ヨハネ聖福音書2 (ラゲ訳)

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<聖書<我主イエズスキリストの新約聖書

『公敎宣敎師ラゲ譯 我主イエズスキリストの新約聖書』公敎會、

1910年発行

〔ローマ・カトリック訳〕

ラゲ訳新約聖書エミール・ラゲ(Emile Raguet,MEP)

ヨハネ聖福音書-2

第11章[編集]

1てマリアとその姉妹しまいマルタとのさとなるベタニアに、ラザルとへるひとりしが、 2マリアはすなは香油かうゆしゆそそぎ、おんあしおのかみのにてぬぐひしをんなにして、めるラザルはその兄弟きやうだいなり。 3ればかれ姉妹しまいひとをイエズスの御許おんもとつかはし、しゆなんぢあいたまひとめり、とはしめしに、 4イエズスきてのたまひけるは、このやまひいたるものにあらず、かみ光榮くわうえいためかみこれりて光榮くわうえいためなり、と。 5イエズスはマルタとその姉妹しまいマリアとラザルとをあいたまひしが、 6ラザルのめるをき、なほおなところとどまること二日ふつかにして、 7つい弟子でしたちむかひ、われまたユデアへおもむかん、とのたまひしかば、 8弟子でしたちひけるは、ラビ、唯今ただいまユデアじんなんぢいしなげうたんとしたりしに、また彼處かしこたまふか。 9イエズスこたへてのたまひけるは、一にちに十二あるにあらずや、ひとひるあゆときは、このひかりゆゑつまづかざれども、 10よるあゆときは、ひかりあらざるゆゑつまづくなり、と。 11のたまひてのちまたわれ親友しんいうラザルはねむれり、れどわれきてこれねむりより喚起よびおこさん、とのたまひしかば、 12弟子でしたちしゆと、ねむれるならばかれゆべきなり、とへり。 13ただしイエズスののたまひしはかれことなりしを、弟子でしたちねむりてせることをのたまひしならんとおもひたりければ、 14イエズスあきらかにのたまひけるは、ラザルはせり、 15われなんぢためすなはなんぢしんぜしめんために、彼處かしこらざりしことをよろこぶ、かれもとかん、と。 16ればチヂモとばれたるトマ、その相弟子あいでしひけるは、われきてかれともなん、と。 17かくてイエズスいたりてたまひしに、ラザルははかことすで四日よつかなりき。 18しかるにベタニアはエルザレムにちかくして、廿五ちやうばかりへだてたれば、 19數多あまたのユデアじん、マルタとマリアとをその兄弟きやうだいこときてとむらはんためきたりてありき。 20マルタはイエズスきたたまふとくや、すなはいでむかへしが、マリアはいへうちたり。 21マルタイエズスにひけるは、しゆよ、もし此處ここいまししならば、わが兄弟きやうだいなざりしものを、 22れどかみ何事なにごともとたまふともかみこれなんぢたまふべしとは、いまれるところなり、と。 23イエズス、なんぢ兄弟きやうだい復活ふくくわつすべし、とのたまひしかば、 24マルタひけるは、われかれをはり復活ふくくわつとき復活ふくくわつすべきことをれり、と。 25イエズス、われ復活ふくくわつなり、生命せいめいなり、われしんずるひとすともくべし、 26またきてわれしんずるひとは、すべ永遠えいえんすることなし、なんぢこれしんずるか、とのたまひしに、 27マルタひけるは、しゆよ、しかり、われなんぢけるかみ御子おんこキリストのこのきたたまひたるものなるをしんず、と。 28ひてのちきてその姉妹しまいマリアを*ささやきて、ここいましてなんぢたまふ、とひしに、 29かれこれくや、ただちちてイエズスのもといたれり、 30すなはちイエズスいまさとたまはずして、なほマルタがいでむかへしところたまひしなり。 31ればマリアとともいへりてこれとむらたりしユデアじんかれすみやかちていでしをかれかんとてはかくぞ、とひつつあとしたがひしが、 32マリアはイエズスのたまところいたり、これるやおん足下あしもと平伏ひれふして、しゆよ、もし此處ここましまししならば、わが兄弟きやうだいなざりしものを、とひければ、 33イエズスかれり、ともなきたれるユデアじんれるを胸中きようちゆう感激かんげきして御心おんこころさわがしめたまひ、 34なんぢ何處いづこかれきたるぞ、とのたまひしに、彼等かれらは、しゆよ、きたたまへ、とひければ、 35イエズスなみだながたまへり。 36ればユデアじんかれあいたまひしこと如何許いかばかりなるを、とひしが、 37またそのうちある人々ひとびとかれうまれながらなる瞽者めしひけしに、このひとせざらしむるをざりしか、とひければ、 38イエズスまた心中しんちゆう感激かんげきしつつはかいたたまへり。はかほらにして、これいしおほひてありしが、 39イエズス、いしとりけよ、とのたまへば死人しにん姉妹しまいマルタひけるは、しゆよ、最早もはや四日よつかなればかれすでくさきなり、と。 40イエズスのたまひけるは、なんぢもししんぜばかみ光榮くわうえいるべし、とわれなんぢげしにあらずや、と。 41かくいしとりけしに、イエズスげてのたまひけるは、ちちよ、われたまひしことをしやたてまつる。 42何時いつわれたまことは、われもとよりこれれども、なんぢわれつかはしたまひしこと彼等かれらしんぜしめんとて、たちへる人々ひとびとためこれへるなり、と。 43のたまをはりてこゑたかく、ラザル出來いできたれ、とよばはりたまひしに、 44したりしものたちま手足てあしぬのかれたるまま出來いできたり、そのかほなほあせふきつつまれたれば、イエズス人々ひとびとに、これきてかしめよ、とのたまへり。 45ればマリアとマルタとのもと來合きあはせて、イエズスのたまひしことしユデアじんうちには、これしんじたるものおほかりしが、 46なかにはファリザイじんもといたりて、イエズスのたまひしことぐるものありしかば、 47司祭しさいちやう、ファリザイじん議會ぎくわい召集せうしふして、このひと數多あまた奇蹟きせきすを、われ如何いかにすべきぞ、 48もしそのままゆるかば、みなかれ信仰しんかうすべく、またロマじんきたりてわれ土地とち國民こくみんとをほろぼすべし、とひたるに、 49そのうち一人ひとりカイファとばるるものそのとし大司祭だいしさいなりけるが、彼等かれらひけるは、なんぢことかいせず、 50また一人いちにん人民じんみんためしてぜん國民こくみんほろびざるはなんぢあることおもはざるなり、と。 51かれおのれよりこれひしにあらず、そのとし大司祭だいしさいなれば、イエズスが國民こくみんためたまふべきこと預言よげんしたるなり、 52すなはただこの國民こくみんためのみならず、散亂ちりみだれたるかみ子等こどもひとつあつめんがためなりき。 53ればこのより、彼等かれらイエズスをころさんとはかりしかば、 54イエズス最早もはやあらはにユデアじんうちあゆたまはず、荒野あれのつづける地方ちはうき、エフレムとへるまちいたりて、弟子でしたちとも其處そことどまたまへり。 55かくてユデアじん過越すぎこしのまつりちかづきければ、これさきだちてきよめんために、地方ちはうよりエルザレムにのぼれるひとおほかりしが、 56彼等かれらイエズスをさがしつつ[しん]殿でんちて、なんぢ如何いかおもふぞ、かれこのまつりきたらざるか、とかたりへり。 57司祭しさいちやうファリザイじんは、イエズスをとらふべきにより、これ在所ありかれるひとあらば申出まうしいづべし、とかね命令めいれいいだしたりしなり。

