ルカ聖福音書4 (ラゲ訳)

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<聖書<我主イエズスキリストの新約聖書

『公敎宣敎師ラゲ譯 我主イエズスキリストの新約聖書』公敎會、

1910年発行

〔ローマ・カトリック訳〕

ラゲ訳新約聖書エミール・ラゲ(Emile Raguet,MEP)

ルカ聖福音書4

第18章[編集]

1イエズスまたひとつねいのりてまざるべしとて、かれらたとへかたりてのたまひけるは、 2あるまちかみをもおそれずひとをもかへりみざるひとりはんじありしが、 3またそのまちひとりやもめありて、かれいたり、われあだするひとしよぶんたまへ、とたりしを、 4かれひさしくがへんぜざりしかど、そののちこころうちへらく、われかみをもおそれずひとをもかへりみざれど、 5かのやもめわれわづらはしければ、これためしよぶんせん、しかせずば、さいごにはきたりてわれたん、と。 6しゆまたのたまひけるは、なんぢかのふぎなるはんじへることけ。 7かみなんすれぞ、そのえらたまへるひとびとちうやおのれよばはるをしよぶんせずして、そのくるしめらるるをしのたまはんや。 8われなんぢぐ、かみすみやかかれらためしよぶんたまふべし。りながらひときたらんときしんかうみいだすべきか、と。 9またおのれぎじんとしてみづかたのみ、ないがしろにせるひとびとむかひて、つぎたとへかたたまへり。 10ふたりひといのらんとて[しん]でんのぼりしに、ひとりはファリザイじんひとりみつぎとりなりしが、 11ファリザイじんちてこころうちいのりけるは、かみよ、われひとせつたうしやふせいしやかんいんしやなるがごとくならず、またこのみつぎとりごとくにもあらざることを、なんぢかんしやたてまつる。 12われいつしうかんふたたびだんじきし、ぜんさいにふの十ぶんの一ををさむるなり、と。 13しかるにみつぎとりはるかちて、てんぐることだにもあへてせず、ただむねちて、かみよ、つみびとなるわれあはれたまへ、とたり。 14われなんぢぐ、このひとは、かのひとよりもとせられて、おのいへくだけり。けだしすべみづかたかぶひとげられ、みづかへりくだひとげらるべし、と。 15ときひとびとまた、イエズスにれしめんとて、をさなごたづさきたりしを、でしたちしかりけるに、 16イエズスをさなごよびよせてのたまひけるは、こどもわれきたるをゆるして、これきんずることなかれ、かみくにかくごとひとものなればなり。 17われまことなんぢぐ、たれにてもをさなごごとかみくにくるにあらずばこれらじ、と。 18ひとりおもだちたるものイエズスにひて、よ、われなにしてかえいえんせいめいべき、とひしかば、 19イエズスのたまひけるは、なんわれきとふや、かみひとりのほかきものはあらず。 20なんぢおきてれり、すなはころなかれ、かんいんするなかれ、ぬすみするなかれ、ぎしようするなかれ、なんぢちちははうやまへ、とこれなり、と。 21かれわれえうねんよりことごとこれまもれり、とひしに、 22イエズスこれきてのたまひけるは、なんぢなほひとつけり、ことごとなんぢてるものりて、これひんしやほどこせ、しからばてんおいたからん、しかしてのちきたりてわれしたがへ、と。 23これきてかれいたかなしめり、ふがうなればなり。 24イエズスかれかなしむをのたまひけるは、めるものかみくにるはいかかたきぞや、 25けだしらくだはりあなとほるも、ふしやてんこくるよりはやすし、と。 26これけるひとびとしからばたれすくはるうことをん、とひたるに、 27イエズスのたまひけるは、ひとかなはざることかみにはかなふものぞ、と。 28そのときペトロ、われいつさいててなんぢしたがひたり、とひしかば、 29イエズスかれらのたまひけるは、われまことなんぢぐ、たれにもあれかみくにために、あるひいへあるひふたおやあるひきやうだいあるひつまあるひこどもはなるるひとの、 30このにてさらおほくのものけ、のちえいえんせいめいけざるはなし、と。 31かくてイエズス十二にんたづさへてこれのたまひけるは、われこのたびエルザレムにのぼる、ひときてよげんしやたちかきしるされたることことごとじやうじゆせん。 32すなはかれいはうじんわたされ、なぶられ、はずかしめられ、つばきせられ、 33むちうちたるのちかれらこれころさん、しかしてみつかふくくわつすべし、と。 34十二にんこのことどもすこしかいせざりき、けだしこのことばかれらかくされて、そのはるるところさとらざりしなり。 35イエズスエリコにちかづきたまときひとりめしひみちばたしてほどこしりしが、 36ぐんしゆうすぐるをきて、なにごとぞとひけるに、 37ひとびとナザレトのイエズスのたまよしげしかば、 38かのさけびて、ダヴィドのイエズスよ、われあはれたまへ、とへり。 39さきだてるひとびとこれしかりてもくせしめんとすれども、かれますます、ダヴィドのよ、われあはれたまへ、とさけければ、 40イエズスたちとどまり、めいじてこれつれきたらしめたまひ、そのちかづきしときこれひて、 41なんぢなにさんことほつするぞ、とのたまひしにかれしゆよ、えしめたまはんことを、とへり。 42イエズスのたまひけるは、えよ、なんぢしんかうなんぢすくへり、と。 43かれたちまえ、かみくわうえいしつつイエズスにしたがひたりしが、みんしゆうこれて、こぞりてかみくわうえいたてまつれり。

