ロマ書 (ラゲ訳)

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<聖書<我主イエズスキリストの新約聖書

『公敎宣敎師ラゲ譯 我主イエズスキリストの新約聖書』公敎會、

1910年発行

〔ローマ・カトリック訳〕

ラゲ訳新約聖書エミール・ラゲ(Emile Raguet,MEP)

ロマ書

第1章[編集]

1イエズス、キリストのしもべにしてしとされ、かみふくいんためわかたれたるパウロ、―― 2このふくいんは、さきかみが、そのよげんしやたちもつせいしようちに、おんこわがしゆイエズス、キリストにきてやくたまひしものにして、 3このおんこにくたいにてはダヴィドのすゑよりり、 4せいとくれいにては、たいのうもつて、ししやうちよりのふくくわつによりて、かみおんこしようせられたまへり。 5われそのみなために、ばんみんしんかうふくじゆうせしめんとて、おんちようしとしよくとをかうむりたるなり、 6なんぢばんみんうちよりイエズス、キリストにされたるものなれば、―― 7しよかんすべてロマにりてかみあいせられせいとされたるひとびとおくる。ねがはくは、わがちちにてましまかみおよびしゆイエズス、キリストより、おんちようへいあんとをなんぢたまはらんことを。 8なんぢしんかうぜんせかいふいちやうせらるるがゆゑに、われまづなんぢいちどうためにイエズス、キリストにりてわがかみかんしやたてまつる。 9けだしきたううちえずなんぢきねんし、 10つねいかにしてかかみおぼしめしにより、いつしかやすらかなるみちて、つひなんぢいたらんとこひねがへるは、おんこふくいんおいいつしんつかまつかみの、わがためしようたまところなり。 11けだしなんぢことのぞむは、いさされいおんちようなんぢわけあたへて、なんぢけんごならしめんため12すなはなんぢうちりて、なんぢわれとのたがひしんかうもつあひすすむることためなり。 13きやうだいたちよ、われいはうじんおけごとく、なんぢうちにもいささかうくわためしばしばなんぢいたらんとこころざして、しかいままでさまたげられたることを、なんぢらざるをこのまず。 14われはギリシアじんにもいこくじんにも、がくしやにもがくしやにもところあり、 15ればまたなんぢロマにものにもふくいんつたへんとほつすることせつなり。 16けだしわれふくいんはぢず、これすべしんずるものためには、ユデアじんはじめギリシアじんにもすくひとなるべきかみのうりよくなればなり。 17すなはかみの[たまへる]しんかうよりしんかういたことふくいんうちあらはる、かきしるして、「ぎじんしんかうによりてきん」とあるがごとし。 18それおんいかりは、しんりふぎおさふるひとびとの、すべてのふけいふぎうへあらはる。 19けだしかみきてられたることがらかれらにはあらはなり、かみすでかれらこれあらはたまひたればなり。 20すなはそのべからざるところそのえいえんのうりよくしんせいも、せかいさうざういらいつくられたるものによりてさとられ、あきらかにゆるがゆゑに、ひとびとべんかいすることず。 21けだしすでかみりたれど、かみとしてこれくわうえいせず、またかんしやせず、かえつりくつうちむなしくせられて、そのおろかなるこころくらくなれり。 22すなはみづかちしやしようしてぐしやり、 23ちざるかみくわうえいふるに、つべきにんげんとりけだものへびなどたるかたちもつてせり。 24これによりてかみかれらそのこころよくすなはいんらんうちまかたまひて、かれらたがひそのはづかしむ、 25かみしんじつきよぎへ、ざうぶつしゆさしおきてざうぶつおがみ、これつかふるにいたりたればなり。ざうぶつしゆこそはよよしゆくせられたまふなれ、アメン。 26これによりてかみかれらづべきじやうよくうちまかたまへり、けだしかれらをんなしぜんようへてしぜんもどれるようし、 27をとこまたおなじくをんなしぜんようててたがひしよくやし、をとこをとこづべきことしてそのまよひあたひせるむくいおのけたり。 28またかみみとめたることしようせざりしがゆゑに、かみまたかれらそのじやしんうちまかたまひて、かれらふたうなることすにいたれり。 29すなはあらゆるふぎあくしんしつうどんりんふせいち、しつとさつじんさうとうさぎかうくわつみ、ざんがいするもの30ひばうするものかみうらものぶじよくするものがうまんなるものじふするものあくじはつめいしやふぼしたがはざるもの31ぐしやはいとくしやにして、あいじやうなく、ちゆうじつなく、じひなきひとびとたるなり。 32かかことおこなひとあたひす、とへるかみはんていりたれども、これおこなふのみならずまたおこなひとびとさんどうするなり。

第2章[編集]

1ればすべぜひするひとよ、なんぢべんかいすることず、けだしたにんぜひするはおのれつみするゆゑんなり、そのみづかぜひするところおなことせばなり。 2われかくごとことひとたいして、かみしんぱんしんりかなへることれり。 3かかことものぜひしつつみづかこれおこなひとよ、なんぢかみしんぱんまぬかれんとおもふか、 4かみじんじかんにんたいきゆうとのゆたかなるをかろんずるか、かみじあいなんぢかいしんみちびきつつあるをらざるか。 5なんぢかたくなくいあらためざるこころとにりて、おのれためかみおんいかりみ、 6おのおのそのわざおうじてむくたまふべきかみただしきしんぱんあらはるべきおんいかりあたりてこれれん。 7すなはにんたいもつぜんぎやうつとめ、くわうえいそんきふきうとをもとむるひとびとにはえいえんせいめいもつむくたまふべしといへども、 8あらそへるひとしんりふくせずふぎひとには、いかりいきどほりとあるべし。 9すべあくおこなものれいこんには、ユデアじんはじめギリシアじんにも、くわんなんしんくとあるべけれど、 10すべぜんおこなものにはユデアじんはじめギリシアじんにもくわうえいそんきへいあんとあるべし。 11ひときてかたよたまことかみところなればなり。 12けだしすべりつぱふなくしてつみをかししひとりつぱふなくしてほろびん、またすべりつぱふありてつみをかししひとりつぱふによりてしんぱんせられん、 13りつぱふちやうもんしやかみみまへぎじんたらずして、りつぱふじつかうしやこそとせらるべければなり。 14けだしりつぱふたざるいはうじんが、しぜんりつぱふことおこなときは、かかりつぱふたずといへどみづかおのれりつぱふたるなり。 15かれらりつぱふはたらきおのこころしるされたるをあらはし、そのりやうしんこれしようし、そのおもひあひたがひに、あるひとがあるひべんかいすることあればなり。 16これわがふくいんぶるごとく、かみがイエズス、キリストをもつひとびとみつじしんぱんたまふべきあきらかならん。 17しかるになんぢはユデアじんしようせられてりつぱふやすんじ、かみもつほこりし、 18そのみむねり、りつぱふさとされていつそういうえきなることみとめ、 19あへおのれもつめしひてびきくらやみひとともしび20おろかものけうしこどもししやうなりとし、りつぱふおいがくしきしんりとののりてるものおもへり。 21りながらなんぢひとをしへておのれをしへず、ぬすなかれとべてみづかぬすみ、 22かんいんするなかれとひてみづかかんいんし、ぐうざうにくみてせいなるものをおかし、 23りつぱふほこりつつみづかりつぱふやぶりてかみはづかしむ、 24かきしるして、「かみみななんぢによりていはうじんうちののしらる」、とあるがごとし。 25なんぢりつぱふまもときかつれいそのえきありといへども、りつぱふやぶときなんぢかつれいすでかつれいとなれるなり。 26ればかつれい[のひと]りつぱふきんれいまもらば、そのかつれいかつれいひとしくみなさるべきにあらずや。 27かくせいらいかつれい[のひと]りつぱふまつたうせば、ぶんおよかつれいありながらりつぱふやぶれるなんぢつみさだめん。 28けだしおもてしかあるひとがユデアじんたるにあらず、またあらはるものがかつれいたるにあらず。 29しんちゆうしかあるひとこそユデアじんぶんによらずれいによるこころのものこそかつれいにして、そのほまれひとよりきたらずしかかみよりきたる。

