朝鮮語文法/第二章
語音は、人類の言語の要素として知覚的な機能を持つものとして、全て感官知覚の対象となる。しかしながら、また語音は、それよりも高度な言語の単位―形態部、語、文―を区別する機能、即ち意義的機能を有する。例えば、互いに異なる意味を有する「갈, 걸, 골, 굴, 글, 길」「감, 남, 담, 밤, 삼, 잠, 참, 탐」等の語を私たちが区別することが出来るのは、何よりもその語音の構成が互いに異なるためで、ここに語音の意義分化的機能を見ることが出来る。
このように、語音は、知覚的機能と意義的機能を持つものとして、全て人々の間の相互交際を可能にする必要な前提条件となっている。
語音を視覚的に固定させるものが文字である。語音と文字は、機能上では全く同一であるために、その差異は、機能の上ではなく、資料的な面の上にのみ存在する。即ち、語音は、聴覚のためのものであるため、これを私たちは、口で発音し、耳で聴くが、文字は、視覚のためのものであるため、これを私たちは、目で見て、文字で書く。
発音と綴字法は、いつでも必ず互いに一致するものではない。「많다」において、文字は6つだが、音は5つ[ㅁㅏㄴㅌㅏ]しかない。「속」では、末 の[ㄱ]音が「ㄱ」として示されているが、「밖」「부엌」「넋」等では、その末音が同じであるにも拘らず、それぞれ「ㄱ」「ㅋ」「ㄳ」として示されている。時には、私たちが全く発音もしないところに文字を書くときもある。例えば、「돐」「값」「 몫」における「ㅅ」、「핥다」の「ㅌ」、「앉다」の「ㅈ」、「ㄴ다」の「」などがそうだ。
一言語で使用される文字の総体を字母と呼ぶ。朝鮮語の字母は、朝鮮語の語音組織及び形態構造上、絶対に必要な新たな文字6字( ㅿ ㆆ )を従来の文字に加えて、次の通りとなる。字母は、一定の順序で排列することとされている。この排列順序は、特に辞典等において語彙を整理するときに遵守される。
字母の順序と名称は、次の通りである。
但し,[히읗]は[히으],[]は[리으],[ᅀᅵ으ᇫ]は[리읃],[ᅙᅵ으ᇹ]は[ᅙᅵ으],[]は[읍]と発音する。
[附記1] 従来二つ以上の文字が合成されたものと見做されたㄲ, ㄸ, ㅃ, ㅆ, ㅐ, ㅒ, ㅔ, ㅖ, ㅚ, ㅟ, ㅢは,音理及び表記処理上必ず一つの文字と考えなければならない。
[附則2] 従来のㅘ, ㅙ, ㅝ, ㅞ等は,ㅏ, ㅐ, ㅓ, ㅔ等と表記されるため(광=ㄱㅏㅇ, 왜=ㅐ, 원=ㅓㄴ, 웬=ㅔㄴ),二つの文字が合成されたものであり,従って字母の中に入りえない。しかしながら,文字改革(ばらし書き)以前においては,従来と同様に,ㅘ, ㅙ, ㅝ, ㅞ等の文字を使用するものとする(광, 왜, 원, 웬)。但し,用言の語幹と吐が結合した「ㅘ」及び「ㅝ」は,文字改革以降においても,形態を固定させるため,「ㅘ」,「ㅝ」と表記しなければならない。
例:
오다 | 와서 | 왔다 |
싸우다 | 싸워서 | 싸웠다 |
배우다 | 배워서 | 배웠다 |
[附則3] 文字改革以前においては,母音で音節が始まる場合,その母音の前にㅇ符を付する。
例:
옷 집안
[附則4] 新たな文字(, , ㅿ, ㆆ, , )の本質,用法に関しては,語音論及び形態論の場所場所で説明されている。
この団体著作物又はその原文は、ウルグアイ・ラウンド協定法の期日(北朝鮮の場合は2003年4月28日)の時点で公表の翌年から起算して50年を経過しており、北朝鮮においてパブリックドメインの状態にありました。
この団体著作物又はその原文は、本国若しくは著作物の最初の発行地又は日本国の著作権法において保護期間が満了しているため、日本国においてパブリックドメインの状態にあります。(北朝鮮著作権法第24条及び日本国著作権法第58条参照。)
この著作物又はその原文は、アメリカ合衆国外で最初に発行され、及びその後30日以内にアメリカ合衆国で発行されておらず、並びに1978年より前にアメリカ合衆国の著作権の方式に従わずに発行され、又は1978年より後に著作権表示なしに発行され、並びにウルグアイ・ラウンド協定法の期日に本国でパブリックドメインになっていたため、アメリカ合衆国においてパブリックドメインの状態にあります。
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