第19章[編集]

1イエズスエリコにりてあゆみたまふに、 2をりしもザケオとへるひとあり、すなはみつぎとりかしらにして、しかふがうなりしが、 3イエズスのなにびとなるかをんとすれど、たけひくくしてぐんしゆうためざりければ、 4ゆるやうにと、まへはしりゆきてくはいちじくののぼれり、そこをばとほたまふべければなり。 5イエズスそのところいたりてげ、かれのたまひけるは、ザケオいそりよ、けふわれなんぢいへやどらざるべからず、と。 6かれいそりてくわんげいせしかば、 7しゆうじんこれて、イエズスつみびときやくとなれり、とつぶやきければ、 8ザケオちてしゆひけるは、しゆたまへ、われわがざいさんなかばひんしやほどこし、もしひとそんがいせしことあらば、つぐなふに四ばいもつてせんとす、と。 9イエズスこれのたまひけるは、このいへけふすくひたり、このひともアブラハムのなればなり。 10けだしひときたりしは、ほろびたるものたずねてすくはんためなり、と。 11ひとびとこれきつつりしに、イエズスこれくはへてひとつたとへかたたまへり、これすでにエルザレムにちかく、またかれらかみくにただちあらはるべしとおもれるをもつてなり。 12すなはのたまひけるは、あるきにんゑんごくき、ほうこくけてかへらんとて、 13おのけらいにんびてきんきんわたし、きたるまでしやうばいせよ、とめいきしが、 14こくみんかれにくみければあとよりつかひりて、われかのひとわがわうこといなむ、とはせたれど、 15かれほうこくけてかへきたり、かつきんあたきしけらいおのおのしやうばいしていかばかりまうけありしかをらんために、めいじてこればしめしが、 16はじめものきたりて、しゆくんよ、なんぢきんきんは十きんまうけたり、とひしに、 17しゆじんひけるは、し、りやうぼくよ、なんぢわづかなものにちゆうなりしがゆゑとをとくわいつかさどるべし、と。 18つぎものきたりて、しゆくんよ、なんぢきんきんは五きんしやうじたり、とひしに、 19しゆじんひけるは、なんぢいつつとくわいつかさどれ、と。 20またひとりきたりて、しゆくんよ、これなんぢきんきんなり、われこれふくさつつみけり、 21なんぢきびしきひとにして、かざるものかざるものるをもつて、われなんぢおそれたればなり、とひしに、 22しゆじんひけるは、あくぼくよ、われなんぢそのくちによりてさばかん、なんぢきびしきひとにして、かざるものかざるものるをりたるに、 23なんわがきんぎんかうわたさざりしや、しからばわれきたりてこれともうけとりしならん、と。 24かくたちへるひとびとむかひ、かれよりそのきんきんりて、十きんてるものあたへよ、とひければ、 25かれらしゆくんよ、かれすでに十きんてり、とひしかど、 26われなんぢぐ、すべてるひとはなおあたへられてあまりあらん、れどたぬひとは、そのてるものまでもうばはれん。 27おのれわうたることいなみしてきどもここひききたりて、われめのまへころせ、[とへり]と。 28のたまをはりて、さきだちてエルザレムにのぼたまへり。 29かくかんらんざんへるやまふもとなるベトファゲとベタミアとにちかづきたまひしかば、でしたちふたりつかはさんとして、 30のたまひけるは、なんぢむかふむらけ、これらば、なにびといまらざるろばつながれたるにはん、きてここひききたれ、 31もしなにゆゑこれくぞとひとあらば、しゆこれもちひんとほつたまふとへ、と。 32つかはされたるひとびときて、のたまひしごとろばてるにひ、 33これうちそのぬしなにゆゑこれくぞ、とふを 34かれらしゆこれえうたまふなり、とひて、 35イエズスのおんもとひききたり、おのいふくろばかけてイエズスをせたり。 36たまみちすがらひとびとめんめんいふくみちきたりしが、 37すでかんらんやまくだりざかちかづきたまときでしたちぐんしゆうこぞりて、かつもろもろきせきたいして、こゑたかかみさんびはじめ、 38しゆによりてきたれるわうしゆくせられよかし、てんにはへいあんいとたかところにはくわうえいあれ、とひければ、 39ぐんしゆううちより、あるファリザイじんイエズスにむかひ、よ、なんぢでしたちいましめよ、とひしに、 40イエズスのたまひけるは、われなんぢぐ、このひとびともくせばいしさけぶべし、と。 41イエズスちかづきたまふやまちつつこれためきてのたまひけるは、 42なんぢもしなんぢこのおいてだも、なんぢへいわきたすべきもののなになるかをりたらば[さいはひならんに]、いまなんぢよりかくれたり。 43けだしまさなんぢきたらんとす、すなはそのてきどもるゐなんぢめぐりきづき、とり圍みつつしはうよりせまり、 44なんぢそのうちこどもとをうちたふし、なんぢにはひとついしをもいしうへのこさじ、なんぢはうもんせられしときらざりしゆゑなり、と。 45イエズス[しん]でんり、そのうちにてうりかひするひとびとおひいだはじたまひ、 46これのたまひけるは、かきしるして「わがいへいのりいへなり」とあるに、なんぢこれたうぞくさうくつとなせり、と。 47かくにちにち[しん]でんにてをしたまへるを、しさいちやうりつぱふがくしおよじんみんおもだちたるひとびところさんとてたくたれど、 48これいかにすべきかをおもざりき、じんみんみなあこがれてこれたればなり。

