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公教要理説明/01-05

提供:Wikisource


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だいくわ ひと

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[下段]

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だい二、

霊魂れいこん天主てんしゅかたどられ

た、すなは幾何いくら天主てんしゅる。(一)天主てんしゅのやうにれいであって、(二)知恵ちゑあり(三)自由じゆうあり(四)物事ものごとつかさどり、(五)叉終またをはりなし、(六)尚天主なほてんしゅわきまへ、あいし、天主てんしゅ合体がったいすること出来できるのは其訳そのわけである

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だい三、

ひと生命いのちもと

霊魂れいこん肉体にくたいあはせられるあひだひときてる、霊魂れいこんければ肉体にくたい死骸しがい腐敗ふはいしかゝる。

だい四、

ひと知恵ちゑもと

(一)道理だうりわかり、(二)えるものから無形むけいことさとり、(三)学問がくもんして種々いろゝゝものまなび、(四)進歩しんぽしてますますゝみ、(五)改良かいれうして遣方やりかたあらためるのは知恵ちゑあってのことである。動物どうぶつ五官ごくわんもっすなはき、ぎ、あぢはひ、れるだけもの幾何いくらさとばかりで、学問がくもん進歩しんぽ改良かいれう出来できぬ、それ知恵ちゑい。其代そのかはりめづらしい本能ほんのう天然てんねん生付うまれついてある。知恵ちゑはたらき脳髄のうずゐもってするけれども、脳髄のうずゐわざばかりでない、脳髄のうずゐ霊魂れいこん使つかはれる機関きくわんであります。

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40●聖寵せいてうけるのはひと当然あたりまへであるか

いな聖寵せいてうけるのはひと本性ほんせいえるめぐみである。これ超性てうせいまた超自然てうしぜんめぐみひます。

本性ほんせい

とは、所謂人性いはゆるじんせいひと生付うまれつき人間にんげん持前もちまへとのこと本性ほんせいえるとは、生付うまれつきえる、あまるとこと

人間にんげんなら身体しんたい霊魂れいこん知恵ちゑ自由じゆうあって、万物ばんぶつ霊長れいてうるのは自然しぜんことすなは当然あたりまへである。しか天主てんしゅから子供こどものやうにあいせられるのは自然しぜんはれぬ、超自然てうしぜんすなはあま天主てんしゅありがたい御恵おめぐみである。たとへてへば、或国あるくにおい国王こくわうより臣民しんみんとしてあいせられるのは当然あたりまへなれど、子等こどもごと

[下段]

あいせられることあるならば、紛幸まぐれるさいはひあま御寵愛ごてうあいほかあるまい。それでも国王こくわう臣民しんみんとは人間同士にんげんどうしことなるに天主てんしゅ人間にんげんとはてんとのちがひである、それ聖寵せいてう

超性叉てうせいまた超自然てうしぜんめぐみ

ふ。

ちゅう超性てうせい支那しな言方いひかたで、日本にほんでは超自然てうしぜんといふはうわかやすい。

41●人祖じんそ聖寵せいてうほか尚恵なほめぐみいたゞいたか

しかり、人祖じんそ楽園らくゑんかれておほいなる幸福さいはひ知恵明ちゑあきらかに心正こゝろたゞしく、とをらぬものでありました。

楽園らくゑん

とは、たのしみその立派りっぱ樹木じゅもくって、天主てんしゅひとために、殊更ことさらそなたまふたたのしいところはれてある。しかアダム此所こゝかれたのは、閑散かんさんあそためではなく、こゝろよこれつくためであった。

おほいなる幸福さいはひ

たとは、何不足なにふそくなくらくくらしてったとこと

知恵明ちゑあきらかに

とは、すぐれた知恵ちゑあたへられ、叉人間またにんげん

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はずことってったとのことおよ我々学われゝゝまなばねばなにらぬもののやうではなく、蜜蜂燕等みつばちつばめなどまなばずして天然てんねん本分ほんぶんってるがごとくであったらう。

心正こゝろたゞしく

とは、種々いろゝゝよくくらまされず、なんなくこゝろしたがはせ、こゝろ天主てんしゅしたがはせて、あくふせ事容易ことやさしかったとの意味いみ

とを

なかったとは、くるしことことはずであったとの意味いみ此状態このありさま人間にんげん当然あたりまへでなく、聖寵せいてうくはへてアダムエワ特別とくべつあたへられ、つみさへかったならば、子孫しそんにもこれゆづはずであった。