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イソップ童話集/ぶたとひつじとやぎ

提供:Wikisource
一ぴきのこぶたが、やぎやひつじのはいっている、こやの中へ、一しょにいれられました。
ひつじかいが、見まわりにくるたびに、ぶたは、うなったり、ないたりして、ひどくあばれましたので、ひつじとやぎは、
「ぶたさん、もう少ししずかにしてもらいたいね、これじゃやかましくてやりきれないよ。」
と、いいますと、ぶたはこたえて、いいました。
「そりゃね、もしも私がお前さんたちと同じような身の上だったら、ちっともさわぐ事もあばれる事もないだろうさ、お前さんたちは毛をとられたり、ちちをとられたりするだけだもの。だが、私はすぐにもいのちをとられるんだからね、しずかになんぞしていられるものか。」