第20章[編集]

1いちじつイエズス[しん]でんおいじんみんをしへ、ふくいんたまひけるに、しさいちやうりつぱふがくしちやうらうともつどきたりてこれむかひ、 2われげよ、なんぢなんけんもつこのことすぞ、またこのけんなんぢあたへしものたれぞ、といしかば、 3こたへてのたまひけるは、われいちごんなんぢはん、われこたへよ、 4ヨハネのせんれいてんよりせしかひとよりせしか、と。 5かれらあんひて、もしてんよりとはば、なにゆゑこれしんぜざりしぞとはれん、 6もしひとよりとはばじんみんこぞりてヨハネのよげんしやたることかくしんせるがゆゑに、われいしなげうたんとて、 7ついそのいづれよりせしかをらず、とこたへしかば、 8イエズスかれらのたまひけるは、われまたなんけんもつこのことすかをなんぢげず、と。 9てイエズスじんみんむかひて、たとへかたりいだたまひけるは、あるひとぶだうばたけつくり、これこさくにんしてひさゑんぱうりしが、 10きせついたおのれぶだうばたけをさめしめんとて、ひとりしもべこさくにんもとつかはししに、かれらこれちてむなしくかへせり。 11またしもべつかはししに、これをもかつはづかしめてむなしくかへし、 12なほだい三のものつかはししに、これをもきずつけておひいだせり。 13ここおいぶだうばたけぬしひけるは、いかべき、われわがあいしつかはさん、かれらこれば、あるひうやまふならん、と。 14こさくにんこれるや、あんひて、そうぞくしやなり、これころさん、すればかとくわれものとなるべし、とひて、 15ぶだうばたけそとおひいだしてこれころせり。このときあたりてぶだうばたけぬしいかかれらしよぶんすべきか、 16みづかきたりてこさくにんほろぼし、ぶだうばたけひとわたすべきなり、と。しさいちやうこれきて、しかるべからず、とひしかば、 17イエズスかれらみつめてのたまひけるは、しからばかきしるして「けんちくしやてたるいしすみいしれり、 18すべこのいしうへつるひとくだかれ、またこのいしたれうへつるもこれみじんにせん」とあるはなんぞや、と。 19しさいちやうりつぱふがくし、イエズスがおのれしてこのたとへかたたまひしをさとりければ、そくじかれとりおさへんとせしかど、じんみんおそれたり。 20かくかれらことやううかがひつつ、イエズスをそうとくけんゐしたひきわたすべきことばじちらしめんとて、おのれぎじんよそほへるかんじやどもつかはししに、 21かれらイエズスにひてひけるは、よ、われなんぢかたかつをしたまところただしくして、ひとひいきせず、しんりりてかみみちをしたまことれり。 22われセザルにぜいをさむるはきやいなや、と。 23イエズスかれらかうくわつなるをおもんぱかりてのたまひけるは、なんわれこころむるや、 24デナリオをわれしめせ、これざうめいとはたれのなるぞ、と。かれらこたへてセザルのなり、とひしに 25のたまはく、しからばセザルのものはセザルにかへし、かみものかみかへせ、と。 26かれらイエズスのことばじんみんまへとがむることあたはず、そのこたえかんぷくしてちんもくせり。 27またふくくわつひていせるサドカイじんすにんちかづきて、ひてひけるは、 28よ、モイゼがわれかきおきしところによれば、ひときやうだいつまめとりてし、あとこどもときは、そのきやうだいそのつまめとりて、きやうだいさすべきなり。 29ればここきやうだいにんありしに、あにつまめとり、なくしてしたれば、 30そのつぎなるものこれめとりしが、またなくしてせしかば、 31だい三のものこれめとり、七にんみなおなやうにして、のこさずしてし、 32さいごをんなまたせり、 33しからばふくくわつときかのをんなかれらうちたれつまたるべきか、は七にんこれめとりたればなり、と。 34イエズスかれらのたまひけるは、げんせこらめととつぎすれども、 35らいせおよふくくわつへたりとせらるべきひとびとは、とつがずめとらざらん、 36けだしもはやするあたはず、ふくくわつなればてんしひとしくしてかみこどもなり。 37そもそもししやふくくわつすることは、モイゼいばらへんに、しゆを「アブラハムのかみ、イザアクのかみ、ヤコブのかみ」としようしてこれしめせり、 38すなはししやかみにはあらずして、せいしやかみにてまします、ひとみなこれくればなり、と。 39あるりつぱふがくしこたへて、よ、のたまへり、とひしが、 40そののちなにごとをもあへものなかりき。 41かれらのたまひけるは、キリストをダヴィドのなりとふはなんぞや。 42すなはちダヴィドみづかしへんおいいはく、「しゆわがしゆのたまへらく、 43われなんぢてきなんぢあしだいとならしむまでわがみぎせよ」と、 44ダヴィドすでこれしゆしようするに、かれいかでそのならんや、と。 45じんみんみなけるうちにて、イエズスでしたちのたまひけるは、 46りつぱふがくしようじんせよ、かれらあへながころもあゆみ、ちまたにてはけいれいくわいどうにてはじやうざえんくわいにてはじやうせきこのみ、 47ながいのりよそほひてやもめいへくひつくすなり、かれらなほおほいなるせんこくくべし、と。

