なり。三五イイスス彼を禁めて曰へり、口を緘ぢて、此の人より出でよ。魔鬼之を堂中に仆し、少しも之を傷はずして出でたり。三六衆皆驚きて、相語りて曰へり、是れ如何なる言ぞ、蓋彼權を以て、能を以て汚鬼に命じて、彼等出づ。三七其聲聞徧く地の四方に揚れり。三八彼会堂を出でて、シモンの家に入れり、シモンの岳母熱を病むこと甚し、人之が爲に彼に請へり。三九彼其傍に立ちて、熱を禁めたれば、乃退けり、婦直に起きて彼等に供事せり。四〇日の入る時、種々の病を患ふる者を有てる人、咸之を攜へて、彼に就きたるに、彼一一手を其上に按せて、之を医せり。四一魔鬼も亦多くの人より出でて、呼びて曰へり、爾は神の子ハリストスなり。然るに彼は之に禁めて、其ハリストスたるを識ることを言ふを許さざりき。四二朝に及びて、イイスス出でて、野の處に適けり、民彼を尋ね、彼に來りて、其彼等を離れ去らんことを止めたり。四三然れども彼は之に謂へり、我他の邑にも神の國を福音す可し、蓋し我是が爲に遣されたり。四四乃ガリレヤの諸会堂に於て敎を宣べたり。
第五章
一 民が
神の
言を
聴かん
爲に、
彼に
擁し
逼りし
時、
彼ゲンニサレトの
湖の
浜に