第3章[編集]

1らばユデアじんなんちやうぜるところかある、またかつれいなんえきかある、 2おのおのはうめんおほし、すなはまづかみのたまひおんことばかれらたくせられたるなり。 3たとひかれらうちしんぜざるものありしも、これなにかあらん、かれらしんかうかみしんじつむなしからしむべきか、けつしてしからず。 4かみしんじつにてましまし、ひとすべいつはものなり。かきしるして「(しゆよ)これなんぢそのことばおいとせられ、しんぱんせられたまふもかちたまはんためなり」、とあるがごとし。 5もしわれふぎかみあらはすとせば、われなにをかはん、いかりくはたまかみふぎなるか、―― 6ひとごとくにへり――けつしてしからず、もししかりとせば、かみいかにしてかこのしんぱんたまふべき。 7もしわれいつはりによりてかみしんじつあらはれ、そのくわうえいしたらんには、いかでかわれざいにんさだめらるることあらんや。 8また――われののしられてしかとなふとあるひとびとはるるごとく――ぜんきたさんためあくすべけんや、かかひとびとつみせらるるはうべなり。 9しからばなんぞや、われいはうじんさきだものなるか、けつしてしからず、すでにユデアじんもギリシアじんみなつみもとりとしようしたればなり。 10かきしるして、「たれただしきものなく、 11さとものなく、かみもとむるものなし、 12みなまよひてあひともむなしきものとなれり、ぜんものなし、ひとりだもあることなし。 13かれらのどひらきたるはかなり、そのしたもつあざむき、そのくちびるしたまむしどくあり、 14そのくちのろひにがみとにち、 15そのあしながためはやく、 16やぶれわざはひとは、そのみちみちり、 17かれらへいわみちらず、 18そのめのまへかみたいするおそれなし」とあるがごとし。 19ただしすべりつぱふところりつぱふもとひとびとむかひてふこと、われこれれり、これすべてのくちふさがりて、ぜんせかいかみくつぷくするにいたらんためなり。 20けだしかみみまへには、いかなるひとりつぱふわざりてとせらるることあらじ、りつぱふりてるはつみいしきなればなり。 21しかるにりつぱふよげんしやとにしようせられて、かみの[たまふ]いまりつぱふほかあらはれたり。 22すなはちイエズス、キリストにおけしんかうよりかみの「たまふ」しんかうするものすべておよび、すべてのうへり、けださべつあることなし、 23みなつみをかしたるものにして、かみくわうえいえうすればなり。 24ひとびととせらるるは、いさをなくしてただかみおんちようり、キリスト、イエズスにおけあがなひりてなり。 25すなはかみじゆうぜんつみしのたまひしに、そのゆるしもつおのせいぎあらはさんために、イエズス、キリストをなだめいけにへそなへ、そのおんちおけしんかうたしめ、 26いまおのせいぎしようせんとて、みづかそのせいぎあらはたまひ、イエズス、キリストにおけしんかうひとをもたまひしなり。 27しからばほこところいづこにかる、のぞかれたり。いかなるはふもつのぞかれたるか、わざもつてなるか、しからず、しんかうはふもつてなり。 28けだしわれおもふに、ひととせらるるはりつぱふわざらずしてしんかうる。 29かみあにユデアじんのみのかみならんや、いはうじんにもまたしかるにあらずや、しかいはうじんにもかみたるなり。 30かみゆゐいつましまして、かつれいひとしんかうりてとし、かつれいひとをもしんかうりてとしたまへばなり。 31らばわれしんかうもつりつぱふほろぼすか、しからず、かえつりつぱふかたうするなり。

第4章[編集]

1ればわれわがちちアブラハムはにくしんじやうよりしてなにたりとかはん、 2はアブラハムおこなひによりてとせられたらんにはほこところあるべきも、かみみまへにはこれあらざればなり。 3けだしせいしよなんとかへるぞ、[いはく]、「アブラハムかみしんぜり、かくそのこととしてかれせられたり」と。 4そもそもはたらひとむくいは、めぐみとせられずしてふさいとせらる、 5れどはたらかず、ふけいしやとしたまかみしんかうするひとおいては、そのしんかうかみおんちようきていしたがひてとしてこれせらるるなり。 6かくごとくダヴィドも、ひとおこなひらずしてかみよりとせらるるをさいはひなりとへり、 7[いはく]、「そのふぎゆるされ、そのつみおほはれたるひとさいはひなるかな8つみしゆたまはざりしひとさいはひなるかな」と。 9らばこのさいはひは、ただかつれい[のひと]にのみとどまるか、はたかつれい[のひと]にもおよぶか、われアブラハムのしんかうとしてかれせられたりとひしが、 10いかにしてせられしぞ、かつれいのちかつれいときか、かつれいのちあらずしてかつれいときなり。 11かつかつれいしるしは、かつれいときしんかうれるいんしやうとしてこれけたり。これすべかつれいにてしんかうするひとちちとなり、かれらにも[しんかうを]としてせられしめんためなり。 12またひとかつれいあるひとびとちちたるのみならず、わがちちアブラハムのかつれいときしんかうあとひとびとにもかつれいちちたらんためなり。 13けだしアブラハムまたそのしそんに、せかいよつぎたるべしとのやくそくありしは、りつぱふるにあらしんかうれるなり。 14もしりつぱふひとびとにしてよつぎたらば、しんかうむなしくなり、やくそくはいせられたるなり。 15りつぱふいかりきたし、りつぱふなきところにはいはふければなり。 16ればよつぎしんかうる、これかのやくそくおんちようしたがひて、すべてのしそんたいしてかためられんためなり。ただりつぱふしそんのみならず、アブラハムのしんかうりてしそんたるひとためなり。 17けだしかきしるして、「われなんぢてておほくのたみちちたらしめたり」とあるがごとく、アブラハムはそのしんぜしところかみすなはしたるものかし、きものをばあたかるもののごとくにたまかみみまへおいて、すべわれちちたるなり。 18かれは「なんぢしそんかくごとくならん」とはれしままに、きぼうすべくもあらざるになほきぼうして、おほくのたみちちとならんことしんぜり。 19しかそのしんかうよわことなく、ほとんどさいおよびておのすでせるがごとく、サラのたいせるがごとくなるをかへりみず、 20またかみおんやくそくつきてもいぶからずちうちよせず、かえつかみくわうえいたてまつりて、 21やくたまひしことことごとたまふべしと、くまでりてしんかうかためたり、 22ゆゑこのこととしてかれせられたるなり。 23この、「としてかれせられたり」とかきしるされたるは、ただかれためのみならず、 24またわれためなり。すなはわれも、わがしゆイエズス、キリストをししやうちよりふくくわつせしめたまひしかみしんかうするときは、[として]これせらるべし、 25かれわれつみためわたされ、またわれとせられんためふくくわつたまひたればなり。