第12章[編集]

1過越すぎこしのまつり六日むいかまへ、イエズスベタニアにいたたまひしに、これラザルのしたりしを復活ふくくわつせしめたまひしところなれば、 2ある人々ひとびとイエズスのため晩餐ばんさんまうけ、マルタ給仕きふじしけるが、ラザルはイエズスととも食卓しよくたくけるもの一人ひとりなりき。 3しかるにマリアはあたひたか純粋じゆんすゐのナルドの香油かうゆいつきんりてイエズスのおんあしそそぎ、おんあしおのかみのもてぬぐひしかば、香油かうゆかをりいへてり。 4そのとき弟子でし一人ひとり、イエズスをるべきイスカリオテのユダ、 5何故なにゆゑこの香油かうゆを三百デナリオにりて貧者ひんしやほどこさざりしぞ、とへり。 6ただひしは貧者ひんしやおもんぱかれるゆゑあらず、おのれ盗人ぬすびとにして、財嚢かねぶくろあづかり、うちれらるるものれるゆゑなり。 7しかるにイエズスのたまひけるは、このをんなさしおけ、われはうむりためこの香油かうゆたくはへたるなり、 8貧者ひんしやつねなんぢともれども、われつねらざればなり、と。 9かくてユデアじんだい群衆ぐんしゆう、イエズスの此處ここたまふをり、ひとりイエズスのためのみならず、死者ししやうちより復活ふくくわつせしめたまひしラザルをんとてきたりしが、 10司祭長しさいちやうはラザルをもころさんとおもへり、 11かれために、りてイエズスを信仰しんかうするもの、ユデアじんうちおほければなり。 12翌日あくるひ祭日さいじつためきたりしおびただしき群衆ぐんしゆう、イエズスエルザレムにきたたまよしきて、 13梭櫚しゆろりていでむかへ、ホザンナ、しゆ御名みなによりてきたるイスラエルのわうしゆくせられたまへかし、とよばはりりしが、 14イエズスは驢馬ろばこれたまへり、かきしるして 15シオンのむすめよ、おそるることなかれ、よ、なんぢわう驢馬ろばりてきたる」とあるがごとし。 16弟子でしたちはじめこれことさとらざりしが、光榮くわうえいたまひてのちそのイエズスにきてかきしるされたりしことみづかおんためこととをおもひいだせり。 17てイエズスがラザルをはかより呼出よびいだして、死者ししやうちより復活ふくくわつせしめたまひしときかれとも居合ゐあはせたりおびただしき人々ひとびと證明しようめいし、 18群衆ぐんしゆうまた、イエズスがこの奇蹟きせきたまひしをきていでむかへしかば、 19ファリザイじんかたりひけるは、なんぢなん効験ききめもなきをずや、すでこぞりてかれしたがへり、と。 20しかるに祭日さいじつ禮拝れいはいせんとてのぼりたる人々ひとびとうち異邦いはうじんもありしが、 21この人々ひとびとガリレアのベッサイダうまれなるフィリッポにちかづき、これひて、きみよ、われはイエズスにまみえんことほつす、とひしかば、 22フィリッポきたりてアンデレアにげ、アンデレアとフィリッポとまたイエズスにげしに、 23イエズスこたへてのたまひけるは、ひと光榮くわうえいべきとききたれり。 24まことまことなんぢぐ、むぎつぶちて、もしせざれば、 25ただひとつにしてとどまるも、もしすればおほくのむすぶ。おの生命せいめいあいするひとこれうしなひ、このにて生命せいめいにくひとは、これたもちて永遠えいえん生命せいめいいたるべし、 26ひともしわれつかへばわれしたがふべし、しかしてところには、われつかふるひとまたるべし、ひともしわれつかへば、わがちちこれ榮誉えいよたまはん。 27いまわがこころさわげり、われなにをかはん、ちちよ、われすくひてこのときまぬかれしめたまへ、りながら、われこれためにこそこのときいたれるなれ、 28ちちよ、御名みな光榮くわうえいあらしめたまへ、と。そのときこゑてんよりきたりていはく、われすで光榮くわうえいあらしめたり、さら光榮くわうえいあらしめん、と。 29ここおいちてこれきたる群衆ぐんしゆうは、いかづちれりとひ、ある人々ひとびとは、天使てんしかれひたるなり、とへり。 30イエズスこたへてのたまひけるは、このこゑきたりしはためあらずしてなんぢためなり。 31いま審判しんぱんなり、このかしらいま逐出おひいだされんとす、 32われよりげられたらんときは、萬民ばんみんわれひきせん、と。 33のたまへるは、如何いかなるしにざまもつすべきかをしめたまはんとてなるに、 34群衆ぐんしゆうこれこたへけるは、キリストは永遠えいえんそんすとこそ、われ律法りつぱふよりけるものを、なんぢなんひとげられるべしとふや、ひととはこれたれなるぞ、と。 35イエズスすなは彼等かれらのたまひけるは、ひかりなほしばらなんぢうちり、なんぢひかりいうするあゆみて、やみ追付おひつかるな。やみあゆひと行先ゆくさきらず、 36なんぢひかりいうするに、ひかりらんためひかりしんぜよ、と。のたまひてのち、イエズスりて彼等かれらよりかくたまへり。 37ばかりおびただしき奇蹟きせき彼等かれらまへたまひたれど、彼等かれらなほイエズスをしんぜざりき。 38これ預言よげんしやイザヤのことば成就じやうじゆせんためなり、いはく「しゆよ、たれわれきてしんじたるぞ、しゆうでたれあらはれたるぞ」と。 39彼等かれらしんざりしはイザヤのまたひしことによれり、 40いはく「彼等かれらにてず、こころにてさとらず、ひるがへりてわれいやされざらんために、かみ彼等かれらくらまし、彼等かれらこころ頑固かたくなにしたまへり」と。 41イザヤがひしは、かれ光榮くわうえいて、かれきてかたりしときなり。 42しかれども、重立おもだちたる人々ひとびとうちにも、イエズスを信仰しんかうせるものおほかりしが、ファリザイじんはばかり、會堂くわいどうよりおひいだされじとて、これ公言こうげんせざりき。 43すなは彼等かれらかみ光榮くわうえいよりもひと光榮くわうえいこのみしなり。 44イエズスよばはりてのたまひけるは、われしんずるひとは、われしんずるにあらずして、われつかはしたまひしものしんずるなり。 45またわれひとは、われつかはしたまひしものるなり。 46われひかりとしてきたれり、これすべわれしんずるひとやみとどまらざらんためなり。 47ひともしわがことばきてまもらざれば、われこれさばかず、きたりしはさばかんためあらずして、すくはんためなればなり。 48われかろんじてわがことばけざるひとには、これさばものあり、すなはかたりしことばそのものをはりおいこれさばくべし。 49けだしわれおのれよりかたりしにあらず、われつかはしたまひしちちみづから、ふべきことかたるべきことわれめいたまひしなり、 50われその命令めいれい永遠えいえん生命せいめいたることる、ればかたるは、ちちわれのたまひしままこれかたるなり、と。

