続古事談

 
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解題
 
 
続古事談 六巻
 
本書は、古事談に続けて、伝説・逸話等を記したるものにして、古事談と関連して、共に参考に備ふべき書なり。部門は、王道后宮、臣節、神社仏寺、諸道、漢朝とに分ちたり。漢朝の部は、古事談には設けざれども、本書には、巻六の一巻に、悉く記されたり。

本書群書類従本には、巻の三を欠きたり。然れども他の写本には、群書類従本の巻の二を両巻に分ち、巻二巻三と序でたり。今写本に従ひて巻三を置きぬ。但古事談は、全く第三巻の欠けたるものか、又は巻二巻三の両巻が合冊となりたるものか、猶研究を要すれば、後の考を竢つべし。

本書作者詳ならず。但奥書には、左の文を記せり。其の文に云、

古き人の様々の物語を、自ら廃忘に備へんが為に、書あつめ侍りし、忘れて年を経て、筥の底に朽残れり。庵を払ふ塵の中より求出で、暮し兼ねたる雨の中に是を記す。水茎の古き跡を改めて、倭葦原の言種に書流す。是猶要なき仕業なり。早く煙となすべし。建暦七年の卯月の下の三日記之。

と見えたり。されば作者は知れずといへども、作時代は鎌倉にして、而も建暦七年なることは、よく知られたり。

本書は、群書類従本を底本とし、伴信友自筆校本外一写本を以て校訂採収す。

 

  大正三年十二月

 黑川眞道 識

 
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例言
 

、続古事談は、群書類従本を定本とし、伴信友自筆校本を以て校訂を加へ、仮名に漢字を補填して読み易からしめたる所頗る多し。伴信友自筆校本に従つて平仮名とし、類従本の片仮名を改めたり。

、原本の註記並に校合本の書入保存に努め、原本の註記は、小文 字にて割註せる外、()を以て本文中に挿入し、校合本の書入及び當編輯部にて の註記は、共に〔〕を以て區別し、又本文の左に縱線を施したるは、其下にある 括弧內の文字との對照を明にせんが爲めにして、單に縱線を施したる儘のもの は、異本悉く同一文字にして、而も疑しきものを示す。

 
 
目次
 
 

この著作物は、1925年に著作者が亡くなって(団体著作物にあっては公表又は創作されて)いるため、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(回復期日を参照)の時点で著作権の保護期間が著作者(共同著作物にあっては、最終に死亡した著作者)の没後(団体著作物にあっては公表後又は創作後)70年以下である国や地域でパブリックドメインの状態にあります。


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