第5章[編集]

1ればわれしんかうりてとせられ、わがしゆイエズス、キリストをもつかみわぼくしたるなり。 2またかれもつて、しんかうによりていまてるところおんちよういたことて、かみの(こどもの)くわうえいきぼうもつほこりす。 3しかのみならずわれまたくわんなんことほこりとす、くわんなんにんたいしやうじ、 4にんたいれんたつしやうじ、れんたつきぼうしやうずるをればなり。 5そもそもきぼうはぢきたさず、けだしわれたまはりたるせいれいもつて、かみあいわれこころそそがれたるなり。 6すなはちわれなほよわかりしに、キリストがときいたりてふけいしやためたまひしはなんぞや。 7それぎじんためするものまれなり、たれあへぜんにんためなんや。 8しかるにかみわれたいしてそのあいいちじるしくあらはたまふは、われなほつみびとたりしにときいたりて 9キリストわれためたまひしをもつてなり。ればいまわれそのおんちもつとせられたれば、なほかれりていかりよりすくはるべきなり。 10けだしわれてきなりしをおんこによりてかみわぼくしたるものなれば、いわんわぼくしたるのちかれせいめいりてすくはるべきをや。 11しかのみならずわれまたいまわぼくさせたまひしわがしゆイエズス、キリストにりて、かみもつほこりす。 12ればひとりりてつみこのり、またつみりてりしごとく、ひとみなつみをかしたるがゆゑすべてのうへおよべるなり。 13けだしりつぱふづるまでは、つみりしかど、りつぱふなきをもつつみとせざれざりき。 14りながら、アダンよりモイゼにいたまで、アダンのはんざいごとつみをかさざりしひとびとにもわうたりき。そもそもアダンはしやうらいのアダンのぜんぺうなり。 15れどつみたまものとはひとしからず、すなはひとりつみりてしたるものおほけれども、かみおんちようひとりのイエズス、キリストのめぐみとにれるたまものは、ましおほくのひとあふれたるなり。 16またたまものひとつつみけつくわとはひとしからず、すなはしんぱんひとつつみよりして、いうざいせんこくいたりしに、たまものおほくのつみよりとするにいたれるなり。 17けだしひとりつみために、そのひとりよりしてわうとなりたれば、ましあふるるほどおんちようたまものとをかうむひとびとは、ひとりのイエズス、キリストにりて、せいめいおいわうとなるべし。 18ればひとりはんざいもついつさいにんげんまでいうざいせんこくくるにいたりしごとく、いつさいにんげんひとりもつとせられせいめいるにいたれるなり。 19けだしひとりじゆうじゆんりておほくのひとざいにんとせられしごとく、またひとりじゆうじゆんりておほくのひとぎじんとせらるべし。 20りつぱふいりきたりてつみししかど、つみししところにはおんちよういやませり。 21これつみもつわうとなりしごとく、おんちようまたわがしゆイエズス、キリストにりてもつわうとなり、えいえんせいめいいたらしめんためなり。

第6章[編集]

1らばわれなにをかはん、おんちようあふれんことしてつみとどまらんか、 2しからず、われつみしたるものなれば、いかでかなほつみくべき。 3らずやキリスト、イエズスにおいせんせられしわれが、みなそのしてせんせられたることを。 4けだしわれそのならはんために、せんれいもつかれともはうむられたるなり、これキリストがおんちちくわうえいもつてししやうちよりふくくわつたまひしごとく、われまたあたらしきせいめいあゆまんためなり。 5けだしわれかれがれてそのありさまあやかりたれば、そのふくくわつにもまたあやかるべし。 6われふるひとかれともじふじかけられしは、つみほろぼされてふたたつみどれいとならざらんためなることわれこれる、 7したるひとつみのがれたればなり。 8われしんず、われもしキリストとともしたらば、またキリストとともきんと。 9はキリストはししやうちよりふくくわつしてもはやたまことなく、さらこれつかさどことなかるべしとればなり。 10せしはつみためにしてひとたびたまひたれど、くるはかみためたまふなり。 11かくごとなんぢおのれを、つみにはしたるものなれども、かみためにはわがしゆキリスト、イエズスにおいけるものおもへ。 12ゆゑつみなんぢそのしよよくしたがはしむるほど、なんぢすべきうちわうたるべからず。 13なほまたなんぢごたいふぎぶきとしてつみささぐることなかれ、かえつしたりしにくるものとしておのれかみささげ、ごたいをもかみためぶきとしてささげよ。 14なんぢすでりつぱふもとらずしておんちようもとるがゆゑに、つみなんぢつかさどことあるまじければなり。 15しからばいかにすべきか、われりつぱふもとらずしておんちようもとるがゆゑつみをかすべきか、しからず。 16らずや、なんぢしたがはんとておのれどれいとしてささぐれば、そのしたがところものどれいとなることを。あるひつみどれいとしていたり、あるひじゆうじゆんどれいとしていたる。 17れどかみかんしやす、なんぢつみどれいたりしに、ひきわたされてまなびたるをしへのりこころよりしたがひ、 18かつつみよりすくはれてどれいとなりたるなり。 19われなんぢにくよわきにたいして、ひといひかたもつはん、すなはなんぢふぎためごたいふけつふぎどれいとしてささげたりしがごとく、いませいとならんためごたいどれいとしてささげよ。 20なんぢつみどれいたりしときたいしてはじいうなりしが、 21そのときいまはぢこともつなんかうくわたりしぞ、すなはこれことはてあるのみ。 22いますでつみよりすくはれてかみしもべり、そのところかうくわせいことにして、そのはてえいえんせいめいなり。 23けだしつみはうしうなるに、かみたまものわがしゆイエズス、キリストにれるえいえんせいめいなり。

