海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約

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海上にある軍隊の傷者、病者及び難船者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約

前文[編集]

 千九百六年のジュネーヴ条約の原則を海戦に応用するための千九百七年十月十八日の第十ヘーグ条約を改正するために千九百四十九年四月二十一日から同年八月十二日までジュネーヴで開催された外交会議に代表された政府の全権委員たる下名は、次のとおり協議した。

第一章 総則[編集]

第一条(条約の尊重)[編集]

 締約国は、すべての場合において、この条約を尊重し、且つ、この条約の尊重を確保することを約束する。

第二条(条約の適用)[編集]

 平時に実施すべき規定の外、この条約は、二以上の締約国の間に生ずるすべての宣言された戦争又はその他の武力紛争の場合について、当該締約国の一が戦争状態を承認するとしないとを問わず、適用する。
 この条約は、また、一締約国の領域の一部又は全部が占領されたすべての場合について、その占領が武力抵抗を受けると受けないとを問わず、適用する。
 紛争当事国の一がこの条約の締約国でない場合にも、締約国たる諸国は、その相互の関係においては、この条約によって拘束されるものとする。更に、それらの諸国は、締約国でない紛争当事国がこの条約の規定を受諾し、且つ、適用するときは、その国との関係においても、この条約によって拘束されるものとする。

第三条(国際的性質を有しない紛争)[編集]

 締約国の一の領域内に生ずる国際的性質を有しない武力紛争の場合には、各紛争当事者は、少くとも次の規定を適用しなければならない。
(1) 敵対行為に直接に参加しない者(武器を放棄した軍隊の構成員及び病気、負傷、抑留その他の事由により戦闘外に置かれた者を含む。)は、すべての場合において、人種、色、宗教若しくは信条、性別、門地若しくは貧富又はその他類似の基準による不利な差別をしないで人道的に待遇しなければならない。
 このため、次の行為は、前記の者については、いかなる場合にも、また、いかなる場所でも禁止する。
(a) 生命及び身体に対する暴行、特に、あらゆる種類の殺人、傷害、虐待及び拷問
(b) 人質
(c) 個人の尊厳に対する侵害、特に、侮辱的で体面を汚す待遇
(d) 正規に構成された裁判所で文明国民が不可欠と認めるすべての裁判上の保障を与えるものの裁判によらない判決の言渡及び刑の執行
(2) 傷者、病者及び難船者は、収容して看護しなければならない。
 赤十字国際委員会のような公平な人道的機関は、その役務を紛争当事者に提供することができる。
 紛争当事者は、また、特別の協定によって、この条約の他の規定の全部又は一部を実施することに努めなければならない。
 前記の規定の適用は、紛争当事者の法的地位に影響を及ぼすものではない。

第四条(適用の範囲)[編集]

 紛争当事国の陸軍と海軍との間の敵対行為の場合には、この条約の規定は、船内の軍隊にのみ適用する。
 上陸した軍隊は、直ちに、戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約の規定の適用を受けるものとする。

第五条(中立国による適用)[編集]

 中立国は、その領域内に収容し、又は抑留した紛争当事国の軍隊の傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員並びにその領域内に収容した死者に対し、この条約の規定を準用しなければならない。

第六条(特別協定)[編集]

 締約国は、第十条、第十八条、第三十一条、第三十八条、第三十九条、第四十条、第四十三条及び第五十三条に明文で規定する協定の外、別個に規定を設けることを適当と認めるすべての事項について、他の特別協定を締結することができる。いかなる特別協定も、この条約で定める傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員の地位に不利な影響を及ぼし、又はこの条約でそれらの者に与える権利を制限するものであってはならない。
 傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員は、この条約の適用を受ける間は、前記の協定の利益を引き続き享有する。但し、それらの協定に反対の明文規定がある場合又は紛争当事国の一方若しくは他方がそれらの者について一層有利な措置を執った場合は、この限りでない。

第七条(権利の不放棄)[編集]

 傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員は、いかなる場合にも、この条約及び、前条に掲げる特別協定があるときは、その協定により保障される権利を部分的にも又は全面的にも放棄することができない。

第八条(利益保護国)[編集]

 この条約は、紛争当事国の利益の保護を任務とする利益保護国の協力により、及びその監視の下に適用されるものとする。このため、利益保護国は、その外交職員又は領事職員の外、自国の国民又は他の中立国の国民の中から代表を任命することができる。それらの代表は、任務を遂行すべき国の承認を得なければならない。
 紛争当事国は、利益保護国の代表者又は代表の職務の遂行をできる限り容易にしなければならない。
 利益保護国の代表者又は代表は、いかなる場合にも、この条約に基く自己の使命の範囲をこえてはならない。それらの者は、特に、任務を遂行する国の安全上絶対的に必要なことには考慮を払わなければならない。それらの者の活動は、絶対的な軍事上の必要がある場合に限り、例外的且つ一時的措置として制限することができる。