第13章[編集]

1過越すぎこし祭日さいじつまへ、イエズスおのときすなはこのよりちちうつるべきとききたれるをたまひて、かねてもおのが[弟子でし]をあいたまひしが、きよくまでこれあいたまへり。 2晩餐ばんさんつるにのぞみ、惡魔あくますでにイエズスをわたさんことを、シモンのイスカリオテのユダのこころれしかば、 3イエズスちちより萬事ばんじおのたまはりたることと、おのかみよりでてかみいたこととをたまひ、 4晩餐ばんさんよりたちあがりて上衣うはぎぎ、ぬのきれりてこしび、 5やがみづ銅盤かなだらひり、弟子でしたちあしあらひて、そのびたるぬのきれもてこれぬぐはじたまへり。 6かくてシモン、ペトロにいたたまふや、ペトロ、しゆよ、わがあしあらたまふか、とひしに、 7イエズスこたへて、ところなんぢいまらざれども、のちにはこれるべし、とのたまひければ、 8ペトロひけるは、わがあしあらたまことけつしてあるべからず、と。イエズスわれもしなんぢあらはずば、われ一致いつちするところあらじ、とこたたまひしかば、 9シモン、ペトロ、しゆよ、わがあしのみならず、をもかうべをも、とひしが、 10イエズスのたまひけるは、すであらひたるひと全身ぜんしんきよくして、あしほかあらふをえうせず、なんぢきよけれどすべてにはあらず、と。 11けだしおのれわたものたれなるをたまひて、なんぢことごときよきにはあらずとのたまひしなり。 12彼等かれらあしあらをはりて上衣うはぎり、またせききて彼等かれらのたまひけるは、なんぢししことなんたるをるや。 13なんぢわれまたしゆぶ、そのふことやし、われそのなればなり。 14しかるにしゆたりたるわれにしてなんぢあしあらひたれば、なんぢまたたがひあしあらはざるべからず。 15けだしわれなんぢれいしめしたるは、なんぢししごとく、なんぢにもさしめんためなり。 16まことまことなんぢぐ、しもべそのしゆよりもおほいならず、使徒しとこれつかはししものよりもおほいならず、 17なんぢこれことりてこれおこなはばさいはひなるべし。 18われなんぢすべてをしてふにあらず、かつえらみたる人々ひとびとれり。しかれども聖書せいしよに「われともぱんしよくするひとわれむかひてそのくびすげたり」とあること成就じやうじゆせんためなり。 19われいまことるにさきだちてなんぢぐるは、そのりたらんときなんぢをしてそれなることをしんぜしめんためなり。 20まことまことなんぢぐ、つかはすものくるひとわれけ、われくるひとわれつかはしたまひしものをくるなり、と。 21イエズスこれのたまをはりて御心みこころさわぎ、證明しようめいして、まことまことなんぢぐ、なんぢうち一人ひとりわれわたさんとす、とのたまひければ、 22弟子でしたちたれしてのたまへるぞといぶかりて、たがひかほ見合みあはせたりしが、 23イエズスのあいたまへる一人ひとり弟子でしおんふところあたりによりかかたるに、 24シモン、ペトロ、あごもてしめしつつ、のたまへるはたれことぞ、とひければ、 25かれおんむねよりかかりて、しゆたれなるか、とひしかば、 26イエズスこたへてのたまひけるは、ぱんひたしてあたふるものすなはそれなり、と。かくぱんひたして、シモンのイスカリオテのユダにあたたまひしに、 27この一片いつぺんるやサタンかれれり。てイエズスこれむかひて、そのところすみやかせ、とのたまひしかど、 28食卓しよくたくけるものは一人ひとりとして、なんためこれのたまひしかをらず、 29なかにはユダが財嚢かねぶくろてるによりて、祭日さいじつためわれえうするものへ、あるひ貧者ひんしやなにかをほどこせ、とイエズスののたまへるならん、とおも人々ひとびともありき。 30ユダはかの一片ひときれくるやただちいできしが、ときすでよるなりき。 31ユダがでしのち、イエズスのたまひけるは、いまひと光榮くわうえいかみかれおい光榮くわうえいたまへり、 32かみかれおい光榮くわうえいたまひたれば、かみまたおのれおい光榮くわうえいかれさせ、しかただちさせたまふべし。 33小子せうしよ、われなほしばらなんぢともり、なんぢまさわれたずぬべけれども、かつてユデアじんむかひて、ところにはなんぢきたあたはずとひしごとく、いまなんぢにもまたしかふ。 34われあたらしきおきてなんぢあたふ、すなはなんぢあひあいすべし、なんぢあいせしごとく、なんぢあひあいすべし、 35なんぢあひあいせば、ひとみなこれによりてなんぢわが弟子でしたることみとめん、と。 36シモン、ペトロ、しゆよ、何處いづこたまふぞ、とひしにイエズスこたたまひけるは、ところなんぢいましたがあたはず、のちしたがはん、と。 37ペトロまたわれいまなんぢしたがあたはざるはなんぞや、われなんぢため生命いのちをもてんとす、とひしかば、 38イエズスこれこたたまひけるは、なんぢため生命いのちをもてんとするか、まことまことなんぢぐ、なんぢたびわれいなまでにはとりうたはざるべし。

第14章[編集]