第21章[編集]

1イエズスげて、めるひとびとさいせんさいせんばこるるを2またひとりまずしきやもめの二りんるるをて、 3のたまひけるは、われまことなんぢぐ、かのまずしきやもめすべてのひとよりおほれたり。 4は、かれらみなそのあまれるうちよりさいせんれたるに、かのをんなそのとぼしきうちよりてるくらししろことごとれたればなり、と。 5あるひとびとしんでんいしおよささげものにてかざられたることかたれるに、イエズスのたまひけるは、 6なんぢこのしなじなつひにはひとついしくずれずしていしうへのこらざるきたらん、と。 7かれらまたひて、よ、このこといつあるべきぞ、そのおこらんときにはいかなるしるしかあるべき、とひしに、 8イエズスのたまひけるは、なんぢまどはされじとちゆういせよ、おほくのひとわがをかしてきたり、われなり、ときちかし、とふべければなり。ればかれらしたがふことなかれ、 9またせんさうはんらんありとくともおそるることなかれ、このことどもまづるべしといへどもをはりいまただちきたらざるなり、と。 10かくかれらのたまひけるは、たみたみに、くにくにたちさからひ、 11またしよしよおほぢしんえきびやうききんあり、てんきようへんあり、おほいなるしるしあるべし。 12このいつさいことさきだちて、ひとびとわがためなんぢくだしてなんぢはくがいし、くわいどうに、かんごくわたし、わうこうそうとくまへかん、 13このことなんぢおこるはしようことならんためなり。 14ればなんぢかくごして、いかこたへんかとあらかじおもんぱかることなかれ、 15われなんぢすべてのてきいひふせいひやぶることあたはざるべき、くちちゑとをなんぢあたふべければなり。 16またなんぢおやきやうだいしんぞくほういうよりられ、そのうちあるひかれらころさるるものもあるべく、 17またわがためすべてのひとにくまれん。 18しかれども、なんぢかみのひとすぢだもせじ。 19にんたいもつそのたましひたもて。 20てエルザレムがぐんたいとりかこまるるをば、そのときそのめつぼうちかづきたりとれ。 21そのときユデアにひとやまのがるべく、しちゆうひとたちのくべく、ちはうひとしちゆうるべからず。 22このこれけいばつにして、かきしるされたることすべじやうじゆすべければなり。 23れどそのあたりてはらめるひとちちまするひとわざはひいなるかなちじやうおほいなるなやみありて、いかりこのたみのぞむべければなり。 24かくひとびとつるぎやいばたふれ、ほりよとなりてしよこくかれ、エルザレムはいはうじんふみにじられ、しよこくみんときつるにいたらん。 25またつきほししるしあらはれ、ちじやうにはうみなみとのとどろきて、もろもろこくみんこれためうろたへ、 26ひとびとぜんせかいうへおこらんとすることよきして、おそろしさにやつれん、てんじやうのうりよくしんどうすべければなり。 27ときひとが、おほいなるけんりよくゐくわうとをもつて、くもきたるをん。 28これことおこらば、あふぎてかうべげよ、なんぢすくはるることちかければなり、と。 29イエズスまたかれらたとへかたたまひけるは、いちじくおよすべてよ、 30すでみづかめざせば、なんぢなつちかきをる。 31かくごとこのことどもおこるをば、かみくにちかしとれ。 32われまことなんぢぐ、このことみなじやうじゆするまで、げんだいぎざらん、 33てんちぎん、れどわがことばぎざるべし。 34みづかつつしめ、おそらくはなんぢこころはうたうめいていあるひこんじやうこころづかひためにぶりて、かのおもはずなんぢうへきたらん、 35このぜんめんにんげんいつさいうへに、わなごときたるべければなり。 36ればなんぢきたるべきこのすべてのことのがれ、ひとまへつにへたるものとせらるるやうけいかいしてふだんいのれ、と。 37イエズスひるは[しん]でんにてをしへ、よるでてかんらんざんへるやまやどたまひしが、 38じんみんは、これかんとて、あさはやくより[しん]でんうちおいて、おんもといたりき。

第22章[編集]