第九条(赤十字国際委員会の活動)[編集]

 この条約の規定は、赤十字国際委員会その他の公平な人道的団体が傷者、病者、難船者、衛生要員又は宗教要員の保護及び救済のため関係紛争当事国の同意を得て行う人道的活動を妨げるものではない。

第十条(利益保護国の代理)[編集]

 締約国は、公平及び有効性についてすべての保障をする団体に対し、いつでも、この条約に基く利益保護国の任務を委任することに同意することができる。
 傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員が、理由のいかんを問わず、利益保護国若しくは前項に規定するいずれかの団体の活動による利益を受けない場合又はその利益を受けなくなった場合には、抑留国は、中立国又は同項に規定するいずれかの団体に対し、紛争当事国により指定された利益保護国がこの条約に基いて行う任務を引き受けるように要請しなければならない。
 保護が前項により確保されなかったときは、抑留国は、赤十字国際委員会のような人道的団体に対し、利益保護国がこの条約に基いて行う人道的任務を引き受けるように要請し、又は、本条の規定を留保して、その団体による役務の提供の申出を承諾しなければならない。
 前記の目的のため当該国の要請を受け、又は役務の提供を申し出る中立国又は団体は、この条約によって保護される者が属する紛争当事国に対する責任を自覚して行動することを要求され、また、その任務を引き受けて公平にこれを果す能力があることについて充分な保障を与えることを要求されるものとする。
 軍事的事件、特に、領域の全部又は主要な部分が占領されたことにより、一時的にでも相手国又はその同盟国と交渉する自由を制限された一国を含む諸国間の特別協定は、前記の規定とてい触するものであってはならない。
 この条約において利益保護国とは、本条にいう団体をも意味するものとする。

第十一条(調停手続)[編集]

 利益保護国は、この条約によって保護される者の利益のために望ましいと認める場合、特に、この条約の規定の適用又は解釈に関して紛争当事国の間に紛議がある場合には、その紛議を解決するために仲介をしなければならない。
 このため、各利益保護国は、紛争当事国の一の要請又は自国の発意により、紛争当事国に対し、それぞれの代表者、特に、傷者、病者、衛生要員及び宗教要員(第二条約…傷者、病者、難船者、衛生要員及び宗教要員。第三条約…捕虜。第四条約…被保護者。)について責任を負う当局ができれば適当に選ばれた中立の地域で会合するように提案することができる。紛争当事国は、自国に対するこのための提案に従わなければならない。利益保護国は、必要がある場合には、紛争当事国に対し、その承認を求めるため、中立国に属する者又は赤十字国際委員会の委任を受けた者で前記の会合に参加するように招請されるものの氏名を提出することができる。

第二章 傷者、病者及び難船者[編集]

第十二条(保護及び看護)[編集]

 次条に掲げる軍隊の構成員及びその他の者で、海上にあり、且つ、傷者、病者又は難船者であるものは、すべての場合において、尊重し、且つ、保護しなければならない。この場合において、「難船」とは、原因のいかんを問わず、あらゆる難船をいい、航空機による又は航空機からの海上への不時着を含むものとする。
 それらの者をその権力内に有する紛争当事国は、それらの者を性別、人種、国籍、宗教、政治的意見又はその他類似の基準による差別をしないで人道的に待遇し、且つ、看護しなければならない。それらの者の生命又は身体に対する暴行は、厳重に禁止する。特に、それらの者は、殺害し、みな殺しにし、拷問に付し、又は生物学的実験に供してはならない。それらの者は、治療及び看護をしないで故意に遺棄してはならず、また、伝染又は感染の危険にさらしてはならない。
 治療の順序における優先権は、緊急な医療上の理由がある場合に限り、認められる。
 女子は、女性に対して払うべきすべての考慮をもって待遇しなければならない。

第十三条(保護される者)[編集]