1なんぢこころさわぐべからず、かみしんずればわれをもしんぜよ。 2わがちちいへすみところおほし、しからずばわれすでなんぢげしならん、いたりてなんぢためところそなへんとすればなり。 3いたりてなんぢためところそなへたるのちふたたきたりてなんぢたづさへ、ところなんぢをもらしめん。 4なんぢところり、またそのみちをもれり、と。 5トマひけるは、しゆよ、われそのたまところらず、いかでかそのみちことん、と。 6イエズスこれのたまひけるは、われみちなり、眞理しんりなり、生命せいめいなり、われらずしてはちちいたものはあらず。 7なんぢもしわれりたらば、かならわがちちをもりたらん、いまよりなんぢこれらん、しかすでこれたり、と。 8フィリッポこれむかひ、しゆよ、ちちわれしめたまへ、しからばわれ事足ことたりるべし、とへるを、 9イエズスのたまひけるは、われかくひさしくなんぢともれるに、なんぢなほわれらざるか、フィリッポよ、われひとちちをもるなり、なんちちわれしめせとふや、 10われちちちちわれいます、とはなんぢしんぜざるか、なんぢかたことばおのれよりかたるにあらず、ちちこそわれましましてみづかわざたまふなれ。 11なんぢは、ちちちちわれいますとしんぜざるか、 12しからばわざそのものためしんぜよ。まことまことなんぢぐ、われしんずるひとみづかまたわざをもし、しかこれよりおほいなるものさん、われちちもとけばなり。 13なんぢわがりて(ちちに)もとむるところは、何事なにごとわれこれさん、これちちおい光榮くわうえいせられたまはんためなり。 14なんぢわがによりてなにをかわれもとめば、われこれさん。 15なんぢもしわれあいせばわがめいまもれ、 16しかしてわれちちひ、ちち弁護べんごしやなんぢたまひて、永遠えいえんなんぢともとどまらしめたまはん。 17これすなは眞理しんりれいにして、これかつらざるにりて、これくるにあたはず、しかれどもなんぢこれらん、なんぢともとどまりて、なんぢうちたまふべければなり。 18われなんぢ孤児みなしごとしてのこさじ、まさなんぢきたらんとす。 19いま暫時しばしにして、最早もはやわれざるべし、れどなんぢわれる、われりてなんぢまたくべければなり。 20なんぢかのに、われわがちちり、なんぢわれり、われなんぢことさとらん。 21わが命令めいれいいうしてこれまもものは、これわれあいするものなり、われあいするものわがちちあいせらるべく、われこれあいしてこれおのれあらはすべし、と。 22かのイスカリオテにあらざるユダ、イエズスにひけるは、しゆなにすれぞ、おのれわれあらはしてあらはたまはざるや。 23イエズスこたへてのたまひけるは、ひともしわれあいせば、わがことばまもらん、かくわがちちかれあいたまひ、われかれいたりてそのうちまん、 24われあいせざるものわがことばまもらず、しかしてなんぢきしはわがことばあらずして、われつかはたまひしちちのなり。 25われなほなんぢともりてこれことなんぢかたりしが、 26ちちわがりてつかはしたまふべき弁護べんごしやたる聖霊せいれいは、なんぢひしすべてのことをしへ、かつおもひでしめたまふべし 27われ平安へいあんなんぢのこし、わが平安へいあんなんぢあたふ、これあたふるは、あたふるごとくにはあらず、なんぢこころさわぐべからず、またおそるべからず、 28かつわれきてまたなんぢきたらんととひしは、なんぢけるところなり、なんぢわれあいするならば、かならちちもとかへるをよろこぶならん、ちちわれよりさらおほいにましませばなり。 29いまことるにさきだちてなんぢげたるは、そのりてのちなんぢしんぜしめんためなり。 30最早もはやおほなんぢかたらじ、けだしこのかしらきたる、かれわれなんけんをもいうせず。 31れどちちあいしてちちわれめいたまひしごとおこなことらんために、て、いざ此處ここよりらん。

第15章[編集]

1われしん葡萄ぶだうのにして、わがちち栽培さいばいしやなり、 2われえだむすばざるものは、ちちことごとこれきりり、むすものは、なほおほむすばしめんために、ことごとこれきりかしたまふべし。 3なんぢかたりたることばりてなんぢすできよきなり。 4われとどまれ、われまたなんぢとどまるべし。えだ葡萄ぶだうのとどまるにあらずばみづかむすぶことあたはざるごとく、なんぢわれとどまるにあらずばあたはじ。 5われ葡萄ぶだうのにしてなんぢえだなり、われとどまこれとどまひとこれおほくのむすものなり、けだしわれはなれては、なんぢ何事なにごとをもあたはず。 6ひともしわれとどまらずばえだごとてられてれ、ひろはれ、投入なげいれられてけん。 7なんぢもしわれとどまり、わがことばなんぢとどまらば、ほつするところねがはんにかなへらるべし。 8わがちちりてもつ光榮くわうえいたまふは、なんぢおびただしきむすびてわが弟子でしらんことこれなり。 9ちちわれあいたまごとく、われまたなんぢあいせり、なんぢわがあいとどまれ。 10もしわがめいまもらばなんぢわがあいとどまことわれわがちちめいまもりてそのあいとどまるがごとくなるべし。 11これことなんぢかたれるは、わがよろこびなんぢうちりて、なんぢよろこびまつたうせられんためなり。 12なんぢあひあいすること、なんぢあいせしがごとくせよ、これわがめいなり。 13たれそのともため生命いのちつるよりおほいなるあいてるものはあらず。 14なんぢもしめいずるところおこなはばこれわがともなり。 15われ最早もはやなんぢしもべばじ、しもべそのしゆところらざればなり。われなんぢともべり、これすべわがちちよりきしことことごとなんぢらせたればなり。 16なんぢわれえらみたるにあらず、われこそなんぢえらみててたるなれ、これなんぢきてむすそのながそんして、わがによりてちち何事なにごとねがふも、ちちなんぢこれたまはんためなり。 17なんぢめいずるは、なんぢあひあいせんためなり。 18もしなんぢにくまば、なんぢよりさきわれにくめりとれ。 19なんぢのものなりしならば、おのがものとしてあいせしならん、れども、のものにあらずして、より選出えらみいだせるなんぢなれば、なんぢにくむなり。 20しもべそのしゆよりおほいならず、とかつなんぢかたりしを記憶きおくせよ、ひとわれ迫害はくがいしたれば、またなんぢをも迫害はくがいせん、わがことばまもりたれば、またなんぢことばをもまもらん、 21しかれどもこのすべてのことは、彼等かれらわがためこれなんぢさん、これわれつかはしたまひしものらざるゆゑなり。 22もしきたりて彼等かれらぐることなかりせば、彼等かれらつみなかりしならん。れどいまそのつみかこ*くるにところなし。 23われにくひとわがちちをもにくむなり、 24もしわれ彼等かれらうちりて、何人なにびとかつさざりしわざおこなはざりせば、彼等かれらつみなかりしならん。れどいまげんこれ眼前まのあたりしかわれわがちちとをにくみたるなり。 25ただこれ彼等かれら律法りつぱふかきしるして「彼等かれらいはれなくわれにくめり」とあることば成就じやうじゆせんためなり。 26かくちちもとよりつかはさんとする弁護べんごしやすなはちちよりづる眞理しんりれいきたらば、われきて證明しようめいたまはん、 27なんぢはじめよりわれともなへるにりてまた證明しようめいさん。

第16章[編集]

