道徳的律法の解明

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<キリスト教綱要

第二編八章 道徳的律法の解明

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ここに律法の十戒と、その簡潔な解明とを挿入することが、異様であろうとは予は考えない、なぜというに、これによって予の言及したこと、すなわち一たび定め給うた礼拝はいまなを活きていることが、いっそうよく明らかになり、次いで、第二の点、すなわち、ユダヤ人らは十戒によって真の敬虔の条理のいかなるものであるかを学んだのみでなくて、これを遵守するに自らの足らざるを見るや、審判の恐怖によって、不本意ながらではあったが、中保者へと連れ行かれたということに確証を加えるからである。さて神についての真実な知識に必要であるところのことの要約を述べる際に、直ちに神の威厳が襲い来て我々をその礼拝へと緊迫することなしには、神の偉大に就いてわれわれは概念し得ないということを教示した。