 この条約は、海上にある傷者、病者及び難船者で次の部類に属するものに適用する。
(1) 紛争当事国の軍隊の構成員及びその軍隊の一部をなす民兵隊又は義勇隊の構成員
(2) 紛争当事国に属するその他の民兵隊及び義勇隊の構成員(組織的抵抗運動団体の構成員を含む。)で、その領域が占領されているかどうかを問わず、その領域の内外で行動するもの。但し、それらの民兵隊又は義勇隊(組織的抵抗運動団体を含む。)は、次の条件を満たすものでなければならない。
(a) 部下について責任を負う一人の者が指揮していること。
(b) 遠方から認識することができる固着の特殊標章を有すること。
(c) 公然と武器を携行していること。
(d) 戦争の法規及び慣例に従って行動していること。
(3) 正規の軍隊の構成員で、抑留国が承認していない政府又は当局に忠誠を誓ったもの
(4) 実際には軍隊の構成員でないが軍隊に随伴する者、たとえば、文民たる軍用航空機の乗組員、従軍記者、需品供給者、労務隊員又は軍隊の福利機関の構成員等。但し、それらの者がその随伴する軍隊の認可を受けている場合に限る。
(5) 紛争当事国の商船の乗組員(船長、水先人及び見習員を含む。)及び民間航空機の乗組員で、国際法の他のいかなる規定によっても一層有利な待遇の利益を享有することがないもの
(6) 占領されていない領域の住民で、敵の接近に当り、正規の軍隊を編成する時日がなく、侵入する軍隊に抵抗するために自発的に武器を執るもの。但し、それらの者が公然と武器を携行し、且つ、戦争の法規及び慣例を尊重する場合に限る。

第十四条(交戦国への引渡)[編集]

 一交戦国のすべての軍艦は、船舶又は舟艇の国籍のいかんを問わず、軍用病院船、救済団体又は私人に属する病院船、商船、ヨット及びその他の舟艇内の傷者、病者及び難船者の引渡を要求する権利を有する。但し、傷者及び病者が移動することができる状態にあり、且つ、当該軍鑑が必要な医療上の手当を行うのに充分な便益を提供することができる場合に限る。

第十五条(中立国の軍艦に収容された傷者)[編集]

 傷者、病者又は難船者が中立国の軍艦又は軍用航空機に収容された場合において、国際法上の要求があるときは、それらの者が軍事行動に再び参加することができないようにしなければならない。

第十六条(敵の権力内にある傷者)[編集]

 第十二条の規定に従うことを条件として、交職国の傷者、病者及び難船者で敵の権力内に陥ったものは、捕虜となるものとし、捕虜に関する国際法の規定が、それらの者に適用される。それらの者を捕虜とした者は、それらの捕虜を抑留すべきか又は自国の港、中立国の港若しくは敵国の領域内の港に送るべきかを事情に応じて決定することができる。この最後の場合には、本国に送還された捕虜は、戦争の継続中、軍務に服してはならない。

第十七条(中立国の港に上陸した傷者)[編集]

 現地当局の同意を得て中立国の港に上陸する傷者、病者及び難船者は、国際法上の要求があるときは、中立国と交戦国との間に反対の取極がない限り、軍事行動に再び参加することができないように中立国が監視しなければならない。
 それらの者の入院及び抑留の費用は、傷者、病者及び難船者が属する国が負担する。

第十八条(交戦後の死傷者の捜索)[編集]

 紛争当事国は、交戦の後には、傷者、病者及び難船者を捜索し、及び収容し、それらの者をりゃく奪及び虐待から保護し、それらの者に対する充分な看護を確保し、並びに死者を捜索し、及び死者がはく奪を受けることを防止するため、遅滞なくすべての可能な措置を執らなければならない。
 事情が許すときはいつでも、攻囲され、又は包囲された地域にある傷者及び病者の海路による収容並びにそれらの地域へ向う衛生要員、宗教要員及び衛生材料の通過に関し、紛争当事国相互間で現地取極を結ぶことができる。

第十九条(記録及び情報の送付)[編集]

 紛争当事国は、その権力内に陥った敵国の傷者、病者、難船者及び死者に関し、それらの者の識別に役立つ明細をできる限りすみやかに記録しなければならない。それらの記録は、できる限り次の事項を含むものでなければならない。
(a) その者が属する国
(b) 軍の名称、連隊の名称、個人番号又は登録番号
(c) 姓
(d) 名
(e) 生年月日
(f) 身分証明書又は識別票に掲げるその他の明細
(g) 捕虜とされた年月日及び場所又は死亡の年月日及び場所
(h) 負傷若しくは疾病に関する明細又は死亡の原因
 前記の情報は、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約第百二十二条に掲げる捕虜情報局にできる限りすみやかに送付しなければならない。捕虜情報局は、利益保護国及び中央捕虜情報局の仲介により、それらの者が属する国にその情報を伝達しなければならない。
 紛争当事国は、死亡証明書又は正当に認証された死者名簿を作成し、且つ、捕虜情報局を通じて相互にこれを送付しなければならない。紛争当事国は、同様に、死者について発見された複式の識別票の一片又は、単式の識別票の場合には、識別票、遺書その他近親者にとって重要な書類、金銭及び一般に内在的価値又は感情的価値のあるすべての物品を取り集め、且つ、捕虜情報局を通じて相互にこれらを送付しなければならない。それらの物品は、所属不明の物品とともに封印して小包で送らなければならない。それらの小包には、死亡した所有者の識別に必要なすべての明細を記載した記述書及び小包の内容を完全に示す表を附さなければならない。