1すぎこししようするたねなしぱんさいじつちかづきけるに、 2しさいちやうりつぱふがくしいかにしてかイエズスをころすべきとあひはかりたれど、じんみんおそたり。 3しかるにサタン、十二にんひとりにしてイスカリオテともばれたるユダにりしかば、 4かれきて、しさいちやうくわんりにイエズスをてだてかたりしかば、 5かれらよろこびてこれかねあたえんとやくせしに、 6ユダだくして、ぐんしゆうらざるときにイエズスをわたさんものと、をりうかがたり。 7かくすぎこし[のこひつじ]をほふるべきたねなしぱんきたり、 8イエズス、ペトロとヨハネとをつかはさんとして、なんぢきて、われしよくせんためすぎこしそなへせ、とのたまひしかば 9かれらいづこそなへんことのぞたまふぞ、とひしに 10イエズスのたまひけるは、なんぢまちときよ、みづがめかたにせるひとなんぢはん、そのいへしたがひきて 11そのいへあるじむかひ、なんぢひて、でしともすぎこししよくじすべきせきいづこるかとのたまふ、とへ、 12らばかれすでととのへたるおほいなるたかまなんぢしめさん、なんぢそこにでじゆんびせよ、と。 13かれらきてるに、イエズスののたまひしごとくなりしかば、すぎこしじゆんびせり。 14ときいたりて、イエズス十二しとともしよくたまひしが、 15かれらのたまひけるは、われくるしみくるまへこのすぎこししよくじなんぢともにせんことせつのぞめり、 16けだしわれなんぢぐ、そのかみくににてじやうじゆするまでは、われいまよりこれしよくせざるべし、と。 17やがさかづきり、しやしてのたまひけるは、りてなんぢうちわかて、 18けだしわれなんぢぐ、かみくにきたるまでは、われぶだうえきまじ、と。 19またぱんり、しやしてこれき、かれらあたへつつのたまひけるは、これなんぢためわたさるるわがからだなり、わがきねんとしてこれおこなへ、と。 20ばんさんをはりてのちさかづきをもまたかくごとくにしてのたまひけるは、このさかづきは、なんぢためながさるるべきわがおけしんやくなり。 21りながらよ、われわたひとわれともしよくたくり。 22そもそもひとよていせられしごとくにしてくといへども、これわたひとわざはひなるかな、と。 23かくでしたちおのれうちおいこれさんとするものたれなるぞ、とたがひせんはじめたり。 24しかるに、おのれうちおほいなりとゆべきものたれぞ、とあらそひおこりしかば、 25イエズスかれらのたまひけるは、いはうじんていわうひとつかさどり、またひとうへけんものおんじんしようせらる、 26れどなんぢしかあるべからず、かえつなんぢうちおほいなるものちひさものごとくにり、かしらたるものきふじごとくにるべし。 27けだししよくたくけるものきふじするものとは、いづれおほいなるぞ、しよくたくけるものならずや、しかれどもなんぢうちるはきふじするものごとし。 28なんぢくわんなんうちおいえずわれともなひしものなれば、 29わがちちわれそなたまひしごとく、われなんぢためくにそなへんとす、 30これなんぢをして、わがくにおいわがしよくたくいんしよくせしめ、またかうざしてイスラエルの十二ぞくしんぱんせしめんためなり、と。 31しゆまたのたまひけるは、シモンシモン、よ、むぎごとふるはんとて、サタンなんぢもとめたり、 32れどわれなんぢために、なんぢしんかうえざらんこといのれり、なんぢいつたちかへりて、なんぢきやうだいらかためよ、と。 33かれイエズスにむかひ、しゆよ、われなんぢともかんごくにも、にもいたらんかくごなり、とひしかば、 34イエズスのたまひけるは、ペトロ、われなんぢぐ、けふにわとりうたはざるうちなんぢたびわれらずといなまん、と。またかれらのたまひけるは、 35なんぢを、さいふなく、ふくろなく、はきものなくてつかはししときなんぢなんふそくかありし、と。 