第7章[編集]

1きやうだいたちよ、われりつぱふれるひとびとへば、なんぢりつぱふひとつかさどらるるはけるあひだのみなることらざるか。 2けだしをつとあるをんなは、をつとぞんめいちゆうりつぱふもつこれつながるといへども、をつとすればこれたいするりつぱふかるるなり。 3ればをつとぞんめいちゆうひとけばかんぷばるべきも、をつとしたるときそのりつぱふよりゆるされ、ひとくもかんぷにはあらざるなり。 4ればわがきやうだいたちよ、なんぢもキリストの[]たいりて、りつぱふたいしてしたるものとなれり。これししやうちよりふくくわつたまひしのものにぞくして、われかみむすばんためなり。 5けだしわれにくりしときりつぱふれるざいくわしよよくむすばせんとて、われごたいうちはたらきたりしが、 6いまわれすでつながれたりしりつぱふよりゆるされて、ぶんふるきによらず、れいあたらしきにりてつかまつるにいたれり。 7しからばわれなにをかはん、りつぱふつみなるか、しからず。りながらりつぱふらずしてはわれつみらざりき。けだしりつぱふが「むさぼることなかれ」とはざればわれむさぼりらざりしに、 8つみきくわいじようじ、おきてによりて、わがうちあらゆるよくぼうひきおこせり。すなはりつぱふなきときつみしたるものにして、 9われむかしりつぱふなくてきたりしが、おきてきたりしかば、つみいきかへりて、 10われせり、かくわれかさんとてあたへられたるおきては、きたすものとなれり。 11けだしつみおきてきくわいじようじてわれまどはし、かつこれもつわれころせり。 12りつぱふせいなり、おきてせいにしてかつただしくかつぜんなり。 13しからばぜんなるものわれとなりたるか、しからず、ただつみつみあきらかあらはれんために、ぜんなるものをもつわれきたし、おきてによりてはなはだつみふかきものとなるにいたりしなり。 14われりつぱふれいてきなることる、れどわれにくてきにしてつみもとられたるものなり。 15けだしおこなところわれこれらず、こころざぜんこれさずして、いとあくこれせばなり。 16かくわれいとことせば、りつぱふどういしてみづかこれぜんなりとす、 17ればいまこれおこなものは、もはやわれあらずしてわれやどれるつみなり。 18けだしわれこれれり、ぜんわれに、すなはわがにくやどれるにあらず、こころざことわれちかしといへども、ぜんまつたうすることをず、 19こころざぜんこれさず、いとあくかえつこれせばなり。 20かくわれみづかいとことせば、もはやこれおこなものは、われあらずしてわれやどれるつみなり。 21ればわれぜんさんとするときは、のりとして、あくわれちかきをおぼゆ。 22けだしせいしんりてはかみりつぱふよろこぶといへども、 23われごたいほかのりありて、わがせいしんのりてきたいし、われとりこにしてごたいのりしたがはしむるをみとむ。 24ああわれふかうひとなるかなたれこのにくたいよりわれすくふべきぞ、 25わがしゆイエズス、キリストにれるかみおんちようこれなり。ゆゑわれみづかせいしんりてはかみりつぱふつかへ、にくしんりてはつみのりつかふ。

第8章[編集]

1ればキリスト、イエズスにりて、にくしたがひてあゆまざるひとおいては、もはやつみしよせらるべきところなし、 2せいめいあたふるれいのりは、キリスト、イエズスにおいつみとののりよりわれすくひたればなり。 3それにくもつよわれるがゆゑに、りつぱふあたはざりしを、かみつみにくごとかたちもつおんこつみためつかはしたまひ、そのにくおいつみしよぶんたまへり。 4これにくしたがはずれいしたがひてあゆめるわれおいて、りつぱふきんれいまつたうせられんがためなり。 5にくしたがひとびとにくことこのみ、れいしたがひとびとれいことこのむ。 6にくこのみ[と]なり、れいこのみせいめいおよへいあん[と]なる。 7にくこのみはかみてきたいしてかみりつぱふふくせず、またふくするあたはざればなり。 8ればにくひとびとは、かみみこころかなあたはず。 9かみれいもしなんぢやどたまはば、なんぢにくらずしてれいるなり。ひともしキリストのれいいうせずば、キリストのものにあらず。 10もしキリストなんぢいまさば、にくたいつみためしたるものなれども、れいとせられたるためく。 11もしイエズスをししやうちよりふくくわつせしめたまひしものれいなんぢやどたまはば、そのよりイエズス、キリストをふくくわつせしめたまひしものは、なんぢやどたまへるそのれいによりて、なんぢぬべきにくたいをもかしたまはん。 12ればきやうだいたちよ、われにくたいして、にくしたがひてくべきふさいあるものあらず、 13けだしなんぢもしにくしたがひてきなばすべく、れいもつにくわざころさばかえつくべし。 14なんびとによらず、かみれいみちびかるるひとかみたればなり。 15けだしなんぢけしは、さらおそれいだどれいたるのれいあらず、とせらるるれいけしなり。われがアバすなはちちぶはこれためなり。 16けだし[せい]れいみづかわれせいしんともに、われかみたるをしようたまふ。 17すでたればまたよつぎたり、すなはかみよつぎにして、キリストときようどうよつぎたるなり。これわれもしともくるしまば、くわうえいまたともくべきためなり。 18われおもふにこのよくるしみは、われうへあらはるべきしやうらいくわうえいおよぶものにあらず、 19けだしざうぶつあふぎててるは、かみこどもあらはれんことてるなり。 20ざうぶつむなしきふくせしめられたるもこれこのまず、おのれきぼうもつふくせしめたまひしものにたいしてしかするのみ。 21ざうぶつみづかふはいどれいたることのがれて、かみこどもくわうえいじいうべければなり。 22すなはわれる、ざうぶつみないまいたるまであひともなげき、かつぢんつうへるなりと。 23ただざうぶつのみならず、せいれいさいしよたまものたるわれも、みづかこころうちなげき、かみこどもとせられてにくたいあがなはれんことあふてるなり。 24けだしわれすくはれたるはなほきぼうとどまる、ゆるきぼうきぼうあらず、すでところひとなんこれきぼうせん。 25ざるところきぼうするにあたりては、われにんたいもつこれつ。 26かくごとく、せいれいまたわれよわきたすたまふ。けだしわれなにいのるべきかをらざれども、[せい]れいおんみづからふべからざるなげきもつて、われためもとたまふ。 27かくて、こころみとほたまふものは[せい]れいのぞたまへるところたまふ。かみみむねしたがひて、せいとためもとたまへばなり。 28われれり、かみあいするものすなはきていおうじてせいとされたるひとびとには、ばんじともはたらきてそのためえきあらざるはなし、と。 29けだしかみよちたまへるひとびとを、おんこすがたあやからしめんとよていたまへり、これおんこおほくのきやうだいうちちやうしたらんためなり。 30かくよていたまひしひとにはまたこれし、たまひしひとまたこれとならしめ、とならしめたまひしひとには、またたまふにくわうえいもつてしたまひしなり。 31これことくはへてわれまたなにをかはん、かみもしわれためにしたまはば、たれわれてきたいするものぞ、 32わがおんこをすらをしたまはず、かえつわれいちどうためこれわたたまひたれば、いかでかこれへて、いつさいわれたまはざらんや。 33かみえらまれたるひとびとうつたふるものたれぞ、とならしめたまかみならんか。 34これつみしよするものたれぞ、してしかふくくわつし、かみみぎましましてなほわれためとりなたまふキリスト、イエズスならんか。 35ればキリストにたいするあいより、われひきはなものたれぞ、これくなんならんか、うれひか、うゑか、らたいか、きけんか、はくがいか、つるぎか、 36かきしるして「われひねもすしゆためきけんひ、ほふらるべきひつじごとくせらるるなり」とあるがごとし。 37れどわれこのすべてのことうちりて、われあいたまへるものにより、ちてなほあまりあり。 38けだしわれかくしんす、も、せいも、てんしも、けんせいも、のうりよくも、げんざいことも、みらいことも、(ちからも)、 39たかさもふかさも、いかなるざうぶつも、わがしゆイエズス、キリストにおけかみいつくしみより、われはなるものなし、と。

