り。時約十時なりき。
四〇イオアンに聽きて、イイススに從ひし二人の中、一はアンドレイ即シモンぺトルの兄弟なり。
四一彼先づ其兄弟シモンに遇ひて、之に謂ふ、我等メッシヤ、(譯すればハリストス、)に遇へり。
四二乃彼をイイススに攜へたり。イイスス彼に目を注ぎて曰へり、爾はイオナの子シモンなり、爾はキファ、(譯すればペトル、)と稱へられん。
四三明日イイススガリレヤに往かんと欲し、フィリップに遇ひて、之に謂ふ、我に從へ。
四四フィリップはワィフサイダの人にして、アンドレイ及びぺトルと邑を同じくせり。
四五フィリップはナファナイルに遇ひて、之に謂ふ、我等は、モイセイが其律法に、及び諸預言者が記しゝ所の者に遇へり、是れイオシフの子、ナザレトの人、イイススなり。
四六ナファナイル之に謂ヘり、豈ナザレトより善き者の出づるあらんや。フィリップ曰く、來りて觀よ。
四七イイススはナファナイルの己に來るを見て、彼を指して曰く、視よ、誠にイズライリ人にして、詭譎なき者なり。
四八ナファナイル彼に謂ふ、爾何に由りて我を知れるか。イイスス答へて曰へり、フィリップが未だ爾を呼ばざる先、爾が無花果樹の下に在る時、我爾を見たり。
四九ナファナイル答へて彼に謂ふ、夫子、爾は神の子、爾はイズライリの王なり。
五〇