ヨハネ第二書 (ラゲ訳)

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<聖書<我主イエズスキリストの新約聖書

『公敎宣敎師ラゲ譯 我主イエズスキリストの新約聖書』公敎會、

1910年発行

〔ローマ・カトリック訳〕

ラゲ訳新約聖書エミール・ラゲ(Emile Raguet,MEP)

ヨハネ第二書

第1章[編集]

1 長老ちやうらうえらみかうむりたる夫人ふじんおよその子等こどもすなはわれならびに、ただわれのみならず、すべ眞理しんりれるひとまた2いまわれうちとどまりて、しかかぎりなくわれともそんすべき眞理しんりたいして、まことあいするところものに[書簡しよかんおくる]。 3ねがはくは恩寵おんちよう慈悲じひ平安へいあんとが、ちちにてましまかみおよちち御子おんこイエズス、キリストよりたまはりて、眞理しんりおよあいおいなんぢともらんことを。 4われなんぢ子等こどもうちに、われちちよりおきてたてまつりしごとくにあゆめるものあるをみとめて、はなはよろこべり。 5夫人ふじんよ、いまあたらしきおきて書贈かきおくるものとせず、これはじめよりけたるものとしてあひあいせんことなんぢこひねがふ。 6あいとはわれそのおんおきてしたがひてあゆむべきことこれなり。おんおきてとはすなはちなんぢはじめよりきたるがままにあゆむべきものこれなり。 7けだし肉體にくたいにてきたたまふイエズス、キリストを宣言せんげんせざる、おほくの誘惑者いうわくしやでたり、これ誘惑者いうわくしやにしてまたキリストなる。 8なんぢおのれかへりみて、われかつはたらきしところうしなはず、充滿じゆうまんせる報酬はうしうくるやうにせよ。 9すべてキリストのをしへとどまらずして退しりぞものかみいうたてまつらず、をしへとどまものちちおよ御子おんこいうたてまつる。 10もしなんぢいたものにして、このをしへもたらことなくば、これいへるることなく、これ挨拶あいさつすることなかれ。 11これ挨拶あいさつするひとは、そのしきわざあづかればなり。 12書贈かきおくるべきことなほおほくあれども、われかみすみとをもつてするをこのまず、これなんぢよろこびまつたからんために、なんぢうちりてくちづからかたらんこと希望きぼうすればなり。 13えらみかうむりたるなんぢ姉妹しまい子等こどもなんぢよろしくとへり。