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  • の妻の背にかけた。月は昇つた。訶和郎(かわろ)は奴国の追ひ手を警戒するために、剣を抜いたまま眠らなかつた。鼯鼠(むささび)は楠の穴から出てくると、ひとり枝々の間を飛び渡つた。月の映る度毎に、鼯鼠(むささび)の眼は青く光つて輝いた。さして訶和郎の二つの眼と剣の刃は、山韮と刈萱の中で輝いた。…
    163キロバイト (35,872 語) - 2021年8月31日 (火) 22:24