第9章[編集]

1われはキリスト[のみまへ]にまことひていつはらず、わがりやうしんせいれいいつちしてわれしようめいす。 2われおほいなるうれひあり、わがこころたえまなきくつうあり。 3すなはわがきやうだいたちためには、われほとんみづからキリストにてられんことをすらのぞまんとす。かれらにくしんじやうわがしんぞくなり、 4イスラエルじんなり、かみとせらるることと、くわうえいしよけいやくりつぱふはいれいやくそくとはかれらのものなり。 5そせんたちかれらのもの、キリストもにくしんじやうよりすればかれらよりたまひしなり。すなはばんぶつうへよよしゆくせられたまかみにてまします、アメン。 6れどかみおんことばすたれりとふにはあらず、けだしイスラエルよりでしひとみなイスラエルじんたるにあらず、 7またアブラハムのすゑたるひとみなたるにあらず、ただし「イザアクよりづるものなんぢすゑばれん」とあり。 8すなはにくたるひとびとかみたるにあらずして、やくそくたるひとびとこそそのすゑとせらるるなれ。 9けだしやくそくことばは、「このときいたらばわれきたらん、しかして[つま]サラにはいつしあるべし」とこれなり。 10しかのみならずレベッカもまたひとりわがせんぞイザアクによりて[ふたごを]くわいたいせしに、 11いまうまれずまたなんらよしあしさざるうちに、かみきていせんばつしたがひてそんするために、 12おこなひによらずめしによりて「あにおととつかへん」とはれたり。 13かきしるして「われイザアクをあいしエザウをにくめり」とあるがごとし。 14ればわれなにをかふべき、かみおいふぎありや、しからず、 15はモイゼにのたまはく「あへあはれまんひとあはれみ、あへじひほどこさんひとじひほどこさん」と。 16ればほつするひとにもはしひとにもらずして、あはれたまかみるなり。 17けだしせいしよファラオンにいへらく「なんぢてしは、ことなんぢおいけんのうあらはし、わがぜんせかいつたへられんためなり」と。 18ればかみおぼしめしひとあはれみ、おぼしめしひとかたくしたまふなり。 19これによりてなんぢあるひはん、らばなんなほとがたまふや、たれそのおぼしめしていかうせん、と。 20ああひとよ、なんぢたれなればかみいひさからふぞ。どきおのれつくりたるひとむかひて、なにゆゑわれつくりしぞとふか。 21やきものしおなつちくれもつて、ひとつうつはたふとようためひとつうつはいやしきようためつくるのけんあるにあらずや。 22かみもしいかりあらはたまひ、おのけんのうらしめんとして、ほろぶべくそなはりたるうつはおほいなるにんたいもつしのたまひしに、 23くわうえいあるべくよびたまひしあはれみうつはたいして、おのくわうえいゆたかなるをしめさんとしたまはばいかん24あはれみうつはとしてただにユデアじんうちよりのみならず、いはうじんうちよりわれたまひしなり。 25これオゼアしよに、「われわがたみたらざりしものわがたみび、あいせられざりしものあいせらるるものと(び、あはれみざりしものあはれみものと)ばん、」 26またかれらすでに、なんぢわがたみあらず、とはれしそのところおいて、けるかみこどもとなへらるることあらん」とのたまひしがごとし。 27イザヤもイスラエルにきてよばはりけるは、「イスラエルのかずうみすなごとくなるも、のこもののみすくはれん。 28けだししゆおんことばすみやかちじやうおこなたまふべければ、もつこれすみやかまつたうしたまふべし」と。 29またイザヤがよげんして、「ばんぐんしゆもしわれたねのこたまはざりせば、われはソドマのごとり、ゴモラにたるものとりしならん」、とひしがごとし。 30しからばわれなにをかふべき。つゐきうせざりしいはうじんとらへたり、ただししんかうれるなり。 31かえつてイスラエルはのりつゐきうしつつも、のりいたらざりき。 32これなんゆゑぞ、かれらしんかうらずしてげふるがごとくにしたればなり。すなはつまづいしつきあたれるなり、 33かきしるして、「よ、われシオンにおいつまづいしつきあたいはく、たれにもあれこれしんずるひとは、はづかしめらるるものなからん」と、あるがごとし。

第10章[編集]