1なんぢかたりしは、なんぢつまづかざらんためなり。 2人々ひとびとなんぢ會堂くわいどうより逐出おひいださん、しかなんぢころひとすべみづかかみつくすとおもとききたらん。 3ひとかかことなんぢさんとするは、ちちをもわれをもらざるゆゑなり。 4ただなんぢかたりたるは、ときいたらばなんぢをして、これげたるをおもひでしめんがためなり。 5しかこれはじめよりげざりしは、なんぢともりしゆゑなり、いまわれつかはしたまひしものいたらんとするに、何處いづこいたるぞとわれものなんぢうち一人ひとりもあらず、 6れどかたりしにりて、うれひなんぢこころてり。 7りながらわれじつもつなんぢぐ、るはなんぢあり、われもしらずば弁護べんごしやなんぢきたるまじきを、りなばわれこれなんぢつかはすべければなり。 8かれきたらばめて、つみ審判しんぱんとにきてそのあやまちみとめしめん。 9つみきてとは、人々ひとびとわれしんぜざりしゆゑなり。 10きてとは、われちちもとりてなんぢ最早もはやわれざるべきゆゑなり。 11審判しんぱんきてとは、このかしらすで審判しんぱんせられたるゆゑなり。 12なんぢふべきことなほおほけれども、なんぢいまこれへず。 13かの眞理しんりれいきたらんとき一切いつさい眞理しんりなんぢをしたまはん。おのれよりかたるにあらずして、ことごとそのきたらんところかたり、またおこるべきことなんぢたまふべければなり。 14かれわれ光榮くわうえいあらしむべし、がものを受取うけとりてなんぢしめたまふべければなり。 15すべちちいうたまふものはことごとわがものなり、かれわがものを受取うけとりてなんぢしめたまはんとへるは、これもつてなり。 16しばらくにしてなんぢ最早もはやわれざるべく、またしばらくにしてわれん、これわがちちいたればなり、[とのたまへり]。 17ここおい弟子でしある人々ひとびとしばらくにしてなんぢわれざるべく、またしばらくにしてわれん、またわがちちいたればなり、とのたまへるは何事なにごとぞ、とかたりひつつ、 18て、しばらくにしてとのたまへるはなんぞや、われそのかたたまところらず、とりしに、 19イエズス彼等かれらおのれはんとほつするをさとりてのたまひけるは、なんぢは、しばらくにしてなんぢざるべく、またしばらくにしてわれん、とへるを僉議せんぎへるか、 20まことまことなんぢぐ、なんぢかなしみかつかんによろこぶべく、なんぢうれふべけれども、そのうれひかはりてよろこびとなるべし。 21をんなまんとするや、わが時期じききたれりとてうれふれども、すでをはれば、ひと一人ひとりうまれたるよろこびによりて、最早もはや苦痛くつうおぼゆることなし。 22なんぢいまうれひいだけども、われふたたなんぢば、なんぢこころよろこぶべく、しかそのよろこびなんぢよりうばものなかるべし。 23かのには、なんぢ何事なにごとをもわれはざらん。まことまことなんぢぐ、なんぢもしわがによりてちちもとむるところあらば、ちちこれなんぢたまふべし。 24なんぢいままでは、わがによりてなにをももとめざりしが、もとめよ、らばなんぢよろこびまつたかるべし。 25われたとへもつなんぢかたりしかど、最早もはやたとへもつかたらずして明白あからさまちちきてなんぢぐべきとききたる、 26そのにはなんぢわがによりてもとめん、しかわれなんぢためちちいのらんとははず、 27なんぢわれあいして、かみよりでたるをしんじたるがゆゑに、ちちみづかなんぢあいたまへばなり。 28われちちよりでてきたりしが、またはなれてちちいたる、とのたまひしかば、 29弟子でしたちひけるは、いま明白あからさまかたたまひてすこしたとへかたたまはず。 30いまにしてわれは、なんぢ萬事ばんじたまひて、ひとふをたまはざることり、これによりてなんぢかみよりたまへることしんず、と。 31イエズス彼等かれらこたたまひけるは、なんぢいましんずるか、 32とききたる、最早もはやきたれり、なんぢいずれもおのがじし散亂ちりみだれてわれひとすてくにいたらん。れどわれひとりあらず、ちちわれともいませばなり。 33なんぢかたりたるは、なんぢわれおい平安へいあんためなり。おいてはなんぢなやみはん、れどたのもしかれ、われてり、と。

第17章[編集]

1イエズスかたてて、てんあふぎてのたまひけるは、ちちとききたれり、御子おんこをしてなんぢ光榮くわうえいあらしめんために、御子おんこ光榮くわうえいあらしめたまへ、 2ちちよりたまはりし人々ひとびと永遠えいえん生命せいめいあたへしめんとて、これ萬民ばんみんうへ権能けんのうたまひたればなり。 3そもそも永遠えいえん生命せいめいは、唯一ゆゐいつまことかみにてましまなんぢと、そのつかはしたまへるイエズス、キリストとをるにり。 4われ地上ちじやうにてなんぢ光榮くわうえいあらしめ、われさしめんとてたまひしわざまつたうせり。 5ちちよ、世界せかい存在そんざいさきだちてなんぢともいうせし光榮くわうえいもつて、いまなんぢともわれ光榮くわうえいあらしめたまへ。 6われは、このよりえらみてわれたまひし人々ひとびと御名みなあらはせり。彼等かれらなんぢのものたりしにこれわれたまひ、彼等かれらなんぢことばまもり、 7われたまひしことことごとなんぢよりづることをいまにしてさとれり。 8けだしわれたまひしことばわれ彼等かれらさづけ、彼等かれらこれけて、ふかなんぢよりでたるをさとり、なんぢわれつかはしたまひしことをしんぜり。 9われ彼等かれらためいのる。いのるはためあらずして、われたまひたる人々ひとびとためなり、彼等かれらなんぢのものなればなり。 10わがものはことごとなんぢのもの、なんぢのものはわがものにして、われ彼等かれらうち光榮くわうえいたり。 11われ最早もはやらず、彼等かれらり、われなんぢいたる。せいなるちちよ、われたまひたる人々ひとびと御名みなもつまもたまへ、これわれごと彼等かれらいつならんためなり。 12われ彼等かれらともなりしあひだ御名みなもつ彼等かれらまもたりしが、われたまひたる人々ひとびとたもち、そのうち一人ひとりせず、ただ聖書せいしよ成就じやうじゆせんために、ほろびせたるのみ。 13いまわれなんぢいたる、りてかたるは、わがよろこび彼等かれら円満えんまんならしめんがためなり。 14われ御言おんことば彼等かれらさづけ、彼等かれらにくめり、われのものにあらざるごとく、彼等かれらのものにあらざればなり。 15いのるは彼等かれらより取去とりさたまへとにはあらず、彼等かれらまもりてあくのがれしめたまへとなり。 16われのものにあらざるごとく、彼等かれらのものにあらず、 17ねがはくは彼等かれら眞理しんりうちせいならしめたまへ、御言おんことばすなは眞理しんりなり、 18われつかはしたまひしごとく、われ彼等かれらつかはせり、 19かつ彼等かれらをも眞理しんりうちせいならしめんとして、彼等かれらためおのれせいならしむ。 20いのるは彼等かれらためのみならず、また彼等かれらことばによりてわれしんずる人々ひとびとためにして、 21彼等かれらことごといつならんためなり。ちちよ、これなんぢわれいまなんぢるがごとく、彼等かれらわれりていつならんためにして、なんぢわれつかはしたまひしことしんぜしめんとてなり。 22われたまひし光榮くわうえいわれ彼等かれらあたへたり、われいつなるがごとく、彼等かれらいつならんためなり。 23われ彼等かれらなんぢわれいます、彼等かれらいつまつたうせられんためまたなんぢわれつかはしたまひしことと、われあいたまひしごと彼等かれらをもあいたまひしこととを、さとらんためなり。 24ちちよ、ねがはくはわれたまひし人々ひとびとも、ところわれともならんことを、これ世界せかい開闢かいびやく以前いぜんよりわれあいたまひてわれたまひたるわが光榮くわうえいを、彼等かれらせんためなり。 25ただしきちちよ、なんぢらざれどもわれなんぢり、彼等かれらまたなんぢわれつかはしたまひしことをれり。 26われ御名みな彼等かれららせたり、またらせんとす、これわれあいたまひたるあい彼等かれらそんして、われ彼等かれららんためなり、[とのたまへり]。

第18章[編集]

