コリント後書 (ラゲ訳)

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<聖書<我主イエズスキリストの新約聖書

『公敎宣敎師ラゲ譯 我主イエズスキリストの新約聖書』公敎會、

1910年発行

〔ローマ・カトリック訳〕

ラゲ訳新約聖書エミール・ラゲ(Emile Raguet,MEP)

コリント後書

第1章[編集]

1かみおぼしめしによりてイエズス、キリストのしとたるパウロ、およきやうだいチモテオ、コリントにかみけうくわいならびにアカヤぜんちはうせいといちどうに[しよかんおくる]。 2ねがはくはわがちちにてましまかみおよしゆイエズス、キリストより、おんちようへいあんとをなんぢたまはらんことを。 3しゆくすべきかなわがしゆキリスト、イエズスのかみおよちちじひちちもろもろなぐさめかみすなは4わがいつさいくわんなんおいわれなぐさたまへるは、われをして、おのかみよりなぐさめらるるなぐさめもつて、またみづかいつさいなんせまれるひとびとなぐさむることしめたまはんとなり。 5けだしキリストのためくるしみわれあふるるがごとく、われなぐさめまたキリストをもつあふるるなり。 6そもそもわれくなんへるもなんぢなぐさめたすかりとのためなぐさめらるるもなんぢなぐさめためにして、なんぢにもわれしのべるごとくるしみしのことしむるなり。 7かくなんぢくるしみともにするがごとく、またなぐさめをもともにせんことれば、われなんぢたいするきぼうかたし。 8けだしきやうだいたちよ、われが[せう]アジアにおいひしこんなんきて、なんぢらざるをこのまず、すなはめらるることくわどにして、ちからおよばず、くるのぞみをすらうしなふにいたりしかば、 9こころうちにはすとのへんたふちたりき。これおのれたのまずして、ししやふくくわつせしめたまふかみたのみたてまつらんためなり。 10すなはさきかかよりわれすくたまひていますくたまへば、なほすくたまふべきことしんらいするなり。 11これまたなんぢわれためいのりてたすくるにる、けだしおほくのひとねがひによりてわれたまはるめぐみを、おほくのひともつわれためかんしやせられんとてなり。 12われほこりとするところは、すなはよのなかことなんぢたいしてしよするにすなほなるこころかみたまへるしんじつとをもつてし、またにくてきちゑらずかみおんちようりてせるを、わがりやうしんしようすることこれなり。 13けだしわれかきおくるはなんぢところところほかならず、 14なんぢすでほぼわれりたれば、またしゆイエズス、キリストのおいわれなんぢめいよなるがごとく、なんぢわれめいよなることを、をはりまでらんこときぼうす。 15かかきぼうもとふたたおんちようさせんとて、われさきなんぢいたり、 16なんぢてマケドニアにき、マケドニアよりさらまたなんぢいたり、なんぢよりユデアへおくられんとこころざししが、 17こころざしたればとて、われあにかろがろしくせしものならんや、またさだむることをばにくりてさだめ、われおいしかりとひ、またしからずとふがごとことあらんや。 18かみしんじつましまして、なんぢうちかたりしところには、しかしからずとことなきをしようたまふ。 19けだしわれもつて、すなはわれとシルヴァノとチモテオとをもつて、なんぢうちべられたまひしかみおんこイエズス、キリストにおいては、しかしからずとことなく、ただしかりとことあるのみ。 20すなはちかみおんやくそくかれおいことごとしかりとなりたれば、われかれもつかみむかひてそのくわうえいためにアメンととなふるなり。 21なんぢともわれをキリストにおいけんごならしめ、かつわれちゆうゆたまひしものはかみにてまします。 22しかしなほわれしようしるたまひ、ほしようとしてれいわれこころたまひしなり。 23われたましひけて、かみびてしようしやとしたてまつる、すなはさらなんぢいたらざりしは、なんぢいうじよするゆゑなり。 24われなんぢしんかうせんとするものあらずして、なんぢよろこびけふりよくしやなり、なんぢしんかうりててばなり。

第2章[編集]