第二十条(病院船の保護)[編集]

 紛争当事国は、死亡を確認すること、死者を識別すること及び報告書の作成を可能にすることを目的として、事情が許す限り各別に行われる死者の水葬を行う前に、死体の綿密な検査、できれば医学的検査を行うことを確保しなければならない。復式の識別票が使用されている場合には、その一片は、死体に残さなければならない。
 死者は、陸に移された後は、戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約の規定の適用を受けるものとする。

第二十一条(保護の消滅)[編集]

紛争当事国は、中立国の商船、ヨット又はその他の舟艇の船長に対し、傷者、病者及び難船者を船内に収容し、且つ、看護し、並びに死者を船内に収容するように、その慈善心に訴えることができる。
 この要請に応じたすべての種類の船舶及び傷者、病者及び難船者を自発的に収容した船舶は、それらの援助を行うために特別の保護及び便益を享有する。
 それらの船舶は、いかなる場合にも、そのような輸送を理由としては捕獲されないものとする。但し、反対の約束がない限り、中立違反の行為があった場合には、そのため捕獲されるものとする。

第三章 病院船[編集]

第二十二条(軍用病院船)[編集]

 軍用病院船、すなわち、傷者、病者及び難船者に援助を与え、それらの者を治療し、並びにそれらの者を輸送することを唯一の目的として国が特別に建造し、又は設備した船舶は、いかなる場合にも、攻撃し、又は捕獲してはならないものとし、また、それらの船舶が使用される十日前にその船名及び細目が紛争当事国に通告されることを条件として、常に尊重し、且つ、保護しなければならない。
 前記の通告において掲げる細目は、登録総トン数、船首から船尾までの長さ並びにマスト及び煙突の数を含むものでなければならない。

第二十三条(海岸施設)[編集]

 戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約の保護を受ける権利を有する海岸施設は、海上からの砲撃又は攻撃から保護しなければならない。

第二十四条(救済団体の病院船)[編集]

 各国赤十字社、公に公認された救済団体又は私人により使用される病院船は、それらが属する紛争当事国により公の使命を与えられ、且つ、第二十二条に定める通告が行われた場合には、軍用病院船と同一の保護を受けるものとし、また、捕獲されないものとする。
 これらの船舶は、責任のある当局が発給した証明書でそれらの船舶がぎ装中及び発航の際その監督下にあった旨を記載するものを備えなければならない。

第二十五条(中立国救済団体の病院船)[編集]

 中立国の赤十字社、公に承認された救済団体又は私人により使用される病院船は、あらかじめ自国政府の同意及び関係紛争当事国の認可を得て紛争当事国の一の管理の下にあることを条件として、第二十二条に定める通告が行われた場合に限り、軍用病院船と同一の保護を受けるものとし、また、捕獲されないものとする。

第二十六条(トン数)[編集]

 第二十二条、第二十四条及び第二十五条に掲げる保護は、いかなるトン数の病院船及びその救命艇についても、それらが作業を行っている場所のいかんを問わず、適用する。紛争当事国は、安楽及び安全を最大限に確保するため、公海における遠距離にわたる傷者、病者及び難船者の輸送には、総トン数二千トン以上の病院船のみを使用するように努めなければならない。

第二十七条(沿岸救助艇)[編集]

 沿岸救助作業のため国又は公に承認された救助団体により使用される小舟艇は、第二十二条及び第二十四条に定める条件と同様の条件で、作戦上の要求が許す限り、同様に尊重し、且つ、保護しなければならない。

第二十八条(病室の保護)[編集]

 軍艦内で戦闘が行われる場合には、できる限り病室を尊重し、且つ、これに対する攻撃を差し控えなければならない。それらの病室及びその設備は、引き続き戦争法規の適用を受けるものとする。但し、傷者及び病者のため必要とされる限り、その使用目的を変更してはならない。もっとも、それらの病室及び設備をその権力内に有するに至った指揮官は、緊急な軍事上の必要がある場合には、それらの病室の中に収容されている傷者及び病者に対する適当な看護を確保した後、それらの病室及び設備を他の目的に使用することができる。

第二十九条(占領地の港にある病院船)[編集]

 敵の権力内に陥った港にある病院船は、その港から出港することを許される。

第三十条(病院船、小舟艇の使用)[編集]

