カラマーゾフの兄弟/著者から

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 私の主人公、アレクセイ・フョードロウィチ・カラマーゾフの伝記を始めるに当たり、私はいくつかの戸惑いを覚えている。それはほかでもない。アレクセイ・フョードロウィチを私の主人公と呼んではいるが、彼が決して偉大な人間でない事を、私自身知っている。したがって次のような避けられない質問が予想される。