1われこころうちに、ふたたかなしみもつなんぢいたらじとさだめたり、 2けだしわれもしなんぢかなしましめば、かなしましむるそのものならでたれわれよろこばしめんや。 3さきなんぢかきおくりしも、いたらんときわれよろこばすべきはずひとびとりて、かえつかなしみかなしみかさぬることなからんためにして、わがよろこびなんぢいちどうよろこびなりと、なんぢいちどうきてしんずるゆゑなり。 4けだしわれおほいなるくわんなんしんつうとにより、おほくのなみだもつなんぢかきおくれり、これなんぢかなしましめんとにはあらず、なんぢたいするわがいつくしみことふかきをらしめんためなりき。 5もしかなしましめたるひとあらば、われ[のみ]をかなしましめたるにあらずして、いくばくなんぢいちどうかなしましめたるなり、われはげしくめじとてふ。 6ひとおほくのひとよりけたるけんせきにてことたりれり。 7なんぢむしろこれいうじよかつなぐさめよ、おそらくはそのひとがたかなしみにしづむべければ、 8われなんぢかれたいして、いよいよあいくはへんことこひねがふ。 9さきかきおくりしもこれためにして、なんぢばんじしたがへるやいなやをこころみらんとてなりき。 10そもそもなんぢなにごとをかひとゆるしたらばわれしかせん、ゆるしたることあるもなんぢたいしてキリストのみまへゆるしたるなり。 11われサタンのはかりごとらざるにあらざれば、これろうらくせられざらんためなり。 12さてわれキリストのふくいんためトロアデ[まち]にいたりしに、しゆわれもんひらたまひたれど、 13われわがきやうだいチトにはざるによりてこころやすからず、わかれかれらげてマケドニアにしゆつぱつせり。 14われをしていつもキリスト、イエズスによりてかちさせ、かつわれもつかれことかをりいづこにもあらはたまへるかみかんしやたてまつる。 15けだしすくはるるひとにもほろぶるひとにも、われかみおんためキリストのかうばしきかをりなり、 16あるひとにはかをりにしていたらしむれど、あるひとにはせいかをりにしてせいいたらしむ。しかも、たれこれにんへたるものぞ。 17けだしわれおほくのひとごとくにかみおんことばぎざうせず、しんじつままかみよりづるごとく、かみみまへにキリストにおいかたる。

第3章[編集]

1われまたおのれてんとするか、はたあるひとびとごとく、なんぢたいして、もしくはなんぢより、てんしよえうするものなるか、 2なんぢこそわれこころかきしるされたるわれしよかんにして、ばんみんられかつまるるなれ。 3なんぢあきらかに、われりてみとめられたるキリストのしよかんにして、しかすみもつてせずいきたまへかみれいもつてし、またせきひうへならでこころにくうへきたるものなり。 4われキリストにりてかくごとかみみまへかくしんす、 5これなにごとかをおのれよりおもるにはあらず、われるはかみによれり。 6すなはかみわれしんやくそうたうなるえきしやとならしめたまへり、ぶんえきしやあられいえきしやなり、けだしぶんころれいかしたまふ。 7イスラエルの、モイゼのかほをはりあるくわうえいために、そのかほみつざりしほどに、えきすらもんじにていしきざみつけられ、くわうえいうちりたれば、 8れいえきあにひとしほくわうえいあらざらんや。 9けだしつみさだむるえきくわうえいなれば、いはんさだむるえきなほゆたかくわうえいあるべきをや。 10かのときかがやきしは、すぐれたるくわうえいたいしてはくわうえいならず、 11けだしをはるべきものすらくわうえいもつりたれば、いはんえいそんすべきものはまさりてくわうえいあるべきをや。 12ればわれかかきぼういだけるうへに、はばからずものいひて、 13モイゼのごとくにはざるなり。かれをはるべきそのえきをはりをイスラエルのせざらんためおのかほおほひきたり。 14かくかれらせいしんにぶりて、こんにちいたるまで、きうやくむにそのおほひいぜんとしてとりのぞかれず。けだしきうやくはキリストにおいをはるものなれども、 15こんにちいたるまでモイゼのしよときに、おほひかれらこころうへかれたり。 16れどしゆたちかへらんときそのおほひとりのぞかるべし。 17しゆかのれいなり、しゆれいあるところにはじいうあり、 18われみなすがほにてしゆくわうえいかがみうつすがごとたてまつりて、くわうえいよりくわうえいすすみ、しゆおなすがたくわす、これしゆれいりてなるがごとし。

第4章[編集]