 第二十二条、第二十四条、第二十五条及び第二十七条に掲げる船舶及び小舟艇は、傷者、病者及び難船者に対し、その国籍のいかんを問わず、救済及び援助を与えなければならない。
 締約国は、それらの船舶及び小舟艇をいかなる軍事目的のためにも使用しないことを約束する。
 それらの船舶及び小舟艇は、いかなる方法によっても、戦闘員の行動を妨げてはならない。
 戦闘の間であると戦闘の後であるとを問わず、それらの船舶及び小舟艇は、自己の危険において行動するものとする。

第三十一条(監督、臨検捜索)[編集]

 紛争当事国は、第二十二条、第二十四条、第二十五条及び第二十七条に掲げる船舶及び小舟艇を監督し、及び臨検捜索する権利を有する。紛争当事国は、それらの船舶及び小舟艇からの援助を拒否し、それらに退去することを命じ、その航行すべき方向を指定し、その無線電信その他の通信手段の使用を監督し、並びに、重大な事情により必要がある場合には、停船を命じた時から七日をこえない期間それらを抑留することができる。
 紛争当事国は、船内に一人の監督官を臨時に乗り込ませることができる。その監督官は、前項の規定に従って与えられる命令が遂行されることを唯一の任務とする。
 紛争当事国は、できる限り、病院船の船長に与えた命令を当該船長が理解する言語で病院船の航海日誌に記入しなければならない。
 紛争当事国は、この条約の規定の厳格な遵守を証明させるため、一方的に又は特別の合意により中立国のオブザーヴァーを病院船に乗り込ませることができる。

第三十二条(中立国の港における碇泊)[編集]

 第二十二条、第二十四条、第二十五条及び第二十七条に掲げる船舶及び小舟艇は、中立国の港におけるてい泊に関しては、軍艦と同一視されることはないものとする。

第三十三条(改装された商船)[編集]

 病院船に改装された商船は、敵対行為が継続する期間を通じ、他のいかなる使用にも充ててはならない。

第三十四条(保護の消滅)[編集]

 病院船及び軍艦内の病室が享有することができる保護は、それらが人道的任務から逸脱して敵に有害な行為を行うために使用された場合を除く外、消滅しないものとする。但し、その保護は、すべての適当な場合に合理的な期限を定めた警告が発せられ、且つ、その警告が無視された後でなければ、消滅させることができない。
 病院船は、特に、その無線電信その他の通信手段のために暗号を所持し、又は使用してはならない。

第三十五条(保護をはく奪してはならない条件)[編集]

 次の事実は、病院船又は軍艦内の病室に与えられる保護をはく奪する理由としてはならない。
(1) 当該病院船又は軍艦内の病室の乗組員が秩序の維持並びに自衛又は傷者及び病者の防衛のために武装していること。
(2) もっぱら航海又は通信を容易にするための装置が船内にあること。
(3) 傷者、病者及び難船者から取り上げた携帯用武器及び弾薬でまだ適当な機関に引き渡されていないものが当該病院船又は軍艦内の病室にあること。
(4) 当該病院船及び軍艦内の病室又はそれらの乗組員の人道的活動が文民たる傷者、病者又は難船者の看護に及んでいること。
(5) 当該病院船がもっぱら衛生上の任務に充てられる設備及び要員を通常の必要以上に輸送していること。

第四章 要員[編集]

第三十六条(病院船の要員の保護)[編集]

 病院船の宗教要員、衛生要員及び看護員並びにその乗組員は、尊重し、且つ、保護しなければならない。それらの者は、病院船で勤務している間は、船内に傷者及び病者がいるといないとを問わず、捕えてはならない。

第三十七条(その他の船舶の要員)[編集]

 第十二条及び第十三条に掲げる者の衛生上又は精神上の看護に従事する宗教要員、衛生要員及び看護員は、敵の権力内に陥った場合においても、尊重され、且つ、保護されるものとする。それらの要員は、傷者及び病者の看護のために必要である限り、その任務を引き続き行うことができる。それらの要員は、それらの者をその権限の下に置く総指揮官が可能と認めるときは、直ちに送還されるものとする。それらの要員は、船舶を離れるに当っては、その私有の財産を持ち去ることができる。
 もっとも、捕虜の衛生上又は精神上の要求により前記の要員の一部を抑留することが必要である場合には、できる限りすみやかにそれらの要員を下船させるため、あらゆる措置を執らなければならない。
 抑留された要員は、下船と同時に、戦地にある軍隊の傷者及び病者の状態の改善に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約の規定の適用を受けるものとする。

第五章 衛生上の輸送手段[編集]

第三十八条(衛生設備輸送の傭船)[編集]

