公教要理説明/02-03

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だい二十七くわ だいかい(二)

142●第一誡だいいっかいにはなにきんずるか

第一誡だいいっかいには涜聖とくせい迷信めいしんとをきんじます。

第一誡だいいっかいあとぶんいましめであって、おもふたつことすなは

涜聖とくせい迷信めいしんとをきんずる

のである。ほかなほモイゼことば何姿なにすがたでもつくことこれつかへることきびしくいましめてったが、これ天主てんしゅかたちもって、いまあらはたまはぬときであって、到底画たうていゑが事出来ことできず、叉殊更またことさらえらまれた人民じんみん周囲ぐるり異教人ゐけうじん偶像拝ぐうざうはいおちゐやすかったから、絶対的ぜったいてきいましめられたのである。てうモイゼ十誡じっかいさづけときは、人民じんみんエジプトじん真似まね牛像ぎうぞうつくり、かみとしてたっとんでったほどであったから其誡そのかい必要ひつえういちじるしくえる。りながらのち天主てんしゅ種々いろゝゝかたちもっ予言者等よげんしゃなどあらは

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れ、ことイエズス、キリストもっ生活せいくわつたまふたので、公教会こうけうくわいでは、偶像等ぐうぞうなどつかへること以前いぜんまゝいましめられてあるが、画像ぐわぞうつくいましめだけはすではいせられたとをしへるのであります。

143●涜聖とくせいとはなにであるか

涜聖とくせいとはせいなるものをけがことであります。たとへば悪心あしきこゝろもっ秘跡ひせきけるなどであります。

せいなるものとは、三種みとほりすなは人物じんぶつ事物じぶつ場所ばしょとをふ。人物じんぶつとは、品級ひんきふ秘跡ひせきまた公誓願こうせいぐわんもって、天主てんしゅ奉事ほうじゆだねたひと事物じぶつとは天主てんしゅ奉事ほうじもちゐるにきまったもの、たとへばなゝつ秘跡ひせき聖油せいゆ祭器さいき祭服さいふく聖書せいしょ十字架じふじか聖遺物等せいいぶつなど場所ばしょとは、祝別しゅくべつされた御堂みどう墓地等ぼちなどである。

せいなる事物じぶつ

けが

とは、あるひかゝ人物じんぶつ其身分そのみぶんため虐待ぎゃくたい罵詈ばりし、其不犯そのふぼんやぶ事等ことなどあるひかゝ事物じぶつ殊更無礼ことさらぶれいあつかひ、たとへばしきこゝろもっ秘跡ひせきさづかまたさづけ、聖書せいしょ十字架じふじか軽蔑けいべつしてわざやぶ事等ことなどあるひかゝ場所ばしょ人殺ひとごろし倫盗ぬすみ邪淫じゃいん叉甚またはなはだしき不敬ふけいもっけが事等ことなどであります。

[下段]

144●迷信めいしんとはなにであるか

迷信めいしんすべまよひ信仰しんかうであります。

文字もんじ

まよひしん

との意味いみで、すべもとづかぬ信仰しんかう無理叉むりまたみだり信仰しんかうごときものをふ、迷信めいしん種々いろゝゝあるが、

だい一、造物崇拝ぞうぶつすうはいすなはなにによらず天主てんしゅよりつくられたものを天主てんしゅかはりに、あるひ天主てんしゅ同様どうやうに、超自然者てうしぜんしゃはゞ自然しぜんえたものとしてをがみ、たふとび、いのなどことであります。

だい二、偶像崇拝ぐうぞうすうはいすなは偶像ぐうぞう画姿ゑすがた霊能れいのうこもってあるごとく、其物そのものたっといのことたとへばほとけぞうでた自分じぶんさすり、霊能れいのううつさうとするがごとことである。

