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イソップ童話集/地蜂と蛇

提供:Wikisource
いっぴきの地蜂が、蛇のあたまをするどく刺しました。
蛇はくるしがって、そこら中、もがきまわりましたが、地蜂はしつこく刺しつづけたまま、はなれようともしません。
蛇はもう死にそうになって、みちばたまで、はい出しますと、そこへ重い荷をつんだ荷車がとおりかかりました。それをみると蛇は、
「おれはどっちみち死ぬのなら、このにくい地蜂もみちづれにしてやらねばならぬ。」
こう云って、じぶんのあたまを車輪の下へつっこんで、地蜂もろともおしつぶされてしまいましたとさ。