 衛生上の輸送の目的のためによう船された船舶は、その航海に関する明細が敵国に通告され、且つ、敵国によって承認されていることを条件として、もっぱら軍隊の傷者及び病者の治療又は疾病の予防のために充てられる設備を輸送することを許される。敵国は、輸送船を臨検する権利を有する。但し、それらを捕獲し、又はそれらが輸送中の設備を押収する権利は、有しない。
 紛争当事国間の合意により、輸送中の設備の検査証明に当らせるため、前記の船舶に中立国のオブザーヴァーを乗り込ませることができる。このため、そのオブザーヴァーは、それらの設備を自由に検査することができる。

第三十九条(衛生航空機)[編集]

 紛争当事国は、衛生航空機、すなわち、もっぱら傷者、病者及び難船者の収容並びに衛生要員及び衛生材料の輸送に使用される航空機を、それらの航空機が関係紛争当事国の間で特別に合意された高度、時刻及び路線に従って飛行している間、攻撃の対象としてはならず、尊重しなければならない。
 衛生航空機は、その下面、上面及び側面に、第四十一条に定める特殊標章を自国の国旗とともに明白に表示しなければならない。衛生航空機は、敵対行為の開始の際又は敵対行為が行われている間に交戦国の間で合意される他の標識又は識別の手段となるものを付さなければならない。
 反対の合意がない限り、敵の領域又は占領地域の上空の飛行は、禁止する。
 衛生航空機は、着陸又は着水を要求された場合には、その要求に従わなければならない。そうして着陸を強制された場合には、航空機及びその要員は、検査があるときはそれを受けた後、飛行を継続することができる。
 傷者、病者及び難船者並びに衛生航空機の乗員は、敵の領域又は占領地域内に不時着陸又は不時着水した場合には、捕虜となるものとする。衛生要員は、第三十六条及び第三十七条の規定に従って待遇されるものとする。

第四十条(中立国上空の飛行)[編集]

 紛争当事国の衛生航空機は、第二項の規定に従うことを条件として、中立国の領域の上空を飛行し、必要がある場合にはその領域に着陸し、又はその領域を寄航地として使用することができる。それらの衛生航空機は、当該領域の上空の通過を事前に中立国に通告し、且つ、着陸又は着水のすべての要求に従わなければならない。それらの衛生航空機は、紛争当事国と関係中立国との間で特別に合意された路線、高度及び時刻に従って飛行している場合に限り、攻撃を免かれるものとする。
 もっとも、中立国は、衛生航空機が自国の領域の上空を飛行すること又は自国の領域内に着陸することに関し、条件又は制限を附することができる。それらの条件又は制限は、すべての紛争当事国に対して平等に適用しなければならない。
 中立国と紛争当事国との間に反対の合意がない限り、現地当局の同意を得て衛生航空機が中立地城に積み卸す傷者、病者及び難船者は、国際法上必要がある場仝には、軍事行動に再び参加することができないように中立国が抑留するものとする。それらの者の入院及び収容のための費用は、それらの者が属する国が負担しなければならない。

第六章 特殊標章[編集]

第四十一条(標章の使用)[編集]

 白地に赤十字の紋章は、権限のある軍当局の指示に基き、衛生機関が使用する旗、腕章及びすべての材料に表示しなければならない。
 もっとも、赤十字の代りに白地に赤新月又は赤のライオン及び太陽を特殊標章として既に使用している国については、それらの標章は、この条約において同様の認められるものとする。

第四十二条(要員の識別)[編集]

 第三十六条及び第三十七条に掲げる要員は、特殊標章を付した防水性の腕章で軍当局が発給し、且つ、その印章を押したものを左腕につけなければならない。
 前記の要員は、第十九条に掲げる身分証明書の外、特殊標章を付した特別の身分証明書を携帯しなければならない。この証明書は、防水性で、且つ、ポケットに入る大きさのものでなければならない。この証明書は、自国語で書かれていなければならず、また、この証明書には、所持者の氏名、生年月日、階級及び番号を示され、且つ、その者がいかなる資格においてこの条約の保護を受ける権利を有ずるかが記載されていなければならない。この証明書には、所持者の写真及び署名若しくは指紋又はそれらの双方を附さなければならない。この証明書には、軍当局の印章を浮出しにして押さなければならない。
 身分証明書は、同一の軍隊を通じて同一の型式のものであり、且つ、できる限りすべての締約国の軍隊を通じて類似の型式のものでなければならない。紛争当事国は、この条約に例として附属するひな型にならうことができる。紛争当事国は、敵対行為の開始の際、その使用する身分証明書のひな型を相互に通報しなければならない。身分証明書は、できれば少くとも二通作成しなければならず、その一通は、本国が保管しなければならない。
 いかなる場合にも、前記の要員は、その記章又は身分証明書を奪われないものとし、また、腕章をつける権利をはく奪されないものとする。それらの要員は、身分証明書又は記章を紛失した場合には、身分証明書の複本を受領し、又は新たに記章の交付を受ける権利を有する。