だい三、うらなひ是現これげんれぬこと未来みらいことでもために、種々不当いろゝゝふたうみちもっ判断はんだんすることである。其方法数多そのはふはふあまたあるが、此処こゝ流行はやるのは、人相見にんさうみ手相見てさうみ辻占つじうら御鬮みくじ八卦はっけ占星術ほしうらとり啼声或なきこゑあるひ夢判断ゆめはんだん日選ひえらみ方角選ほうがくえらみ催眠術さいみんじゅつ降神術かうしんじゅつ狐狗狸コックリ亀卜きぼくすなはかめかう裂目さけめもっ吉凶きっけうはかことなどである。

だい四、まじなひこれ神仏しんぶつ通力つうりきもしくは一種いっしゅ法力はふりきもって、やまひ

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いやし、災難さいなんふせぎ、ひとがいおよぼさうとするじゅつである。たとへばうらみはらさうとおもって大木たいぼくくぎち、画姿ゑすがたみづながし、かたけるなど此類このるいである。

だい五、魔術まじゅつこれ奇術きじゅつ手品てじなちがひ、悪魔あくまちから直接或ちょくせつあるひ間接かんせつりて、ひとちからおよばぬ不思議ふしぎことたとへばにはかかぜかせ、いしらし、雷鳴かみなりおとをさせるなどことである。

だい六、虚術きょじゅつすなはむなしきわざもって、似合にあはぬ好果かうくわようとすることで、れいげれば、不浄ふじょう病気等べうきなどけるため標縄しめなはり、悪事災難あくじさいなんふせためのき菖蒲せうぶし、ふくまねためいへうちまめき、死人しにん霊魂れいこんむかへるため門火かどびき、流行病りうかうべう火難盗難くわなんとうなんのがれるため守札まもりふだいへあるひけ、商売繁昌せうばいはんぜうため招猫まねきねこ店頭みせさきくがごとことである。

以上述いぜうのべた様々さまゞゝわざ迷信めいしんるのは、天主てんしゅさだめによるみちでなく、功能こうのういのに、功能こうのうがあるとおもって天主てんしゅはんするちからたのみにするからである。

ちゅう迷信めいしんまこと宗教しうけうおいてもことはない、れいせば天主てんしゅよりも聖人等せいじんなど大事だいじにしにせ奇跡等きせきなどかたり、普通ふつう信者しんじゃ司祭しさい

[下段]

同様どうやうつとめこゝろみ、あるひ御画御像ごゑごぞう霊能れいのうあるがごとおもひ、其物そのものたっとび、これいのり、あるひ天主若てんしゅもしくは公教会こうけうくわいさだめでない方法はうはふもって、たとへば旧約きうやく式等しきなどもっ天主てんしゅたっとび、あるひ教叉をしへまた天主てんしゅ約束やくそく範囲はんゐすごして、祝水しゅくすゐくすりであるとか、大罪だいざいあっても聖母せいぼきものさへてばたすかるとか、御姿おすがたければかなら怪我けがせぬとかおもふがごとこと迷信めいしん相違さうゐない。天主てんしゅ御恵おんめぐみかゝるものにつながれず、まった思召おぼしめしによるからである。

145,146●被造物ひぞうぶつ信仰しんかうし、これいのるは如何いかゞ

天主てんしゅきらたま迷信めいしんつみであります。

信仰しんかうする

とは、しんあほぐとことで、唯豪たゞえら人物じんぶつとしてあがめるばかりでなく、げんたふといもの、たふとぶべく、たのむべきものとしんじ、其教そのをしへまもり、此世或このよあるひのちために、たすけあほことである。信仰しんかう人間同士にんげんどうし信用しんようちがって、宗教しうけうげふり、信者しんじゃもっぱことである。

147●うらなひまじなひ日選等ひえらみなど如何いかゞ

是皆迷信これみなめいしんであります。うらなひまじない日選等ひえらみなどは、だい百四十四のとひべた迷信めいしんだいだい四の種類しゅるいあたるものであります。