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イソップ童話集/猟犬とうさぎ

提供:Wikisource
一ぴきの猟犬が、うさぎを狩り立てて野はら中かけまわったあげく、とうとう、とり逃してしまったので、ぼんやり草のうえでやすんで居ました。
羊かいはそれを見て、
「からだはおまえさんの方がずっと大きいが、かけっこは、あのちびの方がずっと早いね。」
と、からかいますと、猟犬は、
「そんなことはあたりまえじゃないか、おれはただ、主人にほめてもらうために走っているんだが、あいつは命をたすかるために走っているんだもの。」
と、こたえましたとさ。