36かれらかりきとひしかば、のたまひけるは、りながらいまは、さいふあるものこれたづさへ、ふくろをもまたしかせよ、ものおのうはぎりてつるぎへ、 37けだしわれなんぢぐ、かきしるして「かれざいにんれつせられたり」とあるも、またわれおいじやうじゆせざるべからず、およそわれくわんするところまさをはらんとすればなり、と。 38でしたちしゆよ、たまへ、ここふたくちつるぎあり、とひしかば、イエズス、れり、とのたまへり。 39でて、れいごとかんらんざんたまふに、でしたちこれしたがひしが、 40ところいたたまふや、かれらむかひて、なんぢいうわくらざらんためいのれ、とのたまひ、 41みづからはいしげらるるほどかれらよりひきはなれてひざまづき、いのりて 42のたまひけるは、ちちよ、おぼしめしならば、このさかづきわれよりとりのぞたまへ、りながらわがこころままにはあらで、おぼしめしれかし、と。 43ときひとりてんしてんよりあらはれてちからへしが、イエズスぬばかりくるしみて、いのたまこといよいよせつに、 44あせつちうへしたたりて、しずくごとくにれり。 45かくいのりよりたちあがりて、でしたちもとたまひしが、かれらうれひためねむれるをて、 46のたまひけるは、なんねむれるや、きよ、いうわくらざらんためいのれ、と。 47なほかたたまへるうちに、をりしもいちだんぐんしゆうきたりしが、十二にんひとりなるユダとへるものさきだり、イエズスにせつぷんせんとてちかづきしかば、 48イエズスこれのたまひけるは、ユダ、せつぷんもつひとわたすか、と。 49かくてイエズスのまはりたるひとびとことなりゆきて、しゆよ、われつるぎもつたばいかに、とひつつ、 50そのひとりだいしさいしもべちて、そのみぎみみきりおとせり。 51イエズスこたへて、なんぢこれまでにてゆるせ、とのたまひ、かれみみれてこれいやたまへり。 52おのれちかづけるしさいちやうしんでんつかさちやうらうのたまひけるは、なんぢは、がうとうむかごとく、つるぎぼうとをちていできたりしか、 53われひびなんぢともしんでんりしに、なんぢわれけざりき。しかれどもいまなんぢときなり、くらやみいきほひなり、と。 54かれらイエズスをとらへてだいしさいいへひきゆきしかば、ペトロはるかしたがひたりしが、 55かれらにはまんなかすみびきてそのまはりせるに、ペトロもそのなかたりき。 56ひとりげぢよかれあかりせるをこれみつめ、このひとかれともりき、とひければ、 57ペトロイエズスをいなみて、をんなよ、われかれらず、とへり。 58しばらくありて、またひとりをとこペトロをて、なんぢかれらひとりなり、とひしに、ペトロ、ひとよ、われしからず、とへり。 59およそいちじかんて、またひとりいひはりて、このひとかれともなひたりき、これもガリレアじんなれば、とひしに 60ペトロは、ひとよ、われなんぢところらず、とひしが、いまいひをはらざるににわとりたちまうたへり。 61このときしゆふりかへりて、ペトロをたまひしかば、ペトロは、にわとりうたはぬまへなんぢたびわれいなまん、とのたまひたりししゆおんことばおもひおこし、 62そとでていたなきいだせり。 63まもれるひとびと、イエズスをちてあざわらひ、 64おんおほひておんかほち、ひて、よげんせよ、なんぢてるはたれなるぞ、とひ、 65なほこれむかばうとくして、さまざまことたり。 66よるくるとともに、みんかんちやうらうしさいちやうりつぱふがくしあひあつまり、イエズスをそのしゆうぎしよきて、なんぢはキリストなるか、われげよ、とひしかば、 67イエズスかれらのたまひけるは、われなんぢぐとも、なんぢわれしんぜじ、 68またわれふともわれこたへず、またわれはなたじ、 69れどもいまよりのちひとぜんのうましまかみみぎらん、と。みなひけるは、しからばなんぢかみなるかと。 70イエズス、なんぢへるがごとし、われそれなり、とのたまひしかば、 71かれらひけるは、われなんなほしようこえうせんや、みづかそのくちよりけるものを、と。