第四十三条(病院船の標識)[編集]

 第二十二条、第二十四条、第二十五条及び第二十七条に掲げる船舶及び小舟艇は、次のように特別の表示をしなければならない。
(a) すべての外面は、白色とする。
(b) 海上及び空中からの最大限の可視度を確保するように、できる限り大きい一又は二以上の濃色の赤十字を船体の各側面及び水平面に塗って表示するものとする。
 すべての病院船は、その国旗を掲げることによって識別されるものとし、また、それらの病院船が中立国に属している場合には、その外にそれらの病院船が指揮を受ける紛争当事国の国旗を掲げることによって識別されるものとする。メイン・マストには、白地に赤十字の旗をできる限り高く掲げなければならない。
 病院船の救命艇、沿岸救命艇及び衛生機関により使用されるすべての小舟艇は、白色に塗り、且つ、明白な濃色の赤十字を表示するものとし、また、一般に、病院船のための前記の識別方法に従うものとする。
 前記の船舶及び小舟艇で、それらが受ける権利がある保護を夜間及び司視度が減少したときに確保することを希望するものは、それらをその権限の下に置く紛争当事国の同意を条件として、その塗装及び特殊標章を充分に明白にするため必要な措置を執らなければならない。
 第三十一条に従って一時的に敵国により抑留された病院船は、それらが属する紛争当事国又はそれらが指揮を受ける紛争当事国の国旗をおろさなければならない。
 沿岸救命艇は、占領された基地から占領国の同意を得て引き続き作業する場合には、すべての関係紛争当事国に対して予告することを条件として、基地を離れている間、白地に赤十字を付した旗とともに自国の国旗を掲げることを許される。
 赤十字の標章に関する本条のすべての規定は、第四十一条に掲げるその他の標章についても、ひとしく適用する。
 紛争当事国は、病院船の識別を容易にするための最新式の方法を使用するため、相互に協定を締結するように常に努力しなければならない。

第四十四条(標識の使用制限)[編集]

 第四十三条に掲げる識別用の標章は、他のいずれかの国際条約又はすべての関係紛争当事国間の協定に規定する場合を除く外、平時であると戦時であるとを問わず、同条に掲げる船舶の標識又は保護のためにのみ使用することができる。

第四十五条(濫用の防止)[編集]

 締約国は、自国の法令が充分なものでないときは、第四十三条に定める識別用の標章の濫用を常に防止し、且つ、抑止するため必要な措置を執らなければならない。

第七章 条約の実施[編集]

第四十六条(細目の実施)[編集]

 各紛争当事国は、その総指揮官を通じ、この条約の一般原則に従い、前各条の細目にわたる実施を確保し、且つ、この条約の予見しない事件に備えなければならない。

第四十七条(復仇の禁止)[編集]

 この条約によって保護される傷者、病者、難船者、要員、船舶、小舟艇又は材料に対する報復的処置は、禁止する。

第四十八条(条約の普及)[編集]

 締約国は、この条約の原則を自国のすべての住民、特に、戦闘部隊、衛生要員及び宗教要員に知らせるため、平時であると戦時であるとを問わず、自国においてこの条約の本文をできる限り普及させること、特に、軍事教育及びできれば非軍事教育の課目中にこの条約の研究を含ませることを約束する。

第四十九条(訳文、適用法令)[編集]

 締約国は、スイス連邦を通じて、また、敵対行為が行われている間は利益保護国を通じて、この条約の公の訳文及び締結国がこの条約を確保するために制定する法令を相互に通知しなければならない。

第八章 濫用及び違反の防止[編集]

第五十条(罰則)[編集]

 締約国は、次条に定義するこの条約に対する重大な違反行為の一を行い、又は行うことを命じた者に対する有効な刑罰を定めるため必要な立法を行うことを約束する。
 各締約国は、前記の重大な違反行為を行い、又は行うことを命じた疑のある者を捜査する義務を負うものとし、また、その者の国籍のいかんを問わず、自国の裁判所に対して公訴を提起しなければならない。各締約国は、また、希望する場合には、自国の法令の規定に従って、その者を他の関係締約国の裁判のため引き渡すことができる。但し、前記の関係締約国が事件について一応充分な証拠を示した場合に限る。
 各締約国は、この条約の規定に違反する行為で次条に定義する重大な違反行為以外のものを防止するため必要な措置を執らなければならない。
 被告人は、すべての場合において、捕虜の待遇に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ条約第百五条以下に定めるところよりも不利でない正当な裁判及び防ぎょの保障を享有する。

第五十一条(重大な違反行為)[編集]

