定文[編集]

内閣は、国家公務員法(昭和二十二年法律第百二十号)第七十条の三第二項及び附則第十三条の規定に基づき、この政令を制定する。

第一章 総則[編集]

(人事評価実施規程)

第一条
  1. 人事評価は、国家公務員法 (以下「法」という。)第三章第四節の規定及びこの政令の規定並びにこれらの規定に基づき所轄庁の長が定めた人事評価の実施に関する規程(以下「人事評価実施規程」という。)に基づいて実施するものとする。
  2. 所轄庁の長は、人事評価実施規程を定めようとするときは、あらかじめ、内閣総理大臣と協議しなければならない。
  3. 前項の規定は、人事評価実施規程の変更について準用する。ただし、内閣府令で定める軽微な変更については、内閣総理大臣に報告することをもって足りる。

(人事評価の実施権者)

第二条
人事評価は、所轄庁の長又はその指定した部内の上級の職員(以下「実施権者」と総称する。)が実施するものとする。

(人事評価の実施の除外)

第三条
人事評価は、次に掲げる職員については、実施しないことができる。
一 非常勤職員(法第八十一条の五第一項に規定する短時間勤務の官職を占める職員を除く。)
二 法第六十条の規定により臨時的に任用された職員であって人事評価の結果を給与等へ反映する余地がないもの
三 検察庁法(昭和二十二年法律第六十一号)第十五条第一項に規定する職員

(人事評価の方法)

第四条
  1. 人事評価は、能力評価(職員がその職務を遂行するに当たり発揮した能力を把握した上で行われる勤務成績の評価をいう。以下同じ。)及び業績評価(職員がその職務を遂行するに当たり挙げた業績を把握した上で行われる勤務成績の評価をいう。以下同じ。)によるものとする。
  2. 法第五十九条の条件付採用又は条件付昇任を正式のものとするか否かについての判断のために行う人事評価は、前項の規定にかかわらず、能力評価のみによるものとする。
  3. 能力評価は、当該能力評価に係る評価期間において現実に職員が職務遂行の中でとった行動を、標準職務遂行能力の類型を示す項目として人事評価実施規程に定める項目(以下「評価項目」という。)ごとに、各評価項目に係る能力が具現されるべき行動として人事評価実施規程に定める行動に照らして、当該職員が発揮した能力の程度を評価することにより行うものとする。
  4. 業績評価は、当該業績評価に係る評価期間において職員が果たすべき役割について、業務に関する目標を定めることその他の方法により当該職員に対してあらかじめ示した上で、当該役割を果たした程度を評価することにより行うものとする。

第二章 定期評価[編集]

第一節 通則[編集]

(定期評価の実施)

第五条
  1. 前条第一項の規定による人事評価は、十月一日から翌年九月三十日までの期間を単位とし、毎年実施するものとする。
  2. 前項の規定により実施する人事評価は、定期評価という。
  3. 定期評価における能力評価は、十月一日から翌年九月三十日までの期間を評価期間とし、次条第七条及び次節の規定により行うものとする。
  4. 定期評価における業績評価は、十月一日から翌年三月三十一日までの期間及び四月一日から九月三十日までの期間をそれぞれ評価期間とし、それぞれについて次条第七条及び第三節の規定により行うものとする。

(定期評価における評語の付与等)

第六条
  1. 定期評価における能力評価に当たっては評価項目ごとに、定期評価における業績評価に当たっては第四条第四項に規定する役割(目標を定めることにより示されたものに限る。)ごとに、それぞれ評価の結果を表示する記号(以下「個別評語」という。)を付すほか、当該能力評価又は当該業績評価の結果をそれぞれ総括的に表示する記号(以下この章において「全体評語」という。)を付すものとする。
  2. 個別評語及び全体評語は、次の各号に掲げる職員の区分に応じ、当該各号に定める数の段階とする。
    一 第十九条第一号に掲げる職員のうち、事務次官及びこれに準ずる職にある職員 二
    二 第十九条第一号に掲げる職員のうち、前号に掲げる職員以外の職員 三
    三 前二号に掲げる職員以外の職員 五
  3. 個別評語及び全体評語を付す場合において、能力評価にあっては第四条第三項の発揮した能力の程度が、業績評価にあっては同条第四項の役割を果たした程度が、それぞれ通常のものと認めるときは、次の各号に掲げる職員の区分に応じ、前項に定める段階のうち当該各号に定めるものを付すものとする。
    一 前項第一号に掲げる職員 上位の段階
    二 前項第二号及び第三号に掲げる職員 中位の段階
  4. 定期評価における能力評価及び業績評価に当たっては、個別評語及び全体評語を付した理由その他参考となるべき事項を記載するように努めるものとする。

(定期評価における評価者等の指定)