第23章[編集]

1かくぐんしゆういちどうたちあがりて、イエズスをピラトのもとひきゆき、 2これうつたへていひいだしけるは、われこのひとわがこくみんまどはし、セザルにぜいをさむることきんじ、おのれわうたるキリストなりとへるをみとめたり、と。 3ピラトイエズスにひて、なんぢはユデアじんわうなるか、とひしかば、こたへて、なんぢへるがごとし、とのたまへり。 4ピラトしさいちやうぐんしゆうとにむかひ、われこのひとつみみとめず、とひしかど、 5かれらますますいひはりて、かれはガリレアをはじこのいたまで、ユデアのぜんこくをしへつつ、じんみんせんどうす、とへり。 6ピラトガリレアときて、このひとはガリレアじんなるかとひ、 7そのヘロデがけんものなるをるや、かれたうじエルザレムにりければ、イエズスをヘロデのもとおくれり。 8ヘロデはイエズスをおほいによろこべり、これかつかれきておほところありて、ひさしくこれはんことねがひ、かれによりておこなはるるふしぎんことをのぞたればなり。 9かくおほくのことばもつひしかど、イエズスなにをもこたたまはず、 10しさいちやうりつぱふがくしかたはらちてしきりこれうつたへければ、 11ヘロデそのへいしともぶじよくくはへ、しろいふくせてこれなぶり、つひにピラトにおくりかへせり。 12ヘロデとピラトとはかつあひしうてきたりしが、このよりしてほういうとなれり。 13ピラト、しさいちやうくわんりじんみんとをよびあつめて 14ひけるは、なんぢこのひとを、じんみんまどはすものとして、われさしいだせり。しかれどもよ、われこれなんぢまへしんもんすれども、なんぢうつたふるしよけんきては、すこしこれつみみいださず、 15ヘロデもまたしかり、すなはわれなんぢかれもとさしまはしたりしに、あたるべきなんらしよぶんもなかりしなり、 16ゆゑわれらしてこれゆるさんとす、と。 17さいじつあたりてはひとりじんみんゆるさざるをざりければ、 18ぐんしゆういちどうさけびて、このひとのぞきて、われにバラバをゆるせ、とへり。 19バラバとは、しちゆうおこりしいつきひとごろしとのために、かんごくれられたるものなり。 20ピラトはイエズスをゆるさんとほつして、ふたたかれらかたりしかども、 21かれらまたさけびて、これじふじかけよ、じふじかけよ、とたり。 22ピラトたびかれらむかひて、このひとなんあくじをかしたる、われすこししざいみとめざれば、こらしてこれゆるさんとす、とひたるに、 23かれらこゑたかく、しきりじふじかけんこともとめ、そのこゑいよいよはげしければ、 24ピラトかれらもとめおうぜんとけつし、 25そのもとむるままに、かのひとごろしいつきためかんごくれられたるものゆるし、イエズスをば、かれらまかせたり。 26かれらイエズスをひきゆときゐなかよりかかれるシモンとへるシレネじんとらへ、ひてイエズスにあときてじふじかになはせたり。 27おびただしきじんみんおよびイエズスのおんみのうへなきかこてるふじんそのあとしたがひければ、 28イエズスこれかへりみてのたまひけるは、エルザレムのむすめよ、わがみのうへくことなかれ、おのれおのこどもとのみのうへけ。 29よ、まさきたらんとす、そのときひとびとはん、うまずめなるものいままざるはらいまませざるちぶささいはひなりと、 30そのときまたやまむかひては、われうへちよとひ、おかむかひては、われおほへといひいださん、 31けだしなまきすららるれば、かれきいかにからるるべき、と。 32ふたりつみびところさるべきにて、イエズスとともかれつつありしが、 33されこうべ(カルヴァリオ)とへるところいたりて、イエズスをじふじかけ、かのがうとうをも、ひとりみぎに、ひとりひだりに、はりつけにしたり。 34かくてイエズスは、ちちよ、かれらところらざるものなれば、これゆるたまへ、とのたまひけるに、かれらはイエズスのいふくわかちてくじとりにせり。 35じんみんちてながたりしが、かしらどもかれらともにイエズスをあざけりて、かれたにんすくへり、はたしてかみよりえらまれたるキリストならば、おのれすくふべし、とひ、 36へいそつまたこれあざけりつつ、ちかづきてさしいだし、 37なんぢもしユデアじんわうならばおのれすくへ、とたり。 38イエズスのうへには、ギリシア、ラテンおよびヘブレオのもじにてきたるすてふだありて、「これユデアじんわうなり」とありき。 39かのられたるがうとううちひとりばうとくして、なんぢキリストならば、おのれわれとをすくへ、とへるに、 40ひとりこたへてこれとがめ、なんぢおなけいばつけながら、なほかみおそれざるか、 41われおのしわざあたむくいくるものなればたうぜんなれども、このひとなんあくをもしたることなし、とひて、 42またイエズスにむかひ、しゆよ、みくにいたたまはんときわれきおくたまへ、とひけれは、 43イエズスのたまひけるは、われまことなんぢぐ、けふなんぢわれともらくえんるべし、と。 44ときほとんど十二なりしが、三いたるまで、ちじやうあまねくらやみり、 45くらみて、しんでんまくなかよりけたり。 46イエズスこゑたかよばはりて、ちちよ、わがれいみてたくたてまつる、とのたまひしが、のたまひつついきたまへり。 47ひやくふちやうことてんまつて、かみくわうえいし、このひとぎじんなりき、とひしが、 48このさんじようたちひて、ことしだいたるぐんしゆうも、みなおのむねちつつかへりたり。 49れどイエズスのちじんおよびガリレアよりしたがひたりしふじんたちはるかちてことやうながたり。 50をりしも、ぎゐんひとりにユデアのまちなるアリマラアのヨゼフとなづくるひとあり、ただしきぜんにんにして、 51かれらけつぎおよびしよぶんどういせず、おのれかみくにりしが、 52ピラトのもといたりてイエズスのおんしかばねもとめ、 53とりおろしてぬのつつみ、いしほりうがちてつくりたるはかの、いまたれをもほうむりしことなきにをさめたり。 54あたかよういにしてあんそくじつあかつきなりしが、 55ガリレアよりイエズスにともなきたりしふじんあとしたがひて、そのはかとイエズスのおんしかばねかれたるありさまとを56かへりてかうれうおよびかうゆしたくせしかと、あんそくじつあひだおきてしたがひてやすめり。

第24章[編集]