1このゆゑわれは、おんじひかうむりたるによりてせいえきいうするものなれば、よわことなく、 2はじかくところて、かうくわつふるまことず、またかみおんことばぎざうせずしてしんりあらはし、かみみまへすべてのひとりやうしんうつたへておのれつるなり。 3もしわれふくいんにしてなほおほひもつつつまれたりとせば、ほろぶるひとびとたいしてつつまれたるなり。 4すなはかれらおいて、せけんかみしんじやこころくらまし、かみすがたましませるキリストのくわうえいふくいんひかりを、かれらうへかがやかしめじとせるなり。 5けだしわれおのことべず、わがしゆイエズス、キリストのことべて、イエズス、キリストのためおのれなんぢしもべとなす。 6けだしめいじてひかりやみよりかがやかしめたまひしかみは、キリスト、イエズスのみかほかみくわうえいちしきかがやかしめんために、みづかわれこころらしたまへり。 7しかれどもわれこのたからどきうちてるなり、これちからゐだいなるところは、われらずしてかみるべきゆゑなり。 8わればんじくわんなんくれどもくなうせず、きうはくきはまれどもしつぼうせず、 9はくがいくれどもてられず、たふさるれどもほろびず、 10いつもイエズスのわがぶ、これイエズスのせいめいまたわれおいあらはれんためなり。 11すなはわれけるものなれども、つねにイエズスのためわたさる、これイエズスのせいめいが、またすべきわがにくしんおいあらはれんためなり。 12ればわれうちはたらき、せいめいなんぢうちはたらくなり。 13しかるにしんかうおなれいいうすれば、かきしるして、「われしんじたるがゆゑかたりしなり」とあるがごとく、われまたしんずるがゆゑかたる、 14イエズスをふくくわつせしめたまひしものが、われをもイエズスとともふくくわつせしめ、なんぢともたしめたまふべしとればなり。 15けだしばんじなんぢためにして、これおんちようゆたかに、かみくわうえいとしていよいよおほくのひとかんしやゆたかならしめんためなり。 16ゆゑわれそさうせず、われぐわいめんひとふはいすれども、ないめんひとかえつひびあらたなり。 17われみじかかろげんざいくわんなんが、われえいゑんぢゆうだいにしてむひなるくわうえいじゆんびすればなり。 18われかへりみるはゆるものにあらずしてえざるものなり、ゆるものはこのかぎれどえざるものはえいゑんなればなり。

第5章[編集]

1けだしわれは、まくやなるちじやうすみかやぶるれば、ひとらずしてかみよりたまはれるすみかえいゑんいへわれためてんことる。 2すなはわれはこのすみかりてなげきつつ、このままにしててんよりのすみかうへせられんことこひねがふ。 3これすでたるものにしてはだかにてみいだされずばまことしかあるべし。 4けだしわれこのまくやりて、あつぱくかうむりてなげくは、これがるるをこのまず、かえつこのうへせられ、すべきぶぶんただちせいめいのみれられんことほつすればなり。 5これためわれつくたまへるものすなはかみましまし、これほしようとして[せい]れいわれたまひたるなり。 6ればわれいつおくすることなく、このにくたいあひだしゆはなれてるらうするものなることりて、 7げんすがたしんかうもつあゆものなれば、 8えておくすることなく、むしろにくたいはなれてしゆはべらんことほつす。 9ればにくたいるもこれはなるるもみこころかなはんことつとむむ、 10われみなキリストのはふていおいあらはれ、あるひぜんあるひあくおのおのにくたいりてししところむくいらるべければなり。 11かくごとく、われしゆおそたてまつるべきことしりてひとびとすすむ。われあきらかかみられたれば、なんぢりやうしんにもあきらかられたるべきことしんず。 12われまたなんぢまへおのれつるものあらず、ただわれもつほこりとなすきくわいなんぢあたへんとす、これこころにならでおもてほこれるひとびとこたふることさせんためなり。 13すなはわれうかるるもかみためおのことけんそんかたるもまたなんぢためなり。 14けだしキリストのいつくしみわれせまれり、われおもへらく、すべてのひとためひとりたまひしなれば、これすべてのひとしたるなり。 15またキリストが(すべてのひとために)たまひしは、けるひとをしてもはやおのためきず、むしろおのれためかつふくくわつたまひしものためきしめんとてなり。 16ゆゑいまよりのちわれひとにくしんによりてらず、かつてはキリストをにくしんによりてりたりとも、いまもはやかくごとくにしてるにあらず。 17ひともしキリストにれば、あらたつくられたるものとなりて、ふるところすですぎさり、なにごとあらたになりたるなり。 18これことみなかみよりづ、すなはかみはキリストをもつわれおのれわぼくせしめ、かつわぼくつとめわれさづたまへり。 19けだしかみはキリストのうちましましておのれわぼくせしめ、またひとびとそのつみはせず、われゆだぬるにわぼくことばもつてしたまへり。 20ればわれはキリストのためしせつたり、あたかかみわれもつなんぢすすたまふにひとし。キリストにかはりてこひねがふ、かみわぼくたてまつれ。 21つみたまはざるものわれためつみみなたまひしは、われがキリストにおいかみとせられんためなり。