第七条
  1. 実施権者は、定期評価における能力評価及び業績評価を受ける職員(以下「被評価者」という。)の監督者の中から次節及び第三節第九条第二項及び第三項並びに第十条第十四条において準用する場合を含む。)を除く。)に定める手続を行う者を評価者として指定するものとする。
  2. 実施権者は、評価者の監督者の中から第九条第二項(第十四条において準用する場合を含む。)に定める手続を行う者を調整者として指定するものとする。ただし、任命権者が評価者である場合その他合理的な理由がある場合には、調整者を指定しないことができる。
  3. 実施権者は、評価者又は調整者を補助する者(以下「補助者」という。)を指定することができる。

第二節 能力評価の手続[編集]

(被評価者による自己申告)

第八条
評価者は、定期評価における能力評価を行うに際し、その参考とするため、被評価者に対し、あらかじめ、当該能力評価に係る評価期間において当該被評価者の発揮した能力に関する被評価者の自らの認識その他評価者による評価の参考となるべき事項について申告を行わせるものとする。

(評価、調整及び確認)

第九条
  1. 評価者は、被評価者について、個別評語及び評価者としての全体評語を付すことにより評価(次項及び第三項に規定する再評価を含む。)を行うものとする。
  2. 調整者は、評価者による評価について、不均衡があるかどうかという観点から審査を行い、調整者としての全体評語を付すことにより調整(次項に規定する再調整を含む。)を行うものとする。この場合において、調整者は、当該全体評語を付す前に、評価者に再評価を行わせることができる。
  3. 実施権者は、調整者による調整(第七条第二項ただし書の規定により調整者を指定しない場合においては、評価者による評価)について審査を行い、適当でないと認める場合には調整者に再調整を(同項ただし書の規定により調整者を指定しない場合においては、評価者に再評価を)行わせた上で、人事評価実施規程に定める方法により、定期評価における能力評価が適当である旨の確認を行うものとする。

(評価結果の開示)

第十条
実施権者は、前条第三項の確認を行った後に、被評価者の定期評価における能力評価の結果を、内閣府令で定めるところにより、当該被評価者に開示するものとする。

(評価者による指導及び助言)

第十一条
  1. 評価者は、前条の開示が行われた後に、被評価者と面談を行い、定期評価における能力評価の結果及びその根拠となる事実に基づき指導及び助言を行うものとする。
  2. 評価者は、被評価者が遠隔の地に勤務していることにより前項の面談により難い場合には、電話その他の通信手段による交信を行うことにより、同項の面談に代えることができる。

第三節 業績評価の手続[編集]

(果たすべき役割の確定)

第十二条
  1. 評価者は、定期評価における業績評価の評価期間の開始に際し、被評価者と面談を行い、業務に関する目標を定めることその他の方法により当該被評価者が当該評価期間において果たすべき役割を確定するものとする。
  2. 前条第二項の規定は、前項の面談について準用する。

(被評価者による自己申告)

第十三条
評価者は、定期評価における業績評価を行うに際し、その参考とするため、被評価者に対し、あらかじめ、当該業績評価に係る評価期間において当該被評価者の挙げた業績に関する被評価者の自らの認識その他評価者による評価の参考となるべき事項について申告を行わせるものとする。

(能力評価の手続に関する規定の準用)

第十四条
第九条から第十一条までの規定は、定期評価における業績評価の手続について準用する。

第三章 特別評価[編集]

(特別評価の実施)

第十五条
  1. 第四条第二項の規定による人事評価は、条件付任用期間(条件付採用期間及び条件付昇任期間をいう。以下同じ。)中の職員に対して実施するものとする。
  2. 前項の規定により実施する人事評価は、特別評価という。
  3. 特別評価は、条件付任用期間を評価期間とし、次条から第十八条までの規定により行うものとする。

(特別評価における評語の付与等)

第十六条
  1. 特別評価に当たっては、能力評価の結果を総括的に表示する記号(以下この章において「全体評語」という。)を付すものとする。
  2. 全体評語は、二段階とする。
  3. 全体評語を付す場合において、第四条第三項の発揮した能力の程度が同条第二項に規定する判断の対象となる官職に求められる能力の発揮の程度に達していると認めるときは、前項に定める段階のうち上位の段階を付すものとする。
  4. 特別評価に当たっては、全体評語を付した理由その他参考となるべき事項を記載するように努めるものとする。

(特別評価における評価者等の指定)

第十七条
  1. 実施権者は、特別評価の実施に当たり、当該条件付任用期間中の職員について、第七条第一項及び第二項の規定により定期評価の評価者及び調整者として指定した者を、それぞれ特別評価の評価者及び調整者として指定するものとする。
  2. 実施権者は、当該条件付任用期間中の職員について、第七条第三項の規定により定期評価の補助者として指定した者がいる場合には、当該指定した者を特別評価の補助者として指定することができる。

(定期評価の手続に関する規定の準用)

