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分數に關する整數論的の硏究

とも なる冪は此定義に從て完全なる意義を有し,羃につきて第二章(六)に說きたる諸定理は,基數が分數(正又は負の)なる場合にも,其まゝ適用せられ得べし.要するに羃の凡ての性質は次の二等式より推定し得べきものなり.

(1)
(2)

吾人は今指數は自然數なるべしとの制限を撤去し,此二等式を以て冪の定義として,以て冪の觀念を指數 又は負の整數なる場合に擴充せんとす.基數 なる場合は姑らく之を度外に措かんに,(2) に於て に代ふるに を以てするときは を得,更に (1) を用ゐて さて にあらずとせるにより

(3)

指數が なる場合に於ける冪の意義は之によりて定まる.次に (2) に於て に代ふるに を以てせば 卽ち (3) によりて よりて