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果である。ブルジョアジーとしては、自分󠄃の政治上の目的を達󠄃するために、全󠄃プロレタリアートを動かす必要󠄃があり、そして、一時はそれをなしうるのである。故にこの段階にあつては、プロレタリヤは自分󠄃の敵󠄂と戰はないで、自分󠄃の敵󠄂の敵󠄂と戰ふ。すなはち專制王國の遺󠄃物、大地主、非工業的のブルジョア、小ブルジョアなどと戰ふ。かくて歷史的運󠄃動の全󠄃部はブルジョアの手に集中され、それによつて獲得されるすべての勝󠄃利は、ブルジョアの勝󠄃利である。

 しかるに產業の發達󠄃とともに、プロレタリヤはその數を增加したばかりでなく、ますます大なる集團に押し堅められ、從つてその力が增大し、また彼らがその力を感知する。機械が次󠄄第々々に勞働の差異を消󠄃し、殆んど到る處において、賃銀を同一の低い水準に引下げると同時に、プロレタリヤの利害󠄆、プロレタリヤの內部における生活狀態が次󠄄第々々に平󠄃均して來る。ブルジョア同志の間におけるますます激烈な競爭、およびそれから生ずる商業恐󠄃慌が、いよいよ