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  • 度これで二度目だ。どういうものか、今度は家を離れたくなかった。厭(いや)だ、厭だ、とお種がいうやつを、無理やりに夫に勧められて出て来た位である。  赤羽で乗替えて、復た東海道線の列車に移った頃は、日暮に近かった。達雄はすこし横に成った。お種はセル地の膝掛(ひざかけ)を夫に掛けてやって、その側で動揺す…
    437キロバイト (86,210 語) - 2022年9月18日 (日) 11:16
  •  二十二年徳の長女たかよが生れた。磐の第二女かつが十月に生れて十二月十三日に夭した。  二十三年八月磐が佐倉の寓を撤して赤羽に舎(やど)つた。当時狩谷矩之が赤羽にゐて東道主人をなしたのである。在桜(ざいあう)日記、在羽(ざいう)日記が良子刀自の許にある。「桜」はさくら、「羽」はあかばねであ…
    1.54メガバイト (342,889 語) - 2024年3月25日 (月) 01:52