之に食を與へよ。彼等曰へり、若し往きて、此の衆民の爲に食を市はずば、我等には五の餅と二の魚との外に有るなし。
一四蓋其人約五千ありき。彼其門徒に謂へり、彼等を五十づつ並び坐せしめよ。
一五是くの如く行ひて、衆人を坐せしめたり。
一六彼は五の餅と二の魚とを取りて、天を仰ぎて之を祝福し、之を擘き、門徒に與へて、民の前に陳ねしめたり。
一七皆食ひて飽き、其余りたる屑十二筐を拾へり。
一八イイスス独處に於て祈禱することありしに、門徒彼と偕にせり。彼は之に問ひて曰へり、民我を言ひて誰とか爲す。
一九彼等答へて曰へり、授洗イオアンと爲し、他の者はイリヤと爲し、又他の者は古の預言者の一人復活したりと爲す。
二〇彼は之に謂へり、爾等は我を言ひて誰とか爲す。ペトル答へて曰へり、神のハリストスと爲す。
二一イイスス彼等に戒めて、此の事を人に告ぐる勿からんことを命じたり。
二二又曰へり、人の子は多くの苦を受け、長老等と司祭諸長と學士等とに棄てられ、且殺されて、第三日に復活すべし。
二三又衆に謂へり、人若し我に従はんと欲せば、己を舎て、日々其十字架を負ひて、我に従へ。
二四蓋己の
生命を
救はんと
欲する
者は、
之を
喪はん、
我の
爲に
己の
生命を
喪はん
者は、
之を
救は