不正なる宗教活動に対する決議

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 戦後の混乱と人心不安の裡に簇生したいわゆる新興宗教団体の中には、世道人心に極めて憂慮すべき影響を及ぼしているものがある。

 もとより信仰の自由は憲法の保障するところであるが、布教その他の方法において不当に人心を強制し、或は基本的人権を侵害するが如きことは許されない。

 本委員会が右の趣旨により立正交成会に関する人権侵害問題を調査したところによっても種々の行過ぎがあり、加入、脱退、金品受授、治療等につき欺罔、強制、圧迫、迷信等により、公共の福祉に反すると思われるものがある。

 政府は、この際、立正交成会は勿論、いわゆる新興宗教その他宗教団体の不正不法な宗教活動の横行している現状に鑑み、人権擁護の立場から速やかに

(一) 布教活動にして、人権の侵害行為又は犯罪を構成するものについては、その摘発につとむべきである。

(二) 宗教法人法第八十一条の解散権を発動すべき事由ありや否やにつき、徹底的に調査すべきである。

(三) 宗教法人法中「認証事項」「役員の欠格条項」「書類の閲覧権、提出権」第八十一条解散権発動の前提たる「調査権の整備」「罰則強化」等につき、検討すべきである。

(四) 公益代表者にして、宗教法人の解散請求権をもつ検察庁は、宗教法人調査につき適宜の措置を講ずるべきである。

 右決議する。

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