遺書 (阿南惟幾)

他の版の作品については、遺書をご覧ください。

阿南惟幾の遺書（いしょ）は、1945年（昭和20年）8月14日、東京府麹町区の陸軍大臣仮官邸において陸軍大臣の阿南惟幾が作成した、遺言及び辞世の句が記載された文書である。阿南は、本書を作成後、翌8月15日5時30分に同所で割腹自殺した。死後、本書は、阿南の親族に相続された後、靖国神社に奉納され、現在同社の遊就館に保存されている。

• 註: 文中「（花押）」とは、阿南の花押が記載されていることを指す。
• 註: 本書は手書きの筆記体で記載されているため、本文中の漢字については、原則字体差を基準に、最も原本に近い字体を選択した。字体差が判別できない、又は表現できない字形については、Unicodeにおける標準となる字体を選択した。また、文字の大きさについてもバラツキがあるが、文中では考慮していない。このため、インデントについては、大まかに反映した。

一死以テ大罪ヲ謝シ奉ル

昭和二十年八月十四日夜

陸軍大臣阿南惟幾（花押）

神州不滅ヲ確信シツヽ

大君の深き惠に

あみし身は

言ひ遺こすへき

片言もなし

昭和二十年八月十四日夜

陸軍大将 惟幾（花押）