第十八条
特別評価の手続については、次の各号に掲げる職員の区分に応じ、当該各号に定める規定を準用する。
一 条件付採用期間中の職員 第九条(個別評語に係る部分を除く。)
二 条件付昇任期間中の職員 第九条(個別評語に係る部分を除く。)及び第十条

第四章 雑則[編集]

(定期評価についての特例)

第十九条
次に掲げる職員についての定期評価の実施に際しては、当該職員の職務と責任の特殊性に照らして、第八条第九条第一項(個別評語に係る部分に限る。)及び第十一条第十四条において準用する場合をそれぞれ含む。)並びに第十二条及び第十三条の規定の特例を要する場合には、人事評価実施規程をもって、これを規定することができる。
一 国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第六条に規定する長官、同法第十八条第一項に規定する事務次官、同法第二十一条第一項に規定する事務局長、局長若しくは部長の職又はこれらに準ずる職にある職員
二 国家行政組織法第八条の二に規定する文教研修施設又はこれに類する施設において長期間の研修を受けている職員
三 留学(学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)に基づく大学の大学院の課程(同法第百四条第四項第二号の規定により大学院の課程に相当する教育を行うものとして認められたものを含む。)又はこれに相当する外国の大学(これに準ずる教育施設を含む。)の課程に在学してその課程を履修する研修であって、法第七十三条の規定に基づき、国が実施するものをいう。)その他これに類する長期間の研修を受けている職員

(苦情への対応)

第二十条
  1. 実施権者は、第十条第十四条及び第十八条第二号において準用する場合を含む。)の規定により職員に開示された定期評価における能力評価若しくは業績評価又は特別評価の結果に関する職員の苦情その他人事評価に関する職員の苦情について、内閣府令で定めるところにより、適切に対応するものとする。
  2. 職員は、前項の苦情の申出をしたことを理由として、不利益な取扱いを受けない。

(人事評価の記録)

第二十一条
人事評価の記録は、内閣府令で定めるところにより、人事評価記録書として作成しなければならない。

(内閣府令への委任)

第二十二条
この政令に定めるもののほか、人事評価の基準及び方法その他人事評価に関し必要な事項は、内閣府令で定める。

附則[編集]

附則 抄

(施行期日)
第一条
この政令は、国家公務員法等の一部を改正する法律(平成十九年法律第百八号)附則第一条第三号に掲げる規定の施行の日(平成二十一年四月一日)から施行する。

(定期評価に関する経過措置)

第三条
  1. 法第三章第四節の規定により最初に実施される人事評価における定期評価における能力評価の評価期間は、第五条第三項の規定にかかわらず、人事評価を最初に開始する日(以下「開始日」という。)が平成二十一年九月三十日までの間にある場合においては開始日から平成二十一年九月三十日まで、開始日が平成二十一年十月一日以降にある場合においては開始日から平成二十二年九月三十日までとする。
  2. 法第三章第四節の規定により最初に実施される人事評価における定期評価における業績評価の評価期間は、第五条第四項の規定にかかわらず、開始日が平成二十一年九月三十日までの間にある場合においては開始日から平成二十一年九月三十日まで、開始日が平成二十一年十月一日から平成二十二年三月三十一日までの間にある場合においては開始日から平成二十二年三月三十一日まで、開始日が平成二十二年四月一日以降にある場合においては開始日から平成二十二年九月三十日までとする。

(特別評価に関する経過措置)

第四条
開始日前に条件付任用期間が開始された職員に対しては、第十五条第三項の規定にかかわらず、なお従前の例により、附則第二条の規定による廃止前の勤務成績の評定の手続及び記録に関する政令第一条に規定する勤務評定に係る同令第五条第一項に規定する特別評定を実施することができる。

この著作物は、日本国著作権法10条2項又は13条により著作権の目的とならないため、パブリックドメインの状態にあります。同法10条2項及び13条は、次のいずれかに該当する著作物は著作権の目的とならない旨定めています。

  1. 憲法その他の法令
  2. 国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が発する告示、訓令、通達その他これらに類するもの
  3. 裁判所の判決、決定、命令及び審判並びに行政庁の裁決及び決定で裁判に準ずる手続により行われるもの
  4. 上記いずれかのものの翻訳物及び編集物で、国若しくは地方公共団体の機関、独立行政法人又は地方独立行政法人が作成するもの
  5. 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道

この著作物は、米国政府、又は他国の法律、命令、布告、又は勅令等(Edict of governmentも参照)であるため、ウィキメディアサーバの所在地である米国においてパブリックドメインの状態にあります。“Compendium of U.S. Copyright Office Practices”、第3版、2014年の第313.6(C)(2)条をご覧ください。このような文書には、“制定法、裁判の判決、行政の決定、国家の命令、又は類似する形式の政府の法令資料”が含まれます。