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Page:Wagasyu Iisusu Harisutosu Sin yaku01.pdf/256
彼處に
門徒と
偕に
坐せり。
四時にイウデヤ
人の
節筵なる
逾越節近づけり。
五イイスス
目を
擧げて、
衆くの
民の
彼に
來るを
見て、フィリップに
謂ふ、
我等何處より
餅を
市ひて、
彼等に
食はしめんか。
六之を
言ひしは、
彼を
試みん
爲なり、
蓋自ら
何を
行はんとするを
知れり。
七フィリップ
答へて
曰へり、
銀二百を
以て
餅を
市ふとも、
彼等の
爲に
各少しづゝを
受くるに
足らず。
八其門徒の
一、シモン・ペトルの
兄弟アンドレイ、
彼に
謂ふ、
九此に
一の
童子ありて、
麰麥の
餅五と
小き
魚二とを
有てり、
然れども
是れ
何をか
此の
多數に
爲さん。
一〇イイスス
曰へり、
人人を
坐せしめよ。
其處に
多くの
草あり。
是に
於て
人人席坐せり、
數約五千なり。
一一イイスス
餅を
取り、
感謝して、
門徒に
分ち
與へ、
門徒は
席坐する
者に
與へたり、
魚も
亦然り、
乃欲する
所に
從へり。
一二衆既に
飽きて、
彼門徒に
謂ふ、
餘りたる
屑を
聚めて、
廢る
所毋らしめよ。
一三乃聚めて、
食ひし
者の
餘したる
五の
麰麥の
餅の
屑を
十二の
筐に
盈てたり。
一四人人イイススの
行ひし
奇蹟を
見て
曰へり、
是れ
誠に
世に
來るべき
預言者なり。
一五イイススは
彼等が
來り、
急に
彼を
執りて、
王と
爲さんと
欲するを
知りて、
復獨山に
遁れたり。
一六日の
暮るゝ
時、
其門徒下りて
海に
至り、
一七舟