1きやうだいたちよ、せつこころのぞところかみいのところは、かれらすくはれんことなり。 2われかれらかみねつしんなることしようめいす、れどそのねつしんちしきいつちせず、 3かみらず、かつおのてんことをつとめて、かみふくせざればなり。 4けだしりつぱふをはりはキリストにして、これしんずるひとおのおのとせられんためなり。 5かくてモイゼはりつぱふきて、「これせるひとりつぱふりてくべし」としるしたるに、 6しんかうきてはへらく、「なんぢこころうちふことなかれ、たれてんのぼらんと」、これキリストをひきくだためならん。 7あるひたれよみくだらんと」、これキリストをよりよびかへためならん。 8しかるに(せいしよに)なんへるぞ、「おんことばなんぢちかく、なんぢくちり、なんぢこころり」と、これすなはわれぶるところしんかうことばなり。 9けだしなんぢもしくちもつしゆイエズスをせんげんし、こころもつかみこれししやうちよりふくくわつせしめたまひしことをしんぜばすくはるべし。 10こころにはしんじてとせられ、くちにはせんげんしてたすかりべければなり。 11すなはせいしよいはく、「(たれにもあれ)かれしんずるひとはづかしめられじ」と。 12けだしばんみんしゆゆゐいつましまして、たのたてまついつさいひとたいしてゆたかましませば、ユデアじんとギリシアじんとのべつあることなし。 13ゆゑたれにもあれしゆみなたのひとすくはるべし。 14しからばいましんぜざりしものいかにしてかこれたのまん、いまかざりしものいかにしてかこれしんぜん、ぶるひとなくばいかにしてかこれくべき、 15つかはされずばいかにしてかべん、かきしるして「あなうるはし、さいはひへいわげ、ぜんじぐるひとびとあし」、とあるがごとし。 16れどもみなふくいんしたがへるにはあらず、すなはちイザヤいはく、「しゆよ、われきてしんぜしものたれぞや」と。 17ればしんかうくよりおこり、くはキリストのおんことばもつてす。 18れどわれはん、かれらこえざりしか、と。しからず、しかも「そのこゑぜんせかいゆきわたり、そのことばはてにまでおよべり」 19れどわれはん、イスラエルはらざりしかと、[しからず]、モイゼまづいはく「わがたみたらざるものもつなんぢねたましめ、おろかなるたみたいしていからしめん」と。 20イザヤもまたあへいはく、「われさがさざりしひとびとだされ、たづねざりしひとびとこうぜんあらはれたり」と。 21またイスラエルにむかひていはく、「われしんぜずしてさからへるたみを、しうじつべててり」と。

第11章[編集]

1しからばわれはん、かみそのたみたまひしかと、しからず、われもイスラエルじんにして、アブラハムのすゑ、ベンヤミンのぞくなればなり。 2かみよちたまひしおのれたみたまはざりしなり。なんぢエリアにきてせいしよへることらざるか、すなはかれイスラエルじんかみうつたへてへらく、 3しゆよ、かれらしゆよげんしやたちころし、ことごとしゆさいだんこぼてり、われひとりのこれるに、なほわがいのちもとめんとするなり」と。 4しかしてかみおんこたえなんのたまへるぞ、「われおのれために、バアルのまへひざまづかざる七千のだんしのこしたるなり」と。 5かくごとく、いまときまたおんちようえらみりてのこれるものすくはれたり。 6おんちようればわざるにあらず、しからざればおんちようもはやおんちようあらざるべし。 7しからばなんぞや、イスラエルじんそのもとたりしところず、えらまれたるひとこれて、ひとかたくなになれり。 8かきしるして、「かみかれらぼうぜんたるせいしんべからざるききべからざるみみたまひてけふいたる」、とあるがごとし。 9ダヴィドまたいはく「ねがはくはかれらしよくたくあみとなり、わなとなり、つまづくものとなり、むくいとなれかし、 10そのくらみてえざらしめ、そのいつかがましめたまへ」、と。 11ればわれはん、かれらつまづきしはたふれんためなるかと、しからず、かえつかれらねたましむるやうそのだらくによりて、すくひいはうじんうへきたれり。 12もしかれらだらくとみとなり、そのげんせういはうじんとみとならば、いわんかれらぜんすうをや。 13けだしわれなんぢいはうじんはん、われいはうじんしとたるあひだは、が[せい]えきえいよきたさん。 14これいかにもして、わがこつにくたるものしげきしてこれはげまし、そのいくばくかをすくはんためなり。 15けだしかれらはいせきわぼくとならば、そのさいようあによりさいせいするにおなじからざらんや。 16もしぱんはつほせいならばぜんたいしかあるべく、せいならばえだしかあるべし。 17たとひいくばくかのえだられて、やせいかんらんたりしなんぢこれがれ、かんらんえきじふとをともにするものとなりたりとも、 18えだむかひてほこることなかれ、ほこらんとするも、なんぢたもつにあらずしてこそなんぢたもつなれ。 19なんぢあるひはん、えだられしはがれんためなりと。 20し、かれらそのしんかうりてられしに、なんぢしんかうりててるなり。れどたかぶることなかれ、かえつおそれよ。 21けだしかみもとえだをしたまはざりしなれば、おそらくはなんぢをもをしたまはざるべし。 22ればかみじあいげんかくとをよ、たふれしひとびとたいしてはこれげんかくなんぢたいしてはこれじあいただしこれなんぢそのじあいとどまればのみ、しからずんばなんぢとりのぞかるべし。 23かれらもししんかうとどまらずばがるるならん、かみふたたこれぐことをたまへばなり。 24なんぢせいらいやせいなるかんらんよりきりとられ、そのほんせいはんしてかんらんがれたれば、いわんほんせいのものがもとかんらんがるるをや。 25きやうだいたちよ、みづかさとしとすることなからんために、われなんぢこのおくぎらざるをこのまず、すなはちイスラエルのいくぶぶんかたくなになれるは、いはうじんぜんたいいりきたるまでなり。 26かくてイスラエルはこぞりてすくはるるにいたるべし、かきしるして、「すくものシオンにきたり、ヤコブよりふけいらしめん。 27われかれらつみとりのぞきたらんときかれらむすぶべきやくそくこれなり」、とあるがごとし。 28ふくいんきては、かれらなんぢためてきなれども、せんばつきてはそのそせんためしあいものなり、 29かみたまものめしとは、とりけさるることなければなり。 30かくなんぢもとかみしたがはざりしに、いまかれらじゆうじゆんりてじひかうむりしごとく、 31いまかれらしたがはざるもまたなんぢの[かうむりし]じひりておのれじひかうむらんためなり。 32これしゆうじんあはれたまはんために、かみこれじゆうじゆんたまへるなり。 33ああかうだいなるかなかみとみちゑちしきと。そのはんていさとがたさよ、そのみちきはがたさよ。 34たれしゆみこころり、たれこれともはかりたるぞ。 35たれまづこれあたへて、そのむくいものぞ。 36けだしばんじかれりてかれもつかれためり、くわうえいよよかれす、アメン。

第12章[編集]