第6章[編集]

1われは[キリストの]じよしゆとして、なんぢかみおんちよういたづらけざらんことすすむ、 2けだしのたまはく、「われときなんぢねがひすくひなんぢたすけたり」と。いまこそはときなれ、いまこそはすくひなれ。 3われせいえきそしられざらんためたれこころをもそこなはず、 4かえつばんじおいおのれかみえきしやとしてあらはす。すなはおほいなるかんにんもつて、くわんなんにも、こんきうにも、くなうにも、 5ふしようするも、かんごくるも、さうらんにも、らうどうにも、てつやにも、だんじきにも。 6ていけつがくしきと、たいにんをんりやうと、せいれい[のかうくわ]といつはりなきあいと、 7しんりことばかみおんちからと、さいうもてぶきとをもつて、 8またそんえいちじよくあくひやうかうひやうとをもつて、ひとまどはすものごとくにしてしかしんじつに、られざるがごとくにしてしかひとられ、 9するにしかくることかくごとく、こらさるるにしかころされず、 10うれふるがごとくなるもつねよろこび、とぼしきがごとくなるもおほくのひとましめ、いうするところなきがごとくにしていつさいいうし、[もつかみえきしやとしておのれあらはすなり]。 11ああコリントじんよ、われくちなんぢひらき、われこころひろくなれり、 12なんぢわれうちせばめらるるにはあらず、なんぢはらわたこそせばきなれ。 13われわがふがごとくにかたらん、われひとしくむくいんためなんぢひらかれよ。 14なんぢしんじやくびきおなじうすることなかれ、けだしふぎなんあづかところかあらん、ひかりやみなんくみするところかあらん、 15キリストとベリアルとなんやくするところかあらん、しんじやしんじやなんかかはところかあらん、 16しんでんぐうざうなんいつちするところかあらん、かみのたまへるごとく、なんぢけるかみの[しん]でんなり、いはく、「われかれらうちみ、かれらあひだあゆまんとす、しかしてわれかれらかみとなり、かれらわがたみとなるべし」、 17また、「しゆのたまはく、ればなんぢかれらうちよりでてこれはなれよ、ふけつなるものにふることなかれ、 18かくわれなんぢけてなんぢちちとなり、なんぢわがしぢよとならん、とぜんのうかみのたまへり」と。

第7章[編集]

1ればわがしあいなるものよ、われこのおんやくそくおのれれいにくすべてのけがれよりきよめ、かみおそたてまつりてせいとなることまつたうすべし。 2われうけいれよ、われたれをもがいせず、たれをもそこなはず、たれをもかすめしことなし。 3かくごとふはなんぢとがめんとにはあらず、せいしともにすべくなんぢわれこころりとはすでひたるところなればなり。 4われなんぢしんようすることおほいにして、なんぢもつほこりとすることおほいなり。われいつさいくわんなんうちおいて、われなぐさめよろこびへず。 5けだしマケドニアにいたりしときわれにくしんいささかやすことなく、いつさいくわんなんひ、そとにはあらそひうちにはおそれありき。 6れどへりくだひとびとなぐさたまかみは、チトのらいちやくりてわれなぐさたまへり。 7ただそのらいちやくりてのみならず、なほかれなんぢうちなぐさめられしなぐさめもつてせり。すなはなんぢわれしたことそのなげきそのねつしんわれげしかば、わがよろこびさらおほいなりき。 8けだしわれしよかんもつなんぢかなしましめたれども、これこうくわいせず、たとひそのしよかんしばしにてもなんぢかなしましめしをこうくわいしたることありとも、 9いまよろこべり。これなんぢかなしみしゆゑあらず、かなしみてかいしんするにいたりたるゆゑなり。なんぢかなしみしはかみしたがひしものなれば、われよりなんらそんがいをもけざるなり。 10けだしかみしたがひてのかなしみは、くいなきたすかりいたるべきかいしんしやうじ、せけんかなしみしやうず。 11なんぢかみしたがひてかなしみしは、いかばかりのふんぱつしかべんばくしかふんげきしかきようふしかあいぼしかねつしんしかつみむることなんぢうちしやうじたるかを。なんぢばんじうへこのけんきてけがれまざることあらはせり。 12ればなんぢかきおくりしは、がいししひとためあらず、がいけしひとためにもあらず、われなんぢたいしてかみみまへてるふんぱつあらはさんためなり。 13かくわれなぐさめなぐさめたるうへなほチトのよろこびによりてひとしほよろこべり。かれせいしんなんぢいちどうりてやすんぜられたればなり。 14われかつかれまへなんぢもつほこりとせしもはじとするところなく、われなんぢかたりしところみなまことなりしごとく、チトのまへほこりしことまたまこととなれり。 15かれなんぢいちどうじゆうじゆんおそれおののきつつおのれくわんげいしたるさまとをおもひいだして、そのはらわたなんぢむかへることさらふかし、 16わればんじにつけてなんぢしんようするをよろこぶ。