1あんそくじつあくるひふじんたちしたくせしかうれうたづさへてあさはやはかいたり、 2はかよりいしまろばしけられたるをて、 3うちりけるに、しゆイエズスのおんしかばねあたらざしかば、 4これたうわくしたりしが、をりしもかがやけるいふくけたるふたりをとこかれらかたはらてり。 5かれらおそれてうつむきたるに、そのふたりひけるは、なんせいしやししやうちたずぬるや、 6かれここいまさず、ふくくわつたまへり。おもひいだせ、いまだガリレアにたまひしときいかなんぢかたりしかを。 7すなはち、ひとかならざいにんわたされ、じふじかけられ、みつかふくくわつすべし、とのたまひしなり、と。 8ふじんたちこのおんことばおもひいだし、 9はかよりかへりて、いつさいことを十一しとおよひとびとげたり。 10しとたちげしは、マグダレナ、マリアとヨハンナとヤコボのははマリアおよともなへるふじんたちなりしが、 11そのことばたはごとやうおぼえて、しとたちこれしんぜざりき。 12れどペトロはちてはかはしりき、かがめてただぬののみかれたるをしかば、りししだいこころあやしみつつれり。 13おなじひでしふたり、エルザレムよりおよそさんへだてたる、エンマウスとなづくるむらみちすがら14このおこりたるすべてのことかたりたりしが、 15かたりひてせんぎしつつあるほどに、イエズスおんみづからもちかづきて、かれらともなたまへり。 16れどかれらこれみとめざるやうおほはれてありき。 17かくかれらむかひ、なんぢあゆみながらかたりひつつかなしめるはなんものがたりぞ、とのたまひしかば、 18をクレオファとへるひとりこたへてひけるは、なんぢひとりエルザレムにおけりよじんにして、このごろかしこおこりしことらざるか、と。 19イエズスなにごとぞ、とのたまひしにかれらひけるは、ナザレトのイエズスのことなり、かれよげんしやにして、げんかうともにかみいつぱんじんみんとにたいしてせいりよくありしが、 20わがだいしさいおよかしらたちは、これしざいいいわたしてじふじかけたるしだいなり。 21われは、かれこそイスラエルをあがなふべきものなれと、まちまうたりしが、このことありてよりけふはやみつかなり。 22われうちあるふじんまたわれおどろかせたり、すなはかれらみめいはかいたりしに、 23イエズスのおんしかばねあたらず、しかてんしたちあらはれて、かれたまへりとぐるをたり、とひつつきたれり、 24かくわれうちよりあるひとびとはかきしに、ふじんひしごとくなるをしも、かれをばみつけざりき、と。 25イエズスかれらのたまひけるは、ああおろかにしてよげんしやたちかたりしすべてのことしんずるにこころにぶものよ、 26キリストは、これくるしみけてしかしておのくわうえいるべきものならざりしか、と。 27かくてモイゼおよもろもろよげんしやはじめ、すべてのせいしよきて、おのれくわんするところかれらせつめいたまひしが、 28かれらそのところむらちかづきしとき、イエズスゆきぎんとするもののごとくにしたまへるを、 29かれらひて、すでかたむきてれんとすれば、われともとどまたまへ、とひしかばともたまへり。 30かくともしよくたくたまへるに、ぱんりてこれしゆくし、きてかれらさづたまひければ、 31かれらひらけてイエズスをみしりしが、たちまちにしてそのよりたまへり。 32かれらかたりひけるは、みちすがらかたりつつせいしよわれときあかしたまへるあひだわれこころむねうちねつしたりしにあらずや、と。 33ときうつさず、たちあがりてエルザレムにかへれば、十一しとおよともなへるひとびとすであつまりて、 34しゆふくくわつしてシモンにあらはたまひたり、とれるにひ、 35おのれまたとちゆうにておこりしことおよぱんたまひしときしゆみとめししだいかたれり。 36これことかたほどに、イエズスそのまんなかちて、なんぢやすかれ、われなるぞ、おそるることなかれ、とのたまひければ、 37かれらおどろおそれて、いうれいたりとおもへるを、 38イエズスのたまひけるは、なんぢなんとりみだしてこころさまざまおもひおこすや。 39わがわがあしよ、すなはわれじしんなり、こころみよ、いうれいは、なんぢわれおいごとこつにくあるものあらず、 40のたまひててあしかれらしめたまへり。 41かれらよろこびあまりきやうたんしつつも、なほしんぜざりければ、イエズス、ここしよくすべきものありや、とのたまひ、 42かれらやきざかなひときれと、ひとふさはちみつとをていしたるに、 43かれらまへにてしよくたまひ、のこりりてかれらあたたまへり。 44かれらのたまひけるは、これいまなんぢともりしときに、モイゼのりつぱふよげんしやたちしよしへんとに、われくわんしてかきしるしたることは、ことごとじやうじゆせざるべからず、となんぢかたりしことなり、と。 45ここおいせいしよさとらしめんために、かれらせいしんひらきてのたまひけるは、 46かきしるされたるところかくごとく、またキリストはくるしみけて、ししやうちよりみつかふくくわつすること、かくごとくなるべかりき。 47またかいしんつみゆるしとは、エルザレムをはじめ、すべてのこくみんに、そのりてのべつたへられざるべからず、 48なんぢこのことしようにんなり。 49われちちやくたまへるものをなんぢつかはさんとす、なんぢてんよりののうりよくせらるるまでしちゆうとどまれ、と。 50イエズスつひかれらをベタニアにともなひ、げてこれしゆくたまひしが、 51しゆくしつつかれらはなれて、てんげられたまひぬ。 52かれらこれはいたてまつり、おほいなるよろこびもつてエルザレムにかへりしが、 53それよりつねに[しん]でんりて、かみしようさんかつしゆくたてまつりつつありき、アメン。