1ればきやうだいたちよ、わがかみもろもろあはれみりてなんぢすすむ。なんぢそのからだもつて、ける、せいなる、かみみこころかなへるいけにへおのだうりてきれいはいとしてそなへよ。 2またこのならしたがことなく、かえつかみみむねすなはぜんみこころかなことくわんぜんとのいかなるものなるかをさとらんためせいしんいつしんしてみづかかいかくせよ。 3けだしわれたまはりたるおんちようによりて、なんぢうちすべてのひとはん、おのれおもんずべきていどいじやうおもんぜず、てきぎに、しかかみそれぞれぶんぱいたまひししんかうりやうしたがひておもんぜよ。 4けだしわれひとつからだおほくのえだありて、すべてのえだそのようおなじうせざるがごとく、 5われおほくのひとは、キリストにおいひとつからだにして、おのおのたがひえだたるなり。 6ればわれたまはりたるおんちようしたがひてたまものことにしたれば、よげんしんかうしたがひてし、 7せいえきせいえきに[じうじし]、をしふるひとをしへに[とどまり]、 8すすめひとすすめし、あたふるひとたんぱくもつてし、つかさどひとふんぱつもつてし、じひほどこひとよろこびもつてすべし。 9あいへうりあるべからず、なんぢあくきらひてぜんき、 10きやうだいあいもつあひいつくしみ、たがひあひすゐちようし、 11ちゆういおこたらず、ねつしんにしてしゆつかへ、 12きぼうによりてよろこび、くわんなんにんたいし、えずきたうじうじし、 13せいとにうようたすけ、せつたいおこなひ、 14なんぢはくがいするひとしゆくせよ、しゆくしてのろふことなかれ。 15よろこひとびとともよろこび、ひとびとともき、 16こころあひおなじうし、たかきをおもはずしてひくきにあまんじ、みづかかしこしとすることなかれ。 17いかなるひとにもあくもつあくむくゆることなく、ただかみみまへのみならず、しゆうじんまへにもぜんなることはかり、 18なんぢちからおよかぎり、べくんばしゆうじんあひせよ。 19しあいなるものよ、みづかふくしゆうせずして[かみの]いかりまかせよ、かきしるして、「しゆのたまはく、ふくしゆうわがことなり、われむくいん」とあればなり。 20かえつなんぢあだゑなばこれしよくせしめ、かわかばこれましめよ。くすればなんぢかれかうべもえすみむならん、 21あくたるることなく、ぜんもつあくて。

第13章[編集]

1ひとおのおのうへてるしよけんふくすべし。けだしけんにしてかみよりでざるはなく、げんところけんかみよりさだめられたるものなり、 2ゆゑけんさからふひとかみさだめさからひ、さからふひとびとおのれつみ3くんしゆおそるべきは、わざためあらずしてあしわざためなり。なんぢけんおそれざらんとほつするか、ぜんおこなへ、しからばかのよりほまれべし。 4なんぢえきせんためかみえきしやなればなり。れどなんぢもしあくおこなはばおそれよ、かれいたずらつるぎぶるものにあらず、かみえきしやにしてあくおこなひといかりもつむくゆるものなればなり。 5ればふくじゆうすることは、なんぢひつえうにして、ただいかりためのみならず、またりやうしんためなり。 6けだしなんぢまたこれためぜいおさむ、かれらかみえきしやにして、これためつとむればなり。 7ればなんぢすべてのひとおひめかへせ、すなはぜいおさむべきひとにはぜいおさめ、かかりものはらふべきひとにはこれはらひ、おそるべきものにはおそれ、たふとぶべきものこれたふとべ。 8なんぢあひあいするのほかは、たれにもなんらふさいあるべからず、ちかものあいするひとりつぱふまつたうしたるものなればなり。 9けだしなんぢかんいんするなかれ、ころなかれ、ぬすなかれ、ぎしようするなかれ、むさぼなかれ」、このほかいましめありといへども、なんぢちかものおのれごとくにあいせよとのことばうちつづまる。 10あいたにんしきことず、ゆゑあいりつぱふくわんびなり。 11かくすべきはこれわれじきれるゆゑなり。すなはねむりよりくべきときすできたれり、けだししんかうせしときよりもわれたすかりいまちかきにあり。 12けたり、ちかづけり、ればわれやみわざてて、ひかりよろひるべし、 13につちゆうごとただしくあゆむべくして、たうしょくすいけうみつつういんらんさうとうしつととにあゆからず、 14かえつしゆイエズス、キリストをよ、かつあくよくおこるべきにくおもんばかりすことなかれ。

第14章[編集]

1しんかうよわひとくるにしんせつもつてし、おもところあらそふことなかれ。 2けだしあるひとすべてのものしよくするをしとするに、よわひとやさいしよくす。 3しよくするひとしよくせざるひとかろんずべからず、しよくせざるひとまたしよくするひとぜひすべからず、かみひとうけいたまひたればなり。 4なんぢたれなればぞくするしもべぜひするぞ、つもたふるるも、そのしゆかかはることなり。ただしかならずやつならん、かみこれたしむることたまへばなり。 5あるひととをべんべつするに、ひといかなるをもどういつにす、おのおのそのれうけんしたがふべきのみ。 6くべつするひとしゆためこれくべつし、しよくするひとしゆためしよくす、かみかんしやすればなり。しよくせざるひとしゆためしよくせずしてまたかみかんしやす。 7けだしわれうちおのれためくるものなく、おのれためするものなし、 8われくるもしゆためき、するもしゆためすればなり。ゆゑわれくるもするもしゆものなり。 9けだしキリストのしてふくくわつたまひしは、ししやせいしやとをつかさどたまはんがためなり。 10しかるになんぢなにゆゑきやうだいぜひするぞ、なにゆゑきやうだいかろんずるぞ、われみなかみはふていつべきものなるをや。 11かきしるして、「しゆのたまはく、われくるなり、すべてのひざわがまへかがまり、すべてのしたかみせんげんするにいたらん」、とあるがごとし、 12すなはわれおのおのおのれことかみたださるべし。 13ればわれたがひつみさだむべからず、むしろなんぢきやうだいまへに、つまづかすべきもの、あるひわなとなるものをかざらんことさだめよ。 14われしゆイエズスにおいかつかくしんす、なにものかれによりてみづかきよからざるはなく、そのきよからざるは、きよからずとおもひとおいてのみ。 15もししよくもつためなんぢきやうだいうれひしむれば、なんぢすであいしたがひてあゆものあらず、キリストのしてあがなたまひしひとを、しよくもつためほろぼすことなかれ。 16ればわれてるきものはののしらるべかず、 17かみくにいんしよくにあるにあらずして、せいれいれるへいわよろこびとにればなり。 18けだしこれもつてキリストにつかふるひとかみみこころかなひ、ひとびとにもしとせらるるなり。 19ゆゑわれへいわことつゐきうして、ひととくつべきことたがひまもるべきなり。 20しよくもつためかみじげふほろぼすことなかれ、すべてのものきよしといへども、しよくしてつまづかするひとにはあくとなる。 21にくしよくいんしゆそのたなんぢきやうだいあるひこころいため、あるひつまづき、あるひよわくなることざるをしとす。 22なんぢに[かく]しんあらんか、これかみみまへうちたもて。しとすることきておのれとがめざるひとさいはひなり、 23れどうたがひつつしよくしたるときつみせらる、は[かく]しんによりてざればなり、すべて[かく]しんらざることつみなり。

第15章[編集]