第8章[編集]

1きやうだいたちよ、われマケドニア[こく]のしよけうくわいたまはりたるかみおんちようなんぢぐ、 2すなはかれらおびただしきくわんなんためしひたれども、そのよろこびあふれ、そのはなはだしきひんきうは、ゆたかそのをしみなきこころざしとみあらはせり。 3かれらちからおうじて、いなわれかれらためほしようす、ちからいじやうこころよほどこせり。 4すなはしきりせいとたちたいするきよきんあづかめぐみもとめて、 5われきぼういぐわいにもまたみづから、まづおのれしゆまかせ、つぎかみおぼしめしによりてわれにもまかせたり。 6ればわれチトにのぞみて、すでこのじぜんじげふはじめたれば、なんぢうちにもまたこれなしとげんことねがへり。 7ゆゑなんぢしんかうに、げんごに、がくしきに、すべてのふんぱつに、またわれたいするあいに、いつさいおいめるがごとく、このじぜんにもものとなれかし。 8われこれめいずるがごとくにははず、たにんふんぱつもつなんぢあいしんじつこころみんとす。 9けだしなんぢわがしゆイエズス、キリストのおんちようれり、すなはめるものにてましましながら、おのまづしきをもつなんぢましめんとて、なんぢためまづしきものとなりたまひしなり。 10これきてわれくわんこくす、このじぜんなんぢえきあり、けだしなんぢさきこれはじめしのみならず、一ねんまへよりこころざしたることなれば、 11いまじつさいこれしとげよ、これこころざしはやかりしごとく、もちものおうじてなしとぐることまたはやからんためなり。 12たとひこころざことはやくともかなふせらるるはたざるものにらずしててるものにればなり。 13これたにんゆるやかにしてなんぢくるしめんとするにあらず、へいきんためなり。 14げんなんぢあまところは、かれらけつぼうおぎなはざるべからず、しからばかれらあまところまたなんぢけつぼうおぎなひて、へいきんするにいたるべし。かきしるして、 15おほたりしひとあまことなく、すくなたりしひとらざることなかりき」、とあるがごとし。 16かみかんしやす、チトのこころにもなんぢたいしておなふんぱつたまひたるによりて、 17かれすすめれしのみならず、ふんぱつこころなほふかくして、すすみてなんぢもとしゆつたつせり。 18われまたかれともひとりきやうだいつかはしたるが、このひとふくいんきてしよけうくわいあまねほまれある 19のみならず、しゆくわうえいためまたわれこころざしあらはさんためおこなへるじぜんきて、しよけうくわいよりわれたびともとせられたるなり。すなはわれちゆういして、 20たがくきよきんとりあつかふに、ひととがめられざらんとす。 21かみみまへのみならず、ひとまへにもからんことをおもんぱかればなり。 22なほかれらともまたひとりきやうだいつかはしたるが、われそのふんぱつおほくのこときてしばしばみとめたるのみならず、いまおほいになんぢしんようするにりてそのふんぱつしんさらいちじるしきをみとむ。 23ればともたりなんぢたいするけふりよくしやたるチトにおいても、しよけうくわいつかひたりキリストのめいよたるわれきやうだいたちおいても、 24なんぢあいと、われなんぢきてほこれることとのしるししよけうくわいめんぜんあらはせ。

第9章[編集]