1イエズスのたまひて、弟子でしたちともにセドロンの渓流たにがは彼方かなたたまひしが、其處そこそのりけるに、弟子でしたちともなひてたまへり。 2イエズスしばしば弟子でしとも此處ここあつまたまひければ、かれれるユダもところたり。 3ればユダは、一隊いつたい兵卒へいそつおよ下役したやくども大司祭だいしさいファリザイじんよりけて、提燈ちやうちん炬火たいまつ武器ぶきとをちて此處ここきたれり。 4イエズスきたるべきことことごとたまひて、進出すすみいでて彼等かれらむかひ、たれたずぬるぞ、とのたまひしかば彼等かれら、ナザレトのイエズスを、とこたへしに、 5イエズス、われなり、とのたまひしが、かれわたせるユダも彼等かれらともたり。 6てイエズスがわれなりとのたまふや、彼等かれら後退あとずさりしてたふれたり。 7イエズスすなはまたなんぢたれたずぬるぞ、とたまひしに彼等かれら、ナザレトのイエズスを、ひたれば、 8イエズスこたたまひけるは、われすでわれなりとなんぢげたり、われたずぬるならば、この人々ひとびとゆるしてらしめよ、と。 9これかつて、われたまひたる人々ひとびとわれ一人ひとりうしなはざりき、とのたまひし御言おんことば成就じやうじゆせんためなり。 10ときにシモン、ペトロつるぎちたりしかば、きて大司祭だいしさいしもべち、そのみぎみみきりおとししが、そのしもべをマルクスとへり。 11てイエズスペトロにのたまひけるは、なんぢつるぎさやをさめよ、ちちわれたまひたるさかずきわれこれまざらんや、と。 12かく兵隊へいたい千夫長せんぷちやうおよびユデアじん下役したやくども、イエズスをとらへてこれしばり、 13まずアンナのもと引行ひきゆけり、これそのとし大司祭だいしさいたるカイファのしうとなるがゆゑにして。 14カイファはかつてユデアじんむかひて、一人いちにん人民じんみんためするはなり、との忠告ちゆうこくあたへたりしひとなり。 15しかるにシモン、ペトロおよ一人ひとり弟子でし、イエズスののちしたがひたりしが、かの弟子でしかつ大司祭だいしさいられたりければ、イエズスととも大司祭だいしさいにわりしも、 16ペトロはもんそとちてありしに、かの大司祭だいしさいられたりし弟子でしでて門番もんばんをんなかたらいしかば、ペトロをうちれたり。 17かく門番もんばんをんなペトロにむかひ、なんぢかのひと弟子でし一人ひとりならずや、とひしにかれしからずとへり。 18ときしもかんかりければ、しもべおよ下役したやくども炭火すみびそばちてあたるに、ペトロもたつまじりてあたれり。 19大司祭だいしさいその弟子でしをしへとにきてイエズスにひしかば、 20イエズスこれこたたまひけるは、われ白地あからさまかたり、何時いつすべてのユデアじんあひあつまる會堂くわいどうおよび[しん]殿でんにてをしへ、何事なにごとをもひそかかたりしことなし、 21なんぢなんわれふや、かたりしところ聴聞ちやうもんしたる人々ひとびとへ、彼等かれらこそひしところるなれ、と。 22のたまひしかば、立合たちあへる一人ひとり下役したやくにてイエズスのほほち、なんぢ大司祭だいしさいこたふるにかくごときか、とひしを、 23イエズスこたたまひけるは、ひしことあしくばそのあし所以ゆゑんしようせよ、もしくばなにすれわれつや、と。 24かくてアンナはイエズスをしばりたるままに、大司祭だいしさいカイファのもとおくりたりき。 25てシモン、ペトロあたりつつてるに、人々ひとびとなんぢかれ弟子でし一人ひとりならずや、とひしかばペトロいなみて、しからずとへり。 26また一人ひとり大司祭だいしさいしもべにしてペトロにみみせつとされしひと親族しんぞくなるものわれなんぢそのにてかれともなへるをたるにあらずや、とふを、 27ペトロまたいなみたるに、にわとりたちまうたへり。 28かく人々ひとびと、イエズスをカイファのもとよりくわんちやうきしが、とき天明よあけなりき。彼等かれらけがれずして過越すぎこし犠牲いけにへしよくために、その官廰くわんちやうらざりしかば、 29ピラト彼等かれらところでて、なんぢかのひとたいして如何いかなること告訴こくそするぞ、とひしに、 30彼等かれらこたへて、かれもし惡人あくにんならずばわれこれなんぢわたさざりしならん、とひければ、 31ピラト彼等かれらむかひ、なんぢこれ引受ひきうけてなんぢ律法りつぱふままさばけ、とひしにユデアじんわれひところことゆるされず、とへり。 32これイエズスがかつて、如何いかなるしにざまもつすべきかを、しめしてのたまひし御言おんことば成就じやうじゆせんためなりき。 33ここおいてピラトふたたくわんちやうり、イエズスを呼出よびいだして、なんぢはユデアじんわうなるか、とひしに、 34イエズスこたたまひけるは、なんぢこれおのれよりへるか、またひとわれきてなんぢげたるか。 35ピラトこたへけるは、われあにユデアじんならんや、なんぢ國民こくみん大司祭だいしさいなんぢわれわたしたるが、なんぢなにしたるぞ。 36イエズスこたたまひけるは、我國わがくにこののものにあらず、もし我國わがくにこののものならば、われをユデアじんわたされじとて、われしんぼくかならたたかふならん、れどいま我國わがくにここのものならず、と。 37かくてピラトイエズスにむかひ、しからばなんぢわうなるか、とひしにイエズスこたへたまいけるは、なんぢへる[がごとし、]われわうなり、われこれためうまれ、これためきたれり。すなは眞理しんり證明しようめいあたへんためなり、すべ眞理しんりれるひとわがこゑく、と。 38ピラトイエズスにひけるは、眞理しんりとはなんぞや、と。ひてふたたびユデアじんところいでき、彼等かれらひけるは、われかのひとなんつみをも見出みいださず、 39ただ過越すぎこしのまつりあたりて、われなんぢ一人ひとりゆるすはなんぢ慣例かんれいなるが、しからばユデアじんわうわれよりゆるされんことほつするか、と。 40ここおい彼等かれらまた一同いちどうさけびて、そのひとならでバラバを、とへり、バラバはすなは強盗がうたうなりき。

第19章[編集]