1われつよものよわひとびときよじやくになふべくして、おのれよろこばすべからず、 2なんぢおのおのちかひととくつべく、ぜんじもつこれよろこばすべし。 3けだしキリストはおのれよろこばしたまはず、かえつかきしるして、「なんぢ[しゆ]をののしれるひとびとぶじよくわれちかかれり」、とあるがごとくにたまへり。 4けだしすべさきかきしるされたることわれけうくんとなり、われをしてせいしよにんたいなぐさめとをもつて、きぼうたもたしめんためかきしるされたるなり。 5ねがはくはにんたいなぐさめとをたまかみなんぢをしてイエズス、キリストにしたがひてこころおなじうせしめ、 6ひとつこころひとつくちもつわがしゆイエズス、キリストのかみにしてちちにてましますものをあがたてまつるをしめたまはんことを。 7ればキリストがかみくわうえいためなんぢうけいたまひしごとく、なんぢたがひうけいれよ。 8われはん、キリスト、イエズスがかつれい[のひとびと]のえきしやとなりたまひしは、かみしんじつあらはし、そせんの[かうむりし]やくそくかため、 9またいはうじんをしてかみそのあはれみによりてあがめしめたまはんためなり。かきしるして「ればしゆよ、われいはうじんうちなんぢせんげんし、かつみなほめうたはん」とあるがごとし。 10またいはく、「いはうじんたちよ、しゆたみともよろこべ」、 11またもろもろくにしゆさんびせよ、もろもろたみこれあがたてまつれ」とあり。 12またイザヤいはく、「イエッセのめざしていはうじんをさむべきものおこらん、いはうじんこれきぼうせん」と。 13ねがはくはきぼうかみしんかうによりておこいつさいよろこびへいあんとをなんぢたしめ、せいれいちからもつなんぢきぼうゆたかならしめたまはんことを。 14わがきやうだいたちよ、われなんぢみづかじあいち、かつすべてのちしきちて、たがひくんかいものなることかくしんす。 15れどきやうだいたちよ、ややもすればあまりにはばかりなくなんぢかきおくりしこと、あたかなんぢをしておもひいださしめんとせるごとくなるは、これかみよりわれたまはりたるおんちようれり。 16このおんちようあるは、われいはうじんために、キリスト、イエズスのえきしやとなりて、かみふくいんさいむしつかうし、いはうじんせいれいりてせいとせられ、みこころかなへるささげものとならんためなり。 17ればかみくわんして、キリスト、イエズスにおいほこるべきところあり。 18けだしキリストがいはうじんしたがはしめんためわれもちひ、ことばおこなひとをもつて、 19しるしきせきとのちからおよせいれいちからりてたまへることあらざれば、われあへこれかたらず。すなはちエルザレムよりイルリコ[しう]にいたまでちはうめぐりて、キリストのふくいんたせり。 20ただしふくいんべしは、キリストのみなすでとなへられたるところあらず、たにんきたるきそうへきづかざらんためなり。 21かきしるして、「いまげられざりしひとびとこれん、かざりしひとびとさとらん」、とあるがごとし。 22なんぢいたことこれためさまたげられて、われいままでとどめられたりしが、 23いまはやこのちはうすべきことなく、なんぢいたらんことは、としごろせつなるねがひなれば、 24イスパニアへかんときに、たちよりてなんぢことまたなんぢもついくぶんまんぞくたるのちなんぢよりかしこおくられんことこれわがきぼうなり。 25ればいまはエルザレムにいたり、せいとたちつかへんとす。 26けだしマケドニアおよびアカヤ[しう](のひとびと)はエルザレムにせいとひんしやために、いくばくきよきんするをもつしとせり。 27かのひとびとこれしとせしが、しかかれらふさいあるものなり。けだしいはうじんは、かれられいてきじぶつぶんぱいけたれば、にくてきじぶつもつかれらきようすべきなり。 28ればわれこのようじへ、そのかれらわけあたへてのちなんぢてイスパニアへかん。 29われなんぢいたらば、キリスト(のふくいん)のゆたかなるしゆくふくもついたるべきは、ところなり。 30ゆゑきやうだいたちよ、わがしゆイエズス、キリストにり、またせいれいいつくしみりて、われなんぢこひねがふ。わがためかみいのりもつわれともたたかへ。 31これユデアにしんじやよりすくはれんためかつもちおくりものがエルザレムのせいとたちこころかなはんため32かみみむねしたがよろこびてなんぢいたり、なんぢともやすんずることためなり。 33ねがはくはへいわかみなんぢいちどうともましまさんことを、アメン。

第16章[編集]

1われしまいにしてケンクライけうくわいぢよしつじなるフェベをなんぢいらいす。 2せいととしてふさわしくこれしゆおいせつたいし、なんぢもとめんすべてのことおいこれたすけよ、かのをんなみづからもすでおほくのひとたすけ、われをもたすけたればなり。 3ふプリスカ、アクィラおよそのいへけうくわいにもよろしくとへ。かれらがキリスト、イエズスにおけわれけふりよくしやにして、 4われせいめいためおのくびさしいだせるは、ひとりわれのみならず、いはうじんしよけうくわいまたかれらかんしやするところなり。 5エペネトによろしくとへ、これあいするひとにして、キリストにおける[せう]アジアさいしよしんじやなり。 6なんぢためおほいにじんりよくせしマリアによろしくとへ。 7アンドロニコおよびユニアによろしくとへ、かれらわがしんせきにして、われともかんごくり、そのしとうちたかく、われよりさきにキリストにきしものなり。 8しゆおいわがしあいなるアンプリアトによろしくとへ。 9キリスト(イエズス)にりてわれけふりよくしやなるウルバノおよあいするスタキスによろしくとへ。 10キリストにおいちゆうじつなるアッペルレによろしくとへ。 11アリストブルのいへなるひとびとよろしくとへ。わがしんぞくヘロヂオンによろしくとへ。ナルキスのいへおいしゆひとびとよろしくとへ。 12しゆためじんりよくする[ふじん]トリフェナおよびトリフォザによろしくとへ。しゆためおほいにじんりよくせししあいなる[ふじん]ペルシデによろしくとへ。 13しゆおいえらまれしルフォおよかれははにしてまたわがははなるひとよろしくとへ。 14アッシンクリト、フレゴン、ヘルマス、バニトロバ、ヘルメスおよかれらともきやうだいたちよろしくとへ。 15フィロロゴおよびユリア、ネレオおよそのしまい、オリンピアおよかれらともせいといちどうよろしくとへ。 16せいなるせつぷんもつたがひよろしくとへ。キリストのしよけうくわいなんぢよろしくとへり。 17きやうだいたちよ、われなんぢすすむ、なんぢまなびしをしへはんして、あらそひおよさまたげせるひとびとみとめてこれけよ。 18けだしかかやからは、わがしゆキリストにつかへずしておのはらつかへ、あまきことばおよこびへつらひもつて、むじやきなるひとびとこころまどはすなり。 19なんぢじゆうじゆんなることいづこにもきこえたるは、なんぢためよろこところなり。ただのぞむらくはなんぢぜんたいしてかしこく、あくたいしてうとからんことを。 20ねがはくはへいわかみすみやかにサタンをなんぢあししたくだたまひ、