1せいとたちためにせらるるきよきんきては、われなんぢかきおくるにおよばず、 2なんぢこころざしおもむけるをればなり。これによりてわれ、アカヤ[しう]はさくねんよりすでじゆんびせりとて、マケドニアじんまへなんぢもつほこりす、かくなんぢふんぱつおびただしきひとびとはげましたるなり。 3しかるをきやうだいたちつかはしたるは、かつなんぢきてほこことこのてんおいむなしからず、すでへるごとじゆんびらんためなり。 4もしマケドニアじんわれともいたりて、なんぢじゆんびいまだらざるをば、このてんおいて、なんぢふにおよばず、おそらくはわれせきめんするならん。 5ゆゑわがきやうだいたちひて、さきだちてなんぢいたり、すでやくそくせられしきよきんを、をしむがごとくにせずめぐむがごとくにして、あらかじそなへかしめんことひつえうおもへり。 6ここおいわれふ、をしみてすくなひとまたすくなり、ゆたかひとまたゆたからん。 7おのおのこころけつせしごとく、をしまず、むをざるにでずしてほどこすべし、かみよろこびてあたふるひとよみたまへばなり。 8そもそもかみすべてのおんちようなんぢうちあふれしめ、なんぢをしていつばんじじふぶんならざるところなく、すべてのぜんげふゆたかならしむることをたまふ、 9かきしるして、「[ぎじん]まきらしてひんじんあたへたり、そのよよそんす」、とあるがごとし。 10ひとたねたまものしよくすべきぱんをもたまひ、なんぢたねふやし、かつなんぢむすたまふべし。 11かくなんぢばんじみ、すべこころよほどこすをもつて、ひとわれきてかみかんしやたてまつるにいたらん。 12けだしこのさいむおこなふは、せいとたちけつぼうおぎなのみならず、なほまたしゆたいしておほくのかんしやゆたかならしむるなり。 13すなはせいとたちこのつとめしようことして、なんぢがキリストのふくいんたいしてあらはところふくじゆうおよかれらにもすべてのひとにもこころよほどこせることきて、かみくわうえいたてまつらん。 14またかみなんぢたまひしすぐれたるおんちようき、なんぢしたひてなんぢためいのらん。 15いいつくがたおんたまものきてかみかんしやたてまつるべし。

第10章[編集]

1めんぜんときなんぢうちへりくだりて、らざるときなんぢたいしてあへだいたんなるわれパウロ、みづからキリストのにうわけんそんとをもつなんぢこひねがふ。 2あるひとびとわれあたかにくしたがひてあゆむがごとおもふがゆゑに、なんぢねがところは、そこりておもはるるだいたんもつあへひとびとむかはざらんことこれなり。 3けだしわれにくおいあゆむといへども、にくしたがひてたたかふにはあらず。 4すなはわれたたかひぶきにくてきあらずして、じやうさいやぶるほどかみによりてつよきなり。これもつはかりごとと、 5かみちしきさからひてたかぶけいりやくはうるゐとをことごとくづし、すべてのりせいとりこにしてキリストにふくじゆうせしむ。 6またなんぢふくじゆうくわんぜんになりたらんときいつさいはいぎやくばつせんとす。 7ぐわいめんことよ、ひとみづからキリストのものなりとおもはば、またかへりみてみづからキリストのものとなるがごとく、われまたしかりとかんがふべし。 8けだしたとひわれけんりよくすなはしゆなんぢやぶためならでつるために、われたまひたるけんりよくきていよいよほこるとも、われせきめんせざるべし。 9ただしわれしよかんもつなんぢおどすとおもはれざらんため、 {{Verse|10|10:――すなはかれらふ、そのしよかんこそきびしくかつつよけれ、まのあたりにはよわだんわつたなしと、―― 11かくごとひとわれらざるときしよかんによりてかたるがごとく、ときまたじつさいしかりとかくごせざるべからず。 12けだしおのれつるひとびとには、われならまたくらぶることあへてせず、かれらおのれもつおのれはかり、おのれおのれくらべてさとらざるものなり。 13われどぐわいほこらず、かみわれはかりてたまひたるぶんかいはかりによりてほこる、そのはかりなんぢにまでおよべることすなはこれなり。 14なんぢまでとどかざるもののごとく、はかりえてばしたるにあらずして、まことにキリストのふくいんもつなんぢおよびたればなり。 15われたにんはたらきもつどぐわいほこらず、ただなんぢしんかういやますにしたがひて、おのぶんかいおうじてなんぢうちますますおほいならんこときぼうし、 16またすでじゆんびせられたるたにんぶんかいほこらずして、なほなんぢえてにもふくいんべんこときぼうす。 17ほこひとよろしくしゆによりてほこるべし、 18よしとせらるるものは、おのれつるひとあらずして、しゆたまところひとなればなり。

第11章[編集]