1そのときピラトイエズスをとらへてこれむちうち、 2兵卒へいそついばらかんむりみておんかうべかむらせ、またあか上衣うはぎせ、 3御前みまへいたりて、ユデアじんわうよ、やすかれ、とひてもつおんほほたり。 4かくてピラトまた出來いできたり、人々ひとびとむかひてひけるは、なんつみをもかれいださざることなんぢらしめんために、かれなんぢまへ引出ひきいだすぞ、と。 5ここおいてイエズス、いばらかんむりあか上衣うはぎにて出來いできたたまひしかば、ピラト、ひとを、とひしに、 6大司祭だいしさいおよ下役したやくどもイエズスをるやさけびでて、十字架じふじかけよ、十字架じふじかけよ、とひければピラト、なんぢみづかこれりて十字架じふじかけよ、われなんつみをもこれいださざるを、とひしに、 7ユデアじんこたへけるは、われ律法りつぱふあり、その律法りつぱふによりてかれせざるべからず、は、おのれかみとしたればなり、と。 8ピラトこのことばきて、ますますおそれ、 9またくわんちやうりてイエズスにむかひ、なんぢ何處いづこものぞ、とひしかど、イエズスこたたまはざれば、 10ピラトひけるは、なんぢわれものいはざるか、なんぢ十字架じふじかくるのけんも、またゆるすのけんも、われことらざるか、と。 11イエズスこたたまひけるは、なんぢうへよりあたへられたるにあらずば、われたいしてなんらのけんあらんや。われなんぢわたしたるものつみここおいてかさらおほいなり、と。 12これよりピラトまたイエズスをゆるさんとはかたれども、ユデアじんさけびて、なんぢもしこのひとゆるさばセザルのちゆういうあらず、すべおのれわうとするひとはセザルにそむものなればなり、とひければ、 13ピラトかかことばきてイエズスをつれいだし、きりばめ敷石しきいし、ヘブレオにてはガパタとへるところにて、審判しんぱんせきけり。 14あたか過越すぎこしのまつり用意よういにして、十二ごろなりしが、ピラトユデアじんむかひ、なんぢわうを、とひしに、 15彼等かれらとりけよ、とりけよ、十字架じふじかけよ、とさけければピラト彼等かれらに、われあになんぢわう十字架じふじかけんや、とへるを大司祭だいしさい、セザルのほかわれわうなし、とこたへたり。 16かくてピラト、十字架じふじかくるためにイエズスを彼等かれらわたしければ、兵卒へいそつこれりて引出ひきいだししが、 17イエズスみづか十字架じふじかひ、かの髑髏されかうべ、ヘブレオにてゴルゴタとへるところたまへり。 18彼等かれら此處ここにてこれ十字架じふじかけ、またべつ二人ふたり左右さいうに、イエズスをば中央まんなかにしてはりつけたり。 19しかるにピラトまた罪標すてふだきて十字架じふじかうへきしが、ユデアじんわうナザレトのイエズスとしるされたりき。 20イエズスの十字架じふじかけられたまひしところ市街まちちかくして、罪標すてふだはヘブレオとギリシアとラテンとのことばにてきたれば、ユデアじんうちこれみたるものおほし。 21ればユデアじん大司祭だいしさいピラトにむかひ、ユデアじんわうかずして、ユデアじんわう自稱じしようせしものたまへ、とひしをピラトは、 22きしところきし[ままなれ、]とこたへたり。 23かく兵卒へいそつ、イエズスを十字架じふじかけしのちその衣服いふく下衣したぎとをけ、衣服いふくぶんして一人ひとりいちぶんづつわかちしが、下衣したぎうへよりひとつにりたるぬひなきものなりしかば、 24これかずして、たれのになるべきかくじびきにせんといひへり。これ聖書せいしよかきしるして「彼等かれらたがひ衣服いふくわかち、わが下衣したぎくじびきにせり」とあること成就じやうじゆせんためにして、すなは兵卒へいそつじつこのことせるなり。 25てイエズスの十字架じふじかかたはらに、そのはははは姉妹しまいすなはちクレオファの[つま]マリアと、マグダレナ、マリアとちてありしが、 26イエズスそのははあいせる弟子でしとのてるをたまひてははむかひ、婦人ふじんよ、これなんぢなり、とのたまひ、 27つぎ弟子でしむかひて、これなんぢははなり、とのたまひければ、このときよりその弟子でしイエズスのはは我家わがいへひきりたり。 28やがてイエズス何事なにごとをはれるをたまひて、聖書せいしよ成就じやうじゆてんために、われかわくとのたまひしが、 29其處そこちたるうつはかれてありしに、兵卒へいそつ海綿かいめんひたし、イソプにしてそのくち差付さしつけしかば、 30イエズスたまひて、をはれりとのたまひ、かうべれていきたまへり。 31とき用意よういにてだい安息日あんそくじつまへなれば、安息日あんそくじつしかばね十字架じふじかじやうのこらざらんために、そのはぎりてとりおろさんことを、ユデアじんピラトにねがひしかば、 32兵卒へいそつきたりて、さきなるものおよとも十字架じふじかけられたる一人ひとりはぎりしが、 33イエズスにいたり、そのすでたまへるをはぎらざりき。 34れど兵卒へいそつ一人ひとりやりもてそのわきひらきしかば、ただちみづ流出ながれいでたり。 35目撃もくげきせしひとこれ證明しようめいせしが、その證明しようめい眞實しんじつにして、かれそのところ眞實しんじつなるをれり、これなんぢにもしんぜしめんためなり。 36これことりしは、聖書せいしよに「なんぢそのほねひとつるべからず」とあること成就じやうじゆせんためなり。 37さらまた聖書せいしよいはく「彼等かれらそのつらぬけるものをあふん」と。 38そののちアリマテアのヨゼフ、ユデアじんはばかりてひそかにはすれども、イエズスの弟子でしなれば、そのおんしかばねひきらんことをピラトにねがひしに、ピラトゆるししかばきたりてイエズスのおんしかばねとりおろせり。 39またさきよるイエズスにいたりしニコデモも、没薬もつやくくわいとの混合あはせものひやくきんばかりたづさへてきたりしが、 40兩人りやうにんイエズスのおんしかばね受取うけとり、ユデアじんはうむり習慣ならひしたがひて香料かうれうともぬのにてこれけり。 41てイエズスの十字架じふじかけられたまひしところそのありて、そのうちいまたれをもほうむらざるはかありければ、 42彼等かれらはユデアじん用意よういなるにり、はかぢかきにまかせて、イエズスを其處そこをさめたり。

第20章[編集]