 前条にいう重大な違反行為とは、この条約が保護する人又は物に対して行われる次の行為、すなわち、殺人、拷問若しくは非人道的待遇(生物学的実験を含む。)、身体若しくは健康に対して故意に重い苦痛を与え、若しくは重大な傷害を加えること又は軍事上の必要によって正当化されない不法且つし意的な財産の広はんな破壊若しくは徴発を行うことをいう。

第五十二条(締約国の責任)[編集]

 締約国は、前条に掲げる違反行為に関し、自国が負うべき責任を免かれ、又は他の締約国をしてその国が負うべき責任から免かれさせてはならない。

第五十三条(調査手続)[編集]

 この条約の違反の容疑に関しては、紛争当事国の要請により、関係国の間で定める方法で調査を行わなければならない。
 調査の手続について合意が成立しなかった場合には、前記の関係国は、その手続を決定する審判者の選任について合意しなければならない。
 この条約の違反の容疑に関しては、紛争当事国の要請により、関係国の間で定める方法で調査を行わなければならない。

最終規定[編集]

第五十四条(用語)[編集]

 この条約は、英語及びフランス語で作成する。両本文は、ひとしく正文とする。
 スイス連邦政府は、この条約のロシア語及びスペイン語による公の訳文が作成されるように取り計らわなければならない。

第五十五条(署名)[編集]

 本日の日付を有するこの条約は、千九百四十九年四月二十一日にジュネーヴで開かれた会議に代表を出した国及び同会議に代表者を出さなかった国で、千九百六年のジュネーヴ条約の原則を海戦に応用するための千九百七年十月十八日の第十ヘーグ条約又は戦地軍隊における傷者及び病者の状態改善に関する千八百六十四年、千九百六年若しくは千九百二十九年のジュネーヴ条約の締結国であるものに対し、千九百五十年二月十二日までその署名のため開放される。

第五十六条(批准)[編集]

 この条約は、できる限りすみやかに批准されなければならない。批准書は、ベルヌに寄託しなければならない。
 スイス連邦政府は、各批准書の寄託について調書を作成し、その承認謄本をこの条約に署名したすべての国又は加入を通告したすべての国に伝達しなければならない。

第五十七条(効力の発生)[編集]

 この条約は、二以上の批准書が寄託された後六箇月で効力を生ずる。
 その後は、この条約は、各締結国についてその批准書の寄託の後六箇月で効力を生ずる。

第五十八条(旧条約との関係)[編集]

 この条約は、締結国間の関係においては、千九百六年のジュネーヴ条約の原則を海戦に応用するための千九百七年十月十八日の第十ヘーグ条約に代るものとする。

第五十九条(加入)[編集]

 この条約は、その効力発生の日から、この条約に署名しなかったすべての国に対し、その加入のため開放される。

第六十条(加入の通告)[編集]

 加入は、書面でスイス連邦政府に通告され、且つ、その書面が受領された日の後六箇月で効力を生ずる。
 スイス連邦政府は、この条約に署名したすべての国及び加入を通告したすべての国にこの加入を通知しなければならない。

第六十一条(直接の効果)[編集]

 第二条及び第三条に定める状態は、紛争当事国が敵対行為又は占領の開始前又は開始後に行った批准又は加入に対し、直ちに効力を与えるものとする。スイス連邦政府は、紛争当事国から受領した批准書又は加入通告書について最もすみやかな方法で通知しなければならない。

第六十二条(廃棄)[編集]

 各締結国は、この条約を自由に廃棄することができる。
 廃棄は、書面でスイス連邦政府に通告しなければならず、スイス連邦政府は、その通告をすべて締結国の政府に伝達しなければならない。
 廃棄は、スイス連邦政府にその通告をした後一年で効力を生ずる。但し、廃棄する国が紛争に加わっている時に通告された廃棄は、平和条約が締結され、且つ、この条約によって保護される者の解放及び送還に関連する業務が終了するまでは、効力を生じない。
 廃棄は、廃棄する国についてのみ効力を生ずる。廃棄は、文明国民の間で確立している慣行、人道の法則、公衆の良心の命ずるところ等に由来する国際法の原則に基づいて紛争当事国が引き続き履行しなければならない義務を害するものではない。

第六十三条(国際連合への登録)[編集]

 スイス連邦政府は、この条約を国際連合事務局に登録しなければならない。スイス連邦政府は、また、この条約に関連して同政府が受領するすべての批准書、加入通告書及び廃棄通告書について国際連合に通知しなければならない。

末文[編集]

 以上の証拠として、下名は、それぞれの全権委任状を寄託してこの条約に署名した。
 千九百四十九年八月十二日にジュネーヴで英語及びフランス語により作成した。原本は、スイス連邦の記録に寄託する。スイス連邦政府は、その認証謄本を各署名国及び各加入国に送付しなければならない。

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