1こひねがはくはなんぢおろかなるところいささかようしやせんことを、またわれをもようしやせよ。 2わがかみごとねたみもつなんぢためふんぱつし、なんぢひとりをつとおけけつぱくなるせうぢよとしてキリストにいひなづけしたればなり。 3れどおそるるところは、へびかうくわつによりてエワのまどはされしごとく、なんぢこころそこなはれてキリストにたいするしつぼくうしなはんことこれなり。 4けだしひときたりて、われべざりしのキリストをべ、またなんぢかつかうむらざりしれいもしくはかつうけいれざりしふくいんけんか、なんぢこれれん。 5れどわれなにごとおいてもかのだいしとたちおとらずとおもふ、 6けだしだんわにはつたなけれどもがくしきしからず、れどばんじおいなんぢにはけんぜんたり。 7あるひわれなんぢたかめんためみづかへりくだりて、はうしうなくしてかみふくいんべたるがはんざいなりや、 8われけうくわいはぎりてきふきんけ、もつなんぢためつとめ、 9またなんぢうちりてとぼしかりしもたれをもわづらはさず、マケドニアよりきたりしきやうだいたちらざるをおぎなへり、かくごとみづかちゆういして、ばんじおいなんぢわづらはさじとしたるが、いごまたちゆういせんとす。 10われるキリストのしんりによりてちかふ、このめいよはアカヤちはうおいわれきてそこなはれざるべし、 11これなにゆゑぞ、なんぢあいせざるゆゑなるか、かみたまへり。 12おこなところわれなほこれおこなはんとす、これきくわいもとむるひとびときくわいち、かれらをしてみづかほこところきてわれおなじからしめんためなり。 13けだしかかひとびとしとにしてかうくわつなるらうどうしやをキリストのしとよそほへるものなり。 14めづらしきことあらず、サタンすらみづかひかりつかひおのれよそほものなれば、 15そのえきしやまたえきしやごとよそほふはだいじあらず、かれらをはりそのわざかなふべし。 16われふたたはん、われすこしくほこるべければ、たれわれなりとすることなかれ、らずばとしてわれうけいれよ。 17このめいよてんきてかたところは、しゆしたがひてかたるにあらず、なるものごとくにしてかたるなり。 18おほくのひとにくしんじやうほこゆゑに、われまたほこらん。 19けだしなんぢみづかちしやなれば、よろこびてぐしやしのぶなり。 20すなはひとありてなんぢどれいとするも、くひつくすも、かすむるも、たかぶるも、なんぢかほつも、なんぢこれしのぶ。 21はづかしながらわれふ、われこのてんきてよわものごとくなりき。おろかにもはん、ひとあへおくせざるところわれもあえておくせず。 22かれらヘブレオじんなるか、われまたしかり、かれらイスラエルじんなるか、われまたしかり、かれらアブラハムのすゑなるか、われまたしかり、 23かれらキリストのえきしやなるか、われくるへるがごとくにはん、われなほしかり。わがはたらきなほおびただしく、かんごくりしことなほおほく、きずつけられしことむりやうにして、へることしばしばなりき。 24ユデアじんよりじふひとつらずちやうちやくせられしこといつたび25ちけいけしことたびいしなげうたれしことひとたびはせんひしことたびにして、いつちうやあひだかいちゆうりき。 26しばしばりよかうして、かはなんたうぞくなんはうじんよりのなんいはうじんよりのなんとくわいおけなんへきちおけなんかいじやうなんきやうだいよりのなんひ、 27らうどうかつなやみ、しばしばよるねむらず、うゑかわき、だんじきすることたびたびにしてこごかつはだかなりき。 28これぐわいぶことほかまたにちにちさしせまれるしよけうくわいうれひあり、 29よわれるものあるにわれよわらざらんや、つまづものあるにわれこころけざらんや。 30ほこるべくんばじやくてんきてほこらん、 31よよしゆくせられたまわがしゆイエズス、キリストのかみおよちちは、いつはらざることたまふ。 32ダマスコにおいてアレタわうもとなるしうちやうわれとらへんとてダマスコひととくわいまもりしかば、 33われかごもつまどよりいしがきづたひにつりおろされ、そののがれたりき。

第12章[編集]

