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この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言

ミシェル・ノストラダムス師の予言集>この世紀のいずれかの年のための驚くべき予言(六行詩集)


不世出の最も偉大な天文学者(占星術師)の一人であり、生前にシャルル9世の侍医を務めた故ミシェル・ノストラダムス師の覚書の集録

1605年3月19日にモンモランシー大元帥閣下の邸宅であるシャンティイ城にて、極めて偉大で無敵にして寛大なるフランスとナヴァルの王アンリ4世に対し、ラングドック州ボーケールのヴァンサン・セーヴによって献上されたもの

国王陛下へ

故ミシェル・ノストラダムスによって作成された予言(Propheties)もしくは占筮(pronostications)が取り戻されて数年が経ちます。それは前出のミシェルの甥のアンリ・ノストラダムスを名乗る人物の手許にあったもので、彼が死ぬ前に私に渡したものです。

私はそれを今日まで秘匿してまいりましたが、それらが陛下の政体、特に陛下御自身やその御世継ぎに関することを扱っていることに鑑み、また、陛下がそれを一瞥でもなさってくださり、驚嘆に値する物事を見出していただければお分かり頂けますとおり、逐一正確に成就した六行詩が既にあることも考慮に入れ、私は、身に過ぎたことではありますが、厚かましくもこの小冊子に書き写したものを、陛下に献上させていただくことにしたのです。この小冊子は、彼が作成して1597年に完成した別の2巻本[1]と同じように、献上するに値する驚くべきものです。これは今世紀に起こるであろうことを扱っていますが、彼の最初の作品群でなされていたような非常に曖昧なものではなく、謎と(既に)はっきり明らかになった物事とによって、これから起こる何事かを確実に判断できるようになるものなのです。

私はこのことを、他の誰よりも先に陛下が知ることを望みます。これを献上することによって、私は陛下の従順で忠実な臣民の一人としての義務を果たすことになります。同じく、そのことは私がかつて実現し得なかった最大の善行であることも御考慮いただき、何卒御笑納頂きたく思います。また、それによって、全能者(=神)の御加護ともども、陛下が普段お示しになられているような温厚寛大さを、私めにも思い出させていただきたく存じます。

陛下、(私は)かつて陛下にお仕えした忠実な一臣民としてのこの体のみでなく、魂もまた、陛下の健康と繁栄を祈り続けるものであり、そして陛下が現にそうであり今後もそうであるが如く、陛下に従う者たちもそうである(=安寧である)ようにと祈り続けます。

侍史

陛下のしろしめすラングドック州ボーケール市の卑小にして従順、忠実な僕にして臣下
セーヴ[2]

ノストラダムス師の他の予言集
この世紀のいずれかの年に向けて[3]

1

新たな世紀、新たな結びつき
吊り籠に置かれた侯国
それを奪い去るであろう2人のうちのより強い方へと
(その2人とは)片や大公、片や王。フィレンツェガレー船
マルセイユの港、フランスの乙女
カトリーヌの主要な要塞を、人々は取り壊すだろう

2

どれほど多くの金銀が費やされることか、
伯爵が都市を欲するであろう時には。
何千という兵士たちが
そこで何もしないまま殺され、溺死させられる。
より強い国に足を踏み入れるだろう、
小人族監察官たちを助ける。

3

都市は上も下もなく
掻き乱されるだろう。一千発の
砲弾によって。地下の要塞群。
全てが元通りになるには五年かかるだろう。
そして、その敵たちに開放される。
戦争の後で水が彼らに為すだろう。

4

環と百合の中からとても偉大な王子が生まれるだろう。
遅かれ早かれその地方に来た者。
天秤宮に土星があり興となる一方
金星のあるは力を失う。
それ以降、男装の婦人は動揺する、
ブルボン家のめでたき血筋を維持するために。

5

それは公国が
大蛮行によって保つであろうものである。
ついには彼らは大軍隊を目撃するだろう。
極めて危険な火の攻撃によって。
協定によって、より良いことが為せるだろう。
さもなくば、オレンジの搾り汁を飲むだろう。

6

ロバン[4]の卑劣な企てが
領主たちと大君主たちに痛撃を与えるであろう時
ラ・ファンによって知られ、人々は頭目を斬首するだろう。
風に羽、スペインの女友達。
駅馬車は田舎にあるときに罠にかけられる。
そして作家は水中に投げ込まれるだろう。

7

蛭が狼に加担するだろう
海で小麦が欠けるであろう時に
しかし欲のない大君主は
大使館を通じて蛭に贈るだろう、
小麦を、蛭を生かすために。
欲求に応じてそれを用意するだろう。

8

交易が開かれる少し前
ペルシャから大使が来るだろう。
自由の国にニュースをもたらすために。
しかし、受け入れはなく、希望は空回り。
彼の大神に対する不敬になるだろう。
彼を赦すことを望むために裏切る者。

9

オーヴェルニュの方から二つの基準
左の方が採られる。一時の間、監獄、王国
そして婦人は子供たちを連れて行きたいと思うだろう、
監察官の方へ。しかし、厄介事が露わになる。
死の危険、地を覆うざわめき
ゲルマニア人、バスチーユは兄弟姉妹を囚える。

10

婦人のための大使は、
その船で櫂を置くだろう。
偉大な医師に祈るために
(その医師は)そんな痛みを取り除いてくれるだろう
しかし、女王はそのことに反対するだろう。
その終わりを見る前に大きな痛み

11

この世紀の間に人々は見るだろう。2つの渓流が
その水によってある地方全体を水浸しにするのを。
そして渓流や泉によって沈む
クー、ムーフラン、ベコワラン、アレスは[5]
ガルドン川によって非常にしばしば骨折りをさせられる。
六百と四、別れた者たち、30人の僧侶たち。

12

六百と五、とても大きなニュース、
2人の領主の大喧嘩が
ジェヴォーダン近くで起こるだろう。
寄付の後の教会では
殺人が犯され、司祭は求める、
恐怖で身震いしつつ解放されるだろう。

脚注

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  1. 不明。2巻は「百詩篇集」と「予兆集」で、1567年の誤記とする説もある(Leoni [1982])。
  2. 署名にあるとおり、この献呈文は、ヴァンサン・セーヴによって書かれたとされるもの
  3. ピエール・シュヴィヨが出した1611年版には、この後に「百詩篇第11巻」(Centurie XI.)の言葉がある。また、シュヴィヨが出した別の版では「1600年に始まるこの世紀のいずれかの年に向けて」となっている。
  4. Robin : Bironのアナグラム
  5. Coups & Moufrin Beccoyran, & ales : 順にコン、モンフラン、ブコワラン、アレス(Comps, Monfrin, Boucoiran, Alès)。いずれもガルドン川に近い都市(cf. Lemesurier [1997])

底本と翻訳について

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  • 底本
    • Les Prophéties de M. Michel Nostradamus, s.n., s.l., 1605
    • このテクストはいわゆる「六行詩集」と呼ばれるものである。記事名は1605年版での名称に従った。
    • このテクストは冒頭の献呈文にも現れているように、1605年版が初出であり、いくつかの理由から偽作の可能性を強く指摘されている。
  • 翻訳
    • ウィキソースユーザーのsumaruによる。