1しうだいいちじつ、マグダレナ、マリアあさまだきはかき、はかよりいしとりけられたるをしかば、 2はしりてシモン、ペトロおよびイエズスのあいたまひしいま一人ひとり弟子でしもといたり、しゆはかより取去とりさりたるひとあり、何處いづこきたるかわれこれらず、とひければ、 3ペトロとかの一人ひとり弟子でしでてはかけり。 4二人ふたりともはしりしが、かの一人ひとり弟子でしペトロにはしりちてまずはかき、 5かがめて、ぬのよこたはれるをしも、いまうちらざるほどに、 6シモン、ペトロあとよりきたり、はかりてればぬのよこたはりて、 7かうべおほひたりしあせふきぬのともかれずして、きてべつところりき。 8そのときまずはかきしかの一人ひとり弟子でしうちり、しんじたり。 9彼等かれらいまだ、イエズスが死者ししやうちより復活ふくくわつたまふべし、との聖書せいしよらざりければなり。 10かく兩人ふたり弟子でしおのいへかへれり。 11れどマリアははかそとちてりしが、きつつかがめてはかのぞきしに、 12白衣びやくえたるふたつ天使てんし、イエズスのおんしかばねかれたりしところに、ひとつかしらかたに、ひとつあしかたせるをたり。 13彼等かれらマリアにむかひ、をんなよ、何故なにゆゑくぞ、とひしかば、マリアひけるは、我主わがしゆ取去とりさりたるひとありて、何處いづこきたるかわれこれらざるゆゑなり、と。 14いひをはりてうしろ回顧ふりかへりしに、イエズスのたまへるをたり。れどそのイエズスなることらざりしが、 15イエズスこれに、をんなよ、何故なにゆゑくぞ、たれたずぬるぞ、とのたまひしかば、マリア園丁えんていならんとおもひてこれひけるは、きみよ、もしなんぢかれ取去とりさりしならば、そのきたるところわれげよ、われこれひきるべし、と。 16イエズス、マリアよ、とのたまひければかれ回顧ふりかへりて、ラボニ、すなはよ、とへり。 17イエズスこれにむかひ、われいまわがちちのぼらざればわれるることなかれ、ただしまずわが兄弟等きやうだいらいたりて、われなんぢちちなるわがちちなんぢかみなるわがかみのぼるとへ、とのたまひければ、 18マグダレナ、マリアきて、われしゆたり、われ云々しかじかのたまへり、と弟子でしたちげたり。 19かくそのすなはしうだいいちじつすでれて、弟子でしたちユデアじんおそろしさにぢてあつまれるところに、イエズスきたりてそのなかのたまひけるは、なんぢやすかれ、と。のたまひて、 20わきとを彼等かれらしめたまひければ、弟子でしたちしゆよろこべり。 21イエズスまたのたまひけるは、なんぢやすかれ、ちちわれつかはしたまひしごとく、われなんぢつかはすなり、と。 22のたまひて、いきふきけてのたまひけるは、聖霊せいれいけよ、 23なんぢたれつみゆるさんもそのつみゆるされん、たれつみとどめんもそのつみとどめられたるなりと。 24しかるに十二にん一人ひとりにしてチヂモとばるるトマは、イエズスのきたたまひしとき彼等かれらともらざりしかば、 25弟子でしたちこれむかひ、われしゆたり、とひしに、かれひけるは、われそのくぎあとて、そのくぎところわがゆびれ、そのわきわがるるにあらずばしんぜじ、と。 26八日やうかのち弟子でしたちまたうちにありてトマもともりしが、ぢたるにイエズスきたりて眞中まんなかたまひ、なんぢやすかれ、とのたまひて、 27やがてトマにのたまひけるは、なんぢゆびここれてわがよ、べてわがわきれよ、信者しんじやとならずして信者しんじやとなれ、と。 28トマこたへて、我主わがしゆよ、わがかみよ、とひしかば、 29イエズスこれのたまひけるは、トマなんぢわれしによりてしんじたるが、ずしてしんぜし人々ひとびとこそさいはひなれ、と。 30このほかにもなほ數多あまたしるしを、イエズス弟子でしたち眼前がんぜんたまひしかど本書ほんしよにはかきせず。 31これことかきせられたるは、なんぢがイエズスのかみ御子おんこキリストたることしんぜんためしんじて御名みなによりて生命せいめいためなり。

第21章[編集]

1そののちイエズス、またチベリアデの湖辺うみべにておのれ弟子でしたちあらわたまひしが、そのあらわたまひし次第しだいつぎごとし。 2シモン、ペトロとチヂモとばるるトマと、ガリレアのカナうまれなるナタナエルと、ゼベデオの子等こらと、なほほか二人ふたり弟子でしどもりけるに、 3シモン、ペトロ、われれふく、とひしかば彼等かれらわれともく、とひて、みないできてふねりしに、そのなにをもざりき。 4天明よあけいたりてイエズスはまたまへり、りながら弟子でしたちそのイエズスなることみとめざれば、 5イエズス彼等かれらむかひ、子等こどもさかなあるか、とのたまひしに彼等かれらしとこたへたり。 6イエズス、あみふねみぎおろせ、しからば獲物えものあらん、とのたまひければ、彼等かれらおろしたるに、さかなおびただしくして、あみくことあたはざれば、 7イエズスのあいたまへるかの弟子でしペトロにむかひて、しゆなり、とひしをシモン、ペトロ、しゆなりとくや、はだかなりければ上衣うはぎまとひてうみ飛入とびいり、 8弟子でしたちさかなてるあみきつつふねにてきたれり、をかこととほからず、およそ五十けんばかりなりければなり。 9をかあがりてればすで炭火すみびありて、そのうへひとつさかなせられたるあり、またぱんありき。 10イエズス彼等かれらむかひ、なんぢいまりたるさかなもちきたれとのたまひしかば、 11シモン、ペトロりて、おほいなるうを百五十三まで充満みちみちたるあみをかひききたりしが、くまでおびただしかりしかどあみけざりき。 12イエズス彼等かれらに、きたりてしよくせよ、とのたまひしに、弟子でしたちそのしゆなることをりて、なんぢたれぞとあへもの一人ひとりもなかりしが、 13イエズスちかづきたまひ、ぱんりて彼等かれらあたへ、さかなまたおなやうにしたまへり。 14イエズスが死者ししやうちより復活ふくくわつして、その弟子でしたちあらはたまひしはこれにてすでたびなりき。 15彼等かれらしよくしたるに、イエズスシモン、ペトロにのたまひけるは、ヨハネの[]シモン、なんぢこの人々ひとびとまさりてわれあいするか、と。かれしゆよ、しかり、なんぢあいするはなんぢたまところなり、とひしかばイエズス、わがこひつじぼくせよ、とのたまへり。 16またふたたび、ヨハネの[]シモン、なんぢわれあいするか、とのたまひしに、かれしゆよ、しかり、なんぢあいするはなんぢたまところなり、とひしかばイエズスわがこひつじぼくせよ、とのたまへり。 17たびこれむかひて、ヨハネの[]シモン、なんぢわれあいするか、とのたまひしかば、ペトロは、われあいするかとたびまではれたるをうれひしが、しゆよ、萬事ばんじたまへり、なんぢあいするはなんぢたまところなり、とひしに、イエズスこれのたまひけるは、わがひつじぼくせよ。 18まことまことなんぢぐ、なんぢわかかりしときみづかおびしてこのところあゆたりしが、いたらんのちべん、しかしてものなんぢおびして、そのこのまざるところみちびかん、と。 19これペトロが如何いかなるげてかみ光榮くわうえいあらしむべきかをしめしてのたまひしなり。これのたまてて、われしたがへ、とペトロがのたまひしが、 20ペトロ回顧ふりかへりてイエズスのあいたまひしかの弟子でしすなは晩餐ばんさんときイエズスのおんむねよこたはりて、しゆなんぢわたものたれなるぞ、とひし弟子でししたがへるをたり。 21ペトロこれてイエズスにむかひ、しゆよ、かれ如何いかに、とひしに、 22イエズスペトロにのたまひけるは、きたるまでにかれとどまらんことめいずとも、なんぢおいなにかあらん、なんぢわれしたがへ、と。 23ればかの弟子でしせずとのせつ兄弟等きやうだいたちうちつたはりしが、かれせず、とイエズスのペトロにのたまひしにはあらず、ただきたるまでかれとどまらんことめいずとも、なんぢおいなにかあらん、とのたまひしのみ。 24これこときて證明しようめいし、これこときしひとは、すなはかの弟子でしにして、われその證明しようめい眞實しんじつなることる。 25れどイエズスのたまひしことなほこのほかにもおびただしく、もしこれ一々いちいちかきしるさば、われおもふにかきしるすべき書籍しよせきは、世界せかいすらものせつくすことあたはざるべし。