1ほこるべくんば、むえきことながら、われしゆたまひしまぼろしもくしとにおよばん。 2われはキリストにひとりひとれり、かれは十四ねんぜん、――にくたいりてかにくたいほかりてか、ところあらず、かみしろしめす、――だいてんまでげられしなり。 3われまたれり。このひとは ――にくたいりてかにくたいほかりてかところあらず、かみしろしめす、 4――らくどとりげられて、はずひとかたるべからざることばきしなり。 5われかかひとためほこらんとすれども、わがためにはわがじやくてんほかほこことじ。 6けだしほこらんとすともなるべきにはあらず、まことかたらんとすればなり。れどひとわれところあるひわれよりところぎてわれおもんずることなからんためわれめん。 7かうむりたるもくしゐだいなるにより、われをしてたかぶらざらしめんために、にくしんひとつとげすなはわれつべきサタンのつかひあたへられたり。 8ここおいわがよりらんことたびまでしゆもとたてまつりしに、 9のたまへらく、なんぢにはわがおんちようにてれり、ちからよわうちおいまつたうせらるればなり、と。ればキリストののうりよくわれやどらんために、むしろよろこびてわがじやくてんによりてほこらん。 10ゆゑわれはキリストのためわがじやくてんに、ちじよくに、けつぼうに、はくがいに、くわんなんやすんず、よわときおいてこそつよければなり。 11われおろかになれり、なんぢひられてなり。けだしなんぢよりひきたてらるるはずなりき、われるにらざるものなりといへども、なにごとかのむじやうだいしとおとらざればなり。 12しとたるのしようこは、すべてのにんたいしるしきせきふしぎとによりて、なんぢうへなりたてり。 13そもそもなんぢしよけうくわいよりすくなたりしはなんぞ、あるひなんぢわづらはさざりしことなるか、このふぎわれゆるせ。 14いまたびなんぢいたらんとしてしたくせしが、なほなんぢわづらはさじ、これもとむるところなんぢにして、なんぢもちものあらざればなり。すなはこどもおやためちよちくすべきにあらず、おやこそこどもためこれおこなふべきなれば、たとひなんぢおほあいして、すくなあいせらるることありとも、 15われもつとよろこびてなんぢたましひためつくし、またおのれをもつくさん。 16よしわれなんぢわづらはさざりしも、かうくわつにしてなんぢろうらくせりとせんか、 17れどなんぢつかはししひとびとうちたれもつなんぢろうらくせしぞ。 18チトにたのみ、かれともまたひとりきやうだいつかはししが、チトはなんぢろうらくせしか、われどういつせいしんもつどういつあしあとあゆみしにあらずや。 19なんぢかねて、われなんぢたいしてべんかいすとおもへり、われかみみまへにキリストにりてかたるなり。わがしあいなるものよ、ばんじなんぢとくてんがためなるぞ。 20れどわれおそらくは、あるひいたりてなんぢんに、おもへるごとくならず、またなんぢわれんにも、おもへるがごとくならざらんか、あるひなんぢあひだあらそひねたみうらみさうろんひばうつぶやきたかぶりさうらんあらんか、 21またあるひいたらんときわがかみわれはぢしめたまひて、おほくのひとかつつみをかしたるに、おこなひしふけつしつうはなはだしきつみとをくいあらためざるをなげことあらんか。

第13章[編集]

1いまわれたびなんぢいたらんとす、二三のしようにんくちりて、すべてのことけつせらるべし。 2すでげしことながら、いまわれそこらざれどもるとひとしく、さきつみをかししひとびとおよすべてのひとにもぐ、われふたたいたらばけつしてゆるさじ。 3なんぢキリストのわれおいかたたましようこもとめんとすれば、キリストはなんぢむかひてよわましまさず、なんぢうちおほいにのうりよくあり。 4けだしよわきによりてじふじかけられたまひしかど、かみちからによりてたまへばなり。すなはわれかれおいよわしといへども、かみちからによりてかれともなんぢうちきんとす、 5なんぢしんかうるやいなやを、みづかこころみづかしようせよ、なんぢうちにキリストのましまことみづからざるか、あるひひにんせられたるものなるか、 6われわれひにんせられたるものあらざるをなんぢらんこときぼうす。 7われかみいのるは、なんぢすこしあくさざらんことこれなり。これわれぜにんせられたることあらはれんためあらずして、たとひわれひにんせらるとも、なんぢぜんじおこなはんためなり。 8けだしわれしんりためちからあり、これそむきてはなにごとあたはざればなり。 9われわれよわなんぢつよきをよろこぶ、またいのところなんぢかいぜんなり。 10ふざいにしてこれことかきおくるはいたらんときほろぼさんためならでてんためしゆよりたまはりたるけんりよくもつて、あまりにきびしくせざらんとてなり。 11そのほかきやうだいたちよ、なんぢよろこかつくわんぜんにして、あひなぐさめ、こころおなじうしてへいわたもて、しからばへいわあいとのかみなんぢともましまさん。 12せいなるせつぷんもつたがひよろしくへ、せいとみななんぢよろしくとへり。 13ねがはくはわがしゆイエズス、キリストのおんちようと、かみいつくしみと、せいれいまじはりと、なんぢいちどうともらんことを、アメン。