サイエンティフィック・アメリカン/次は何?-- 飛行

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大西洋ケーブルの敷設に成功した後、"さて、次はどんな新しくて素晴らしい発明があるのだろう?"と尋ねる人が出始めている。また、新しい発明の限界に近いところに来ているという結論に達しているように見える人もいる。彼らは次のように表現している。-- 海には蒸気船が架けられ、陸では機関車が迅速な移動の要求を満たし、遠い場所同士の通信には電信が欠けていたものをすべて補っている、したがって、これ以上何ができるかはわからない。

このような偉そうなことを言う人は、私たちはもう完璧な発明をする千年前に到達したと結論付けているようである。しかし、実際には、過去の発明は新しい発見への道を開くものであり、それぞれの新しい発明は、進歩の道を照らす別の松明の点火に過ぎないのである。しかし、ある文通相手から手紙をもらったが、彼は、次に達成されるべきは飛行であると断言している。「海底ケーブルでクジラとイルカを驚かせたのだから,今度はカモメとワシを驚かせるに違いない」と彼は断言している。しかし、過去の歴史は、翼や気球や近代科学のあらゆる助けを借りたとしても、人間の飛行の将来の成功をあまり約束していない。

この通信員は、大きな円錐形の気球を作り、翼で推進し、この目的のために蒸気の力を使うことを提案している。このような空中装置で、彼は、フリゲート艦ナイアガラ号が下界の青い液体を突き進むように、上空の青い幽玄界を安全に航行しようと考えているのである。しかし、この通信員によって考案された空中船は、たまたま新しいものではなく、同様のものが我々の第1巻に図版として掲載されている。彼自身と同様に、このような高尚な空想にふけっている他の人々にも、安全で実用的かつ経済的な空中航行は、既知の力を応用しても決して成功しないことを伝えなければならない。このテーマは何百年もの間、発明家たちの関心を集めており、多くの気球実験が成功したものの、気球は飛行ではない。飛行技術は、大気圏内を完璧な自由と命令で移動することにある。果たして人間にこれができるだろうか。熱狂的な発明家の中には、私たちに届いた多くの手紙が証言しているように、まだ達成されると信じている人たちがいる。もし、蒸気機関の百倍もコンパクトな新しい動力が発見されたら、それを応用して飛行が可能になるかもしれない。鳥が飛ぶのは、ある人が考えるように、羽のせいではない。羽の一枚一枚は、同じ大きさの空気より重いからだ。

遠くの旅に出るとき、鉄道の車掌や蒸気船の船長に向かって指を鳴らすことができたら、それはとても楽しいことだろう。しかし、前述のような特徴について何か新しい大発見がなされるまでは、推測することは無駄である。体重140ポンドの人間を上昇させ、維持するために、気球に使用されるガスが約2,240立方フィート必要であることを考慮すると、既知の手段(蒸気動力またはその他のもの)では、人類はまだ飛ぶ可能性をはるかに下回っていることは容易に想像がつくが、人間が挑戦しない限り、決して飛ぶことはないだろう。

脚注[編集]

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